恐妻家
恐妻家(きょうさいか)とは、妻が夫よりも優位な立場にあり権力を持つといった夫婦関係にある夫、妻を恐れる夫、などの意味。
恐妻家と鬼嫁のニュアンスの違い
恐妻家と
鬼嫁は、どちらも夫婦関係に関連する言葉ですが、それぞれ異なる意味を持ちます。
恐妻家は妻に対して頭が上がらない夫のことで、愛情や照れ隠しから自称する場合もあります。
それに対して、
鬼嫁は非常に厳しく冷徹な態度を取る無慈悲な妻を表します。
- 恐妻家とは
- 恐妻家は、妻に対して頭が上がらない夫を指す言葉です
- 夫が妻を恐れている、または妻の言いなりになっている状態を表します
- 恐妻家の夫は、必ずしも妻を嫌っているわけではなく、むしろ妻への愛情が強く、照れ隠しとして「恐妻家」を自称することもあります
- また、恐妻家の夫婦は意外と円満であることが多いとも言われています
- 鬼嫁とは
- 一方で、鬼嫁は非常に厳しく無慈悲な態度を取る妻を指します
- 夫に対して冷徹で思いやりがなく、強い態度で接することが特徴です
- 鬼嫁という言葉は、夫が冗談半分で使うこともありますが、周囲から見て「厳しい妻」として認識されることが多いです
- 恐妻家と鬼嫁の関係性
- 恐妻家と鬼嫁の関係性は、恐妻家の夫は鬼嫁のような強い性格の妻に対して頭が上がらない状態と考えることができます
- つまり、恐妻家の夫にとって、鬼嫁のような厳しい態度を取る妻が存在することで、その関係性が成立します
- ただし「恐妻家」と「鬼嫁」は必ずしもセットではありません
- 恐妻家の夫は愛情ゆえに自発的に頭が上がらない場合もあり、一方で鬼嫁は必ずしも全ての夫を恐怖させるわけではないため、それぞれ独立した概念でもあります
作品例
中村主水『必殺シリーズ』
中村主水 (なかむらもんど) は、時代劇『必殺シリーズ』に登場するキャラクターで、典型的な恐妻家として知られています。
- 1. 家庭内での立場
- 中村主水は、妻のりつと姑のせんに日常的にいびられています
- 特に「出世しない」「給料が少ない」「子供ができない」といった理由で、二人から疎まれています
- 彼は婿養子として中村家に入り、家庭内では常に弱い立場にあります
- 姑と妻の名前が「せんりつ(戦慄)」に由来することからも、彼にとって二人は恐怖の存在であることが示されています
- 2. 怠惰な生活態度
- 主水は奉行所で「昼行燈」として知られ、仕事を真面目にこなさず、出世の見込みもありません
- そのため、家庭でも怠惰な生活態度を理由にさらにいびられることになります
- 3. 表には出さない愛情
- いびられる一方で、中村主水と妻りつとの間には深い愛情があることも描かれています
- 彼は表には出さないものの、劇中では二人が深く結ばれていることを示唆するエピソードも多く存在します
- 4. へそくりとその結末
- 主水はへそくりが趣味で、裏稼業や袖の下などで得た金銭を家中に隠しています
- しかし、それを見つけられてしまい、結局生活費や遊興費に使われてしまうというオチがしばしば描かれます
このように、中村主水は家庭内では常に妻と姑に頭が上がらず、恐妻家としての悲哀を体現するキャラクターです。しかし、それでも家族への愛情を持ち続けている点が彼の魅力でもあります。
関連ページ
最終更新:2024年11月13日 01:22