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スーパーロボット大戦シリーズ

登録日:2014/07/10 Thu 15:49:31
更新日:2026/08/04 Tue 01:24:11
所要時間:約 43 分で読めます






スーパーロボット大戦(Super Robot Wars)



この記事は

初心者「スパロボ初めてだぁ!!楽しみだな~♪」

???「この世界は実験室のフラスコなんだ…」
???「それも私だ」
???「聞けぇ!わしは、この星の者ではない」
???「楽しい宴会でしたね…」
???「滅せよ、鋼の魂よ」

初心者「誰か説明してくれよぉ!」


このように「スパロボやってみたいけど色々難しそう…」と思うビギナーの方々に向けた、
『スーパーロボット大戦シリーズ』の知識、そして楽しみ方を解説していく項目である。


①楽しいスパロボ講座・入門編


●そもそもスパロボって何?


正式名称は『スーパーロボット大戦』、縮めて『スパロボ』と呼ばれるこのゲームシリーズは、
古今東西色んなロボットアニメのキャラクターやロボットが肩を並べて一緒に戦う」のがコンセプトの戦略シミュレーションRPG。
いわゆるクロスオーバー系のゲーム。1991年の初代発売以来、30年以上の長い歴史を持つすごいゲームである。

例えば
張五飛ズール皇帝こそが正義だ!」
と言うネタを見たことが無いだろうか?

このネタは元々スパロボ出身のネタである。
(ネタの是非はともかく)このネタが生まれたのは、スパロボが「クロスオーバー」を特徴とするゲームだからである。
他のネタは、タグの「クロスオーバー」をクリックして見てみよう。

アムロシンジキリコルルーシュDボゥイなどと言った普通は絡みようが無い別作品のキャラクターが一同に集い、会話をする。
この未知の化学反応こそがスパロボの醍醐味と言っても過言ではない。


近年は『クロスボーンガンダム』や『鉄のラインバレル(原作版)』といった、アニメ化していないかアニメ版と展開が異なる漫画作品まで参戦することもある。
また、小説作品はサンライズ作品のロボット要素がある変身ヒロイン物の『サン娘』が参戦している。
特撮作品に関してはスパロボとの関わりもある『スーパーヒーロー作戦』や『スーパー特撮大戦2001』などに参戦していたが、
ゴジラシリーズ』や『ジュウレンジャー』が後にスパロボに参戦することとなった。
更に特撮枠として『宇宙刑事ギャバン』、そして映画からの縁で『海賊戦隊ゴーカイジャー』まで参戦。

クレヨンしんちゃん』や『ケロロ軍曹』のように主役がロボットでなくてもいい場合さえある。
そして、とうとうロボットっぽいものが全くいない『宇宙戦艦ヤマト2199』『ふしぎの海のナディア』も参戦した。
ロボットも戦いも無い『ハッカドール』や『セガ・ハード・ガールズ』に至っては新たにオリジナルロボットのハカドリオン・セハガリオンをデザインした上で参戦している。

以前なら「どんなアニメならスパロボに出れるか」だったものが、今では「どんな作品だとスパロボに出れないか」の話をした方が早そうな感じである。
バンナムのライバル会社が商品展開を行っていた『ゾイド』『グレンラガン』『勇者シリーズ』『シンカリオン』も登場。
元エロゲ出身の『デモンベイン』や色々際どい『クロスアンジュ』、「スペック的に無理」と名指しで言われた『マジンガーZERO』も参戦している。
少なくともソシャゲにおいては現状では制約になりそうな要素を予想するのが難しい。そもそもロボットじゃないどころか機械要素のないヤツまでOKだし。

また、参戦作品はほとんどの場合でユーザーのアンケートや玩具の人気動向を測るなど綿密なマーケティングにより決定されている。
発売元がバンダイナムコエンターテインメントなので、商品化権を持つバンダイから玩具が発売されている作品は可能性が高いとのこと。
更には原作の制作段階からスパロボ参戦を打診されるケースも増えているという。
(「Asia Pacific Game Summit」における寺田氏の講演より)



●どれだけ作品が出ているの?

30年以上の歴史があるので兎に角ソフト本数も種類も膨大で、難易度も時代や作品によってまちまちである。
安牌なのは自分の好きな(或いは知っている)作品が出てるスパロボから遊べば無難。それか自分が今手元で遊べるハードから選ぶのも手。
もちろん他にも、アニメにコミックに小説といったメディアミックス作品も含めてスパロボは数多く存在している。
上にあるタグをクリックしてチェックしてみよう。

また、ゲームの内部にはシリーズを通して非常に多くの没データが眠っている。詳細はリンク先にて。

【初代】

GBで発売された記念すべきスパロボシリーズ第1作目……といってもまだコンパチシリーズの亜種的扱いで、パイロットの概念が存在しない。
『機動戦士ガンダムF91』は異例の映画公開1ヵ月後の参戦となった。
SDヒーロー達の住む星に宇宙の破壊者ギルギルガンが現れ、怪電波でヒーローを洗脳、洗脳を逃れた者達が仲間達を説得しながら進む。*1
「きみ いいからだしてるね ゲッターチームにはいらないか?」
『カリスマ』と『忠義』というこの作品独自のステータスがあり、敵も味方も説得で仲間になったり裏切ったりする。
しかもなんと通信ケーブルで対戦が出来るというGBの特徴まで活かしている。
精神コマンドも存在するが、ランダムで何が起こるか分からないというギャンブル仕様。
スーパーロボット大戦(HDリメイク版)
2014年にDL専用で配信されたPS3・PS Vita用のHDリメイク版。
20年越しのリメイクであり、シナリオやユニットが新たに追加されるなど変更要素も豊富。

【旧シリーズ】

ウィンキーソフトが制作を手掛けた、スパロボの基礎を築いた全4部作+α。
まだまだ手探りの時代なのもあり、難易度が高かったり、ユニットごとの格差が激しいのが特徴。
とはいえ、高難易度というのは少し時代が下ってから、或いは連綿するスパロボシリーズ内での目線も強い。
何しろ当初ジャンル内を競った仮想敵は死んだら死なせたままorリセットして面の最初からファイアーエムブレムシリーズだし、畑が近いマイルド路線SLGもFEの先輩のファミコンウォーズシリーズとかである。マス目上のコマを操作するコンピュータゲーム自体、マニア志向寄りの時代なのだ。
セーブを複数作れるし、死んでも金で復活、エンドを選ばずクリアだけなら全滅プレイ、命中回避の確率操作がリセットで簡単に繰り返せるんだからスパロボは全部ヌルゲー……なんて意見も珍しくはなかった。
そんな時代背景故の、荒削りながらも難易度高めのゲーム性に魅了されたファンも多い作品群。



