ムー大陸

ムー大陸

ムー大陸は、かつて太平洋に存在したとされる伝説上の大陸です。


失われたムー大陸

ムー大陸の存在は19世紀後半から20世紀初頭にかけて、イギリスの作家ジェームズ・チャーチワードが提唱した説が有名で、彼の著書『失われたムー大陸』によって広く知られるようになりました。チャーチワードによると、ムー大陸は約1万2,000年前に存在し、東西7,000km、南北5,000kmにも及ぶ巨大な大陸で、現在のハワイ諸島やマリアナ諸島、イースター島などがその一部だったとされています。

ムー大陸には高度な文明が栄えており、人口は6,000万人を超え、首都ヒラニプラでは太陽神の化身である帝王ラ・ムーが統治していたとされています。この文明は建築技術や航海術に優れ、世界中に植民地を築いたとも言われています。しかし、巨大地震や火山噴火、大津波などの天変地異によって、一夜にして海底に沈んでしまったとされています。

チャーチワードは、この説をインドで発見した「ナーカル碑文」やマヤ文明の文書に基づいて主張しましたが、その信憑性については疑問視されています。特に、彼が提示した一次資料の信頼性や彼自身の経歴にも疑義があり、多くの学者から批判を受けています。

さらに、現代の地質学的調査や海底探査によっても、ムー大陸が存在したという証拠は見つかっておらず、プレートテクトニクス理論などからも短期間で大陸が沈むことは不可能とされています。そのため、ムー大陸は科学的には存在しなかったと考えられています。

一方で、ムー大陸はオカルトや新宗教の分野では今なお語られ続けており、その影響力はさまざまなフィクション作品にも見られます。

関連ページ

最終更新:2024年11月16日 14:28