無限のリヴァイアス

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無限のリヴァイアス - (2017/04/24 (月) 22:47:06) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/02/04(金) 18:44:02
更新日:2024/03/23 Sat 13:20:40
所要時間:約 18 分で読めます







俺たちには、救いなんかいらない




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1999年10月6日~2000年3月29日にサンライズにより制作されたSFロボットアニメ。全26話。

SF版『十五少年漂流記』……ではなく、SF版『蝿の王
突如、大型の惑星間航行船に乗り込むことになってしまった宇宙船乗組員養成所の487人の少年少女達が織りなす人間ドラマが描かれる。
閉鎖環境の中で人間関係が歪んでいく様子を嫌にリアルに描写し、同時にSF部分についても他のロボットアニメではなかなか見られない、しかし完成度の高い設定を盛り込んでいる。
名作ではあるが、恐らく多くの視聴者は全話を視聴した後に「面白かった、面白かったがもう一度通しで見るのは勘弁」と嘆くことだろう。


脚本家・黒田洋介の代表作として数えられる作品だが、多くの人はこの一年後に放送された『スクライド』も同じ脚本家が手掛けた作品だとは想像できなかったのではなかろうか。
また、黒田氏はサンライズからオファーが来たとき「俺も遂にガンダムを書けるのか」とぬか喜びしたらしい。結局それは7年後に持ち越しとなった。


【あらすじ】

2137年に発生した大規模な太陽フレア「ゲドゥルト・フェノメーン」が生み出した、高密度のプラズマ雲がまるで「海」の様に太陽系を覆う世界。
「ゲトゥルトの海」に南半球を飲み込まれた地球では17億の人命が失われ、それ以来、人類はこのゲトゥルトの海と苦労して付き合ってきた。
ゲトゥルトの海の中を航海できる「可潜艦」は、そうした努力の中で生まれた。

2225年。地球衛星軌道の航宙士養成所「リーベ・デルタ」は何者かの工作によって制御不能になり、ゲドゥルトの海へ突入してしまう。
操船部の特進クラスが練習艦を起動し、教官達は彼らの発進をサポートしようとするが、工作員の妨害によってフライトアプローチは失敗。
教官達が全員殉職し、最早これまでかと思われた時、リーベ・デルタ内部に隠されていた巨大な外洋型可潜艦が起動した。

辛うじて謎の可潜艦に退避し、命拾いした487名の少年少女達だったが、何故か彼らは、自分達を救助するはずの軌道保安庁から武力攻撃を受ける。
密閉された極限状態の艦内で、混乱しつつもこれに対処し、秩序を築こうとする特進クラス。
一方で状況を把握できない一般生徒は不満を強め、権力を握ろうとする不良グループはその状況を利用して行動を起こそうとしていた。

ブリッジの指揮権争い、物資配給の対価としての労働、度重なる戦闘、そしてそれら一切から逃げることが出来ない環境……。
穏やかに、もしくは急速に進む人心の荒廃。「黒のリヴァイアス」の487名は、出口の見えない逃避行を続けていく。


【主要な人物】


相葉昴治
CV.白鳥哲
本作の主人公。
サンライズ作品史上最弱の主人公にして、サンライズ作品史上最強の主人公の異名を持つ。
詳細は当該項目を参照。


◆相葉祐希
CV.保志総一朗
昴治の弟。容姿や性格を見ると昴治よりもよっぽど主人公らしい。
パイロットとしてたぐいまれな実力を持ち、他の能力もツヴァイに匹敵する。
しかし、自分の意思を貫く性格が災いして周りとの衝突は絶えない。
昴治とは3年前の事件以来、険悪な関係になっており、劇中でも幾度となく衝突している。


+ 以下ネタバレ
あおいへの恋心と昴治への妬みから、イクミ政権に加担するが、イクミ同様に、ヘイガーとファイナに利用されていく。

ランク別が始まった際には、昴治とあおいのランクをヘイガーに尋ねる姿を見せるが、それが逆に、2人を最下位のEランクに落とすことに繋がってしまった上、ヘイガーの手でEランクは隔離され、そこから脱出してきた昴治が、眼前でイクミに撃たれながらも助けずに放置し、ゲシュペンストとの戦闘中、昴治もあおいも本艦に置き去りにされると、最悪の方向に進んでいった。

