初級者向けRTS基本解説
この項はある程度対戦したが中々活躍できないプレイヤーが知るべき知識について記述したものである。
特にNで攻撃を受けてダメージを負ってしまう人、なぜか敵の軍の方がはるかに量が多く当たり負ける人はぜひ参考にして欲しい。
この文章を読む前にまずマニュアルを熟読し、次にもう少し初歩的な部分について解説してあるストーリー1~3面の右に現れるヒントを全部読んでおくとより理解しやすくなるだろう。
連続生産を止めてはならない理由
作業妖精の生産を止めると止めた時間だけ本来得られたはずの資源収入量が減り、生産できる軍が少なくなってしまう。拠点で生産を止めると1体が遅くなるだけではなく、1秒止まればそこから生産する全部の作業妖精が1秒遅くなる。もしあと50体生産するなら50体分の1秒が損なわれる。これは1秒当たり資源25であり、1分で1500も損をする。
戦闘
ユニットの生産を止めると軍が少なくなり、戦闘で勝てなくなってしまう。
つまり連続生産を止めることは負けに直結するため、ユニットは常にキューに入れて作り続けなければならない。
また大量のキューはその時点では資源を消費するだけで何も生み出さないので、資源に別の使い道があるのならできる限りキューを少なくすべきである。常に操作できるなら生産が終わる直前で2つ目を入れるのが理想だが、現実的には2~3つで妥協してもかまわない。
逆に攻めるときやハラス対処するときなど、しばらく生産の操作すらできないほど他の操作に集中しなければならない場合はあらかじめたくさんキューを入れておくと連続生産を止める心配がなくなる。
資源の使い道がない場合もキューを入れてかまわない。例えば22N25Hオーダーは人口25/25のときに丁度酒800信仰800溜まるのでNへの進化中に3人分キューを入れて良い。
連続生産はできているかどうかですさまじく大きな差になるため、絶対にできるようになる必要がある。リプレイを見るときに拠点を選択してどんなときに連続生産が止まっているかを確認すると改善しやすいだろう。
資源を使いきらなければならない理由
資源は採取しただけでは何の戦力にもならない。ユニットや建物、研究に変換して初めて戦力に貢献する。
ゆえに資源は常に使いきり、勝利に対して何らかの貢献をしている状態にするのが理想である。
…のだが戦略譚は内政戦闘両方が忙しいため資源管理が非常に困難で、上位プレイヤーですら資源を余らせる事が多々ある。資源を使いきる事はRTSの基本中の基本だが、戦略譚では奥義となりうる非常に難しい技術である。これはつまり上達すればその分成果が出やすい部分とも言える。
資源を溜めて良い場面も存在する。
例えばNに進化するためには酒500を溜めなければならないし、Hへの進化中は進化後即拠点を建てるために木を400以上集める必要がある。
Hからしか生産できないユニットを量産するために進化中に資源を溜める状況もある。
逆に言えば、特に理由がない限り資源は常に使いきるべきである。もちろんただ無駄にキューを入れても意味はないので、適切に使う必要がある。
開幕の行動
前述の通り生産が止まるとすさまじく大きな差になるため、ゲームが始まって最初にやるべき事は作業妖精の生産である。
ロード画面が終わりそうな段階で作業妖精の簡易生産のショートカットを連打するのが最も簡単で早い。きっちり3分20秒丁度でN入りするプレイヤーはこれを徹底できている。
次に作業妖精を酒に移動させる。理想的には1st清酒が下にあったら直接移動、上にあったら1度拠点に入れてから移動させると早いが、難しいのでどちらか操作しやすい方で統一してかまわない。ここでの数秒のロスは酒10~20程度しか変わらない。
なお、妖怪の山の場合は5体以上を霊石に向かわせる必要がある。5体以上なら作業妖精の生産が止まらないので、最も操作しやすい人数を振り分けよう。霊石6体以上の場合は作業妖精17人(人口18/25)まで予約が出来たら清酒に配置しなおす必要がある。
