おばあさん語
役割語としてのおばあさん語は、特定の人物像を想起させるために用いられる言葉遣いの一例であり、フィクションにおいて高齢者を表現する際にしばしば使用されます。
おばあさん語の特徴
- 特定の語彙と表現
- おばあさん語には、一人称「わし」や語尾「じゃ」、打ち消し表現「ぬ(ん)」などが含まれます
- これらは、老人語としても知られ、西日本方言的な特徴を持っています
- 歴史的背景
- おばあさん語の起源は江戸時代の上方語にあり、当時の知識人や高齢者が使用していた保守的な言葉遣いが基になっています
- これが芝居や戯作で誇張されて用いられるようになり、フィクションで定着しました
- フィクションでの使用
- 漫画やアニメ、SF小説などでは、高齢者キャラクターの言葉遣いとしておばあさん語が用いられます
- 例えば、『千と千尋の神隠し』では湯婆婆が「~かね」「~おくれ」といった表現を使っています
- 文化的ステレオタイプ
- おばあさん語は、特定の文化的ステレオタイプを反映しており、物語において高齢者としての役割を担うキャラクターに多く見られます
- これにより、視聴者や読者はそのキャラクターが高齢者であることを容易に認識できます
老人語とおばあさん語の違い
老人語はより形式的で古風な印象を与えるのに対し、おばあさん語は柔らかさと親しみやすさを重視した言葉遣いとなっています。
種類 |
特徴 |
説明 |
具体例 |
老人語 |
一人称と語尾 |
老人語では、一人称に「わし」を使い、 語尾に「じゃ」や「〜ぬ(〜ん)」を付けることが多いです |
「わしはこれが好きじゃ」 「今日は寒いのう」 |
古風な表現 |
老人語には、現代ではあまり使われない古風な言葉が含まれます |
「行きしなの汽車でご不浄に行きたくなったわい」 (「行きしな」は目的地へ向かう途中、「ご不浄」はトイレを意味する) |
おばあさん語 |
柔らかく親しみやすい表現 |
おばあさん語は、より柔らかく親しみやすい印象を 与えるため、優しい口調が特徴です |
「まあまあ、お茶でも飲んでおくれ」 「今日はいい天気じゃねぇ」 |
家庭的なニュアンス |
おばあさん語は、家庭的で温かみのある表現が多く、 孫や若者に対して使われることが多いです |
「おぬしも元気でおるかね」 (「おぬし」は親しみを込めた二人称 |
関連用語
- ロリババア: 見た目が少女だが、中身は老女という組み合わせのキャラクター。セリフがおばあさん語になりやすいです
関連ページ
最終更新:2024年11月03日 02:12