時間SF
時間移動を
テーマにしたストーリーのジャンル。
一般的には
タイムトラベルと呼ばれますが、タイムトラベルが受動的なニュアンスに対して、時間SFは能動的に時間を操るニュアンスが含まれるためやや幅広いジャンルとなります。
サブジャンル
このジャンルには、主に以下のようなサブジャンルが含まれます:
- タイムリープ: 意識のみが過去に戻り、記憶を保持したまま行動をやり直すストーリー
- タイムループ: 特定の時間帯を繰り返し体験するストーリー
- タイムスリップ: 予期せぬ出来事で突然時間移動するストーリー
これらのサブジャンルは、しばしば重複したり混在したりすることがあります。例えば、『STEINS;GATE』はタイムリープとタイムトラベルの要素を併せ持っています。
作品例
『STEINS;GATE』
『STEINS;GATE』は、独特の時間SFの要素を持つ作品です。
- 世界線の概念
- 『STEINS;GATE』の時間SFの中核を成すのは「世界線」という概念です。
- 世界線とは並行して存在する複数の歴史のことを指します。
- 各世界線は微妙に異なる歴史を持ち、人々の運命も変化します。
- 世界線の収束理論により、一定の出来事は異なる世界線でも必ず起こるとされています。
- タイムトラベルの方法
- 作中では主に2つのタイムトラベル方法が登場します。
- Dメール
- 過去にメールを送ることで世界線を変動させる手法です。
- 小さな変化から大きな結果を生む「バタフライ効果」の原理に基づいています。
- タイムリープマシン
- 人間の記憶を過去に送り返す装置です。
- 最大48時間前までの過去に自分の記憶を送ることができます
- 主人公の特殊能力
- 主人公の岡部倫太郎は「リーディングシュタイナー」という特殊能力を持っています。
- 世界線が変動しても、前の世界線の記憶を保持できる能力です
- この能力により、岡部のみが世界線の変動を認識することができます
- 時間パラドックスの扱い
- 『STEINS;GATE』では、時間パラドックスを以下のように扱っています。
- 過去を変えることで未来が変わり、新たな世界線が生まれます
- しかし、世界線の収束により、一定の出来事は必ず起こるとされています
- これにより、単純な因果関係の矛盾を避けつつ、複雑な時間操作のストーリーを展開しています
- 科学的背景
- 作品は実在の科学理論や仮説を基にしています。
- CERN(欧州原子核研究機構)のミニブラックホール生成実験が題材となっています
- ジョン・タイターの時間旅行者説など、実在の都市伝説も取り入れられています
『STEINS;GATE』は、これらの要素を組み合わせることで、独自の時間SFの
世界観を構築し、複雑かつ魅力的なストーリーを展開しています。
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最終更新:2024年12月30日 19:07