以下は順不同で、自分が最も操作しやすい順番で行えばいい。
ホイールを回しカメラを引く。カメラを引くと画面に広い範囲を映す事ができ操作しやすくなるので、基本的には目いっぱい引いた方が良い。特にハラスに来た敵軍の位置を把握しやすくなる効果はハラス対処の難易度に大きく影響する。
一応カメラが近い状態では戦闘のときに精密に操作しやすいメリットはあるが、このレベルの操作が必要になるのはトッププレイヤーのみなので、大多数のプレイヤーは引いた方がメリットが大きい。
拠点のラリーポイントを酒に設定しナンバリングを行う。ただし作業妖精の簡易生産のショートカットと拠点検索のショートカットを併用するなら拠点をナンバリングする必要はないので、その分軍の割り当てを増やせるようにしても良い。
簡易生産でなく拠点を選んでからの生産と拠点検索を組み合わせるのは、他の手段での作業妖精生産に比べて2~3倍の操作が必要になるため非効率的である。
斥候を移動させながらナンバリングする。とりあえず自陣の周囲を見た後敵陣の建物や資源の配置を確認しに行く。ハラスするために資源の位置の把握は必須である。このとき、発見した道具は適宜拾っていこう。
なお、その後の斥候は敵の魔法陣の種類をNへの進化中に確認する必要があるならN入り直前まで敵陣地付近を探索する。次に自陣の黒い部分がなくなるように探索し、資源配置を完全に把握しておく。最後に兵種選択が必要になる少し前に敵陣に突っ込ませ、出ている兵種や魔法陣を確認する。
また家も1件だけ建築しなければならないが、これはシムシティ次第でどこに建てるべきかが変わる。特に理由がなければ拠点の攻撃が届く範囲の邪魔にならない場所に建てておこう。遠くに建てるとハラスに来た敵に壊されてしまう。
最後に挨拶と自分がやりたい戦略のチャットを行う。
重要なのは開始直後に作業妖精の生産を入れる事と、カメラを引く事の2点である。
この動画は1例である。プレイヤー毎に違いベストの操作方法がない部分なので、動画や上手い人のリプレイを参考に自分なりに1番やりやすい手順を作れば良い。
内政有利の概念
RTSを始めたばかりだとわかりにくいが、RTSは内政の有利を積み重ねるゲームである。ハラスも即Hも内政の操作も全ては有利を取るための行動であり、有利を取る事で軍量に差をつけられるので敵を殲滅する勝利に近づいていく。有利不利の概念を理解できるとRTSは見えるものが増えて一気に面白くなる。
内政有利を取っている場合、資源を軍に変換すると戦闘で勝てる。例えばこちらの作業妖精が50体、敵が40体で採取する全ての資源を軍に変換した場合、軍の強さは10:8になるため圧勝できる(ただしユニットの生産は時間がかかるので、内政有利を取った後それが軍の強さの差として表れるのも時間がかかる)。
そのためRTSの大部分の行動は内政有利を取るために行われる。以下はそのための行動の例である。
- 作業妖精の連続生産を止めない
- 市場で資源回収効率を上げる研究をなるべく早く入れる
- 早くHに進化し拠点を増やす(即Hするという意味だけでなく、例えば木を余らせず酒800信仰800をぴったり同時に溜めるのもHに早く入る手段である)
- ハラスで敵の作業妖精を狩ったり、拠点に退避させ資源を回収する時間を奪う
- ハラスから作業妖精を守るために拠点に避難させたり、敵のいない反対側の資源を採る
- ハラスにより壁や塔、結界を建てさせる
- ハラスや軍による攻撃で敵の操作量を奪い連続生産を止める
- 味方が攻められたときに軍を送る先を攻めている敵の本陣に変更する
例えばヒロインと道具で召喚した騎兵2体のみで作業妖精を2体狩った場合、道具1つと点400の投資で直接の有利が作業妖精2体分の100得られ、作業妖精が生きていれば回収できた資源の有利が1分あたり60~80程度積み重なっていく。
もしヒロイン単騎で突撃し、敵の作業妖精10体を20秒間拠点にこもらせた場合、作業妖精が本来回収できた資源100だけ有利になる。
