ダブルリバース
ダブルリバースは
キャラクター・チェンジのより高度な技法で、物語の中で主人公と
ライバル(恋人や対立者)が互いに学び合い、自己発見を通じて成長する構造を指します。
この手法は特にラブストーリーや
バディもののジャンルにおいて効果的であり、観客に深い感動と納得感を与えることができます。
概要
ダブルリバースの創作ステップ
以下のプロセスを通じて、物語を構築します:
- 1. 主人公とライバルに弱点と欠陥を設定
- 両者が異なる欠陥を持っていても問題ありません
- これにより、それぞれが乗り越えるべき課題が明確になります
- 2. ライバルに人格と変化の可能性を持たせる
- 3. クライマックスで両者が自己発見を経験する
- 主人公だけでなくライバルも自己発見を通じて変化します
- 4. 相互学習の関連性を描く
- 5. 物語の道徳的な頂点を明確化する
- 両者が学んだ内容が、物語全体のテーマや作者の道徳観と一致するようにします
ダブルリバースのメリット
- 主人公の欠陥が自動的に決まる
- 「自己発見」を決めたらストーリーの冒頭までさかのぼる
- 主人公の欠陥を見直し、自己発見をするための「本当の欠陥」を決める
- 明確なテーマ提示
- 主人公とライバルの対比によって、正しい行動や生き方が観客に強く印象づけられます
- 視点の多様性
- 観客が主人公だけに集中しすぎることなく、俯瞰的にストーリーを楽しむことができます
具体例
- 『クレイマー、クレイマー』
- 離婚した夫婦がそれぞれ親として成長し、最終的には子どもの幸福を最優先する選択をします
- 『カサブランカ』
- 主人公とヒロインが互いに愛と義務について学び合いながら、それぞれの道を選びます
- 『プリティ・ウーマン』
- 実業家と売春婦という異なる背景を持つ二人が、それぞれ自分自身や他者への理解を深めていきます
ダブルリバースが適用できないケース
- 勧善懲悪のストーリー
- ライバルが主人公に倒されるためだけに存在する場合、ダブルリバースは適用できません
- ライバルが成長しない悪役
物語構築のポイント
ダブルリバースでは、自己発見(
キャラクターアーク)から逆算してキャラクターの欠陥や初期設定を決めることが重要です。
これにより、一貫性のある物語展開が可能となります。また、主人公やライバルが抱える「誤った信念」を克服する過程こそが、観客への強いメッセージとなります。
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最終更新:2025年03月04日 07:46