サンダーフォースⅥ

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サンダーフォースⅥ - (2016/03/21 (月) 18:34:11) の編集履歴(バックアップ)


アニオタ登録日:2012/04/01(日) 19:54:54
更新日:2023/07/25 Tue 10:01:59
所要時間:約 7 分で読めます




サンダーフォースVI(BROKEN THUNDER II)とは、2008年10月30日に発売されたPS2用ソフト。
発売はセガ。ただし元テクノソフト関係者からは許可を得ただけで、権利は取得していない。
プロデューサーはゾルゲ市蔵、ゾルゲール哲こと岡野哲。
製作はガルチ…といわれているが、実際にそうなのか怪しい状況。

シューティングゲームとして多くのファンを作ったサンダーフォースシリーズの6作目。そして十年ぶりの新作である。
同時に、セガが立ち上げた「プロジェクトSTG」という企画の第一弾でもある。要はブームが過ぎて久しいSTGをもう一度第一線に復活させようというもので、他にも「ファンタジーゾーン」や「スペースハリヤー」などが候補に挙がっていたとか。
待ち望んだ新作に、シリーズファンをはじめとしたシューター達は大いに期待した。


















……が、見事に裏切られた







グロ注意




というのも今作は、ゾルゲによる(と思われる)シリーズの設定・世界観の無視および間違った解釈に基づいて製作された、
『ゾルゲの、ゾルゲによる、ゾルゲのためのゾルゲー』とでもいうべき代物に仕上がっていたのだ。
ナンバリングタイトルに使うのもなんだが、まさに原作レイプである。

また、前年にあの悪名高いBROKEN THUNDERがリリースされていたこともあり、多くのファンの傷口に塩をねじ込む形になってしまった。
その嫌われぶりは派閥化が激しい各作品ファンが満場一致で無かった事にしたり、現在でも話題に出るだけで燃料状態という有様。
挙句、STG専門誌「シューティングゲームサイド」でTF特集が組まれた際、本作には1ミリも触れられなかった。そして記事の総括には「果たして新規の続編「サンダーフォースⅦ」は作られるのだろうか」という嫌味ったらしい正論が記載される始末である。


【あらすじ】
人工知能「ガーディアン」の暴走から10年。ようやく復興を遂げ、再び繁栄を迎えようとしていた地球圏は、突如出現した「オーン・ファウスト」と名乗る勢力によって、今や滅亡の危機に瀕していた。
かつて人工知能「ガーディアン」を生み出し、地下深く厳重に封印されていた地球外文明の残骸「Vasteel」の発する警報を解析したところ、「彼等に対抗するためには、はるか外宇宙の連邦本星に救援の手を求めるしかない」という。
「オーン・ファウスト」の猛攻の最中、封印を解かれた「Vasteel」を組み込まれ、新たな武装強化をされた新型機「RVR-00 "PHOENIX"(フィニックス)」は、「Vasteel」の記憶素子に残された四つの宇宙座標のみを頼りに、
地球人類にとって未だその実在すら定かではない、「銀河連邦」の本星を目指して飛び立った。


【主な変更点】
基本システムはⅤを踏襲しているが、以下の点が異なる。

  • オーバーウェポンは、倒した敵から取得するエネルギーで溜まる6本のゲージをボタン入力で1本ずつ消費して発動する。発動中に3本まで追加でゲージを使って性能を強化する「重ね撃ち」も可能。

  • 自機はゲーム開始時に3機の中から選ぶ方式。PHOENIXで1度クリアするとRYNEX-Rが、この2機でノーマル以上を1度ずつクリアするとSYRINXが解放される。

  • クローの仕様がⅣまでのものに戻された

  • スクラッチボーナス、ハイテンポボーナス、ダイレクトモードは廃止

  • コンティニューした際は死んだその場で復活

  • 隠し要素として、敵弾に色がつき、対応した武器で消すことができるようになる「ネオシステム」が追加された。


【問題点】
  • ボイスなどを前作まで敵味方共に使用していた英語から、地球と銀河連邦が西夏語・オーン・ファウストがモンゴル語という全く馴染みのない言語への変更。「宇宙人が地球の言語を話すのはおかしい」ということらしい。その2つも地球の言語なんですけどねぇ…
結果的に非常に間が抜けて聞こえるボイスは『C言語』、『油ドボーン』、『とーちゃん』など空耳を残した。
ゾルゲ曰く最後までやれば解るということだが理解できたユーザー皆無
一応「銀河連邦の人間であるIVの主人公たちがIVのファウストとの戦闘後、時空転移に巻き込まれ古代の地球に漂流、そこで西夏王朝を建国、西夏語が誕生した」という設定も汲み取れなくはないが、Ⅳの主人公は時空転移に巻き込まれてなどいないし、「もともとは宇宙人の言語だった」というだけなら西夏語にする必要性もない。
その上、改行の位置など全体的に間違いだらけで、専門家によるところ言語として成立していないのが殆どとのこと。
モンゴル語に関しては「慣れない言語だから謎さが出ている」と前向きにとらえる意見もないことはないが、西夏語は擁護不能。
後述する珍事の原因にも。
ちなみにPV一弾ではゾルゲが「好きで好きでしょうがない」といっている新篆体も使われていたが、評判が悪かったので廃止したらしい。だったら西夏語とモンゴル語も廃止しろよ。

