それいけ!お天気娘ズ
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エピソード: ハロウィン、奇妙な出会い
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「ふぁ〜あ…よーく寝たのぅ」
そう寝ぼけながら呟いたのは稀代の大魔王のじゃロリ猫である。
「こうも平和じゃと…昼寝しとるのが一番の幸せと感じるもんじゃな」
腰を捻って軽く柔軟をしながらも現在の拠点である青空小学校の裏山の社で街の様子を観察していた。
「んんぅ?なーんじゃ?あのちんちくりな百鬼夜行は??」
のじゃロリ猫の視線の先には青空商店街での人だかりだった。
そこではいつも以上に人だかりができており普段と違う様子でもある。人々が幽霊や骸骨、かぼちゃなど楽しげな仮装をして楽しんでいるのであった。
そこではいつも以上に人だかりができており普段と違う様子でもある。人々が幽霊や骸骨、かぼちゃなど楽しげな仮装をして楽しんでいるのであった。
「そうじゃそうじゃ、今日はハロウィンという催し物の日じゃったの。海の向こうでの盆みたいなもんで仮装をして魔除けだったりもするんじゃったな。無論このわしにはそんなの関係ないんじゃがお菓子がもらえるとなれば話は別じゃの、もちろんイタズラでもわしは一向にかまわんッッ」
生まれた頃にはなかったイベントに対しウキウキ気分となったのじゃロリ猫は仮装もなしに街に繰り出すのであった…
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ところ変わって青空商店街、いつもの仲良しお天気娘ズのみんなも仮装してお菓子をもらいに練り歩いていた。
「へっへーん!太陽がトレードマークだけど今宵は吸血鬼、ちゅーちゅーしちゃうもんね!」
黒を基調としてコウモリリボンに牙も仕込んだ吸血鬼風の暁星旭
黒を基調としてコウモリリボンに牙も仕込んだ吸血鬼風の暁星旭
「包帯ぐるぐる巻きで登場!別にケガなんてしてないよ!でもリボンみたいに結んであってかわいいでしょ?」
包帯をリボンに見立ててひらひらの風になびくミイラ風の雨宮五月
包帯をリボンに見立ててひらひらの風になびくミイラ風の雨宮五月
「ふっふっふ、今日の私はワイルドで肉食だぜ!あ、甘いお菓子も大好きだからそれもいただくぜ!」
ケモミミケモしっぽと全体的にもふもふなオオカミ男風の雷堂セツカ
ケモミミケモしっぽと全体的にもふもふなオオカミ男風の雷堂セツカ
「わたくしはあくまでゴシック風で本格的に。こちらの竹箒もわたくしどもの財閥の職人が素材を一から厳選して穂先の一本から美しさを追求して…」
自慢の衣装を嬉しく饒舌に語っているところがさながら呪文を唱えているような魔女風の風祭嵐華
自慢の衣装を嬉しく饒舌に語っているところがさながら呪文を唱えているような魔女風の風祭嵐華
「えっ、着物着てるのわたしだけ…?あ、そうか。ハロウィンって海外の文化だもんね」
もらえるお菓子のことで頭がいっぱいだった雪女風の雪光兎羽
もらえるお菓子のことで頭がいっぱいだった雪女風の雪光兎羽
クラスの友達やよくお使いに行くお店屋さんまで5人は馴染みのある人たちのところへぞろぞろと行進をしておしゃべりしながらお菓子をもらいハロウィンを存分に楽しんでいた。
「いやチョコにアメにうれしいね、たはは。毎日ハロウィンでもいいよ私は!」
「そしたら虫歯になっちゃうでしょ…?」
「旭は歯磨きサボりがちだもんな」
「うっ、お菓子詰め込みすぎた…お茶お茶💦」
「はいはい兎羽ちゃん、ここにありますわ」
「そしたら虫歯になっちゃうでしょ…?」
「旭は歯磨きサボりがちだもんな」
「うっ、お菓子詰め込みすぎた…お茶お茶💦」
「はいはい兎羽ちゃん、ここにありますわ」
今日の戦果物をみんなで分け合いながら過ごしていると商店街の中央広場で人だかりができているのを見つけた。
「あれってなんで人が集まってんの?」
「なんかイベントショーでもあるんじゃねえの?」
「どうやらピエロ集団によるマジックショーをやってるみたい」
ほほう、とにやり顔の旭は早速みんなで見にいこうと誘いみんなもそれに乗っかった。
「なんかイベントショーでもあるんじゃねえの?」
「どうやらピエロ集団によるマジックショーをやってるみたい」
ほほう、とにやり顔の旭は早速みんなで見にいこうと誘いみんなもそれに乗っかった。
