ヨモツシコメ(黄泉醜女)
ヨモツシコメ(黄泉醜女)は、
日本神話に登場する
黄泉の国に住む怪物、または神です。
彼女は特に『古事記』や『日本書紀』に記述されており、死者の国である黄泉国に関連した存在として描かれています。
ヨモツシコメの概要
ヨモツシコメは、
日本神話において
死後の世界である黄泉の国を象徴する恐ろしい追手として描かれています。彼女の存在は、死や穢れと深く結びついており、生者が死者の世界から逃れることの困難さを象徴しています。また、その追跡劇には、日本人が古代から抱いていた
死生観や穢れへの恐怖が反映されています。
- 1. ヨモツシコメの役割
- ヨモツシコメは、イザナギが黄泉の国から逃げ出す際に、イザナミによって追手として送り出されます
- イザナギが黄泉の国で変わり果てたイザナミの姿を見て逃げ出すと、イザナミは恥をかかされたことに怒り、ヨモツシコメを追わせました
- ヨモツシコメは非常に速く、イザナギを追い詰めますが、イザナギが髪飾りや櫛を投げると、それが山葡萄や筍に変わり、ヨモツシコメがそれらを食べている間にイザナギは逃げ延びました
- 2. 外見と性質
- 「シコメ」という名前からもわかるように、ヨモツシコメは醜い女性として描かれています
- 「シコ」は「醜い」という意味であり、その姿は恐ろしいものとされています
- ただし「醜い」という表現には単なる外見的な意味だけでなく、死や穢れといった象徴的な意味も含まれていると考えられています
- 3. 象徴的な意味
- ヨモツシコメは単なる怪物ではなく、黄泉の国の穢れや死そのものを具現化した存在とも解釈されます
- 彼女の追跡行動や食べ物への執着は、死者の世界から逃れようとする生者への執拗な追跡を象徴していると考えられます
- また「シコ」という言葉には「強さ」の意味も含まれており、単なる醜さだけでなく力強さや恐ろしさも併せ持つ存在です
- 4. 関連する他の存在
- 同じく黄泉国に関連する存在として「ヨモツイクサ」(黄泉軍)や「八雷神」なども登場します
- これらの存在もまた、イザナギを追い詰めるために送り出されましたが、最終的にはイザナギによって撃退されました
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最終更新:2024年11月17日 11:30