これがヒロインと道具で召喚した弓妖精4体と魔法陣から生産した槍妖精8体でハラスし敵の作業妖精10体を20秒間拠点にこもらせた場合、道具1つと点400と歩兵魔法陣125+槍妖精8体分640=765の投資をしているのに100のダメージしか与えられなかったので不利になる。しかし作業妖精を2体狩れたら10分程度で逆転できる。
これらはかなり単純化した例で正確ではなく、また実戦ではここまで細かく把握する必要はない。作業妖精の仕事を邪魔すると少し有利を得られ、作業妖精を1体狩ると非常に大きな有利を得られる事だけ覚えておけば良い。
なお、有利不利には内政と軍の2種類があるが、軍の有利は内政有利を理解できて初めて意味を持つのでここでは解説しない。
ハラスの狙い
前述の通り、ハラスの狙いは内政有利を取る事である。一言にハラスと言っても使うユニットや時間帯で様々な目的があるので、内政有利の取り方も変わってくる。
Nでヒロインのみでハラスする場合は最初の道具に信仰300を使え最も早くHに入れるので、それほど大きなダメージを与えなくても有利を取れる。相手陣地付近をうろついて脅し、作業妖精を逆側の資源へ移動させるだけで十分な成果となる。
Nでヒロインと道具で召喚した騎兵2体や槍兵4体でハラスする場合、道具での信仰300が得られないためH入りが十数秒遅れる。その分何らかの形で有利を取らなければ損をする。
例えば騎兵なら作業妖精を倒しやすいので1~2体倒すと非常に大きな有利を得られるし、槍妖精は作業妖精に対する火力は劣るものの結界を早く割る事ができるので作業妖精の仕事を妨害しやすい。
この場合兵を生き残らせる事でハラスを継続したいので、できる限り敵の戦闘ユニットとは戦わない方が良い。拠点射撃もできるだけくらわないように動いて、あと1~2回殴れば倒せるような作業妖精でない限り深追いしない方が長くハラスを続けられる。
Nへの進化中に魔法陣を建て、ヒロインと道具で召喚したユニットと魔法陣で生産したユニットでハラスする場合、投資額が非常に大きくなるため作業妖精を数体倒さないと損をする。作業妖精を1体狩ったところで30秒早くHに入られると2体多く生産されるため不利になっている。
しかし軍量では圧倒できるため、作業妖精を拠点にこもらせるのは容易である。また攻撃力も高いので逃げ遅れた作業妖精を狩りやすく、総HPも高いので多少深追いしてもハラスを続けられる。敵の軍が少なければ食えるのでこれもおいしい。
ただしどんなに軍量を出してもNの間に拠点を割るのは現実的ではない。Nの間は拠点射撃だけでハラスが返るので、拠点を殴らず作業妖精を最優先しよう。作業妖精が狙えない場合のみ拠点や塔の攻撃が届かない場所にある建物を壊しても良い。
Hに入った後、チーム戦では資源に余裕ができて壁を張られるためハラスが刺さりにくくなる。そのため速度の速いユニットをある程度溜めてから突っ込む必要がある。h2hでは壁を張るのが現実的ではないためハラスが強い。
このときの目的は作業妖精を大量に狩ることである。足の速さを生かして敵軍から逃げながら、逃げるルートにいる作業妖精を適当に狩りつつ進む。全滅するまでに投資以上の作業妖精を狩る事が出来れば成功。逃げられれば大成功。
これは最速かつ作業妖精に対する攻撃力が高いゾンビ騎兵が最も適しているが、さらに高いダメージを出せる人魂騎兵はもちろん普通の毛玉騎兵でも可能である。
ただし自分の陣地にいる軍量が減ってしまうため、攻められると脆い欠点がある。
ハラス対処の方法
前述の通り作業妖精を1体狩られるとすさまじい不利を背負うが、拠点に逃がすだけなら不利は小さくてすむ。
そのためNの時代でのハラス対処は基本的には作業妖精を狩らせないために拠点に逃げ込んだり、攻められている反対側の資源へ移動させることである。
ハラスが来た事に反応して作業妖精をとりあえず拠点に避難させれば狩られる事はない。
