クロノス

クロノス


クロノス(Κρόνος, Kronos)は、ギリシア神話におけるティターン神族の一柱で、農耕の神として知られています。
彼は天空神ウラノスと大地母神ガイアの末子であり、ティターン神族の長として、父ウラノスを打倒し、全宇宙を支配する二代目の神々の王となりました。


クロノスの物語

クロノスは母ガイアの助言を受けて、父ウラノスを打倒するためにアダマス製の鎌(ハルパー)を使い、父の性器を切り取って追放しました。この行為により、彼はティターン神族の支配者となります。しかし、ウラノスから「自分も子供に打倒される」という予言を受けたクロノスは、自分の子供たちが生まれるたびに飲み込むという恐ろしい行為を行いまし。

クロノスとレアとの間には、ヘスティアデメテルヘラハデスポセイドンゼウスといった子供たちがいましたが、末子ゼウスだけはレアが石を偽って飲ませたため助かり、後に成長したゼウスが兄弟姉妹を解放し、クロノスに反旗を翻します。ゼウスはティターン神族との大戦(ティタノマキア)で勝利し、クロノスは敗北しました。

象徴と役割

クロノスは農耕や収穫の神としても崇拝されており、その象徴として鎌が用いられます。また、「破壊と再生」を象徴する存在でもあり、古い秩序を破壊し、新しい秩序を創造する役割を担っています[5]。一方で、「時間」を象徴する神であるクロノス(Χρόνος, Khronos)とは別の存在であり、この二者はしばしば混同されますが、本来異なる神です。

ローマ神話との関連

ローマ神話では、クロノスはサートゥルヌス(サターン)と同一視されており、彼が支配していた時代は「黄金時代」とされ、人々に豊穣と平和をもたらしたと伝えられています。また、サートゥルヌス祭(サトゥルナリア)という収穫祭が盛大に祝われました。

結末

最終的にクロノスはゼウスによって打倒され、その後タルタロスに幽閉されたとも言われていますが、一説では「至福者の島」で支配者として再び君臨したともされています。

このように、クロノスはギリシア神話において重要な役割を果たした存在であり、その物語は親子間の権力争いや運命から逃れられないというテーマが強調されています。

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最終更新:2025年01月09日 07:33