全てはここから始まった。
とは言え、議論もなければ投票もなく野放図に2003年に発売されたゲームの名前を挙げていくだけのほとんど無秩序なスレッド。
スレッド終盤に行われた集計により最も多い回数名前が挙げられた「頭文字D Special Stage」が(一応の)大賞とされた。
2003年版のスレが落ちてから半年越しの復活。
2003年版スレッドの住人が立てたものであり、ここにきて現在への流れを汲むKOTYスレが生まれた。
現在と違い、クソゲーとして名前が挙がったソフトの中から投票を行い、得票数を基本に選ぶシステム。
その為、ゲームとしてのクソさよりも被害者の数が重視されており、ヨンパチショック後以降現在の基準ではガッカリゲーレベルでスルーされる作品も多かった。
ノミネート作の中では、スレにリンクが貼られていた事もあり、得票数でぶっちぎりのトップだった「転生學園幻蒼録」と、
内容のヤバさと開発サイドのゴタゴタによる盤外戦、「邪神モッコス」と恐れられた特典フィギュアの完成度の低さ等で話題となった「ゼノサーガEP2 善悪の彼岸」が飛び抜けており、この2作の争いの末、「ゲームも特典も完成度が低く救いようが無い」点が決め手となり、「ゼノサーガEP2 善悪の彼岸」が大賞となった。
投票制が昨年同様に採用されたが、選定における比重は薄れ、議論重視にシフト。
総評が作られるが、現在と異なり、次年度の纏め用としての扱いであった。また、ガッカリゲーレベルで現在ではスルーされる作品も多い。
昨年と異なり、どの作品もこれと言った決め手がないどんぐりの背比べ状態で議論は難航したが、「シナリオ、誇大宣伝等のクソ要素の分かりやすさと被害者の数、そしてシナリオをヘビーゲーマーとしても知られる小説家・宮部みゆき氏にボロクソに批判された」点が決め手となり、「ローグギャラクシー」が大賞となった。
この年から投票制は廃止され、選評が出された作品から議論を重ねノミネート作を選ぶ現在の制度になる。
現在の形の総評もスレにおけるルールもこの年に整備された。
そのせいかヨンパチショック前のKOTYとしては比較的レベルが高いクソゲーが揃っている。
大賞有力候補として、バグまみれでシリーズの信頼を地の底に落とした「カルドセプトサーガ」、
単純なTPSとしても褒められない出来なうえ、「ヴィンセンとー!」の誤字がネタにされた「ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII」、
サービス当初からすぐにサーバーが落ちてまともに遊べないうえ、肝心のゲーム部分も過去のシリーズ作品に劣る出来栄えの「ファンタシースターユニバース」が挙げられた。
実力はほぼ互角だったが、「クソゲーにおける王道要素を兼ね備えているクソゲーの鑑」として評価された「ファンタシースターユニバース」が大賞に選ばれた。
この年から、ノミネート作の傾向が変わり始め、現在のノミネート作選定基準がほぼ確立する。
ノミネート作も粒揃いで、超劣化移植を繰り返した作品のソースコード盗用が発覚した
「オレたちゲーセン族」、操作できるユニットが全5種類、ステージ数14とキャラゲーなのにトンデモな薄っぺらさの
「ZOIDS ALTERNATIVE」等にスレ住民は震えた。
中でもゲーム内容が他作品(それもクソゲー評価)の完全コピペなうえ、公式サイトでゲーム名を間違える醜態を晒した
「APPLE SEED EX」(アッペレ)、
ショボいアニメ及びグラフィック、人間性がほぼ皆無な主人公、意味不明かつ胸糞極まりないシナリオ、テンポの悪い戦闘(しかも
某有名SRPGからのパクり説濃厚)、ラスボスの声にボイスチェンジャー採用等、何処を見てもクソしかない
「エルヴァンディアストーリー」(エルヴァンディアゴー!)のインパクトは抜群で、当初は「エルヴァンディアストーリー」がぶっちぎりで大賞と思われていた。
…しかし、真冬時にスレ民が想像もしていなかった「ヤツ」がやって来た。
そう、年末の魔物「四八(仮)」の襲来である。
どう見てもホラーとは思えない、都道府県毎の数がアンバランス、数少ない高評価シナリオには盗作疑惑とクソの極致を見せつけるシナリオ、
コンプ不可等多種多様なバグ、不親切なUI、涙を拭くハンカチを送るサポートセンターの対応等、何処を切っても香ばしいクソ要素しかない様は「10年に1度のクソゲー」と称され、文句無しの大賞に選ばれた。
同時に本来商業作品ならクソゲーになりにくい「ビジュアルノベル」という安牌ジャンルで強烈なクソゲーを叩き出した「四八(仮)」の影響により、以後の年からクソゲー基準の急激なインフレが発生。
この出来事は「四八ショック」と名付けられた。
この年、現在までのルールが完全に確立した。
昨年の「四八ショック」により、スレ住民に無駄に耐性がついてしまい、それまでの年ならノミネート可能性があったソフトは次々選外送りに。クソゲー飢餓が危惧された。
しかし、終わってみれば7本もノミネートされる大豊作の年となった。
ストーリーは極限まで圧縮されおまけ同然のボリュームで、つまらないゲーム性と低質なグラフィック、そして追い討ちで死にたくなるほどのゲームテンポの悪さもあって1試合にリアル2時間以上かかる08年度の開幕投手「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!! 」に始まり、
2年も延期しておいて時代考証は滅茶苦茶、グラフィックは一部除いて落第点、ストレスフルなUIと散々な出来栄えの「大奥記」、
キャラゲーなのに操作できるキャラがたった6人、開始10分でエンディング到達とトンデモなスカスカ具合、そしてそれを全く感じさせないPV詐欺の「Wii プロゴルファー猿」、
カット不可能で3D酔いしやすい迷路探索、理不尽難易度の暗号、シナリオ上死亡したキャラが登場して自身の死について尋ねると表示される「テキストはまだない」、推理物ではタブーとされるオチなどが目を引くが、本年度ノミネート作群の中では一番マシとされる「奈落の城 一柳和、2度目の受難」、
電波・中二病・つまらないの三拍子揃ったシナリオ、バランス滅茶苦茶でショボイ戦闘とメーカーファンからも規格外のクソゲーと烙印を押された「神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」等、一昨年までなら余裕で大賞を狙える作品が次々と放たれた。