半死半生ながらも投降を呼びかける昴治に憤りながらも、カレンの叱責でイクミから助ける道を選ぶが、イクミとの命懸けの話し合いをやめようとしない昴治の覚悟の前に動けなくなってしまう。

救助後、あおいへの恋心を本人なりに昇華し、昴治のことも見直し始め、事件の関係者の大人たちに対する昴治の中の鬼や再乗艦の決意を見てからは、ケンカはしなくなった程度には仲は改善されたが、大きく成長した昴治の姿に敗北感や寂しさを見せていた。

もう1人の因縁の相手であるブルーへのリベンジのために再乗艦し、再戦を挑む。またもや敗北しながらもバンダナを奪うことはできた進歩に笑顔を見せた。




◆蓮仙あおい
CV.桑島法子
ヒロイン。
昴治と祐希の幼馴染みで2人の関係を修復したいと考えている。
昴治に恋心を抱くも自身は祐希から恋心を抱かれると複雑な三角関係だが、本人に自覚はない。

+ 以下ネタバレ
集団暴行されたこずえを元気付けようとするが、「暴行事件のおかげで、イクミと本当の恋人になれた」と思うことにしたこずえから、相葉兄弟のことで詰られて絶交されてしまう。
追い打ちをかけるかのように、レイコもイクミの手で追放されてしまい、1人きりになってしまった。

イクミ政権においては、ファイナの刺客に襲われたことで、昴治に依存し、現実逃避を図るが、昴治からは「これは現実だ」という荒療治を取られる。
その荒療治と昴治の支えで、辛うじて、現実と向き合っていくが、その昴治がイクミに撃たれて、瀕死の重傷を負ったことで、自分が昴治が好きなことを自覚。一命をとりとめた昴治と共に、戦闘中ながらも、リフト艦に赴き、こずえに伝えるべきことを伝えようとするが、昴治の手で一室に閉じ込められてしまう。ネーヤのおかげで脱出するもイクミとこずえの破局により、伝えるチャンスを逃してしまう。

救助後、昴治と恋人同士となり、祐希との三角関係にも終止符を打つ。

リヴァイアスに再乗艦した際には、こずえと再会・和解を果たす。




◆尾瀬イクミ
CV.関智一
昴治の親友。気さくな性格で面倒見も良い。
パイロットとしての腕は確かで、ヴァイタル・ガーダーのメインパイロットとして活躍する。
過去に何かあったらしく、人の死に過剰なまでの反応を示す。

+ 以下ネタバレ
実は、過去に姉の尾瀬カオリと近親相姦の間柄にあったが、父親の手で引き離された末、カオリは自殺してしまう。
そのトラウマと姉の死に向き合えないことから「人の死」というものに対して過剰な反応を示すようになった。

こずえとの交際でも自身のトラウマから中途半端に接してしまうが、それにより、不貞腐れたこずえが増長して集団暴行に遭ってしまう。
以降はリヴァイアスを独裁してでも秩序をもたらし、こずえたちを守ろうとするが、一番守りたいのが自分自身の心であることに気付かず、足下が見えぬまま、ヘイガーとファイナにいいように利用されていき、守るはずの乗組員を殺しかける事態にまで発展。最終的には押し潰された。

近親相姦の末とはいえ、姉を喪ったことには同情できないわけではなく、独裁による秩序も必要悪ではあった。
だが、「中途半端な恋愛でこずえに不快感を与え、こずえ事件に繋げる」「自分の愚行を棚に上げて、レイコを一方的に責めて追放」
「昴治を3回も殺した上、一生モノの傷を負わせる」「ヘイガーの暗躍を見抜けず、リヴァイアスの乗組員の大半を殺しかけた」のも事実である。

元凶にあたる尾瀬姉弟の父親であるが、父親の立場からすれば、我が子たちの近親相姦に猛反対するのは至極当然。
だが、話し合いもせず、無理やり引き離し、カオリに至っては自分で望んだ結婚ではなかったとはいえ、相手側の家族にも迷惑をかける自殺を行うと、尾瀬家は家庭自体は裕福ではあったが、家族間は非常に歪であったと言える。

事件後は改心し、昴治に許され、こずえとも和解の兆しを見せるが、昴治から独裁時の行動を蒸し返されたことで、自分が悲劇のヒーローではないことに改めて気づかされた。

尚、尾瀬イクミという名は偽名。




◆和泉こずえ
CV.丹下桜
イクミのガールフレンド。
愛嬌のある美少女だが、恋愛脳であり、自分勝手な発言が目立つ。

+ 以下ネタバレ
ファーストキス時にイクミが本気でないことに気付いたことで、不貞腐れて半ば自暴自棄に活動。
この時、リヴァイアスの乗員は総じて不安な状況になっていることもあり、周囲の怒りを買った結果、腹いせとして性的行為も含めた集団暴行をされてしまった。