【αシリーズ】

『スパロボ』が広く世に普及した中興の祖である全4部作。
PSシリーズで発売されている。
難易度やユニットごとの格差が全体的に調整された他、旧シリーズの立ち絵固定で武器を構えたり指からゲッタービームが出たりするだけのアニメから現在のようなダイナミックな戦闘シーン、通称「フルアニメーションバトル」になったのもこのシリーズから。
他にも楽曲面では主題歌にJAM Projectが参加するなど、プロモーション面でも今のスパロボの主流を造り上げている。



【Zシリーズ】

「平行世界」「多元宇宙」をテーマとした、αシリーズに次ぐ全3部作…だが、Zはスペシャルディスク(追加シナリオ付)があり、第2次Zは前後編、第3次Zに至っては前後編+初回限定の間を描いた番外編があるため、なんと合計7作
寺田Pも後に「Zシリーズは長すぎた」と反省するのも納得の長さ
アクの強い作品群が多かったり、作品によってプレイ対応機種がコロコロ変わっているのも特徴でやや入門編としては入りにくいのがネック。



【COMPACTシリーズ】

バンダイが発売したワンダースワンシリーズで発売された作品。
『COMPACT2』3部作を除き各作品に繋がりはない。



【携帯機シリーズ】

任天堂ゲームボーイアドバンス以降の携帯機で発売されたシリーズ。
単発で終わるのでそれぞれストーリーに関連性はない。
単発で終わるためか、全体的に実験的で濃い参戦作品や据え置き機ではできないような挑戦的な参戦ラインナップが多いのも特徴。



【単発シリーズ】

それぞれ独自のストーリーを持ち、機種も様々。
携帯機シリーズ同様単発で終わるので小気味よく終わる点も売りだが、携帯機シリーズよりは実験的要素は控えめになっている。
シリーズものがハードル高く感じるならこっちを買ってみよう。


【V・X・T三部作】

Zシリーズ以来のシリーズ作品。
もっとも、Zシリーズの反省からシステム面や味付けに継承があるだけで作品としては続編性はなく独立しているのだが、『T』のエクスパンションシナリオで緩やかな繋がりが形成された。
スパロボでは珍しく他機種への移植も積極的に行われているのも特徴。全シリーズ通してプレイできるハードは現状PS4とswitchのみ。(TだけSteam版等がない。)
VとXはスパロボ初となるSteam版も発売された。DLCだったボーナスシナリオもSteam版では全部同梱され、お手頃価格になっている事も多い。
上記の通りシリーズ故のとっつきづらさは別になく、何より新しい作品でハード的にプレイしやすい点から初心者向けの一角を占める。
プレイヤーから「戦艦枠」と呼ばれる戦艦メインのアニメ作品の参戦や3Dマップの復活、精神コマンドの使い勝手の向上などが盛り込まれている。



【令和スパロボ】

厳密にはシリーズものではなく単発の括りなのだが、システムが一新されているので記載。
基本はVXT3部作をベースにしつつ、画面表記の大幅変更、SRポイント(熟練度)システムの廃止、一本道の話数進行制からミッション選択制「タクティカル・エリア・セレクト」になるなど劇的にゲームシステムが一新。
選択したミッションの順番に応じて会話も変化するなど従来のスパロボとは大分プレイ感が異なる。
対応機種が幅広く、海外勢やソーシャルゲーム世代にも取っ付きやすい仕様を目指したのが窺えるが、DLCへの配分も従来以上に多めに。
またこれまで限定版の別ソフトとして売られていたプレミアムサウンドエディションが有料DLC方式に変更となり、これまでのように限定版ソフトをわざわざ購入しなくても良くなった。



【Scramble Commanderシリーズ】

通称「スクコマ」
ゲームジャンルがRTS(リアルタイムストラテジー)になっている異色のシリーズ。
また、ユニットが全てリアル頭身なのも特徴。



【携帯端末用】

フィーチャーフォンやスマートフォンで楽しめるタイプのスパロボ。
『Card Chronicle』以降は携帯機シリーズ以上に実験的でカオスすぎる参戦作品が特徴。



【OGシリーズ】

歴代バンプレストオリジナルキャラクターたちが一同に集結する、一味違った雰囲気が特徴(詳細は後述)
版権を考慮する必要もないためかアニメ化も果たしている。



【無限のフロンティアシリーズ】

愛称は「ムゲフロ」
DSで展開されたOGシリーズの番外編扱いの作品群。ただしロボゲーではなく生身の人間が主に戦うRPG
設定面がOGシリーズと深く関連付けられているが、基本的にはOGシリーズを知らなくても問題なく楽しめる。どちらかと言えば後述のモノリス作品を知ってた方が良いかも
戦闘時フルボイス、据え置き機スパロボ顔負けの美麗カットイン、モノリスソフトの変態的なドット絵クオリティが光る。