最終的に大賞争いは、麻雀ゲーなのに麻雀のルールを理解しておらず、麻雀の素人によるブログや素人ボイスの有料販売などメーカー対応も最悪、そしてパッチを当てたら余計クソ要素が酷くなったというこれからの時代を象徴するクソ要素をひっさげる「ジャンライン」と、
「投げろジャイロボール!」に続いて野球ゲーなのに野球のルールを理解していないうえ、如意バット、ジャイロキャッチ、後ろを向いてバットを振る、センター前キャッチャーゴロと数多の腹筋崩壊バグを携えてやって来た「メジャーWii パーフェクトクローザー」の争いとなり、
1ヶ月以上続いた死闘の末、「万人に分かりやすいクソ要素を持つ」点が決め手となり、「メジャーWii パーフェクトクローザー」が大賞に選ばれた。
なおこの怒涛のクソゲーラッシュによりノミネートした7作品はロマサガになぞらえてか「七英雄」と並び称された。
昨年度の「七英雄」により、ノミネート基準はさらに厳格化。更なるクソゲー飢餓が危惧された。
最終的には5本がノミネートし、開発会社への責任転嫁や意味不明かつ理解不能なCM等の社長以下会社ぐるみの奇行、公式サイトのHTMLソースを弄って検索結果を改竄しようと目論むなどの盤外戦要素、
肝心のゲーム内容も最大40秒のロード、
意外にも王道で可もなく不可もないと評判だが分かりにくいストーリーなど凄惨な出来栄えで、
開発期間3年、開発費4億円を費やし売上本数1万本を切る大爆死を遂げて外部企画で死体蹴りの目に遭った社長公認クソゲー
「黄金の絆」、
「恐竜とUFOがいたので食い逃げ同然に中華料理屋を出たら、店主が包丁片手に追ってきたのでヒッチハイクで逃げる」という意味不明な導入や、
連続で襲いかかる全く面白くない薄ら寒いギャグ、劣悪な操作性等「
バカゲーを狙って作った結果滑り倒した意味不明ゲー」「
バカゲーというものをバカにしている」というツッコミを受けるほど全面的にスベリまくった、外注に頼り切っていた日本一ソフトウェアの黒歴史の一角
「Let's 全力ヒッチハイク!!!!!!!!!」、
「ヒッチ」と同じ3月頃に発売されノミネートの可能性が指摘され続けていたがなかなか選評が届かず、年末に差し掛かり戦極姫の衝撃を受けて検証が行われ、極悪なユーザビリティとグラフィック、武将は有名所以外はモブの兜や鎧の色合いを替えただけの顔面統一仕様、
特に何もなくても出家と出奔が相次ぎ国の舵取りすらままならない政略面、これまでの戦略SLGを根本的に否定する戦術面などの伏魔殿ぶりが露見し、
これからのSSαの理不尽な猛攻を予言するかのようなとんでもない伏兵であったことが発覚した
「戦国天下統一」など粒揃いの精鋭が揃ったが、
大賞争いはマップは1つだけ・15ターンで強制終了・単調なBGM・テキトーなイベントと1000円相当の価格を考慮してもスカスカでボッタクリ&DL専売のためフリスビーや鳥よけにも出来ない
「人生ゲーム(Wiiウェア版)」、
エロシーンを単純削除した弊害でシナリオに整合性がなくなり、毎日UIからイラストまで様々な分野で大小問わず新しいバグが発見される程のバグの嵐でまともに遊べない
修羅の国からの刺客
「戦極姫 戦乱に舞う乙女達」の争いとなった。
結果、「まるで有料デバッグ」と自嘲していたスレ民の堪忍袋の緒を切れさせた極悪非道なメーカー対応と搾取体制を加味した上で、「ネタとしての引き出しに勝り、クソゲーとして語りやすい」ということで「戦極姫 戦乱に舞う乙女達」が大賞となった。
同作はPSPにも同時移植されており、そちらでも大賞受賞したため2部門制覇。
時が流れて2015年にはエロゲー部門にて『戦極姫6』がクソ主人公の存在によって大賞受賞、KOTY史上初の1シリーズ3部門制覇を達成している。
この「戦極姫 戦乱に舞う乙女達」はもともとKOTYeの次点作になっていたPCゲームを据置機向けに移植したものであり、そのあまりの次元の違いから「黒船襲来」と恐れられた。
昨年度の総評が決定した僅か2日後、門番「ラストリベリオン」がやって来るが、この時まだ真の実力は明らかになっていなかった。
初夏に、低クオリティのイラスト、原作から大量に削りまくった結果完成したスカスカでご都合主義なシナリオ、世紀末なゲームバランス、異常に小さいキャラボイス、完全ランダム発生のイベントと多種多様な武器を携えた、乙女ゲー部門からの黒船「ラブルートゼロ kisskiss☆ラビリンス」が襲来。
CGの線画を担当した原作者が本作の惨状について陳謝する事態にまで発展し、そのCGも塗りのクオリティが低くアスペクト比の設定ミスで縦長になってしまっており、計5度(13ヶ月)に及ぶ延期と開発会社が発売直後に廃業、破産に追い込まれる等話題に事欠かなかった。
更に後に昨年度大賞を争った「戦極姫 戦乱に舞う乙女達」及び「人生ゲーム Wiiウェア版」それぞれの関連作である「戦極姫2 葉隠の乙女、風雲に乗ず」、「人生ゲーム ハッピーファミリー」が帰還。
「戦極姫2」は前年度に据置機部門、携帯機部門の大賞を掻っ攫った黒船「戦極姫」の両機種版の要素をエロゲーに移植したものである「戦極姫2」を、発売からたったの3ヶ月でコンシューマーに再移植したバージョンであり、
流石に前作よりは改善されたものの、1周約200時間は掛かるテンポの悪さ、資金のアンダーフロー、特定操作で100%フリーズが発生、発生率こそ下がったが最悪進行不能に陥るブラックホール城などバグの酷さは相変わらずであった。
「ハッピーファミリー」は前作から5000円値上げされてフルプライスとなったが、約1000円で先行販売された機能制限版と大差なく前作からの追加要素は5つのみ。
イベント数も極限まで減らされミニゲームやカード等も機能縮小もしくは削除、MAPは1種類固定、幸福度で競うハピネスモードに至ってはCPUがルールを理解していないという有様で、3年連続ノミネートを果たしたタカラトミーの仕事ぶりに住民は頭を抱えた。
それでも大賞は「ラストリベリオン」と「ラブルートゼロ kisskiss☆ラビリンス」の争いとなるが、年間通しての検証で発覚した不親切なUI、誰得な英語ボイス、
平坦で盛り上がりに欠けるシナリオ、魅力的に見えるが実際は尽くスベって「レベルを上げて物理で殴ればいい」に集約されてしまう戦闘システム等、「長所がどこにもないうえ満遍なく安定したクソ要素を兼ね備える」門番「ラストリベリオン」がKOTY史上初の先行逃げ切りを果たし、大賞となった。