以降は、イクミの本当の想い人(イクミの姉)のように振る舞うことで、自身の心を守るという道化芝居を行い、友人たちも切り捨てていった。
最終的には、恋愛ごっこよりも救助を優先。その結果、イクミの口から彼の本命が公となり、大勢の前で恥をかくことになった。

理由はどうであれ、中途半端な恋愛をさせられたことや性暴行には、同情できないわけではない。
だが、「空気を読めない不貞腐れから周囲の怒りを買う」「自分の愚行を棚に上げて、あおいを詰る」
「イクミの前だけでは反省したふりをして、イクミが目の前で昴治を殺害しようとしても止めようとしない」
「救助が来たことで身の安全が約束された後は、手のひらを返して、イクミを説得する」と、被害者や悲劇のヒロインとは思えない問題行動を発揮し、ファイナやミシェルとは別の意味で悪女となったのも事実である。
特に、昴治見殺し未遂に関しては「救助が、後一歩遅れていたら」「祐希が一度は昴治を助けなかったら」昴治はイクミに殺害され、救助後も何人かは地獄が続いたであろう。

その後、一応は改心し、イクミやあおいとの和解の兆しを見せている。

完全に余談だが、本作とほぼ同じ時期にカードキャプターさくらのアニメ版が放映中であり、こずえの中の人の丹下桜氏はイクミ役の関智一氏とともに出演していた。




◆市川レイコ
CV.豊口めぐみ
あおいとこずえの友人。
叔父のジョンに憧れており、よく自慢している。趣味は防犯グッズ集め。

+ 以下ネタバレ
イクミとの一件で自暴自棄になっているこずえを幾度となく戒め、相手グループも宥めていたが、最終的には保身から見捨ててしまった為、イクミから脅迫・仲間内から追放されてしまう。

助けを呼びに行っていれば、こずえを救えたかもしれないが、その時のリヴァイアスはディカスティアと戦闘中だった上、上層部のツヴァイもロクに機能していなかったことから、無駄骨に終わった可能性のほうが高い有様だった。

追放後はファイナの許に身を寄せるが、そのファイナからも切り捨てられてしまった後は開き直り、ゲシュペンストクルーに抗議を行う。

事件後、リヴァイアスに再乗艦しようとするも、イクミへの恐れから再乗艦できず、出航を見送ることになった。

あおいとこずえ、イクミに救いが描かれたのに対し、何の救いもなく、イクミとこずえからも謝罪されなかったという不憫なキャラ。
イクミとこずえはレイコに早いうちに謝るべきであろう。




ファイナ・S・篠崎
CV.愛河里花子

神秘的な雰囲気を持つ美少女。
ラーフラという名前のフェレットを飼っている。
詳細は当該項目を参照。

◆カレン・ルシオラ
CV.氷上恭子
祐希のパートナー。音楽好きで、しばしば音楽のメモリーチップを聴いている。
一匹狼タイプで成績優秀という面は祐希と同じだが、祐希と違って社交性もある。
達観した人生観の持ち主で、迷い悩む昴治に与えた「やりたいことに優先順位を付けて、覚悟を決める」は昴治に大きな影響を与えた。

+ 以下ネタバレ
イクミのクーデター時、イクミの行いを認めたわけではないが、自身も覚悟を決めて、独裁に加担する。

昴治の命懸けの投降呼びかけの際には、意地を張って、昴治を見殺しにしようとする祐希を一喝し、彼の心を動かした。

救助後は、面識のない親戚に引き取られたが、折り合いの悪さから、リヴァイアスに再乗艦する。



◆ユイリィ・バハナ
CV.氷上恭子
エリート学生集団・ツヴァイの主席で才色兼備の天才少女。その一方、服のセンスは壊滅的。
孤児院出身ということもあって、孤児となったパットの母親代わりも務める。
正反対のブルーとは互いに惹かれあっていった。