【魔装機神シリーズ】

ウィンキーソフト開発の魔装機神リメイクシリーズ。
近年の本家スパロボと比べると全体的に難易度高めなので舐めてかかると痛い目を見る。



【番外編】

ノリはスパロボなのにスパロボの名を冠していなかったり、そもそもゲームソフトでなかったりもする超マニアック系作品郡。
黎明期~00年代初期までによく登場した。



●シリーズ各発売年時系列

90年代前半
スーパーロボット大戦 GB 1991年
第2次スーパーロボット大戦 FC
バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法
シャッフルファイト 1992年
第3次スーパーロボット大戦 SFC 1993年
スーパーロボット大戦EX 1994年
90年代後半
第4次スーパーロボット大戦 SFC 1995年
第2次スーパーロボット大戦G GB
リアルロボット烈伝 SFC
第4次スーパーロボット大戦S PS 1996年
スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL SFC
スーパーロボット大戦スクランブルギャザー TCG 1996年~2001年
新スーパーロボット大戦 PS 1996年
新スーパーロボット大戦スペシャルディスク 1997年
スーパーロボット大戦F SS
リアルロボッツファイナルアタック PS 1998年
スーパーロボット大戦F完結編 SS
スーパーロボットスピリッツ N64
全スーパーロボット大戦電視大百科 PS
スーパーロボット大戦COMPACT WS 1999年
スーパーロボット大戦コンプリートボックス PS
スーパーロボット大戦64 N64
スーパーロボット大戦リンクバトラー GBC
真・魔装機神 PANZER WARFARE PS
00年代前半
スーパーロボット大戦COMPACT2 第1部:地上激動篇 WS 2000年
スーパーロボット大戦α PS
スーパーロボット大戦COMPACT2 第2部:宇宙激震篇 WS
スーパーロボット大戦COMPACT2 第3部:銀河決戦篇 2001年
スーパーロボットピンボール GBC
スーパーロボット大戦α外伝 PS
スーパーロボットメールバトラー Windows
スーパーロボット大戦α for Dreamcast DC
リアルロボットレジメント PS2
スーパーロボット大戦A GBA
スーパーロボット大戦IMPACT PS2 2002年
スーパーロボット大戦R GBA
スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION
第2次スーパーロボット大戦α PS2 2003年
スーパーロボット大戦COMPACT3 WSC
スーパーロボット大戦D GBA
スーパーロボット大戦Scramble Commander PS2
スーパーロボット大戦MX 2004年
スーパーロボット大戦GC GC
00年代後半
スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2 GBA 2005年
第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~ PS2
スーパーロボット大戦J GBA
スーパーロボット大戦XO Xbox360 2006年
スーパーロボット大戦W DS 2007年
スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS PS2
スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
スーパーロボット大戦OG外伝
無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ DS 2008年
スーパーロボット大戦Z PS2
スーパーロボット大戦Z スペシャルディスク 2009年
スーパーロボット大戦K DS
スパロボ学園
スーパーロボット大戦NEO Wii
OG CRUSADE TCG 2009年~2017年
10年代前半
無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ DS 2010年
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
スーパーロボット大戦L
第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 PSP 2011年
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神Ⅱ REVELATION OF EVIL GOD 2012年
スーパーロボット大戦モバイル i-mode 2012〜2014年
第2次スーパーロボット大戦OG PS3 2012年
第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇 PSP
スーパーロボット大戦Card Chronicle Mobage 2012〜2013年
スーパーロボット大戦UX 3DS 2013年
スーパーロボット大戦Operation Extend PSP
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神Ⅲ PRIDE OF JUSTICE PS3/PSVita
スーパーロボット大戦OG INFINITE BATTLE PS3
第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇 PS3/PSVita 2014年
スーパーロボット大戦OG ダークプリズン PS3
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END
10年代後半
第3次スーパーロボット大戦Z 連獄篇 PS3/PSVita 2015年
第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇
スーパーロボット大戦BX 3DS
スーパーロボット大戦X-Ω スマホアプリ 2015〜2021年
スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ PS3/PS4 2016年
スーパーロボット大戦V PS4/PSVita
Switch/PC(移植版)
2017年
2019年(移植版)
スーパーロボット大戦X 2018年
2020年(移植版)
スーパーロボット大戦T PS4/Switch 2019年
スーパーロボット大戦DD スマホアプリ
20年代
スーパーロボット大戦30 PS4/Switch/PC 2021年
スーパーロボット大戦Y PS5/Switch/PC 2025年


●各作品の主な開発元

バンプレソフトとB.B.スタジオによる自社制作、それ以外の会社による外注制作に分かれている。


上の一覧の他、
  • 『64』と『リンクバトラー』を担当した「招布」(前者はエーアイと共同)
  • 『スクランブルコマンダーシリーズ』を担当した「エヌケーシステム」と「ベック」
  • 『X-Ω』を担当した「セガゲームス」
といった開発元がある。
また、「フロム・ソフトウェア」が開発した『Another Century's Episodeシリーズ』はバンプレスト→バンダイナムコゲームスが販売している。


●クロスオーバーって最近よくやってるよね、それとはどう違うの?


プレイして感じる雰囲気は「パロロワ系SS」とか「出てくるネタが全部分かるニャル子さん」と言えば大体合っている。

しかしスパロボがこれらの二次創作物と一線を画すのは、「公式に許可を得た二次創作物」という所。
つまり版権を借りて制作しているのである。
作品を借りるのは決してタダではない。おそらくン万円どころではないだろう。
数十作品分となれば、その版権料はきっと恐ろしい額になるはず。

スパロボシリーズの源流となる『コンパチヒーローシリーズ』もまたクロスオーバー系ゲーム
ウルトラマン仮面ライダー、ガンダムの決して交わらない三者が共演するゲームである。
当時スパロボはコンパチの一部だったので、スパロボを語るにはコンパチは欠かせない。

制作時に当時のバンプレスト社長である杉浦幸昌氏は、各版権元の会社にお礼参りに行ったのだと言う。
当時はアニメヒーローの共演はタブーであったのだが、杉浦幸昌氏の幅広い人脈と厚い信頼によって版権の使用を認められたのだとか。

スパロボシリーズは、本来共演が「ありえない」ヒーロー達が集う奇跡の共演と言う事、これは我々ファンは忘れてはいけない事だろう。


●スパロボのあらましと「実験室のフラスコ」


こうして1990年にコンパチヒーローシリーズ第一作『SDバトル大相撲 平成ヒーロー場所』が発売、
ヒーロー達の共演というコンセプトは大いに受け大ヒット。
そしてコンパチシリーズの流れを汲む作品として1991年に発売されたのが、初代である『スーパーロボット大戦』であった。
コンパチとスパロボは言わば兄弟なのである。

ちなみに初代スーパーロボット大戦はHD版がPSStoreで発売中であるため、興味があれば試しにやってみるのもいいだろう。

コンパチヒーローシリーズ の各作品の詳細については、リンク先から見ていただきたい。


そんなコンパチシリーズの中には後にスパロボでネタを拾われたものも存在する。
それが『ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』である。ストーリーはこうなっている。

惑星エルピス。そこにはヒーローたちが存在しており、ガンダム大陸、ウルトラ大陸、ライダー大陸に分かれて暮らしている。
予知能力を持つ主人公ギリアム・イェーガーは彼らヒーロー達と共に、各作品の悪役が勢揃いしたテロリスト集団と戦う。
しかし熾烈な戦闘の最中、ギリアムは少女を助けるために崩れゆくビルの中へ飛び込み、行方不明となってしまう。
悲しみにくれるヒーロー達、しかし新たに建国されたテロリスト国家・ネオアクシズの世界征服の魔の手がせまる。
ヒーロー達はネオアクシズ支配者・アポロン総統の正体を暴く。だが彼の正体は行方不明になったギリアムであった!
そしてギリアムは世界征服に至った理由を語りだす…。

「オレには予知能力があった…未来を垣間見ることが…できた。そして…その未来は暗雲に包まれていた…」
「おかしいとは思わないか?モビルスーツ、怪獣、サイボーグ、更には異星人までも一つの世界に存在している。こんなデタラメな世界が自然に存在するはずがない!!」
何者かがこの世界を人工的に造りあげた…この世界は実験室のフラスコなんだ…そして実験は…失敗したんだ」

ヒーロー戦記はシリーズの特徴「クロスオーバー」にメタ視点で切り込んだ作品なのである。
本来は決して交わらないはずのヒーロー達が、バンプレストのゲームとして一同に集う。


そして「実験室のフラスコ」の意味はこうなっている。
ヒーロー達が生きている世界・惑星エルピスは、彼らにとっては現実世界ではあるが
プレイヤーである我々にとってははデタラメでツギハギされた物語世界である。
釈迦の掌で飛び回る猿のように、実験室で混ぜこぜされて製造された物語世界で戦うヒーロー達。

そう、コンパチシリーズもスパロボシリーズも「実験室のフラスコ」なのである。
そしてこの何者かによって造られた世界「実験室のフラスコ」の考え方はスパロボシリーズにおいて非常に重要な考え方になる。


●コンパチについてはよく分かったけど、スパロボの方は?