この後、「ラストリベリオン」の開発元であるHitmakerに対し日本一ソフトウェア側は「もうあそことは手を組まねえ!」と事実上の絶交宣言を突き付けた。以上の悪評が響いたのかこれ以降大きな仕事に恵まれず、Hitmakerは14年に破産した。
東日本大震災の影響で、ゲームの発売が次々に延期・中止。その影響でノミネートどころか選評すらなかなか現れず、このまま大賞どころかノミネート無しになる可能性も囁かれた。
しかし、年の暮れが近づくにつれ、次々と選評が襲来。最終的には2008年と同じ7本のラッシュがなだれ込んだ。
7本それぞれの実力が拮抗しており、総評は30近く作られたばかりか、7本全てがいずれかの総評草案で大賞に推され、議論は難航を極めることになる。
10月に先陣を切ったのは、文中描写と食い違うCG、恋愛ADVにもかかわらず周回ごとに攻略対象は完全固定で5周目にそれまでの苦労やEDを全否定。
分岐前に上書きセーブしてしまった状態でBADエンドに至った場合は問答無用で1周目からやり直しの理不尽仕様を引っ提げた「Infinite」シリーズの面汚し「code_18」 C18…しーじゅうはち…ん?、
その後には、過去作からキャラクタークリエイト要素が大幅劣化したにとどまらず、残念なAIの味方NPC、戦闘の駆け引き要素の排除、ガチャ方式のアコギな有料DLC、
終いには開発者が課金装備の重装備でオンライン対戦に出撃して過疎の最中奮戦していた上位勢を蹂躙し、電プレ誌において「四八(仮)」と並ぶ最低ランク評価を叩き出した「グラディエーターバーサス」、
クリア時間の大半が開発ポイント配布待ちでインフラ整備の概念が消滅、市長は街の建造物に進入や意見の取り入れが出来ず持ち味が崩壊、
Simと同じ経営シミュレーションながら「街の人々と会話し、意見を取り入れ街を発展する」という独自ジャンルを築いたシリーズからの刺客「街ingメーカー4」 、
キャラゲーの肝であるキャラ数を40人近くリストラ、リストラの弊害でストーリーはスカスカ、貧弱過ぎるキャラクタークリエイト要素に加えて、戦闘システムはジャンケンと運ゲーに終始しジャンケンマンの時代まで退化を果たした「ドラゴンボール アルティメットブラスト」がノミネート。
最終的に大賞議論は三つ巴の様相を呈し、様々なバグにゲームシステムが合わさって最終的に苦痛が続く時間が桁違いになり、一説ではゲームに対する忍耐力が最も高い古参として知られる歴代Wizプレイヤーをも灰にした「Wizardry 囚われし亡霊の街」、
相変わらずスカスカな内容に見合わないボッタクリな価格設定の「人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ」、
低クオリティなイラスト・シナリオのうえ、エロシーンを抜いただけでそれに合わせた修正をしていないせいで意味不明なシナリオになった「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~」の3本で争われた。
数ヶ月にわたる激論の末、検証に検証を重ねて発覚した不公平仕様、明後日の方向を向いた追加要素、
何よりプレイする事でプレイヤー同士の仲が悪くなると、「もはやゲームをプレイしているかどうかも怪しい「ゲー無」と呼ぶのも憚られる何か」と評された「人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ」が大賞となった。
今年度はノミネート作品7本全てがシリーズものであり、そのどれもがシリーズの名に泥ならぬクソを豪快に塗ったため、纏めて「七つの大罪」と名付けられた。
余談として、「5年連続出場、入選6作品中2本大賞という不動の地位を確立させてしまったタカラトミーは殿堂入りにしていいのではないか?」という意見も噴出したが、偶然か不幸か本年度を最後にタカラトミーはテレビゲーム事業を子会社のタカラトミーアーツへ移管し事実上の撤退を発表。
負け勝ち逃げのような形でクソゲーオブザイヤーの壇上を去っていった。
また「Wizardry 囚われし亡霊の街」はこの6年後、PSVITAに手抜き移植され携帯部門スレが停滞状態に陥る一因となる…
タカラトミーがテレビゲーム事業から撤退し、前年度末の「七つの大罪」の脅威を乗り越えたこの年は代わりに海外発のローカライズゲーが猛威を振るい、「和洋のクソゲー大戦」と評された。
海外陣営からは先制攻撃として、延期に次ぐ延期を重ね14年の眠りから目を覚ました結果、古臭い操作性・システム、スカスカなマップ、すぐに引き出しがなくなるうえキレの無いギャグ、Q&Aは説明書に記載せずggrks仕様と、規格外の腐った怪物と化した名作シリーズの恥晒し「デューク ニューケム フォーエバー」、
本命として、チープなCGの動きにショボいBGM・SE及び演出、ストーリーはあってないようなもの、中学生でも分かるレベルの誤訳を抱えた邪魔な字幕とローカライズ特有のクソ要素、オマケにPV詐欺及び元値からの大幅値上げをやらかした「ヘビーファイア アフガニスタン」が襲来。
負けじと日本陣営も、「世界初! HD(ハイビジョン)アニメーションRPG!」をウリにしておきながらカクカク・作画崩壊で詐欺レベルのチープなアニメーションでフルプライスなのにCGは僅か11枚、極端かつ単調な戦闘に無意味なシステム、世界観に合わないギャグを連発するシナリオと全方位隙無しの神風「時と永遠 ~トキトワ~」、
何処までが仕様で何処からがバグかわからず、満足に遊ぶには解析同然の作業が必要なシステム、PS3なのにPSにも劣るグラフィック、意味不明なパラメータ、平然とワープ移動する敵陣営と、霧のように掴み所の無い最終兵器「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃す!~」で猛反撃。
スレ住民はこの中では「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃す!~」が大賞に相応しいと一致こそしていた…が、全てが欠点と言っても過言ではない惨状は、濃霧のようにプレイヤーの視界を奪って弄んだのである。
それによりあまりの酷さに検証脱落者が続出し選評が届かず議論は停滞、あわや選外行きも囁かれた。選評を元手に大賞争いの候補を決めるというKOTYのルールを完全に逆手に取られる形になったのである。
