戦犯キャラ
「戦犯キャラ」とは、物語やゲームの中で失敗や判断ミスを犯し、結果的に仲間や組織、状況に大きな悪影響を与えるキャラクターのことを指します。
特徴
- 1. 舐めプ(相手を軽視した行動)
- 相手や状況を甘く見て余裕を見せる行動。結果として敵に反撃のチャンスを与えたり、状況を悪化させる
- 「片手で十分だ」といった発言や行動
- 敵にとどめを刺さず、遊ぶような態度
- 2. 情け(感情的な判断)
- 敵や状況に対して情けをかけたり、感情的な判断で本来すべき行動を取らない。結果的に敵に有利な状況を作る
- 敵を倒すチャンスがあるのに「殺したくない」と見逃す
- 仲間への思いや恋愛感情が判断ミスにつながる
- 3. 油断や慢心
- 自分の力や優位性に過信し、敵の能力や策を軽視する。これが敗北や不利な状況を招く
- 「こんなヤツに負けるわけがない」と高を括る
- 圧倒的優位な状況で警戒心を失い、敵の逆転策に対応できない
- 4. 無策や過信
- 十分な準備や対策を怠り、自分の力だけでなんとかなると考える。結果として敵の策略にはまる
- 敵の強さや能力を調べず突っ込む
- 仲間との連携や計画なしで単独行動する
- 5. 敵にチャンスを与える
- 自らの行動が結果的に敵の力を強化したり、有利な状況を作る原因となる
- 敵に回復アイテムや時間を与える
- 敵が成長・進化する機会を見逃す
- 6. 自己中心的な行動
- 自分の欲望やプライドが優先され、仲間や全体の利益が損なわれる
- 「もっと強い相手と戦いたい」という理由で敵を強化する
- 個人的な復讐心や感情で冷静さを失う
- 7. 短絡的・未熟な判断
- 経験不足や未熟さから来る判断ミス。特に若いキャラクターによく見られる
- 敵の罠にはまり、自分だけでなく仲間も巻き込む
- 短期的な利益だけを考え、長期的には不利になる選択をする
戦犯キャラは「
舐めプ」「情け」「油断」「無策」「敵へのチャンス提供」など、多様な原因によって失敗し物語に影響を与えます。
一方で、その失敗は物語上重要な役割を果たし、ストーリー展開やキャラクター成長に欠かせない要素ですが、キャラクターへの批判の原因となり得るため、その扱いには注意が必要です。
『ドラゴンボール』における戦犯キャラとその原因
『ドラゴンボール』における戦犯キャラとその原因を「1. 舐めプ」「2. 感情的な判断」「3. 油断や慢心」「4. 無策や過信」「5. 敵にチャンスを与える」の観点でまとめました。
場面 |
キャラクター |
説明 |
原因 |
フリーザ編 |
ベジータ |
フリーザとの戦いでは「俺が倒す」と言って 他者の介入を拒み、結果的に敗北 |
5. 敵にチャンスを与える |
セル編 |
ベジータ |
セルの第2形態を圧倒するも、「完全体と戦いたい」 という欲望から18号を吸収させ、セルの完全体化を許しました。 その結果、完全体セルに全く歯が立たず敗北 |
1. 舐めプ |
孫悟飯 |
超サイヤ人2に覚醒しセルを圧倒するも、 「もっと苦しめたい」という慢心からとどめを刺さず、 セルに自爆の隙を与えました |
1. 舐めプ 3. 油断や慢心 |
クリリン |
18号への恋心から緊急停止スイッチを破壊し、 結果的に18号が吸収されてセルが完全体化。 これが地球の危機を招きました |
2. 感情的な判断 |
トランクス |
超サイヤ人第三段階(ムキンクス)という形態で パワーアップするも、スピード不足でセルに敗北。 力だけで勝てると過信した結果です |
4. 無策や過信 |
ピッコロ |
第1形態セルとの戦いで優勢だったにもかかわらず、 太陽拳で逃げられたことでセルが人間を吸収し パワーアップする事態を許しました。 ただしこれはセルの策略による部分もあります |
4. 無策や過信 |
孫悟空 |
セルゲームでフェアな戦いを求めて仙豆を渡し、 完全回復させました。この行動は仲間たちへの 危機につながりました |
5. 敵にチャンスを与える |
ブウ編 |
孫悟空 |
魔人ブウとの戦いで「若い世代に任せたい」という理由から 超サイヤ人3の力を隠し、ブウの早期撃破を逃しました。 この選択は後々大きな被害につながります |
2. 感情的な判断 |
ベジータ |
魔人ブウ復活前、バビディの洗脳を受け入れたことで 観客が犠牲になり、さらに魔人ブウの復活を間接的に 引き起こしました。自身のプライドと慢心が原因です
|
3. 油断や慢心 5. 敵にチャンスを与える |
孫悟飯 |
潜在能力解放後、魔人ブウを圧倒するも余裕の態度で 敵の策を警戒せず、吸収されてしまいました。 この行動は「詰めが甘い」と批判されています |
3. 油断や慢心 |
- 『ドラゴンボール』では、多くのキャラクターが「舐めプ」や「情け」、「油断」などによって敵に隙を与え、大惨事につながる展開が描かれています
- 特にベジータや悟飯はその傾向が顕著であり、彼らの失敗は物語上の緊張感やドラマ性を高める重要な役割も果たしています
- 一方で、これらの行動はキャラクター成長や物語展開には欠かせない要素とも言えるでしょう
作品例
ベジータ『ドラゴンボール』
ベジータは『ドラゴンボール』において、たびたび「戦犯キャラ」として語られる存在です。