第一作である初代は、マジンガーシリーズ、ゲッターロボシリーズ、ガンダムシリーズに連なる作品だけであった。
この三作品が後の「スパロボ御三家」である。
ストーリーというか世界観は正直無いに等しかった。

「正義のロボット軍団と宇宙の侵略者ギルギルガン軍団が戦う」
後によく言われる「いつものスパロボ」を知ってる人から見たら、少々違和感があるかもしれない。


そんなスパロボがシリーズとなったのが『第2次スーパーロボット大戦』。
これは後にスパロボ旧シリーズと呼ばれるシリーズの始まりである。

旧シリーズは
「ロンド・ベル隊」と呼ばれるガンダム・マジンガー・ゲッターの混成部隊と
「DC(ディバイン・クルセイダーズ)」と呼ばれる軍事組織、そして
「インスペクター」「ゲスト」と呼ばれる異星人勢力との大戦を描く全4部作。

地球の軍事力を狙い対立する銀河の2大異星人勢力。
異星人の侵略に対抗すべく地球の武力制圧を目論む軍事結社DC。
地球の平和を守るためにヒーロー達が立ち向かう。

お気づきだろうか。そう、
地球人の内乱と侵略者に自軍部隊が立ち向かう」と言うストーリーも
原作のストーリーをなぞりながら独自のストーリーを進む」テイストも
全ては旧シリーズが始まり。現在のスパロボの基本は旧シリーズが始まりなのである。

この大まかなストーリーの流れは、どれだけストーリーが難しくなっても
20年以上変わらない「いつものスパロボ」として親しまれる事となっていく。


ここまでの話をまとめると

  • スパロボとはヒーロー達の本来ありえない夢の共演お祭りである。
  • スパロボが成り立っているのは版権元のご好意の賜物である。
  • スパロボの根っこはごく単純な「正義と悪の戦い」である。

単純明快に言えば黄門様のようなものかもしれない。



②楽しいスパロボ講座・バンプレストオリジナル編


●「お祭り」を盛り上げるオリキャラ達


1995年、『第4次スーパーロボット大戦』の発売で旧シリーズは完結。
初代、第2次から第4次までこれほど息の長い作品となったのは、ひとえにファンの心をグッと掴んだからだろう。
クロスオーバーという「お祭り」は大盛況だったのである。

そのお祭りを牽引してきた一陣の疾風、
それがバンプレストオリジナル作品の『魔装機神サイバスター』である。

バンプレストオリジナルとは何か?
これはその名の通り「オリジナルキャラ」と「オリジナル設定」のことを意味している。
「オリキャラかよ…自己満乙」とか思う人もいるかもしれないが、少し待って欲しい。

オリキャラ・オリ設定はスパロボの縁の下の力持ち。地味だがとても大事なものなのである。


●オリキャラって要るの?


初代スパロボが発売された1990年代初頭と言えば、
勇者シリーズエルドランシリーズナディアテッカマンブレード等々。
一応、アニメでもゲッターロボ號が放送されてはいたものの、マイナーアニメ止まりだった。

実はスパロボは往年のファン、いわゆるオッサン向けだったのである。
これは当時の子供は困惑でしかないだろう。知らない作品ばかりだし。

そこで子供や初見さんでもゲームに入り込んで楽しめるようにオリキャラが配置されたりするのである。
試しに「サイバスター」でググって調べてみると分かるが、溢れ出る90年代臭が出迎えてくれるハズ。


また、オリキャラやオリ設定はクロスオーバーの調整役でもある。
版権キャラはそれぞれ別作品の出身。本来接点などあるはずのないキャラを時にはオリキャラが仲介しないと話が進まないし、
極端な場合はオリ設定を入れないと原作で重要なイベントがそもそも成立しなくなってしまう。
どういう事か分からない?では例を取ってみよう。

例を取るのは2014年発売の『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』。
今作の目玉はずばり「アクシズ落とし」、つまり逆襲のシャアである。

地球を守るため共に戦ってきたグラサンノースリーブことクワトロ大尉が、何故に地球潰しを行おうとするのか?これが本作最大の謎である。
さて、アクシズ落としは一大イベントでありガンダム勢の見せ場でもある。

しかしここはスパロボ。皆が主人公。小惑星程度は造作もない奴らはゴロゴロ転がっている。
少なくとも木星をぶった切った真ゲッター、惑星サイズと戦うガンバスター、手刀で月をぶった切ったマジンガー、銀河を持って投げる(?)グレンラガン辺りは余裕で割れる。
原作のように「核ミサイル」クラスの攻撃で壊れるのであればマクロス7マクロスFも余裕の範疇に入るだろう。
…そう、クロスオーバーであってはいけない「踏み台」「蹂躙」「マウント」が起きてしまう。
これではガンダムファンは理解もできないし納得もできないだろう。


これを回避してバランスを取るのがオリキャラでありオリ設定なのである。
オリキャラ・オリ設定は各作品の不公平を調整する役割を持っている
そのため時にオリキャラが話の中心に来やすいのもスパロボの特徴と留意しておこう。

ちなみに今回のアクシズ落としの場合でもちゃんと「破壊してはいけない理由」と「押し返してはいけない理由」が提示されている。
それにはスパロボZシリーズにまつわる設定が絡んでいるのだが、それは是非とも実際にプレイして確かめて欲しい。


●主なキャラクターデザインなど


『魔装機神』から『第2次OG』にかけて、多くのキャラクターを河野さち子氏が手がけてきた。
その後はスパロボでの仕事を休業し、本職のアニメーターとして活動していたが、『X-Ω』から復帰した。

『COMPACT3』や『J』以降の携帯機シリーズでは糸井美帆氏が担当。
現在は河野氏に代わり主に『OGシリーズ』を担当している。

『L』以降の携帯機シリーズや『第2次Z』ではChiyoko氏が担当。
「描き下ろしクリアファイル3種セット」の可愛らしいイラストも手がけた。

『魔装機神シリーズ』では河野氏に代わり下山剛史氏と渡邊亘氏が担当。
渡邊氏は『X-Ω』を経て本家の『V』を担当し、「描き下ろしクリアファイル3種セット」のいろいろ際どいイラストも手がけた。

『COMPACT2』『A』『NAMCO×CAPCOM』『無限のフロンティアシリーズ』『PROJECT X ZONEシリーズ』は斉藤和衛氏が担当(いずれも森住氏が関わる作品)。
この中で『C2』『A』『ムゲフロ』の公式イラストは河野氏が手がけており、中には『ナムカプ』と『ゼノサーガ』のキャラクターも含まれる。
この他、斉藤氏はアルトアイゼンなどのメカニックデザインも数多く担当している。


ちなみに他のデザイナーによるキャラも、『OGシリーズ』や『魔装機神シリーズ』では立ち絵とカットインの雰囲気を河野氏の絵柄に寄せている場合がある。
また、パンツ先生こと春山和則氏は、『ムゲフロ』と『PXZ』において立ち絵とカットインを河野氏の絵柄によく似せて描いている。