ある選評執筆者は霧に飲まれて消息を絶ち、西のクソゲーハンターは心を折られて本作を封印。また修羅の国のとある住人に至っては「拷問だと感じたらスキップ出来るアイ惨のほうがマシ」とすら言い残した。
だが、数名の勇者達がこの最終兵器の解析に成功。60日に及ぶ死闘の末に期限ギリギリで選評が提出され、日米クソゲー大戦を制した「最強のクソゲー」として「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃す!~」は無事大賞に名を刻むのであった。
初っ端から前年度次点に甘んじた「ヘビーファイア アフガニスタン」の仇を討つべく、忌々しい系譜を受け継ぐ門番「ヘビーファイア シャッタードスピア」が襲来。
前作からの改善点もあるが、回避不能シーン激増、棒読みボイス、被弾警告エフェクト廃止、敵側命中率上昇、ステルス状態のアイテム、改善すべき方向性を間違えたシナリオと前作以上のクソ要素&ゴミローカライズを引っ提げ、並み居るソフトを蹴散らし続けた。
対抗勢力となったのは、既に完結済みの深夜アニメ原作なのに打ち切りED、ファン向け新要素皆無で収録CGは総数不明、フリーズ寸前レベルの処理落ち、単調極まりない戦闘、特典ゲームも薄っぺらい内容の「ビビッドレッド・オペレーション -Hyper Intimate Power-」、
「ヘビーファイア」シリーズ同様に移植元を改悪しておきながら元値からの大幅値上げ、不自由な操作性、クリアは運ゲー同然の弾幕、頻発する処理落ち、雑な演出、クリア特典無しと手抜きの極致を見せつける年末の魔物「ガイアブレイカー」。
これらによる争いの末、「長所になりうる点を持ちながらその全てを捨て去った」点が決め手となり、「ビビッドレッド・オペレーション -Hyper Intimate Power-」が大賞となった。
同作の販促用作品であるDL専用ゲーム「ビビッドレッド・オペレーション あかねとマヨっとオペレーション!」も選外にはなったものの、あまりのゲー無っぷりや販促先が大賞に選ばれたことから特記事項として恥の殿堂に晒される結果に。
2010年度携帯機部門の雪辱を晴らさんと2年3ヶ月…10回の延期の果てにバグ以外ほぼそのままの戦闘力、しかも操作性・UIについてはよりパワーアップして据置機部門にやって来た「大戦略PERFECT~戦場の覇者~」、
そして過去の名作FPSを批判し新しいFPSを標榜してクラウドファンディングで資金を集め期待させておきながら、
蓋を開けたら尽く要素がスベっているうえ、クリア者が10ヶ月経っても出ないレベルの鬼畜難易度、バカすぎるAIやNPCの挙動、それに激怒したプレイヤーへの舐め切った作り手の対応を兼ね備え、大言壮語に見合った盛大なブーメランを披露した全方位集中砲火兵器「Takedown Red Sabre」のダブル門番が襲来。
以後、並み居るソフトを蹴散らし続けてスレに君臨する。
しかし、こちらも前年度のHIPに続かんと年末の魔物、いやダークヒーロー「仮面ライダー サモンライド!」が颯爽と参上。
過去作品の使い回しCG多数、移動手段は徒歩だけ、味方ライダーの別形態が雑魚敵としてワラワラ現れる等キャラゲーなのに原作愛は皆無。ほぼ仮面ライダーである必要が無いストーリー、
加えてシナリオ進行に役立たずなオリジナルキャラ、フィギュアの数=残機をはじめとする様々な事情で子供どころか大人でもクリアが難しい鬼畜難易度により定価で税込9,234円のくせに追加で万単位のお金を払ってフィギュアを買わないとほぼクリア不能、課金しなければトロコンすら許されず、おまけにそのフィギュアの出来も低クオリティ、検証の中で次々発見されるバグ、
プレイヤーに有利に働くバグのみパッチで早々にピンポイント修正、遠回しに課金を催促するあからさまな公式サイドの悪辣な集金姿勢と、
「検証が進むにつれて、仮面ライダーのフォームチェンジの如く幾重もの変貌を遂げ、そのどれもが例年の大賞に匹敵する点」によって二大門番を撃破、異世界から大賞を掻っ攫って行った。
この年は幸か不幸か「数」のうえでは不作の年。しかし、問題は「中身」だった。
既にジャンルとして定着した「落ち物パズル」それもその金字塔であり知らぬ者はなく、ゲームシステムも整備を重ねて円熟した「テトリス」の海外勢「テトリス アルティメット」がまさかの襲来。
過疎極まりないオンライン、そもそもバグでまともにプレイできない、鬱陶しいエフェクト&雰囲気と悪すぎる操作性を有しており、バグ報告が相次ぐ最中ろくな修正もせずに公式生放送を全世界同時中継で行い、放送中に行われたオンライン対戦の9割でゲームプレイに支障が出るレベルのバグが発生し出演者が必死にゲームのフォローに回る事態が発生。
だが、オンラインプレイは無視できる事とテトリスに習熟した住民が不足していた事も合わさってオフラインプレイでの検証は遅々としていたが、オフラインでも超スピードで動いたり勝手に自滅するため「クスリでもキメている」と揶揄されたクソAIだけでなく、「ゲームが進んでブロックの落下スピードが最高レベルに達すると、その状態ではランダムでブロックの操作猶予時間が消滅する」ことが発覚。
結果、テトリスブランドの名誉と安全神話を蒸発させたとんでもない核爆弾であった。
住民からは「これはテトリスではなく突き抜けたなにか、言わばテトリ『ヌ』」と称された。
迎え撃つは、13年度以降猛威を振るうメーカー・ハムスターの誇っていたいぶし銀の名作「アジト」シリーズから門番として発生していた「アジト×タツノコレジェンズ」。
褒められるのはタツノコキャラのドット絵くらいで、後はゲームを構成するほぼ全ての要素が20年前の作品からの使い回しという徹底的な全編手抜き仕様。
プレイ時間の殆どが待ち時間という自由度の無さ、デバッグ・調整放棄による劣悪すぎてストレスしかないゲームバランスとUI、バカすぎるAI、膨大なバグの嵐等どこを切っても隙が無い。
おまけにコラボにもかかわらずタツノコキャラの声優は全て旧作のキャラボイスや怪人ボイス、専門学校生で代用し、演出ムービーも音声すらないキャプチャ動画というサモンライドに負けず劣らずのタツノコ作品への露骨な原作愛の無さが浮き彫りになるなど桁違いの堅牢さを誇り、テトリスアルティメット以外のクソゲーはすべてこの門番の前に忘却される運命となった。
しかし、この2作は瑕疵のあり方を異にしていた。