+ 以下ネタバレ
リヴァイアスの3代目艦長になるも重圧から放棄。Eランクに落とされるが、以前よりはいきいきとしていた。

再乗艦時、副艦長に任命。左手の薬指に指輪をしていたが、誰からの贈り物かは不明。




◆ルクスン・北条
CV.島田敏
ツヴァイの一員で自称艦長。オッサン顔だが17歳。
本人は優秀な父や兄のようになりたいと考えているが、言動と実力が釣り合っていない典型的な口だけ上司。
そのせいでブリッジを追い出されるが、パットとのコンビを経て、様々な経験を積み、逞しさを身に付ける。

+ 以下ネタバレ
Eランクに落とされながらも、以前とはうって変わって、良きリーダーぶりを発揮。ブルー同様にゲシュペンストからの制圧隊にも立ち向かった。

再乗艦時は艦長に再び返り咲く。




◆シュタイン・ヘイガー
CV.千葉一伸
ツヴァイの一員で、自他共に認める参謀役。
優秀ではあるのだが、冷徹で思考は選民思想。

+ 以下ネタバレ
チームブルーを追放し、新艦長のユイリィも自分の理想とする指導者ではなかったことから、クーデターを起こしたイクミの参謀役を喜んで務め、
イクミを隠れ蓑にリヴァイアスの陰の支配者になっていく。

Eランクメンバーを閉じ込め、ゲシュペンスト戦ではEランクメンバーを初めとした大半の乗組員も切り捨てていくが、昴治に自身の行いを暴かれたために失脚した。

事件後は改心し、償いのために再乗艦。ルクスンのことを見直す発言もした。

実はゲイであり、外見はルクスン、性格は独裁者時のイクミが好みらしい。



◆エアーズ・ブルー
CV.檜山修之
アウトロー集団、チーム・ブルーのリーダー。名前通り髪の色は青い。
土星圏ハイぺリオンの有力者の息子で、カリスマ性に優れ、武術にも精通。
ケンカでは祐希を叩きのめすなど、実質的に本作の最強キャラ。

+ 以下ネタバレ
兄たちから疎まれながら育ち、リヴァイアスを手土産に兄たちを見返そうと目論んでいた。

ツヴァイの弱みを握り、リヴァイアスを一度は治めるも、インプルスとの戦闘でハイぺリオンを破壊され、故郷と家族を一度に失う。
その上、リヴァイアスを見限ろうとした発言が艦内中に知れ渡ったために失脚した。

唯一の拠り所であるユイリィを気遣って、逃亡生活を選んだ末、昴治に助けられる。

ブルーの行いも決して許されるものではないが、裏切り直後に「家族と故郷を一度に失う」という報いを受けたことや、
逃亡もユイリィを守るためで、助けてくれた昴治には恩返しすると、
裏切り後は報いや善行が一応は描かれたからか、イクミやこずえよりは悪評は低い。

最終回では姿は描かれなかったが、彼もリヴァイアスに再乗艦している。



モーフィングナックル!

◆クリフ・ケイ
CV.長沢直美(現・永澤菜教)
ブルーの仲間の一人。看護科所属。
赤毛にナイスバディのセクシー美女。
ブルー政権時は、ツヴァイのメンバー・チャーリー(本名は、グッド・タートルランド3世)を筆頭に、次々と色香で虜にしていた。

+ 以下ネタバレ
実は男。胸は豊胸手術で、股間にはついたまま。チームブルーを除いて、正体を知っているのはチャーリーのみだ。
最初はチャーリーを利用していただけだったが、ブルー政権崩壊時にチャーリーに庇われたことから、彼を本気で愛するようになる。
ランク別が開始された際には、Eランクメンバーと行動を共にするようになり、看護科の経験を買われ、昴治の手術を担当。
リヴァイアス再乗艦時は農場の娘っぽくイメチェンしていた。




◆ミシェル・ケイ
CV.堀江由衣
ブルーの仲間の一人。クリフの妹。
年少にも関わらず蓮っ葉で欲の深いビッチ。
権力にも強い欲望を持っている。

+ 以下ネタバレ
幼少時には兄共々、児童売春をさせられ、過酷な性生活を強いられてた。
そして、ブルー政権が失墜した際、軟禁され、ガラの悪い男子の肉便器にされている。
しかし、今度はロリコン男をたぶらかしてまんまと脱獄、イクミ政権時に大勢のロリコンどもを親衛隊にして権力を取り戻す。
この時、権力を否定した兄クリフとは愛憎入り混じった感情を抱いて決別する。