●OGシリーズの発展


「20年以上スパロボ作ってたら、オリキャラいっぱい出来ちゃった。」
「もうオリキャラだけで一本ゲームが作れるんじゃない?」

こんな考えが後に旧、α、Zなどの王道シリーズとは別のシリーズ、
すなわち『ORIGINAL GENERATIONシリーズ』に繋がっていくことになる。
リメイクである『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS』は、今日のOGシリーズの原点と言える。

旧シリーズと繋がりのある『魔装機神シリーズ』も、OGシリーズの設定に改めた上でリメイクされ、続編も制作されている。


OGシリーズの派生作品として『無限のフロンティア』も制作され、深い繋がりを持っている。
更には類似したクロスオーバー作品である『NAMCO×CAPCOM』のある種の後日談ともなっている。

後に続編の『無限のフロンティアEXCEED』や『PROJECT X ZONE』では、
OGシリーズ・ムゲフロ・ナムカプ、そして『ゼノサーガシリーズ』を始めとした各作品のキャラクターの共演が実現している。
ある意味でモノリスソフトのゲームの集大成とも言えるかもしれない。

そして『ムーン・デュエラーズ』は『PROJECT X ZONE 2』に未参戦のスパロボキャラに関して補完が行われたり、あるモノリスキャラの小ネタがあったりと、お互いの繋がりをより深めている。


スパロボと深い関わりのある作品として前述した『Another Century's Episodeシリーズ』も挙げられる。

A.C.E.シリーズはバンプレストと当時はARMORED COREシリーズで鳴らしていたフロムの協力で開発された、スパロボの名こそ冠しないが大体「アクションゲーム版スパロボ」と言って差し支えない作品。1作目にはゲシュペンストも登場している。
A.C.E.2』や『A.C.E.3』では、キャラクター同士が版権の壁を超えてフルボイスで会話しているのも特徴である。
A.C.E.R』にはバンプレストオリジナルのキャラがOGシリーズの設定で登場し、本作の出来事も歴史に組み込まれている。
第2次スーパーロボット大戦OG』に登場した量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改の換装形態の一部は『A.C.E.P』が初出となる。
ただし権利は若干不透明な部分があるらしく、ACEの世界に渡っていた事を「詳しくは話せないが」とド直球のメタ発言で表現していた事がある。

その他にも『スーパーロボットスピリッツ』『リアルロボット戦線』『リアルロボットレジメント』といった作品がある。
これらはスパロボとリンクしている設定が多くあり、ここで初出の要素が逆輸入の形でスパロボ側に組み込まれたりもしている。



③楽しいスパロボ講座・世界観編


●広がる世界


上記の解説でスパロボはお祭りゲーということは理解して頂けただろうか。

各作品のキャラクター達は「本来はお互い出会う事が無い」関係性にある。
そしてスパロボとは、各作品をパッチワークした物語世界「実験室のフラスコ」である。
くどい?いやいや、この考えは重要なのです。

「実験室のフラスコ」であるヒーロー戦記の世界・惑星エルピスは、
ウルトラマン」「仮面ライダー」「ガンダム」の三大ヒーローが集う世界だった。
この交わらない三者が作為的に集められ、造り出された世界が『ヒーロー戦記』の物語世界である。

ならば彼らヒーロー達にも、それぞれ元居た作品の世界があるのではないか?

察しの良い方なら何の話が分かって頂けただろう。それが「平行世界」である。


●スパロボ世界観は平行世界構造


簡潔に結論を話そう。

スパロボの世界観は「平行世界群構造」である。
(我々が「物語・原作」と呼ぶ)ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダム、マジンガー、ゲッター…といった様々な異世界が数多く実在し、
大いなる謎の意思によってこれら一つ一つの異世界が融合したのが(我々がプレイする)コンパチ・スパロボ世界なのである。

平行世界を記号にするとこのような感じになる。
プレイヤー・スタッフ他現実≫(越えられない創作の壁)≫大いなる意思≧作品世界の住人=スパロボ世界の住人

オリジナルと複数の版権作品が同じ世界の住人になっている
ある版権作品のキャラクターが原作世界もしくはよく似た平行世界から転移してくる
等の展開がある。

また、キーパーソンは版権キャラクターの運命=原作における結末を知っていることが多い。

近年では、Zシリーズにおける「多元世界」が記憶に新しい。
Vに至っては単独作品で3つの並行世界を渡り歩きながらという形でシナリオが進んでいく。


これによって一体どんな事態を引き起こすのか?
本来いた作品世界に別世界のキャラが加わることで、原作で辿る結末とは別の結末に至るのである。

これがスパロボ名物「スパロボマジック」であり、いわゆるif展開(ifルート)と呼ばれるもの。
有り体に言えば運命が変わってしまうのである。
「原作の悲劇の回避」、これこそがスパロボの最大の楽しみと言うプレイヤーもいる程に重要な要素となる。


スパロボマジックで運命が変わった人を挙げてみると

カミーユ・ビダン(機動戦士Ζガンダム)
TV版では戦争のストレスに追い詰められていき廃人化。
スパロボでは健やかに育ち、精神崩壊を回避。
他のMSパイロット(シン・アスカ等)を導くリーダー的存在に成長していく。

碇シンジ(新世紀エヴァンゲリオン)
駄目な大人に囲まれてネガティヴに突き進んだ彼だったが、
スパロボでは頼れる大人が増えて、人類補完計画も叩き潰せる。
なお、この変化は庵野監督が頼んだもの。

この2人は一例としてよく挙げられるが、スパロボマジックを受けた人の数は枚挙に遑がない。
人間、環境でも変わっていくと言うことなのだろう。

また、一部では死の結末を越えて生存する事もある(いわゆる「生存ルート」と呼ばれるもの)。
特に原作を準えるだけで死亡者が多いファフナー組が顕著であろうか。

ただ忘れないで欲しいのは、変わるといっても決してプラス方向だけでは無いこと。
本来はいない人物の妨害を受けたり、その身に滾る野心を更に暴発させたりする輩も出てくるのである。
コイツとか。

詳しくは「スパロボ補正」も参照していただきたい。


参戦作品の中には、「いるだけ参戦」と呼ばれる面々も必ずと言ってもいいほど存在する。
それらは、プロローグで既に決着をつけている設定だったり、前作でシナリオを終えていたり、そもそも原作の敵勢力が一切登場しなかったりするパターンが多い。

しかしストーリーにはしっかり絡むので、決して「いない」訳ではない(例外も若干あり)。
むしろ、そういったキャラクター達が活躍する場面がとても多いのも、スパロボの魅力となっているのである。



④楽しいスパロボ講座・ダイナミック編


●受け継がれる「お約束」


スパロボはクロスオーバー作品である。
幾つもの物語が複雑に絡み合い、時には互いに影響を与え合い、最後は一つに収束する。
言うなればオーケストラのようなもの。まさに完全調和(パーフェクトハーモニー)。

しかし、そのメインストーリーは現在に至るまで変わっていない。
「地球人の内乱と侵略者に自軍部隊が立ち向かう」、いつものスパロボと呼ばれるものである。
テンプレ乙、マンネリ、飽きた、お約束、黄金パターン、色々言われてるがなんだかんだ愛されている(…ハズ)。


このテンプレはいつから出来たのか?
それは先ほど解説した通り、初期の旧シリーズから始まっている。

ではこのテンプレはなぜ出来たのか?
それにはスパロボの重要なウェイトを占めるロボットアニメに触れなければならないだろう。


●ロボットアニメは戦いの歴史


正直な話、ロボットアニメとは玩具を売るためのものである。
誰がいったか「30分の宣伝CM」。ロボットアニメとは玩具メーカーの思惑と共にあった。

売るためにはどうすれば良いか?
色々カラフルにしてデザインを派手にしよう!
そしてアニメにして異星人とか悪い奴らと戦わせよう!

