ヘスティア
ヘスティアの概要
ヘスティアは目立つ神話こそ少ないものの、家庭や国家という日常生活に密接した重要な役割を担う女神です。その穏やかで献身的な性格から、多くの人々に信仰され続けました。現代でも「家族」や「平和」の象徴として語り継がれています。
- 系譜
- 象徴
- 彼女の象徴は炉(暖炉)や聖火であり、聖獣としてロバが挙げられます
- 性格
- 優しく穏やかで慈悲深い性格を持ち、孤児や家庭を守る存在として崇拝されました
- 1. 家庭と炉の守護者
- ヘスティアは家庭生活の中心である炉を象徴し、その火を絶やさないことで家庭の繁栄と平和を保証するとされました
- 家庭の延長として国家全体も守護し、多くの都市国家では市庁舎(プリュタネイオン)にヘスティアの聖火が灯されていました
- 2. 処女神としての誓い
- ポセイドンとアポロンから求婚されましたが、それを断り、生涯独身であることをゼウスに誓いました
- ゼウスはその代わりに、すべての家と神殿で最初に祀られる権利を与えました
- 3. 平和と調和の象徴
- ヘスティアは争いごとを避ける性格から、オリュンポスの神々間でも調停者として機能しました
- また、「家庭」と「国家」の平和を象徴する存在として崇拝されました
神話
- 1. クロノスによる飲み込みと解放
- クロノスによって最初に飲み込まれた子供でありながら、ゼウスによって最後に吐き出されたため、「最年少の長女」として特別な立場に置かれました
- 2. プリアポスとの逸話
- 生殖と豊穣の神プリアポスが眠るヘスティアに近づこうとしましたが、近くにいたロバが鳴いて彼女を守ったという伝説があります
- このためロバは彼女の聖獣となりました
- 3. ディオニュソスへの座譲り
信仰と影響
- 古代ギリシアでは、新しい植民地を建設する際にヘスティアの聖火が運ばれるなど、彼女は「家」や「国家」の中心的存在と見なされていました
- ローマ神話ではウェスタ(Vesta)として同一視され「ウェスタの巫女」と呼ばれる祭司たちによって崇拝されました。これら巫女たちは厳格な処女性を保ちながら重要な社会的役割を果たしました
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最終更新:2024年11月28日 00:53