「テトリス アルティメット」はバグは起こるがフリーズは少なく、バグの方もそういうものと割り切ればネタとして何とか遊べる(ランダムで操作する間もなくなる現象も、高レベルに慣れない限りはそうそう煩わされる機会がない)のに対し、
「アジト×タツノコレジェンズ」はバグ、フリーズの後クラッシュ可能性あり、チュートリアルで詰み、ボタンの操作ミスでセーブデータ初期化といった数多の笑えないバグが徹頭徹尾張り巡らされていた。
しかもパッチを当てる度に内容が悪化し、挙句の果てには発売後僅か1日でDL版が販売停止になったのもさることながら、ゲームを終了し再開する度に100%の確率で進行度はそのままにセーブデータが初期化される「賽の河原バグ」の存在まで飛び出すそれは、かの2008年度の伝説的クソゲー「ジャンライン」を上回る修羅であった。
また、賽の河原バグにより検証は加速度的に困難化。よりバグの酷いパッチ無しの初期データ縛りか、パッチを当てた上で熱暴走やフリーズに怯えながら電源を落とさずセーブ無しにプレイし続けるかを選ばざるを得なくなり、勇者の1人は72日間の死闘の末に本作を完走してみせたが…そこにはEDすらない虚無が待っていた。
その酷さから
検証者の1人を発狂させてストレス性味覚障害へと追いやり
、某大作シリーズをエントリーさせに来たお客様を僅か20分のプレイ動画鑑賞で心をへし折り選評を撤回させるなど、多方面に強烈なインパクトを残す結果に。
それに加え、日本で本体が売れず値段が高止まりしたままだったXboxONE専売ソフトである事も相俟って、検証のために本体ごと購入しようとすれば少なくとも4万円を超える出費をコレのためだけに覚悟しなければならない事もあり本スレは忽ちゴーストタウン化。
数少ない購入者の1人が選評完成直前に失踪するなど検証は難航を極め、ようやく帰還を果たした検証勢の1人の報告によって内情が発覚していくにつれ「テトリス アルティメット」さえも選外落ちとして初の1人勝ちを推す声まで上がる異常事態となった。
「天には『究極』、地には『伝説』」。基準がインフレした近年であっても余裕で大賞を狙えるであろうポテンシャルを持つ前代未聞の二大巨頭の決戦は、「最小限の労力で最大限の苦痛を作り上げた」などによって「アジト×タツノコレジェンズ」の逃げ切り大賞受賞に終わった。
空前絶後の2大問題作の虚しき死闘を終えて待ち受けた16年度は、小粒なれど現実と理想が噛み合わない悲しいクソゲーが乱舞した。
トップバッターとしてノミネートされたのは名作映画ランボーシリーズを題材とした、「ヘビーファイア」シリーズでおなじみの常連TEYONが送り込んだ帰還兵「RAMBO THE VIDEO GAME」。
「ヘビーファイア」シリーズ恒例の無駄な戦場のリアリティはそのままに名作映画ランボーを再現しようとした結果、映画の名シーンの数々は無慈悲にカットされ、ランボーは『裸ん坊』と揶揄される貧弱な一般兵並のスペックに変貌。
低品質なグラフィックや演出も然る事ながら、高難易度なゲームバランスはこれまでよりも更に悪化。ランボーの超人性を再現しようとした期待できそうなシステムもほぼ無意味という惨状。
期待できそうな新システムで持ち上げた後、「やっぱりヘビーファイアと変わってねえじゃねえか!」と購入者を上げて絶望に落とす見事なブービートラップを披露し、16年度の門番として君臨した。
そんなランボーを突破したのは「闘牛シミュレーションゲーム」という新ジャンルゲームを掲げるも、
初代PS時代レベルのグラやスレ民ですら解明できないほど理解不能な判定・得点方式を擁するゲームパート、奇天烈なカメラワークがプレイする気分を仕留めていき、「闘牛」と呼ぶのもおこがましい「TOGYU」とまで蔑称されたインディーズゲー「TORO -牛との戦い-」。
そしてこの上記2作を見事攻略し、大賞となったのは毎年恒例となった年末の魔物「古き良き時代の冒険譚」。
「ルールはわかりやすくシンプルに、小難しい話や鬱展開にはならず、誰でも満足感を持ってクリアできる難易度で」というコンセプトに制作されるも、
結果出来上がったモノは「シンプルすぎて面白みがなく、レベル上げしかやる事の無い陳腐な戦術性、中身が無くただただ薄ら寒い失笑物の茶番劇、ストレスが絶妙に溜まる上に虚無感しかない難易度」という惨状。
更にPS4専用ソフトなのに下手をすると同人ゲーや無料フリーゲーム以下のグラフィック、BGM、UIなど全てが悉く低品質でストレスが溜まる仕様であった事が、「一つ一つは小さく思えるクソ要素が十数時間の退屈な作業プレイを通じて、徐々に耐え難い苦痛に変質していく」という突出した長所として評価され、2016年度の栄冠を勝ち取った。
ノミネートは5作。さらにいずれも粒揃いと近年のKOTYにしては豊作な年となった。
Unity学習用サンプル流用で他機種でも同様の作品が出ているのにもかかわらず、単調、ハイスコアが記録されない、スコアの集計などにバグを抱えるなど
「対戦チンチロリン以上に存在価値がない」「300円どころか3文の価値すらない」「Steamの底辺クソゲーと比較しても遜色ない」「
クソゲーを通り越してただのクソ
」
という評価を残して無事にIT産廃と化した「SHOOT THE BALL」が2017年の門番として君臨した。
グラやUIがいつも通りの粗さな上、ただでさえ頻発するクラッシュがある操作で確定的に発生したり、資金が99999固定表示なのにもかかわらずそれ以上の額が使えたり、
はたまたいきなりマイナスになり使えなくなったりと安定のSSαクオリティを見せつけた「現代大戦略2017~変貌する軍事均衡!戦慄のパワーゲーム~」。
意味不明なストーリーや今や時代遅れの8方向ダッシュ、などの細かいクソ要素以上に
命中率が悪く格闘判定もおかしい、復活後一定時間無敵、FPSとしては禁忌とされるP2W調整など、もはやFPSとして破綻している「Opration7 Revolution」が6月までに降臨。
10月にはYouTubeティザー紹介文のURLミス、PSVR対応寸前キャンセル、読みづらい文章や誤植、擬音多用なんてまだ序の口、
超展開・電波の連続、さらにバックログがエピソード初めからしか読めないどころか読んでいるだけで処理落ち発生、粗いグラがVRモードでさらに悪化しなおかつ操作性が悪くなるなどの地雷原となったAVG「Tear ー終わりとはじまりの雫ー」が10月に登場した。