…となっていった。昔からキャラクター商売だったのである。


人間というのは戦うことが大好きらしく、何をするにしても対立的になりがちなもの。
きっと根っこではバイオレンスな生き物なのだろう。
なのでロボットというパワーの象徴を扱う以上、ロボットアニメのバトル化は避けられなかったと言える。

マジンガーZが初登場した1972年から2022年現在の多種多様なロボット作品に至るまで、
大体の日本人の認識は「ロボット=バトル、プロレス」で染み付いている。

ロボットアニメは戦いと深く結び付いたジャンルであるのは確かである。
ロボットアニメの主軸がバトルである以上、ストーリーが「いつもの」となるのは当然の帰結と言えよう。


そんな平和のインテリジェンスを微塵も感じられないロボットアニメ業界だが、
スパロボとは切っても切り離せない大変重要な関係にある集団がある。

それこそ、日本初のスーパーロボットであるマジンガーZを生み出した、
バイオレンスな漫画家集団こと「ダイナミックプロ」である。


●ダイナミックでバイオレンス

ダイナミックプロで有名な人物は、
『マジンガーZ』はもちろん、かの伝説的作品『デビルマン』や『ハレンチ学園』を執筆した永井豪氏。
ゲッターロボ・サーガ』が代表作、俺たちの戦いはこれからだ!知ってる人は知っているドワォ石川賢氏。
日本の創作に於いて決して小さくない影響を与えた偉大な人物である。

以下の事例のように、スパロボとダイナミックプロは、
ダイナミック無くしてスパロボ無しと言えるほどに関係が深い。


●スパロボとダイナミックプロ


マジンカイザー

旧シリーズ当時のスパロボは往年のファン向け、オッサン向けだった。これは上記の説明通り。
そのためゲームとしての難易度は少々高め…いや、かなり高かった
子供にはプレイが難しく、設計された高難易度のようで調整ミスのような何かだった。

その苛烈なバランスの中で悲しみを持ったロボットこそ、マジンガーZである。
序盤から出てくる割には「ゲッターロボ→ゲッターロボG」や、「ガンダム→νガンダム」のようにパワーアップを含む乗り換えが無かった故*16
改造しても限界のある性能でしか無かった。
そのため避けないばかりか自慢の防御力は一撃で持って行かれ、
必殺技の攻撃力は途中から役立たず、一時期は鉄屑とも呼ばれていた。

その最大火力はνガンダムと同等。
νガンダムが悪いとは言えないが、正直なところ、神にも悪魔にもなれる(笑)である。

『新スーパーロボット大戦』では『マジンパワー』という特殊能力がつき一気に強くなったものの、
消費ENも増大してしまい、元々の燃費の悪さが段違いになる、ロケットパンチも二発しか出せないと散々だった。


さらに悪い事に、当時は原作の声優陣を呼んでスパロボで新たに音声を収録を始めた黎明期だったにも関わらず、
マジンガーシリーズ三部作の最終作『UFOロボ グレンダイザー』の主人公デューク・フリードを演じた富山敬氏の急逝により、収録不可能という事態に陥ってしまう。
これにより、マジンガーチームからダイザーを強制離脱せざるを得ないというチーム全体の弱体化まで起きていた。

現在では亡くなられた声優に関しては代役を起用するか、過去作から音声を流用するなどして収録している


これでは初代スーパーロボットの示しが付かない!
そして『スーパーロボット大戦F完結編』の時、マジンガーZにテコ入れをすることとなった。

ガンダムに対するνガンダム、ゲッターロボに対する真ゲッターロボのように、
マジンガーにも新しい機体を用意しよう!バランス調整しろよ
(フォローしておくと、ザブングル以降は主役機の乗り換えが流行ったというのもある)

こうして「マジンガーZにゲッター線を浴びせた」と言う設定(当時)で描き下ろされた
新たなるマジンガーこそが「マジンカイザー」であった。
スパロボオリジナル設定で新しいマジンガーが完成したのである。

後にマジンカイザーは改めてダイナミックプロのOVA作品『マジンカイザー』に逆輸入された。
スパロボとダイナミックプロの親交の深さをうかがえるエピソードである。


マジンカイザー以降、他作品でも原作サイド協力のもと、オリジナル(半オリジナル)の機体が登場するようになった。
また、設定のみ存在した機体や映像作品に未登場の機体が登場するケースもある。
ちなみに合体攻撃である「ファイナルダイナミックスペシャル」及びそれに準ずる合体攻撃については ダイナミックプロがノリノリで監修 しているとか。

詳しくは「スパロボ補正」の項目も参照していただきたい。


真ゲッターロボ

第4次スーパーロボット大戦』は旧シリーズの完結編。盛り上がりも最高潮だった。
そこで今までシリーズで出てきたゲッターロボの最終型である「真ゲッターロボ」を出すことに。
元ネタは石川賢氏の漫画『ゲッターロボ號』の終盤から。

しかし問題が発生する。
ゲッターロボは三形態ある変形合体ロボなのだが、
ゲッターロボ號」にはとある能力のせいで真ゲッター1及び真ゲッター2(の上半身)しか出ていなかった。

そこで原作者石川賢氏直々に、真ゲッター2(下半身も)及び真ゲッター3の描き下ろしが提供されたのである。
これにより真ゲッター3は日の目を見ることとなった。良かったね弁慶!