ゲシュペンスト戦で親衛隊に見捨てられ、リヴァイアスに置き去りにされた挙句、兵士に捕らえられてしまう。
その際に、見限ったクリフや復讐対象のブルーに助けを求めていたが、それは彼女が隠していた弱さの表れだった。

最終回では、新しい彼氏を作っており、再乗艦はしていない。クリフやブルーと和解したかは不明。




◆パット・キャンベル
CV.南央美
殉職した、エリック・キャンベル教官の息子。本作のマスコット的存在でショタ担当。
父親に会いに来た直後にリヴァイアス事件に巻き込まれて父を喪うが、ユイリィたちの支えもあって、父の死を乗り越えて、自立も始めると、芯は強い。
イクミとこずえに爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
最初は、ユイリィ、ラン・ラックモルデ、カラボナ・ギニーのツヴァイ女性陣と暮らしていたが、途中からは、ルクスンと暮らし始める。

+ 以下ネタバレ
Eランクに送られた直後、皆に一足早く、誕生日(12月25日生まれ)を祝ってもらうが、その直後に救助というプレゼントが来た。

事件後はユイリィと暮らしていたが、彼女がリヴァイアスに再乗艦したために別れることになる。
そして、成長して、会いに行く決意を固めるのだった。

尚、ランはパットを溺愛していたが、その理由はショタコンらしい。



◆ネーヤ
CV.佐久間レイ
元祖イカ娘
エナメルの独特な衣装を着た神出鬼没の謎の少女。
艦内を徘徊しており、たびたび現われては乗組員の感情を代弁するような行動を行った。

+ 以下ネタバレ
その正体はリヴァイアスやヴァイタルガーダーを起動させる鍵・スフィクスであり、当初はリヴァイアス乗員の強い意思に呼応した台詞を喋るだけだったが、
感情を学んでいき、人間らしく成長していった。

また、ネーヤの母体となった少女は、ゲシュペンスト艦長のコンラッド・ヴィスケスの亡き娘、アンジェ・ヴィスケス。



◆コンラッド・ヴィスケス
CV.若本規夫
軌道保安庁の士官で、階級は中佐。
リヴァイアスを本体の名である「ブラティカ」で呼び、激しい敵意を抱く。
打倒リヴァイアスの為、自らもヴァイア艦、ゲシュペンストの艦長となった。

+ 以下ネタバレ
コンラッドがリヴァイアスを憎む理由は、リヴァイアスの初起動時に娘のアンジェ・ヴィスケスを喪ったため。

ヴァイア計画で娘を失い、その敵討ちのためにヴァイア計画の艦の艦長になるという、皮肉を自覚しながらも、
リヴァイアスの破壊に残された時間を費やすコンラッドだったが、アンジェを母体としたネーヤの説得にアンジェの声も聞いたコンラッドは、
部下たちにリヴァイアスの救助を頼み、ニードルガンで自決するのだった。

尚、ゲシュペンストと交戦したときのリヴァイアスの艦長はコンラッドと同じように肉親の女性を喪ったことから逃げ続けていたイクミであり、
両艦の戦闘は、鏡に映ったリーダー同士の戦いでもあった。




【登場したヴァイア艦】


◆黒のリヴァイアス
ブラティカとも呼ばれる黒いヴァイア艦。昴治たちはこれに乗艦している。
本作のタイトルにして主役メカであり、同時に作品の舞台でもある。
人型のVG(ヴァイタル・ガーダー)、アインヴァルトを搭載しており、重力制御が可能。特殊能力は不明。
タイムマシンなのは別のお話。


青のインプルス
土星の衛星ハイペリオンを一撃で粉砕する恐ろしい破壊力を持つVG回転衝角を搭載。
航宙可潜艦にもかかわらず飛び道具の類は一切使わず、ドリルで突撃するというロマンあふれる機体。
乗員は艦長のギッターを筆頭に異常にハイテンションであり、必殺武器の回転衝角と併せて視聴者に絶大なインパクトを与えた。

詳細は当該項目を参照。


深紅のディカスティア
ヴァイア艦の中で最も重力制御に秀でた艦。
名前は「ディスカスティア」でも「ディスガイア」ではない。
クルーは全員女性であり、艦長クラスはみなおばさん。
VGエイステラールは8つのフィンで囲んだ敵を、重力の狭間に追いやる。