仮装の種類も様々あるがピエロというのはいささか特殊である。ピエロというのはモノマネや大食い、軽業などで大衆を喜ばせるものであるが、その中でもかつては王族や貴族に対して冗談まじりに意見を述べられるなどと無礼な中でも自由に動くことができたということもあるそうだ。
吸血鬼やオオカミ男などは実際には存在しない魔物に扮することで魔除けとなるがピエロの場合は実在しつつも魔除けのような役割をもっていた。
吸血鬼やオオカミ男などは実際には存在しない魔物に扮することで魔除けとなるがピエロの場合は実在しつつも魔除けのような役割をもっていた。
綱渡り、ジャグリング、火の輪くぐり…
それぞれ小さいピエロ、のっぽなピエロ、痩せてるピエロ、太っているピエロたちは次々に自慢のワザを披露していった。
途中から見始めた旭たちもすぐにその盛り上がりを共有できた。
それぞれ小さいピエロ、のっぽなピエロ、痩せてるピエロ、太っているピエロたちは次々に自慢のワザを披露していった。
途中から見始めた旭たちもすぐにその盛り上がりを共有できた。
「次なるはこのわたくしめがお客様と一緒に稀代の奇術をなしとげましょう」
するとその中で唯一、少女のピエロが声を発した。
さあさあ、一緒にやりたい人は?と、観客を煽る少女ピエロ
するとその中で唯一、少女のピエロが声を発した。
さあさあ、一緒にやりたい人は?と、観客を煽る少女ピエロ
「ンッンー、じゃあ…そこの小さなコウモリさん!」
一瞬誰のことだと思ってたが吸血鬼の格好をしていることから自分のことだと察した。その瞬間オメーも小さいだろとプンスカしてたがすぐに舞台の中央に引っ張られた。
一瞬誰のことだと思ってたが吸血鬼の格好をしていることから自分のことだと察した。その瞬間オメーも小さいだろとプンスカしてたがすぐに舞台の中央に引っ張られた。
「さて、今回わたしとこの小さなコウモリさんとで織りなすのはびっくり仰天切断ショーでーす!!」
そう説明しながら慣れた手際で旭を専用のボックスの中に入れる。
「それぞれ3箇所にこちらのノコギリでギゴギコジョリジョリ行きたいと思いまーす!」
それではまず一つ目とウインクをしながら刃物を入れた少女ピエロ
「い゛でででででで!!!」
これマジックだよね!?と訴えかけるような目で叫ぶ旭
「あらあら、ごめんなさいちょっと力みすぎちゃった💕ふんっ!!」
そう言ってまずは上半身と下半身が分離してしまった。
そう説明しながら慣れた手際で旭を専用のボックスの中に入れる。
「それぞれ3箇所にこちらのノコギリでギゴギコジョリジョリ行きたいと思いまーす!」
それではまず一つ目とウインクをしながら刃物を入れた少女ピエロ
「い゛でででででで!!!」
これマジックだよね!?と訴えかけるような目で叫ぶ旭
「あらあら、ごめんなさいちょっと力みすぎちゃった💕ふんっ!!」
そう言ってまずは上半身と下半身が分離してしまった。
「うっそだろ…?」
「これほんとに取れちゃったんですの…?」
「いやいやそれはないって」
五月が冷静にツッコミを入れつつでもタネも仕掛けも分からずにいる。
「これほんとに取れちゃったんですの…?」
「いやいやそれはないって」
五月が冷静にツッコミを入れつつでもタネも仕掛けも分からずにいる。
「あのあの、ピエロさーん!私今どうなっているんですかー!?」
「あらまコウモリさん見て分からないんですかぁ?いま真っ二つになってますよ💖」
「だーからどうなってるのか聞いてんだよなぁ!!」
初対面の割に軽妙なコントのような掛け合いをしつつそのまま第二刀、第三刀と差し込んで旭の体はどんどんバラバラになっていった。
「あらまコウモリさん見て分からないんですかぁ?いま真っ二つになってますよ💖」
「だーからどうなってるのか聞いてんだよなぁ!!」
初対面の割に軽妙なコントのような掛け合いをしつつそのまま第二刀、第三刀と差し込んで旭の体はどんどんバラバラになっていった。
「これ元に戻れるの…?」
「大丈夫ですよぅ、コウモリさんは吸血鬼だからこれくらいのキズはすぐ治せますでしょ??」
「これはコスプレだっつの!」
「ふふふ、それだけ元気があれば問題ないですってんもぅ」
「大丈夫ですよぅ、コウモリさんは吸血鬼だからこれくらいのキズはすぐ治せますでしょ??」
「これはコスプレだっつの!」
「ふふふ、それだけ元気があれば問題ないですってんもぅ」