その特徴は、彼の性格や行動が原因で敵を強化したり、状況を悪化させたりする点にあります。
- 1. 舐めプ(相手を軽視した行動)
- セル編では、第2形態セルを圧倒するも「完全体と戦いたい」という自己満足から18号を吸収させることを許しました
- その結果、セルが完全体となり、自身では全く歯が立たず敗北。地球全体が危機に陥る原因となりました
- またナメック星でフリーザと対峙した際、自分が「超サイヤ人になった」と過信し、フリーザの本気を引き出す行動を取ります
- しかし、実際には力不足で敗北し、悟空に助けを求める結果となりました
- 2. 情け(感情的な判断)
- 魔人ブウ編では、バビディに洗脳されることで魔人ブウ復活のきっかけを作りました
- この行動は、自分のプライドや悟空との決着への執着心から来たものですが、その結果、多くの犠牲者を生み出しました
- 3. 油断や慢心
- セル編の完全体セルとの戦いでは、自分の力を過信し「俺が倒す」と豪語するも全く歯が立たず敗北
- さらに、自分が敗北した後もトランクスの助言や他者の協力を拒む態度を取りました
- 魔人ブウとの戦いでも一度自爆してブウを倒そうとしましたが、ブウは再生能力によって復活
- この結果、無駄死にとなり状況悪化につながりました
- 4. 無策や過信
- 息子である未来トランクスが警告していたにも関わらず、それを無視して独断行動
- 結果的にセルの完全体化を許すことになりました。
- 破壊神ビルス編ではkビルスとの初対面時、彼の力を理解せず挑発的な態度を取りました
- その後、ビルスの怒りを買い地球破壊寸前まで追い込まれる事態に
- 5. 敵にチャンスを与える
- セル編では、完全体セルとの戦いで「もっと強くなったお前と戦いたい」と敵にチャンスを与えました
- この行動は戦犯キャラとして最も有名なエピソードです。
- フリーザとの再戦時「お前は俺が倒す」と言って悟空の助けを拒否
- 結果としてフリーザが地球破壊という最悪の一手を打つ隙を与えました
ベジータが戦犯キャラとされる理由については、以下のものがあります。
- 1. プライドが高い
- 自分自身やサイヤ人としての誇りにこだわるあまり、冷静な判断ができないことが多い
- 2. 自己中心的な行動
- 仲間や地球全体よりも、自分自身の欲望や目的(例: 強敵との戦い)を優先する
- 3. 敵への過信と油断
- 敵に対して余裕ぶった態度や挑発的な行動が多く、それが失敗につながる
- 4. 成長要素として描かれる
- 戦犯行為は物語上、ベジータ自身の成長や悟りにつながる重要な要素でもあります
ベジータはその高いプライドと
自己中心的な性格から、「
舐めプ」「油断」「無策」などによって物語上多くの危機や失敗を招いてきました。
しかし、その失敗は彼自身の成長やストーリー展開において重要な役割も果たしています。このような「欠点」を持つキャラクター性こそが、彼が愛される理由でもあります。
マチ『HUNTER×HUNTER』
『HUNTER×HUNTER』のマチが「戦犯キャラ」として言及される理由は、主にヒソカとの関係や行動が旅団に悪影響を及ぼしたと解釈される点にあります。
- ヒソカへの「不用意」な発言
- クロロとの戦い後、ヒソカが死亡して生き返った後に、マチは「今度からは闘う相手と場所はちゃんと選ぶ事だね」と伝えます
- これはマチが「クロロともう戦うな」と釘を刺した発言でしたが、ヒソカはクロロが1対1の戦いではなく「旅団メンバーが影で支援していた」可能性に気がついた、とされています
- それにより、ヒソカはルールに乗っ取った戦いを拒み、無差別な旅団壊滅の引き金となったと考えられています
- 「情け」によるヒソカの治療
- ヒソカがクロロとの戦闘で一度死亡した後、マチは念糸縫合で彼を治療しました
- この行為が結果的にヒソカの復活を助け、彼が旅団メンバー(シャルナークやコルトピ)を殺害する事態を招きました
- これについて、一部では「情けをかけた結果」として批判されています
- ヒソカへの「油断」
- マチはヒソカの性格や執念深さを軽視し、彼が復活後にどのような行動を取るかについて深く考えませんでした
- またヒソカへの警戒心が薄く、その場で確実に仕留めることなく見逃しました
- そのため、ヒソカが旅団壊滅を目論むことを予見できず、結果的に旅団全体への被害を拡大させることになりました
- 4. ヒソカへの「油断」による拘束
- ヒソカは、マチを旅団への宣戦布告のメッセンジャーとして生かし、バンジーガムで拘束するだけでした
- マチは「これ解け、殺すぞゴラァア!!」と怒り狂うだけで、ヒソカに完封負けしました
マチはその行動や判断によって、結果的に旅団メンバーの危機を招いたとされています。
特に、「情け」や「油断」が原因となり、ヒソカの復活とその後の
復讐劇につながった点で「戦犯キャラ」として語られることがあります。ただし、この評価にはファン間で賛否があり「マチだけが責任を負うべきではない」という意見も存在します。
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最終更新:2025年02月02日 01:10