これも後にアニメ作品『真!ゲッターロボ 世界最後の日』に逆輸入された。

それに反比例するかのごとく当のゲッターロボ號がさらに日陰者となっていくのだが……
まあゲッター線使ってないし、アニメじゃ竜馬達がいないから仕方ないね。


メカギルギルガン

実はスパロボオリジナル設定はマジンカイザーの前にあった。
劇場版で登場した宇宙怪獣・ギルギルガンの新形態「メカギルギルガン」である。

初出は『第2次スーパーロボット大戦』。初見殺し。
ちなみに恐ろしい事に勝手に作ったオリジナルメカだと後にぶっちゃけている。
デュラクシール*17といい、当時は現在よりも大らかだったのだろう。


スパロボ皆勤賞

ファンの間ではたまにこんな噂が実しやかに流れている。
「スパロボ新作の発売の度に必ずマジンガー枠を入れなければならない。それがスタッフとダイナミックプロの間に交わされた密約だ。」

基本的にソースの無い眉唾ものの情報のため真偽のほどは定かではないが、
そういう噂が流れる位にはスパロボ新作の度に必ず一つはマジンガーシリーズが一作品以上参戦するのである*18

一説にはスパロボ開発チームのプロデューサーである寺田貴信氏によるダイナミックプロへの感謝御礼ではないか?と言われているが、現在でも理由は不明。
単純に願掛けの可能性もあるが。

他にも○○枠と呼ばれる物はある。
VXTにおける戦艦枠(Vヤマト、Xナディア、Tアルカディア)は有名。
ユーザー間の通称だが、メイオウ枠(MAP兵器が強力な機体)なんてのもある。


その他

スパロボでは原作で不明だった武器や技の名称が初めて判明することも多い。
ダイナミックプロ作品に関しては、原作側が参戦の際に新たに命名したり、渡された資料に書かれてあったりしている。

また、マジンカイザー以外にも、スパロボのジャック・キングのキャラ付けが『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』に逆輸入される、といったケースがある。



主だった逸話としては以上が有名である。

実はスパロボの「ヒーローの共演」というコンセプトは、マジンガーの劇場版シリーズから発想を得ている。
(『マジンガーVSデビルマン』やマジンガーVSゲッターロボ等があった)

スパロボとダイナミックプロの結びつきは現在に至るまで続いている。
そしてこの二者が無ければ、間違いなく現在のロボットアニメ界は別の形となっていた筈である。

これら『東映まんがまつり』の延長線上の作品として執筆された小説『スーパーロボット大戦(小説)』には本作の題名が逆輸入されている。
(内容はスパロボシリーズとは無関係)



⑤楽しいスパロボ講座・システム&演出編


●スーパーロボットとリアルロボット


『スーパーロボット大戦』と名付けられた本シリーズ。
しかし、参戦している古今東西のロボットの中には、ガンダムマクロスのように「スーパー」という言葉にそぐわないものも数多く存在する。

そこで提案されたのが、「スーパー系・リアル系」という2種類に分類分けすることである。

主な特徴として、
  • 前者の『スーパー系』に分類される「スーパーロボット」は巨大・硬い・必殺技がある
  • 後者の『リアル系』に分類される「リアルロボット」*19は素早い・(比較的)小さい・SF系
等が挙げられる。

もちろん全てそのまま当てはまる訳ではなく、鋼鉄ジーグのように小さくて避けるスーパーロボットもいれば、サイコガンダムのように巨大なリアルロボットもいる。
中にはゴッドガンダムキングゲイナーのように、なかなか厳密には分類できない例もある。
更に言えば、衝撃のアルベルトボン太くん(?)のように「生身ユニット」とされる存在も登場している。

従って、この分類はあくまでも目安として考えた方が良い。


●進化・発展していくシステム


シミュレーションRPGであるスパロボには、他のゲームに類似したシステムもあれば、それらにはない独自のシステムもある。
ここでは、その中でも特に代表的なものをいくつか紹介してみたい。

スパロボで特に重要と言えるシステムが「武器属性」である。
ビームライフルのようなビームを放つ攻撃は「ビーム属性」があり、水中の敵にはあまりダメージを与えられない。
メガ粒子砲のように、マップの広範囲をカバーできる超強力な「マップ兵器」は、周囲にいる複数の敵ユニットを一掃するのに有効となる。

他にも
  • 相手が展開するバリアを無効化して攻撃できる「バリア貫通」
  • 小さい機体が大きい機体にも普通にダメージを与えられる「サイズ差補正無視」
といった特殊な属性も存在する。

また、複数のユニットを組み合わせることができる「小隊システム」が導入されている作品では、
  • 小隊員(味方ユニット)が小隊長(メインのユニット)と一緒に攻撃してくれる「小隊攻撃」
  • 小隊長が敵小隊のユニット全てにダメージを与えられる「ALL攻撃」
等を使用することができる。


そして、スパロボという作品に欠かせないのが「合体攻撃」だろう。
この攻撃は、関連する味方ユニット同士が近くにいる状態で繰り出すことのできる強力な必殺技である。
これにより、原作で描かれたことのある共同攻撃を再現することができる。

中には、
マジンガー勢とゲッター勢が一緒に攻撃する、クロスオーバー作品に相応しい作品の垣根を超えた合体攻撃や、
νガンダムとサザビーが一緒に攻撃する、原作では見る機会がなかった合体攻撃も存在する。

合体攻撃については合体技の項目でもいくつか紹介されているので、そちらも参照していただきたい。


もう一つ、クロスオーバー作品であるスパロボに欠かせないものがある。
それこそが「援護システム」である。

効果は味方ユニットが隣接している際に発動する。
  • 「援護攻撃」:自分の戦闘が終わった後、同じ敵ユニットに追加で攻撃してくれる。
  • 「援護防御」:敵ユニットの攻撃に対し、自分の代わりに攻撃を受け止めてくれる。

援護する際には、他作品のキャラクター同士で特殊な台詞が発生する場合もある。
他作品の敵味方の戦闘で発生する特殊な台詞と共に、本シリーズの醍醐味のひとつとなっている。


ここまで攻撃について述べてきたが、戦闘の中で鍵を握る存在に「精神コマンド」がある。
この能力はRPGにおける魔法のような概念で、種類により様々な効果を発揮するのだ。
その名の通り、パイロットの感情を表した名称となっている。

例を挙げると、
  • 武器や技の威力を1度だけ2倍にする「熱血」
  • 攻撃の命中率を1ターンずっと100%にする「必中」
  • 味方ユニットのHPを一定の値まで回復する「信頼」
  • 戦闘で得られる獲得経験値を2倍にする「努力」
等がよく使用される。

敵パイロットの中には精神コマンドを使用してくる者もおり、場合によっては脅威となり得る。
しかし「部下の激励で気力を上げて覚醒+魂+必中+直撃でMAP兵器連射」「戦艦のMAP兵器に巻き込んでHPを減らした底力L9持ちのボスにひらめきをかけて突っ込ませ、ひらめきが切れたら愛で全回復」などの柔軟な運用をしてくることは少なく、イベントの一部に組み込まれているケースが多い(ステータスにない精神を使用する場合もある)。
代表的な恐ろしい敵としてガウルン等が挙げられる。


旧作では出来なかったり条件付きではあるが、「ゲームオーバーになっても稼いだ経験値や資金や撃墜数を引き継いでリスタートできる」という仕様が存在する。
これを利用してわざと全滅してLV上げや金策を行うプレイスタイルは「全滅プレイ」と呼ばれている。
もちろんそんなことをしなくてもクリアできる作品も存在するが、隠し要素を出したりするときには重要なときもある。

αシリーズ以降は「熟練度」というポイントが多くの作品で登場する。
例えば、「5ターン以内に敵ユニットを全滅させる」という条件を達成した場合、このポイントを入手することができる。
熟練度を貯め続けることで、敵ユニットが強くなったり、経験値や資金が多く手に入ったり、特殊なイベントが発生したりする。
ひたすら取るかまったく取らないかは、プレイヤー個人個人の判断に委ねられる。