少女ピエロがそれぞれバラバラになったパーツをくるくる回転させながら拍手喝采を浴びている。
そして指を鳴らした瞬間、煙幕がはられた。
観客が息を呑む中少しずつ煙が晴れて2人の少女が現れ再び拍手喝采を浴びるのだった。
そして指を鳴らした瞬間、煙幕がはられた。
観客が息を呑む中少しずつ煙が晴れて2人の少女が現れ再び拍手喝采を浴びるのだった。
「わたくしもやったらできるかしら…?」
「じゃこの刀で試しにやってみる?」
「旭死んじゃうからやめよ、ね??」
「じゃこの刀で試しにやってみる?」
「旭死んじゃうからやめよ、ね??」
「な…なんじゃこりゃ…??」
「ふふふ、さいっこうにクレイジーだったでしょ?」
少女ピエロは旭の手を握り一緒に観客に向けて手を振るのであった。
「ふふふ、さいっこうにクレイジーだったでしょ?」
少女ピエロは旭の手を握り一緒に観客に向けて手を振るのであった。
………
……
…
……
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ショーが終わりほっと一息入れる旭
「いやあれ絶対私切断されてたって」
「まあ切断されてたよね」
「タネや仕掛けは受けてみてわからなかったの?」
「ぜーんぜん、慌ててそれどころじゃなかったよ」
片付け準備をしているピエロの集団、せっかくだからショーの舞台に上がらせてもらったお礼を伝えようと向かった。
「おっ、お嬢ちゃんたちわざわざありがとうね。はいこれアメあげる、あといらないと思うけど風船いる?」
ピエロのおじさんたちと話をしてて不思議なことがわかった。
「いやあれ絶対私切断されてたって」
「まあ切断されてたよね」
「タネや仕掛けは受けてみてわからなかったの?」
「ぜーんぜん、慌ててそれどころじゃなかったよ」
片付け準備をしているピエロの集団、せっかくだからショーの舞台に上がらせてもらったお礼を伝えようと向かった。
「おっ、お嬢ちゃんたちわざわざありがとうね。はいこれアメあげる、あといらないと思うけど風船いる?」
ピエロのおじさんたちと話をしてて不思議なことがわかった。
まず1つはあの少女ピエロはこの集団の正規のメンバーではないということ。
2つはおじさんピエロたちもあの手品のタネや仕掛けを知らないということ。
おじさんたちも自分たちに協力してくれてかつ派手な手品だからよくわからないけれどすぐに舞台に誘ったんだと。
2つはおじさんピエロたちもあの手品のタネや仕掛けを知らないということ。
おじさんたちも自分たちに協力してくれてかつ派手な手品だからよくわからないけれどすぐに舞台に誘ったんだと。
「ははは、お嬢ちゃんも味わったからわかると思うけどあれ1発目すごい痛いよね」
おじさんピエロは痛そうなモノマネをしながら私たちを笑わせてくれて他のピエロからゲンコツをもらって片付け作業に戻っていった。
おじさんピエロは痛そうなモノマネをしながら私たちを笑わせてくれて他のピエロからゲンコツをもらって片付け作業に戻っていった。
日も落ちてきてそれぞれが家路に向かい始める
「なんだか変な話だね」
「それだけ即戦力ってことだったんでしょ」
「不用心な、でもタネも仕掛けもわからないマジックなんてすごいよね」
「もしかして…『女児符号』…?」
「まっさかー!」
「なんだか変な話だね」
「それだけ即戦力ってことだったんでしょ」
「不用心な、でもタネも仕掛けもわからないマジックなんてすごいよね」
「もしかして…『女児符号』…?」
「まっさかー!」
1人、また1人とそれぞれの帰り道に分かれていき1人薄暗い夕暮れ道を歩いいていた旭
「やっぱり直接お礼を言いたかったなー」
そうぼそっとつぶやいたとき、すれ違いざまにその言葉は耳に入った。
「またどこかで、そう遠くない日に…💖」
「次はバラバラじゃすまないかもね…キャハハハハ!!」
「!!?」
あのピエロの少女の声を確かに聞いたような先程までの楽しかった気持ちとは真逆の心がざわつくような気持ちになる旭だった。
「やっぱり直接お礼を言いたかったなー」
そうぼそっとつぶやいたとき、すれ違いざまにその言葉は耳に入った。
「またどこかで、そう遠くない日に…💖」
「次はバラバラじゃすまないかもね…キャハハハハ!!」
「!!?」
あのピエロの少女の声を確かに聞いたような先程までの楽しかった気持ちとは真逆の心がざわつくような気持ちになる旭だった。