  • 著名な作曲家を起用している(らしい)ものの、世界観には合ってない多数のBGM
メインBGMはゾルゲの「STGの音楽は熱く激しく、儚くメロディアスじゃなきゃなっちゃいない」という自論で、
起用されたレイシリーズのTAMAYO女史だが、「レイっぽく」と発注されたらしく、どう聞いてもレイシリーズのBGMにしか……
そして最終ステージはトルコ軍歌
せっかく作った曲をこんなゲームに使われた女史を哀れむ声はかなり多い。

古川もとあき氏の著作権フリー楽曲を使用。起用って公式で書いてますよ?

ゾルゲにべったりの金子剛はセガガガから曲流用。
本作独自の曲には(TFに合うかは別として)単体の音楽としてはまあまあ悪くないものも多いが、氏が担当した過去作のアレンジ曲に関しては評価が壊滅的に低い。

セガガガ曲は隠れ面の曲の予定だった、金子は海外に住んでいた……という
謎の主張をしている人もいるのだが、それは曲の評価と無関係なのだが……。


  • 全体的に新鮮味のない演出と敵
過去の焼き増しとしか言えないものが多数。
敵も撃破時のエフェクトがショボいのに加え、ボスがカッコ悪い。

  • SEがもっさりして迫力に欠ける(SEは雷電シリーズの佐藤豪氏担当。ちなみにこちらも雷電Vからの流用疑惑あり)

  • 機体を斜めから映すような謎のカメラワークを多様。アインハンダーのように他の演出と噛み合っているわけでも無いのでただやりづらいだけである。

  • 二次創作小説「TF FOREVER」やセガガガに登場する二次創作の機体「Syrinx」の無断使用疑惑

  • かつてゾルゲが描いてた漫画などのキャラを登場させる
当然世界観には全くマッチせず、特にラスボスがゾルゲが執筆した「横綱大社長」のキャラの流用(しかもグロイ胎児みたいなデザインで多くのプレイヤーを不快にさせた)という始末。
しかもこのグロ胎児は{Ⅲでバイオコンピューターとして登場したはずのオーン皇帝}である。

  • 前作の敵「ガーディアン」の行動動機が完全に変わっている(Last Letter*1台無し)

  • EASYのEDはまんまLast Letterの改悪

  • ボス戦突入時の演出にダライアスのパクリ疑惑がある(普通なら特に問題にはならないが、別の演出において「ダライアス外伝のイカ参照」という指示がゾルゲからあったらしいことから可能性は捨てきれない)

その他にも、前作の設定と矛盾している点が多いなどTFシリーズの世界観をぶち壊している。

また、世界観を気にしないなら遊べるし問題ないんじゃないの?
と思いきやゲームシステム自体にも多くの問題を抱えている。

  • 全体的にグラフィックがお粗末。流石に過去作と比べれば綺麗だがハード性能を活かせているかという点ではむしろ負けている。
  • 弾(特にハンター)がペラペラ。視点を動かしまくるので嫌でも目につく。
  • 散漫で爽快感を感じない敵の配置。難易度を変えても弾の数しか変化しない。
  • ゴリ押しでもクリアできる低い難易度
  • 頻繁におきる処理落ち
  • 時々、スタートボタン押しただけでフリーズ(3面では再現性100%のところが2箇所も)
  • オーバーウェポンが強すぎる。高威力、お手軽なチャージ、敵弾を消せると反則級の性能を誇り、重ね撃ちを使えばボスでも瞬殺できる。
  • ↑のせいでせっかくのネオシステムが無意味になっている
  • オーバーウェポンをぶっぱなしてるとフリーズ(恐らく大量のオブジェクトが原因のメモリエラー)
  • レイヤー指定のミスで画面手前のオブジェクトから弾が浮いて見える
  • テクスチャミスの画面化け
  • D端子を使用する際プログレッシブ出力が可能だが画面がズレる
  • タイムアタックでスタートボタンを連打するとタイムが短縮できる
  • 自機が消失する
  • セーブ時にメモリカードを破壊する
  • バグでデータが消えても対応してくれないメーカー

と、ファンじゃない方でも「買って損した」と思わせてしまう程の稚拙な出来。

上記のように、今まで築き上げたTFシリーズを見事にぶち壊したため、
作品毎に派閥化の激しいファンからは満場一致で「あれはゾルゲー」「核地雷級のなにか」「VIなんて無かった」「これってBT2だろ?」と黒歴史として今でも嘲笑されている。
もっといえば、音楽とストーリーはTFしてただけBTのほうがマシという意見もかなり多い。
しかも、こんな内容なのに真のEDのラストが「TO BE CONTINUED」。……マジで出すつもりだったんですか?