しかし、今年の年末の魔物は一味違った。「RXN -雷神-」である。
「これまでの常識を疑い、2017年現在のシューティングのカタチを確立することを目指す」と意気込み、(STGとしては珍しい)レベルアップシステムを導入したはいいが、
レベルが低いとまるで攻撃が通らない上こちらのレベルアップペース以上に難易度が上がっていくが、逆にレベリングが終わると難易度が大幅に低下。
経験値の結晶も敵弾と似てわかりづらく、なおかつ3つ用意されている機体ごとに経験値が設定されているので3倍の作業が必要、独自システムも機能していないなど「レベルを上げてショットで殴るゲーム」と化してしまった。
また壮大なストーリーや世界観を構築し、豪華声優陣によるフルボイス、キャラクター別のサイドストーリーをTwitterで展開したは良いが、
ゲーム中で敵と戦う説明がなく公式サイトでの補完が必要、サイドストーリーも特にゲームには絡んでこない、
操作に忙しくボイスを聞いている余裕がないわりに重要なセリフはスキップ不可、そしてストーリーと演出の食い違いなど、
本来美点となったであろう個性的な要素たちが逆に足を引っ張りあい、盛大な不協和音を奏でるストロングスタイルのクソゲーと化してしまったのだった。
5作はいずれも例年なら大賞を狙える逸材であり、総評でも「皆が違った強烈な個性・ベクトルを持った逸材揃いで単純な比較はできない」「
できれば全作に勝利の栄光を与えたい
」と評された。
しかし、他作にないクリエイターの熱意の暴走により、歴史に名を刻む佳作が世紀の駄作と化したことはKOTYの「クソゲーたちの詳細な記録を残し、後の人々に忘れ去られないよう語り継ぐこと」という原点に立ち返った結果、
「クソゲーになるべくしてなった他候補作とは異なり、良作になるはずの作品のごく小さな歯車が少し欠けただけですべてが狂い、クソゲーと化したという悲しき経緯を持つからこそ後世に語り継ぐべき大賞作にふさわしい」として「RXN -雷神-」が玉座に就いたのである。
今年もノミネートは5作。
スレ開始から15年目にして平成最後の年なだけあって、やってきたのは皆一癖も二癖もある強豪が揃うクソゲーダービーと化した。
トップバッターはゲームを初回起動するとメニュー内の文字が消滅する先制パンチを放つバグに始まり、
トレイラーの時点でPS4の恩恵を受けているとは思えない程ショボいグラフィック及びモーションとすこぶる単調な耐久ゲーを強いられ戦略性も皆無な無味乾燥極まったゲーム内容、
馬を前進させ続けるには×ボタンを連打しなくてはならないため本当に指の痛みを感じるだけでなく、
コントローラにも物理的にかなりの負担を強いてくるクソUIの同時攻撃がプレイヤーを苛んでくるストロングタイプなクソゲー『Horse Racing 2016』。
そして続けて出走したのは「New」の名を冠しながらも実際はこれまで積み上げてきたシリーズの信頼を一瞬でブレイクダウンした人気シリーズの新作『New ガンダムブレイカー』(通称NGB)。
満を持して発表されるも「ゴミ収集」「玉入れ」に例えられた不便極まりないゲームシステム、
不便なUIと大小様々な豊富なバグ、崩壊気味のゲームバランス、不便かつただただ薄ら寒い上に無味乾燥なギャルゲー風ADVパートなど、全方位に渡り隙がなくキャラゲーとしても無価値の烙印を押された白い悪魔である。
特にPVでも大々的に宣伝された目玉の新ゲームシステム「RTC(リアルタイムカスタマイズ)」の耄碌ぶりはかなりのもので、そもそも新システムの根幹となるコンセプトそのものがこれまでのシリーズの長所を全否定する阿呆なものだったこともあり「土台そのものが腐っている」と揶揄され、体験版の時点で不評の嵐だったにも関わらず殆ど改善されぬまま出荷され国内外共に軒並み低評価の嵐となった。
6月の時点で「風雲再起を乗りこなすガンダム」「デビルガンダム」「白い悪魔ならぬ面白くない悪魔」とも例えられた2大巨頭を門番として迎えざるを得なかったKOTYだったが、そんな門番を打破した3体の実力者もまた存在した。
1体目は2013年の携帯版KOTYを制した『ホームタウンストーリー』の生みの親が送るオリジナル完全新作『リトルドラゴンズカフェ -ひみつの竜とふしぎな島-』。
絵やストーリーからハートフルな冒険もの兼カフェ経営ゲームと期待されていたが、実態は経営ゲーなのに金の概念がなく、不親切なUIとバグ&フリーズに加え
- サボりと邪魔することだけは一丁前なスタッフと傍若無人な態度を取る客の対応に追われるブラック企業さながらなカフェ経営
- シナリオがとにかく単調な上に冒険とは名ばかりの「カフェで出す料理のためにレシピのかけらと食材を調達する」ただの採集ゲーム
- イベント以外では料理する必要もなく普段はカフェ経営を放棄して採集に精を出し、昼過ぎに帰宅からの就寝という流れで事足りるゲームシステム
がプレイヤーを苛み、経営の苦しみと努力の無価値さを教えてくれる案の定ハートフル(ボッコ)ゲームだった。
2体目は「360度全方位式ブロック崩しゲーム」と銘打ち980円という超低価格で勝負を挑むも、
全5ステージにも関わらず使い回しを多用する手抜きっぷりに加え、理不尽なまでの膨大なレベリング作業を強いられ「レベルを上げてボールで殴ればいい」で集約されるゲーム内容が購入者に虚無を与えるゲー無だった『GEM CRASH』。
そして3体目が今年末の目玉となる破壊神『RPGツクールMV Trinity』である。
据置型ゲーム機向けとしては14年ぶりとなるツクールシリーズ最新製品の移植版だが、実態は「仕様通りな部分もそうでない部分も全部クソ」というとんでもない核地雷だった。
- チュートリアルの時点で無限ロードや製作中のデータが上書きされたりといった理不尽なバグの嵐によりまともにチュートリアルすら出来ない
- フリーズ、強制終了・強制上書き、賽の河原バグがあちらこちらに頻発し、新種のバグの発見が日常茶飯事となった結果、バグの総数が推定500超に到達した本編
- パッチを当てたらバグが増加
- バグ以外でも何をするにも毎回挟まれる5~10秒の長いロード
- データ消去・上書きの誤操作を誘発させ作業時間が簡単に無に帰すクソUI
により、ツクラ―の心を悍ましい数のバグで苛んで荒廃させ、追い打ちのクソUIで丁寧に粉々にしていくバグゲーに収まらないストロングな要素も完備した姿は正しく破壊神。
