フレーミング・デバイス

フレーミング・デバイス

フレーミング・デバイスは、物語の構造を形成するためのプロット・デバイスの一種であり、物語全体を包む「枠組み」として機能します。


概要

物語の枠組みとしての役割
  • フレーミング・デバイスは、物語を始める導入部分と締めくくる結末部分に配置され、物語全体を統一する枠組みを提供します
  • この構造により、読者や観客が物語の背景や文脈を理解しやすくなります
ストーリー内ストーリーの形式
  • しばしば「物語の中の物語」という形式で用いられます
  • たとえば、登場人物が過去を回想する形や、別のキャラクターが物語を語る形式が典型的です
テーマやメッセージの強調
  • フレーミング・デバイスは、物語の中心的なテーマやメッセージを強調するために使用されることがあります
  • これにより、観客に深い印象を与える効果があります
視点と文脈の提供
  • 物語が特定の視点から語られる場合、その視点を明確にする役割も果たします
  • これにより、観客は物語を特定のフィルター越しに体験することになります

フレーミング・デバイスは映画、小説、演劇などさまざまなメディアで使用されており、有名な例として『フォレスト・ガンプ』や『タイタニック』などがあります。
これらでは、主要な出来事が回想形式で語られています。

フレーミング・デバイスの種類

フレーミング・デバイスには、物語の枠組みを形成するために使用されるさまざまな種類があります。
No 種類 特徴 具体例 効果
1 回想形式
フラッシュバック
語り手が過去の出来事を
振り返る形で物語を進行させる構造
映画『タイタニック』では、年老いたローズが
過去の出来事を語る形で物語が展開します
過去と現在を結びつけ、キャラクターの
背景や動機を深く掘り下げます
2 劇中劇
(play within a play)
物語の中に別の物語が挿入される形式 シェイクスピアの『ハムレット』に登場する「劇中劇」や、
『インセプション』のような多層的な夢の構造
主題やテーマを強調したり、メタ的な視点を提供します
3 手紙や日記形式 手紙や日記、記録文書などが
物語の枠組みとして使われる形式
メアリー・シェリーの
フランケンシュタイン』は、手紙形式で物語が進行します
語り手の主観的な視点を強調し、
読者に親密さやリアリティを与えます
4 語り手による直接的な語り
(フレームナラティブ)
物語全体が特定の語り手
によって語られる形式
アラビアンナイト』では、シェヘラザードが
王に話を聞かせる形で物語が進行します
読者にストーリーテリングそのものへの意識を促し、
複数の視点やテーマを織り交ぜます
5 メタフィクション 物語が自らのフィクション性を
意識的に強調する形式
映画『ストレンジャー・ザン・フィクション』では、
主人公が自身が物語内のキャラクターであることに気づきます
観客や読者に現実と虚構の境界について考えさせる

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最終更新:2025年02月03日 23:56