ゲーム黎明期でありながら独自過ぎた発想の「たけしの挑戦状」、
越前の奇行とツッコミどころ満載のOP、不条理なシステム、
そして会社側のファンに対する真摯な姿勢で今も愛されている「デスクリムゾン」とは違い、
ネタにもできない、笑えない、ただ怒りと後悔しかない質の悪いクソゲーとしか言いようのない物とあっては仕方ないが。


【駄目すぎる自機解説】
  • RVR-00 PHOENIX
RVRシリーズなのに防具の名前じゃない。
封印していたVasteelを試作機に組み込んだら唐突にオーン・ファウスト機からエネルギー吸収できるようになった謎の性能。
しかもそのVasteelは何とVで木っ端微塵に吹っ飛んだ筈のRYNEXと明かされている。*2
あと、BRIGANDINEは使い捨てブースター扱い。
武装はTFVのGAUNTLETに準拠。ただしウェーブはⅢと同じ仕様になり、フリーレンジは前作ほど暴力的な威力ではなくなった。
機体左翼のフォトンライフルを使ってる描写は全く無い。
なお、武装とクローは最初からフル装備。やられても残機以外何も失わない上にそれに合わせたゲームバランス調整もされておらず、死んでも無くならないのが利点だったツインショットとバックショットはただの産廃に。

  • FIRE LEO-04C RYNEX-R
設定上ピーキーとされていたRYNEXがSYTXに代わって何故か量産化。
サンダーソードシステムを内蔵型にしたら何故か地球の技術のオーバーウェポンが使えるようになったという謎の設定。
そして何の脈略も無くEXCELIZAの武装も使う。そして何故かフリーウェイがフリーレンジに変わった。
こちらは従来通り、アイテム取得で武装とクローが増える仕様。
この機体とSyrinxでハードモードをクリアすればグッドエンドを見られるが、こちらだと字幕なしでモンゴル語だけ聞かされるので理解は至難の技。

  • Syrinx
PHOENIXが梅干とエッチプリンプリンあの娘~で変化した謎の機体。搭乗者まで取り込んでる。
前述の通り二次創作作品から無断使用疑惑がある(モデルはセガガガから流用してる可能性が高い)。
武装はPHOENIXの強化型…なのだが逆に使い辛い。あと汚物は消毒
本家設定のカラーリングとサンダーソード?知らんがな。
この機体もPHOENIX同様最初からフル装備。


【駄目すぎるステージ解説】
※一応、RYNEXの座標記録から転送してるらしいが、あまりに設定無視しすぎてて突っ込みどころ満載。

  • 1面
どう聞いてもレイシリーズのBGM。
設定はIIIの惑星ハイドラなのだが、コロニーになってる。いつ惑星がコロニーになった。
あと「JUNGLE STAGE」と銘打たれてるのにジャングルなのは背景のみ。
ボスはガーゴイルパーフェクト(笑)。ガーゴイルダイバーに人型ボディが合体する発想は面白いが、浮遊して炎を吐いてくるだけなので人型の意味がない。
安地からソードを重ね撃ちするだけの簡単なお仕事。

  • 2面
まんまIIIの惑星ゴルゴン。オイ何時RYNEXがゴルゴン行ったんだよ。
喫茶店みたいなBGMで印象に残らない。
地形はやたら起伏に富んでいる癖してスクロール速度には緩急という発想が全く無く、ひたすら高速で地形を突き進まなくてはならない。
ボスはフレイムメイデン(笑)。プレスを交わしてチェインを重ね撃ちするだけの簡単な(ry

  • 3面
IVの設定のみに登場する惑星アクエリア。ちなみにRYNEXはこの惑星に行った事がない
というか完全にVの1面の焼き直し。
ボスはケルビムパープル(笑)。真正面からソードぶっ放すだけの(ry

