プロテスタント
概要
歴史的背景
- 宗教改革の発端
- 1517年、ドイツの神学者マルティン・ルターが「95箇条の論題」を発表し、カトリック教会の腐敗(特に免罪符の販売)を批判しました
- これが宗教改革の始まりです
- 名称の由来
- 1529年、神聖ローマ帝国のシュパイエル帝国議会でルター派がカトリック側の決定に抗議(protestatio)したことから、「プロテスタント」(抗議する者)という名称が生まれました
- 主要な改革者
- ルター以外にもスイスのツヴィングリやフランス出身のジャン・カルヴァンなどが宗教改革を推進しました
プロテスタントの特徴
プロテスタントは以下の3つの基本原理に基づいています:
- 1. 信仰義認
- 2. 聖書中心主義
- 3. 万人祭司主義
- 聖職者と一般信徒は平等であり、すべての人が直接神と向き合うことができる
また、プロテスタントは形式的な儀式や聖職者中心の権威を否定し、個々人の信仰や良心を重視します。
主な宗派
プロテスタントは統一された組織を持たず、多くの宗派に分かれています。代表的なものには以下があります[4][14]:
- ルター派(ルーテル教会)
- カルヴァン派(改革派・長老派)
- 聖公会(アングリカン・チャーチ)
- バプテスト派
- メソジスト派
社会的影響
- プロテスタントは個人主義や民主主義思想に影響を与えたとされます
- 特に「万人祭司主義」や「聖書中心主義」は、人々が自ら考え行動する精神を促しました
- 宗教改革以降、ヨーロッパでは多くの宗教戦争が起こりましたが、その後政教分離や寛容政策が進みました
- マックス・ウェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、プロテスタント倫理が資本主義発展に寄与したと論じています
- 日本での展開
- 日本では明治時代以降、欧米からプロテスタントが伝えられ、多くのミッションスクールや病院設立など社会的貢献を果たしました[
プロテスタントは宗教改革から生まれたキリスト教の一大潮流であり、「信仰」「聖書」「個人」を重視する点でカトリックや正教会とは異なる特徴を持っています。その思想は近代社会や文化にも大きな影響を与えています。
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最終更新:2025年01月16日 10:43