また何故かログインボーナスも実装。
配布素材も必須レベルのものばかりな上、ここでも素材が追加されるごとに何故か使用していた素材が別のものと勝手に置き換わるバグや賽の河原バグ等も内包し、ログボを受け取るだけで作った作品が破綻しかねない。
この有難迷惑なログインボーナスは最低180日間存在しており、ただでさえ苦痛なのにゲーム作りに必要な素材が最低180日間ログインしないと揃わない苦行が待つ。
過去のアプデ履歴を削除したり、バグ修正すら放棄したのかアップデートでチュートリアルを完全削除して亡きものにすることで無理矢理修正を図ったり、「お客様はデバッガーではありませんので」という失言をかまし火に油を注ぐなどメーカー対応も杜撰の一言。
PS4版では『MVT』全体のゲーム製作容量が一定値を超えると無限ロードが発生することが判明したり、ツクール本体を持っていなくてもツクられたゲームが遊べる無料アプリ『MVプレイヤー』は作者のテストプレイデータが残っている上に、プレイ不可能なバグといった不具合も付けた香ばしい逸品である。
この惨殺死体の如き惨状から、プレイヤーから「RPGツクーレナイ」と揶揄されこき下ろされたのは残念でもなく当然の結果だろう。
税抜き7800円ながら仕様側のストロングなクソ要素と、終わりの見えないバグ要素と双方で隙の無い商品失格レベルの致命的な欠点を露わにした結果、2019年3月11日にはXbox One版の発売中止が決定。対応プラットフォームの減少により、本来想定されていた「Trinity」の瓦解が不可避となるオチが付くことになった。
この5体の大怪獣バトルは最終的に『Newガンブレ』と『ツクーレナイ』の2大巨頭の一騎打ちにもつれ込み議論は白熱。
最終的に「自ら掲げたコンセプトの否定をより最悪の形でやってのけた」「”自作ゲームの完成”という大まかな目標をも遠のかせる、質と量を兼ね備えたクソの集合体」という点が決め手となり、満場一致で『RPGツクールMV Trinity』が大賞に輝いた。
『ヨンパチ』の如き無数の不具合、『アジノコ』の如き賽の河原っぷりとパッチによる悪化、『嵐』の如き仕様とバグの境界の曖昧さ、『姫』の如き悪手を打つ事後対応、『誤当地』の如き家庭不和の報告と、
歴代KOTYの負の叡智を結集させたその有様は、まさに平成KOTYを総括するに相応しい存在として認められた。
今年の話題作は6作と昨年同様豊作だが、特記すべき点として
6作品すべてが低価格のDL専売であり日本国外の小規模制作であるインディーズ作品
、そのうち5作が「無」を武器としたクソゲーであった。
かつて「修羅の国」の領分にすら入っていなかった同人作品・インディーズ作品が、いまや据え置き機にも容易に進出できる時代となり、令和のKOTYは国産品不在の混沌を真正面から受け止めなければならなくなったのである。
一番乗りを果たしたものは20世紀末を舞台とした「YⅡK:ポストモダンRPG」。
味方に役割のない単調な調整の上から、攻撃にも防御にも要求されるQTEの嵐、レベルが上がることによって加速度的に攻撃力が上昇し戦闘の価値を無くしたレベル依存の全体攻撃、レスポンスがやたら悪いダンジョンと異常にテンポが悪い。
ストーリーも謎をバラ撒くだけバラ撒いてそれを回収しない、固有名詞に対する解説が足りない為に世界観への理解がしづらいなど何処までもまとめられていない。
バックログが存在せず、フリーズや進行不能バグの存在など粗末な点も多々見られる。
「思いついたものを手当たり次第ブチ込んだせいで、まとめる事に失敗したゲーム」と呼ばれ、住民を悩ませたこのゲームが門番を務めることになった。
時代は令和に移り、改元後初の選評が提出されたのはボクシングアクションゲーム「ROBOX」。
ガン待ち有利のゲーム性、そのゲーム性を理解していないCPU、その上終了時お互いノーダメージだと何故か1Pが勝つなど1人プレイにも対人戦にも価値がない「無価値」のゲームとして話題作入りした。
更にジグソーパズルなのに3Dアクションゲームばりの操作が要求され、ピースがオブジェクトの下に入り込むと詰み、加速する処理落ち、ピースの判別が非常に困難でミルクパズルに例えられる難易度、本来合わないピースが合うバグ、ソフトを終了するとデータが消失するなどなどどう考えても現実でジグソーパズルを買って遊んだ方がマシな「Total Jigsaw」も参戦。
11月に移り選評が提出されたのは中国産の恋愛シミュレーションゲーム「サマースウィートハート」。
「10人の女の子たちと過ごす、楽しい一年間」という触れ込みのゲームだが、その内実は「恋愛」とはかけ離れたものだった。
どんなに少なくても800回以上ものコマンド選択と、それに付随するイベントがフルマラソンの如く長く険しく厳しい苦難としてプレイヤーに襲い掛かる。
女の子達との交流も「冬の浜辺でサンオイルを塗る」「天気がいいから深夜に地下鉄に行く」「ショッピングしてたらいつの間にか結界を越えて別の世界に行ってた」とコレジャナイ感が凄い。さらになんの説明もなく始まるミニゲームに失敗すると好感度が下がる、メインヒロイン以外のSNSへ返答が出来ないなど「このゲームをやっている意味」を問うような謎仕様が相次ぐ。
バックログ無し、糞翻訳でぶち壊しの雰囲気など、シミュレーションとしも低品質。
そしてプレイヤーはこれらの何故やっているのか分からない苦行をゲーム内で一年以上続けることになる。
そんな「終わりなき虚無」を描いたゲームが話題作入りした。
難航する総評作成の中、翌年2月、スレに2つの爆弾が投下される。
開始時の30秒を超えるロード、劣悪なスティックの操作性、ブレイクショットで三角形の角の玉以外は不動だったなど破綻した物理法則、鬼畜AIなど、元々ビリヤードの1ルールしか遊べない薄い内容の上にあらゆる点が粗末なビリヤードゲーム「8ボールポケット」、
ロングパスをするためにシュートをしないといけない、強さの調整を強いられるパスなど操作性が悪く、イエローカードが存在しない、ボールを出した側がスローインするなど製作者がサッカーのルールを知らないかの様な挙動、指示が出せずうろちょろするだけのCPUや飾り程度の機能しかしないキーパー、頻発する上にそのCPUに操作を一任せざるを得なくなるバグの存在など「褒められるべき点がない」サッカーゲーム「スーパー アーケード サッカー」が、「
年度
末の魔物」として出現した。