  • 4面
銀河連邦本星で艦隊戦。映像も音も放送禁止レベルの酷さ。
RYNEX-R部隊と合流した際、唐突に「THUNDER FORCE Ⅵ」のボイスが聞こえる。それでファンサービスのつもりか。
ボスはB3(笑)。デザインはA3とガーディアンズナイトを掛け合わせた感じで中々良く、音楽も割とTFしているが、BTの先行者よろしくフワフワ浮きながら弾をバラ撒くだけで芸がない。
そろそろ気付いた方も多いと思うが、ゾルゲはVのボスキャラの名称の元ネタを知らないらしい。

  • 5面
4面で合流したRYNEX-R部隊と共に戦艦ケルベロス2を襲撃。
だがIVに登場したSTYX量産機の様に共に戦ってくれるわけではなく、飛んでいって行方不明。
あとIIIのケルベロスは戦艦じゃねえ何故かコアを破壊しても沈まない。
そのあと出てくるヴァーサス(何故かファウストに改名)は頭部のデザインが完全に間違っている
ボスは闇のVasteel(笑)ことVASTEEL NORCH(笑)。歴代自機を巨大化させたニセモノなのだが、オーン・ファウストが知っているはずがないGAUNTRETのニセモノは出てくるくせに何故かFIER LEOとEXCELIZAはハブられた。
あと何故かニセRYNEXのレールガンがBRIGANDINE仕様。
登場シーンはセガガガの歴代セガハード戦のそれの焼き直し。

  • 6面
トルコ
敵要塞なのだが、どう見てもIIIのバベル内部。
カメラが微妙に傾いた状態でコンテナがギッシリ詰まった死亡名所に突入する場面がある。
ボスはヴァーサス2体とグロ画像
ラストの脱出シーンはⅤの焼き直し。


【余談】
当初ゾルゲは「スタッフは全員TFファンで、自分も大好き」と言っていたが、後に「完全新作は時間も金もかかって面倒だから既にある人気タイトルを使えば売れると思った」などと発言しており、
旧作に対してもBGMを「ギターサウンドもどき」、サンダーソードを「あんな短いの」と罵倒するなどファンを挑発するような言動も多々見られた。
つまり売れさえすれば別にTFでなくともよかったということである。
先述したプロジェクトSTGの企画書にも「STGなら骨子を使いまわせる」といった記述があったため、万一企画が続いていたら他の名シリーズまでレイプされ尽くしていたであろうことは日を見るより明らかでたる。

あまりの酷さに『ゲーマガ』では、満足度ランキングで10ヶ月連続最下位
期待外れだったゲームで堂々の1位という不名誉な称号を得ており、「かつてのデスクリムゾンを彷彿とさせる評価を受けたサンダーフォースⅥとボロクソに評価された。
平均点数はあの海腹川背Portableダブルスコア下

購入者が消費センターに本作を持っていた際に、説明書(一部、先述したモンゴル語が書かれている)を見たとき、
職員の感想が「海賊版かと思った」

KOTYことクソゲーオブザイヤーでは前年のヨンパチショックでクソゲーの審査基準が跳ね上がったことと情報不足とでノミネートすらされなかった。
というか、このときはまだバグが発見されていなかった事もあり、根本的な問題として本作の選評が出てなかったのである。

KOTYではダメジャー2のような笑えるようなバグではないこと、中身もシリーズ改悪ということを抜きに考えてダメダメなこと、
後に露見したメモリカード破壊バグなどから、「ノミネートされてもおかしくないどころか大賞だった可能性もある」と指摘されている。

ただし、「一応はシューティングゲームとして遊べる程度の出来ではあるので、バグやそれ以前の問題でルール崩壊によって
普通に遊ぶことすら困難なジャンライン等と拮抗し得る(悪い意味で高い)レベルには無い」という意見も多い。
まぁ、比較対象が凄まじいだけで、紛れもない期待外れのクソゲーだが。

グラディウス、ダライアス、R-TYPEの横シュー御三家に隠れて影が薄かったTFシリーズの知名度向上には一応貢献してはいるが、
過去作に対しても少なからぬ風評被害を与えてしまっている以上、評価点とは言えないだろう。

またゾルゲは失言、会社の資金を私的に流用するなど、多くの問題を抱えている人物である。
本作以前にも「ガンスタースーパーヒーローズ」を旧作レイプ満載のゾルゲーに仕上げ、開発元のトレジャーから出入り禁止を食らっている。

本家Wikiですら辛辣な内容で書かれている。
※ゾルゲ本人の項目は「履歴書」と揶揄されるほどの本人が書いたとしか思えない濃い内容。

しかしパッケージはかなり良作っぽく見えるデザインのため、もし見かけたら裏返してあげましょう。
もしあなたがとても裕福ならば、買い占めてゴミ処理場に投棄してあげてください。


追記・修正は岡野さんはWORK無いことを確認してお願いします。

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