原作では死亡してしまうキャラを救うための生存フラグも存在する。
条件は特定の場面で説得する、特定のキャラで撃破する、総撃墜数を一定数までに増やす等がある。

しかし、ルート選択でストーリーが分岐することにより、どうしてもフラグを両立できないことも少なくない。
そのため、たまに眼鏡が割れてしまうのである。
『UX』では周回プレイでフラグを保存できるようになったため、隠し要素の両立が可能になった。


かつてのスパロボには「カラオケモード」と呼ばれる、歌詞付きの戦闘アニメを見ながら楽しめるサウンドテストがあった。
その詳細についてはリンク先を参照していただきたい。


●作品を彩る演出


スパロボでは敵ユニットを撃破する際、使用した武器によっては最後に特殊な演出が発生する場合がある。
トドメ演出」と呼ばれるその存在は、かつては数が少ないこともあり、それほど目立つものではなかった。
その後、容量の増加や技術の進歩によりアニメーションが豊富になり、現在ではシリーズに欠かせない存在となったのである。

特に『サルファ』や『スーパーロボット大戦W』はトドメ演出にとことん拘ったことで、プレイヤーから高い評価を得ている。
今後の作品においても、その演出は更に進化し続けることだろう。


ある時期からは、女性キャラのカットインに「乳揺れ」が描写されるようにもなった。
なんと、原作ではそういった描写のなかったキャラクターまで揺れている場合もあるのである。

好みは分かれると思われるが、ある意味で最も注目される要素のひとつと言えるかもしれない。


戦闘以外でも、会話シーンにおいて「DVE」(ドラマチック・ボイス・イベント)が時折流れる。
原作の台詞を再現したものの他に、完全なオリジナルの台詞や他作品のキャラ同士の会話が音声付きで流れることもある。
たまに「なぜそこがDVE!?」というネタ気味なものもあるので必聴と言えるだろう。

また、中断セーブを行い「やめる」を選択すると「中断メッセージ」が流れる。
種類は豊富にあり、どれが流れるかはランダム。
そのため、ひたすら中断を繰り返すプレイヤーも少なくない。

内容としては、殆どはギャグやネタ的なものとなっており、プレイヤーを労ったり、
次回予告風にナレーションをしたり、中の人ネタ一人多役を披露したりと多種多様である。


最後に


『スーパーロボット大戦シリーズ』の解説、如何だっただろうか。
既にプレイした方々には、ちょっぴり物足りない項目かも知れない。
でも初心者の方に少しでも興味を持って頂けたなら幸せである。


スパロボの名物プロデューサーである寺田貴信氏はこう語っている。
「スパロボで得た人気を作品に還元するのが役目である」と。
スパロボとはファンのためのゲームなのである。

実際に、知名度を上げて人気を得た版権作品の中には、
後にディスクやフィギュア等の関連グッズが積極的に販売されたり、新作ストーリーが制作されたりするケースもある。

また、インタビューやイベントにおける話で分かるように、
作品とそのグッズの宣伝という意味合いも込めてスパロボに初参戦・再参戦している例もあり、影響力は多かれ少なかれあると思われる。


ほんの少しでも興味を持った、とか好きな作品が今度出るんだ!
と言うことになったら、ゲームショップに行って是非手を伸ばしてみては如何だろうか?



ただし、一つ注意点が存在する。

原作とスパロボは、それぞれ一次創作と二次創作に当たる。
そのため、お互いをひとまとめに扱う事が出来ない。

確かに影響し合う部分も少なからずあるのだが、やはり原作は原作、スパロボはスパロボとあくまでも別物なのである。


原作ファンの中には二次創作自体を好まなかったり、スパロボ参戦を快く思わなかったりする人も当然いる。
これは主に原作のキャラクターや展開が、特殊なキャラ付けや話の都合により改変されることを懸念してのことである。

事実、原作よりも更に悲劇的な結末を辿ってしまった事や、原作と異なる印象を与えてしまった作品やキャラクターも少なからず存在している。


作品をスパロボで知ったからと言って、無闇に原作ファンの集まりに突撃したり、スパロボだけの知識やネタを語ったりしないように!

スパロボは決して作品を参戦させてあげているのではなく、作品に参戦していただいているということも忘れないでいただきたい。


特定の作品が好きという気持ちは一緒である。
場の空気をよく読んで住み分け、マナーを大切にしていきましょう。





追記・修正は
ギルギルガンを説得して間接無効グランゾンを撃墜してネオグランゾンを倒してシュウの章を出してネオグランゾン×3を核バズで沈めてから
デビルゴステロと戦ってそれも私でまたネオグランゾンボコってナイチンゲールと殴り合いしてイデエンドを迎えた後に
バッドエンドでもの悲しくなって破界篇10周して最強ガイオウ様を倒して時獄篇5周して至高神Zをフルボッコしてからお願いします。

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最終更新:2026年08月04日 01:24

*1 当時大人気だったいわゆるSDガンダムの世界。ロボット族とでも言うべき自我を持った者達。

*2 背面>側面>正面の順に威力や命中率や回避率が上がる。

*3 ただし熟練度を取らないとEDが…という罠が

*4 第2次Z以降これらの作品は概ねOVAや劇場版の方がピックアップされるためでもある

*5 宇宙適正も無い

*6 GBA版からタイトルBGMとして使われていたが、リメイクにあたりボーカル版が公開された。

*7 特定パイロット同士の戦闘で発生する戦闘前の会話演出

*8 特にリアル系主人公

*9 今回キャスティングされた面々は後にアニメにも逆輸入された

*10 出来事が描写されるだけで実質的にはTV本編のみの参戦に近い。本編の方は『X-Ω』が初。

*11 『α』と付いているが登場人物はバンプレストオリジナルのみとなっておりαシリーズと世界観は共通していない。

*12 『IMPACT』のCMソング『Machine Soul ~奇跡を呼ぶIMPACT POWER~』のアレンジ版。『IMPACT』が前提の歌詞が一部変更されている。

*13 主題歌、ED共にOGSと共通。

*14 EDのみOGDPと共通。

*15 レビとジュデッカの初登場作品は「スーパーロボットスピリッツ」というR-1と版権ロボット作品による格ゲーであった。ちなみにまだスパロボ本編に出ていなかったザブングルが参戦していた。

*16 無印2次ではグレートへの乗り換えがあったが、3次以降剣鉄也の登場でそれもできなくなった。

*17 「ガンダムを元にした」という設定があったオリジナルロボット。あまりにデザインがガンダム過ぎたのと、OGシリーズで使えない設定だったため、後に頭部がリデザインされ設定も「ヒュッケバインを元にした」となった。

*18 UXでマジンガーZの皆勤賞はなくなったが、マジンカイザーSKLは参戦している。

*19 代表的な作品はガンダム系やマクロス系。