「なんとかしなさぁーい!」「若いんでしょぉー!」


深緑のヴァイスハイト
リヴァイアスと交戦した3番目のヴァイア艦なのだが、VGを出す間もなく、攻撃を受けて撤退。鑑影は十字にクロスした剣のような形状をしている。
ファンブックの設定資料集によれば、敵を空間ごと切り裂くVG次元刀を載せているらしい。


山吹のディプロマーター
上と同じ。こちらは最終回エンディングで艦影が僅かに映ったのみ。
ヴァイスハイトみたいに噛ませ犬にならずに幸せだったのか、出番のなさで不幸だったのか、難しいところ。


灰のゲシュペンスト
最新型のヴァイア艦。
宇宙イカと融合し、艦の形状を変化させながら攻撃できる。
リヴァイアス破壊に燃えるコンラッドが艦長を務める。
VGは星型と人型を合わせ持つガイスト


【主題歌】

◆『dis-』
有坂美香の歌うオープニングテーマ。
歌詞は「孤独や不安から逃れるため、ただ漠然と光や明日を求めていく」という内容で、よくよく聴いてみると非常に重暗い。
だが、その歌詞は凄まじいまでに本編とシンクロしている。

OP映像ではそんな歌詞と曲に合わせ、登場人物たちがテンポよく現れていく。この時の立ち位置や表情も非常に意味深で、
  • 反対方向に歩く相葉兄弟と、その間に入っていくあおい
  • 姉の幻を見て一瞬目を輝かせるも、すぐに顔を曇らせるイクミ
  • 結った髪がほどけ、光の中に沈んでいくこずえ
  • ラーフラが逃げた後に血に汚れた自分の手を見て絶叫するファイナ
  • ネーヤに向かって手を伸ばす子供達と、ネーヤの後ろに浮かび上がるヴァイタルガーダー
といった具合に、本編の内容を示唆するかのような描写となっている。

また、ストーリーが進むにつれてOPの映像も少しずつ挿し替わっていく。
谷口監督が『スクライド』や『ガン×ソード』で見せた「ストーリーに沿って変化するOP」の手法は、この頃から既に確立していたようだ。

歌詞を英訳した『ENGLISH Version』や、ゆったりとした曲調の『R&B Version』、全体的に大きくリミックスされた『dis- 2006』など、数々のアレンジバージョンが存在する。
歌はいずれも有坂美香。アメリカで歌を学んでいただけあり、英語による歌唱も非常に上手い。


◆『夢を過ぎても』
同じく有坂美香が歌うエンディングテーマ。
静かで抒情的な雰囲気の歌で、歌詞も「憐みの自由や、他者との関係への不安と決別する」という前向きなもの。
映像では、キャラクターデザイン担当の平井久司によって描かれた一枚絵が、ゆっくりと上にスクロールしていく。
水彩風の淡いタッチで描かれた登場人物たちが、青空から指す光を見上げ、その光を目指すようにリヴァイアスも空へ昇っていく……
という、何とも情緒あふれる絵である。(2話までは別の絵だったが)
重い展開の多い本編の後に流れるだけあって、癒し効果が際立つ名曲。


【余談】

本作は登場するキャラクターの数が多いこともあり、一人二役以上のキャスティングが勇者王ガオガイガー並みに多い。

例えば氷上恭子氏ならば、ユイリィとカレン、島田敏氏ならばルクスンとラダンといった具合である。
特に愛河里花子氏に関してはビックリするような役の組み合わせなので、本編を視聴する際は注目。


DVDは3種類が存在し、通常版、廉価版のBOX、2006年に発売されたサウンドリニューアル版がある。
サウンドリニューアル版は主題歌も変更されおり、前述の「dis- 2006」はこちらで発表されたもの。


本作の30分後の番組「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズメタルス」では、最終回「バナナを忘れた!」にて、ダイノボットが「家族団らんの時間帯に小難しいことをやって誰が喜ぶのか」という旨の発言をしている。
そのため、本作はトランスフォーマーファンに「ダイノボットにディスられたアニメ」といういささか不名誉な形で知られるようになってしまった。
ただ、原語版「ビーストウォーズ」シリーズも小難しくて重い内容であったことから、「ダイノボットがディスっていたのは本作ではなく原語版ビーストである」との説もある。


本作は一応ロボットアニメの範疇に含まれる作品で、スーパーロボット大戦シリーズへの参戦を望む視聴者も多く、
そして2017年、『スーパーロボット大戦X-Ω』の第2期参戦作品として正式登場を果たした。


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