結果、大賞争いは3月まで縺れ込む。その末に「本質が『虚無』であるにもかかわらず『物量』を武器としている」という点、魅力をもったキャラの掛け合いや名だたる作曲者による音楽などの褒められるべき点がある「YIIK」に対し「万人に通ずる糞」として「サマースウィートハート」が受賞した。
スレに過疎の兆しが出てきて、一部の有志により細々と進行するのみになっている。
住人自体はまだ多いし某クソゲーハンターの動画を見たことにより加わった人もいるのだがスレの速度が明らかに落ち込んでおり、様々な要因により選評のハードルが上がりすぎたのか議論も上手く進まなくなっている。
元はGOTY受賞の名作だったがクソ翻訳で理解不能になってしまった「Kentucky Route Zero」、もともと雰囲気ゲーとして成立しているかどうかも疑わしい「Dreaming Canvas」、
「動画でテニスを観戦するよりもつまらない」と切って捨てられるほどプレイが成立していない「テニス オープン 2020」、
無味乾燥な「玉入れ」システムに堕したうえメディアミックスの設定すら活かせていない子供騙し「爆丸 チャンピオンズ・オブ・ヴェストロイア」と、
本年もまた、国外産の虚無ゲーが話題作の座を独占するという傾向になった。
が、ここで一つだけ、他のクソゲーとは明らかに異なる存在感をSNSに示していた韓国のインディー作品がスレ住人の目に止まる。「
ファイナルソード」である。
見た目はチープながらプレイヤーのアクションはそれなり豊富に作られており、この時点で完成度は間違いなく他4作よりは上と言える。
だがそのことが、それ以外(敵、ダンジョン、バランス、レベルデザイン、当たり判定など)の軒並み理不尽な要素による苦痛を絶妙に引き立てるスパイスになっており、これは昨今のKOTYに長らく流行っていた虚無ゲーには見られなかったものだった。
またこの作品も翻訳は低質だが、チープな見た目と相まって珍妙な演出になっている場面が多く、一周回って
「ファイナル語録」としてネタにされてきた点も他のクソ翻訳ゲーとは一線を画する。
更にBGM無断使用問題により4日で配信停止になっていたバージョンが選評として出されていたのだが、年始には修正をところどころ盛り込んでいると思いきや理不尽要素をほぼそのままに販売を再開しているなど、売り逃げではないことを示すようにただでは転ばない一幕も見られた。
その魅力的なクソの山は例えるならば、四八(仮)の前に「十年に一度のクソゲー」として知られ、愛されるクソゲーの代表格であった「
デスクリムゾン」の如しと言えよう。
これまでの傾向が「商品未満」か「虚無」に傾いていた中、DL専売ソフトによる販売ハードルの低下によりただの低品質・虚無ではキリが無くなってきた(=「『修羅の国』の門戸が開かれた」)反動からか
「クソゲーから笑いを生み出す」KOTYにとっても「クソゲー」の定義に見直しが入る流れとなった。
結果、KOTY据置版における最長期間(1年と5ヶ月半)をかけて「ファイナルソード」が大賞受賞となり、何処か行き詰まっていたスレを新たな真理へと導いた伝道者が見事に虚無ゲー共を打ち払うという、昨年とは対照的な結果をもたらしたのであった。
例によってスレの過疎化、低価格インディーズゲームの隆盛などで選考は難航。
中でも発売直後に選評が滑り込んできた「Urban Street Fighting」、そしてその開発元Pix Artsによる「1年間で50本ものアセットフリップ」という信じがたい事実を目の当たりにし、
前々から加速し続けていた粗製濫造ゲー無の氾濫を危惧したスレ民は、7月より暫定的に審査対象ゲームを「CEROレーティングを通したもの」に制限。
DL専売ゲームは大抵はIARCレーティングしか通していないので、PS4版のみCERO審査していた「Super Arcade Soccer 2021」を最後に事実上インディーズ作品はほぼ鎖国された。
このレギュレーション変更によりひとまず住民はゲー無の嵐から逃れ、年末の魔物も現れることはなかった。平穏な後半期と思われたが、住人たちは何の因果かそれとも気まぐれか、
フルプライスの大作でありながら並の処理班を人知れず呑み込み続けていた隠れし深淵「バランワンダーワールド」に目をつけてしまう。
制限と水増しに終始した欠陥だらけの「衣装システム」やシビアな判定かつやり直しの手間が無駄に莫大なQTE「バランチャレンジ」、ザコ敵を無傷で倒しすぎると敵がやたら強くなってしまう「バランスAI」やシステム・ストーリー両面の説明不足など
音楽やビジュアルといった他の要素では到底覆せないほどに
ゲーム性が壊滅している
という新しいストロングスタイルであったことが判明。
さらにストーリーなどの掘り下げを丹念にした小説版と隠し曲を含むサントラの発売によりゲーム版は完全に無価値と化したこともあり、
前年の「ファイソ」と対比し
「感情を共有できない」
大賞の墓標にその名が刻まれるのであった。
これまで奇跡的に「虚無」の津波に抗っていたKOTYだったが、その最後の一手である「CERO審査済み作品限定」という制限についての論争が年始から実に半年間も紛糾した。
一旦その方針を維持すると決まった後の夏、一本のタイトルについて選評が出されたが結局取り下げに終わってしまい、
その後もKOTYの門を叩くに足るパッケージタイトルは、12月末の「RPGolf Legends」ただ一本を除いて現れなかった。
CERO鎖国、そして「虚無でないKOTY」という己が歴史に首を絞められ、詰みに陥ったクソゲー議論。
果たしてその結果は携帯機部門がそうであったように「該当作なし」という形で締めくくられ、
スレの方針と業界のスタンスが合わず候補作も出得ない以上、無期限の活動休止という決断をさせるに至ったのである。
携帯機部門最終年の総評の結びでは「クソゲーが出ないことは良い事です」が引用されたが、今度は「その言葉ではもう締められそうにない」という嘆きが続けられた。
クソゲーを語れなくなっても増え続ける、クソゲーと言える虚無やアセットフリップへの嘆きである。
しかし、果たしてKOTYが語るべく追い求めた「つまらないゲームの中で一番尖ったもの」の持つ違いとは結局何だったのか?
目を背け続けてきた疑問に答えは出されないまま、幕は下ろされてしまった。
翌年以降も再開の目処は全く立たず、もはや事実上の活動終了状態。
沈黙は二度と破られそうもない…。