しかし現実的には避難を完璧にこなすのは難しい。通常この時間帯は自分もハラスに行って敵陣を見ているため、反応が遅れて狩られてしまう事がある。それでも最低限攻撃されている警告音がなったら絶対に避難させなければならない。放置しておくと取り返しのつかない不利が積み重なってしまう。
なお、ハラスに行かず即Hに向かっている場合は作業妖精を1体も狩らせずハラス対処するのは現実的である。自陣だけ見ていればいいので、敵が来たのを見てから逃がすだけで作業妖精を狩られない。
また、作業妖精を逃がしやすいシムシティも重要になる。結界を張っていなければ直接作業妖精から殴られてしまうし、酒と拠点の間が家や市場でふさがっていると逃げる距離が長くなり殴られやすくなる。前述の通り拠点の攻撃の届かないところに家や市場を建てると何もできず壊されてしまう。
結界を殴られている場合、少量の作業妖精を拠点に入れて拠点射撃で脅しても良い。敵が引いたら作業妖精を戻し、引かなければ全員拠点に入れるとロスが少ない。
ただしずっと拠点にこもっていても資源を回収できないので、なるべく早く敵がいない側の資源を回収しに行く必要がある。作業妖精が殴られる心配がないなら、拠点に入れることすらせず反対側の資源へ移動させた方が良い。
建物の視界と拠点の射程を延ばす物見研究も重要で、これが入っているかどうかでハラス対処の難易度は大きく変わる。
塔は清酒と霊石両方をカバーできる位置に建てられればハラスを簡単かつ完全に防ぐことができる。しかし資源配置は運に左右され、さらに結界2つだけ建てる場合に比べて10秒程度H入りが遅れてしまう欠点が存在する。
なお、ハラスに来た敵ユニットを倒す必要はない。敵も人間が操作するので、ずっとハラスユニットを操作し続ける事はできない。内政の操作をしている間は攻撃されないので、その間に体制を整えよう。特にH入り直後は内政が忙しくなるので、H入り前にはユニットを食われないように自陣に戻すプレイヤーが多い。
Nのハラスを魔法陣から生産したユニットで返すのは悪手である。前述の通りNで魔法陣を回すのは非常に大きなコストがかかるため、たとえ作業妖精を狩らせず返したとしても自分の方が大きく損をする。これはつまり自分で自分にダメージを与えて敵に攻撃される前に滅びかけているということである。
Nで魔法陣からユニットを生産するなら絶対に攻めて高額な投資を回収する必要があるし、防衛にコストを支払うなら魔法陣よりはるかに安価な塔で対処しなければならない。きちんと損得計算しよう。
進化中を除き、基本的には建物は使う直前に完成させるのが最も効率が良い。後で必要だからとNで使わない魔法陣を建てるくらいなら、その分の資源でさっさと進化してしまった方が有利になる。
Hでのハラスは建物だけでは返らない規模になるので、軍での対処が主になる。ほぼ騎兵なので拠点射撃と槍や翼を組み合わせて追い払おう。また、敵陣地を攻めたりハラスするのも非常に有効で、これは特に仲間がハラスをくらっている状況で効果を発揮する。操作量を奪ってしまえば敵はハラスを継続する事が難しくなる。
また自陣内に入らせなければ良いので、チーム戦では端のプレイヤーが画面端と自陣の間に壁を張るのも有効である。壁は非常にコストが高いので、早い時間帯に張ったり全面に張ってしまうと軍が出せなくなり負けに直結する。採取できる資源が一気に増えるHになってからピンポイントで有効な場所にだけ張らなければならない。
なお、これらのハラスやハラス対処の方法は暫定的なものである。流行や研究、調整によってどんどん変わっていくので、そのつど良い方法を考える必要がある。
まとめ
- 連続生産は絶対止めないようにしよう
- 資源は適切に使いきり、狙いがあるときのみ溜めよう
- ゲームが始まったらまず作業妖精を生産してカメラを引こう
- 内政有利の概念を知ろう
- Nの時代はハラスに行くか即Hして内政有利を取ろう
- ハラスに対してはとりあえず作業妖精を拠点に入れれば大ダメージを防げる
最終更新:2016年02月27日 00:14