登録日:2009/05/27 Wed 13:44:41
更新日:2024/07/19 Fri 14:21:56
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ガンダムによる全戦争行為への武力介入を開始する
機動戦士ガンダム00
機動戦士ガンダム00は、『
機動戦士ガンダム』を初めとしたガンダムシリーズの12作目。
【概要】
2007年秋より放送開始。
TV放映のガンダムとしては初めて前期、後期に分けて放送された分割4クール作品。
2010年9月に
劇場版が製作され、シリーズは完結する。
(劇場版に関する詳細は個別項目を参照のこと。)
ガンダムシリーズでは『
宇宙世紀』や『
コズミック・イラ』などの架空の年号を用いるのが定番であるが、本作は
『西暦』を用いており、アニメ制作当時の現実世界と地続きのような国家勢力図や科学考察を重視している点が特徴。
また、宇宙開拓時代のSFガジェットとして『
軌道エレベーター』を取り入れており、世界観や物語にも大きく関わる。
一方、他のガンダム作品でよく見られるスペースコロニーは発展途上であり、バナール球(島1号)型のものが小規模稼働しているのみ。
本作のガンダムはいずれも『
GNドライヴ(太陽炉)』と呼ばれる特殊な動力源を持ち、“空を飛ぶ”というより“宙に浮く”ような、反重力を思わせるフワリとした挙動であることが特徴。
また、GNドライヴを有する機体とそうでない機体とでは火力・耐久力・機動力など全てにおいて大きな性能差があるため、このあたりの独特なパワーバランスは戦闘シーンにおける見所のひとつになっている。
本作のストーリーは「戦争と平和」「人類の革新」などガンダムシリーズらしさ溢れるテーマを扱いながら、1stシーズンは「武力による戦争根絶」、2ndシーズンや劇場版では「対話による相互理解」という切り口で進んでいく。
登場人物も多く、序盤のストーリーは
群像劇に近い進行であるため、キャラの相関図や勢力図の理解が難しいかもしれない。
主要スタッフは前作SEEDシリーズから一新されており、監督の
水島精二を筆頭に、本作がガンダム初参加となるスタッフも多い。
本作で集められたスタッフはその後のガンダム作品(
AGE、
ビルドシリーズ、
鉄血)に続投しているケースも多く、平成後期のガンダムを支える役割を担った。
また、ナレーションを初代ガンダムの主人公
アムロ・レイを演じた
古谷徹が務めたことで当時話題になった。
なお、良く勘違いされるが、本作のタイトルは算用数字の0を二つ並べて「ダブルオー」と読む。
アルファベットのOを二つ並べて『OO』とか書くと、良くて失笑、悪けりゃリンクや検索に影響して大迷惑なので要注意。
【スタッフ】
長いため折り畳み。
【評価】
前評判の悪さと放送後の反響
ガンダムシリーズの常もあるが、テロリスト主人公という点や、妙なネーミング、尖ったメカデザインから放送前は様々な所で拒否反応が溢れていた。
しかし、放送開始後には気合いの入った作画・演出による戦闘シーンを賞賛する声が非常に多くなり、序盤はやや地味めだったストーリーも第一期中盤から加速度的に盛り上がりを見せたことで、着実にファンの数を増やしていった。
特にその映像クオリティは放送終了して数年経った後でもサンライズのプロデューサーをして「当時のTVアニメとは思えない」と評するレベルであり、2010年代のガンダム作品と比較しても見劣りしない。
クセの強い設定やネーミング、メカデザインに対し、意外にもストーリーの根っこにあるテーマ的な部分に関しては、個性派揃いの
アナザーガンダムの中では非常にガンダムらしい文脈に則ったものになっている。
序盤こそ本作独自の要素がストーリーを牽引するものの、物語が進むにつれ、「人の革新」や「対話」といったガンダムらしい要素が前面に出てくるのが特徴。
ただし、ここに関してはしばしば賛否が分かれており、特にオリジナリティの強い1stシーズンを好む層は、2nd以降のやや手垢のついたストーリー展開には馴染めないケースがある。
また、1stシーズンでは善/悪や、敵/味方で単純に二分できない複雑な勢力図による先の見えない展開が魅力であったのに対し、2nd以降は(1stと比べて)シンプルな勢力図・勧善懲悪的な演出になっており、物語が陳腐化したという意見も根強い。
一方、そういった1st・2ndの方向性の違いはさておいて、本作を『主人公の物語』という視点で見ると、一本筋の通った作品となっている。
平和を願いながらも戦うことしか知らなかった主人公が次第に変革を遂げていく様は全編を通して丁寧に描かれており、1st・2ndの主人公の歩みは本作の集大成たる劇場版のストーリーへと昇華されていくため、この一貫性を評価する声も多い。
個性的なスタッフの活躍
脚本を担当した
黒田洋介は“黒田節”とも呼ばれる芝居掛かった台詞回しや独特な掛け合いで知られるが、本作でもそれは遺憾なく発揮されている。
特に
グラハム・エーカーや
アリー・アル・サーシェスといったキャラクターは、黒田節の効いた名言(迷言)の数々や声優の熱演により、敵キャラクターではあったが高い人気を博した。
また、自由に書かせるとしばしば暴走しがちな黒田脚本の悪癖は、監督の
水島精二のコントロールによって削ぎ落とされ、絶妙なバランスで作品として成立している部分もある。
ちなみに水島・黒田がコンビを組むのは本作が初であり、1stシーズン前半はお互いのことをよく知らない中、作品の方向性を模索しながら進めていた。
製作を進める中で水島氏は「“キャラの掛け合い”こそが黒田脚本の真骨頂」と考え、それまで多数の登場人物に少しずつ台詞を与えながら群像劇的に進めていたやり方を変え、黒田氏の強みを活かす方向で各キャラのドラマを描く方針にシフトしたという。
黒田氏の長所である速筆にも現場は大いに助けられており、2シーズン分割放送への急遽変更や劇場版の制作決定でストーリーの構成を変更せざるを得なくなった状況にも見事に対応してみせ、何より『脚本の上がりが早い=演出・作画のスケジュールに余裕ができる』というシンプルな強みで、高クオリティの映像作りに貢献した。
また、
長崎健司という新たな才能を発掘したことは、本作の功績のひとつとして挙げられるだろう。
1stシーズン第12話から角田一樹氏と共に演出陣に合流し助監督へと就任した彼は、その優れたセンスで良質な絵コンテを切り、ベテランの寺岡巌氏らと共に、作品の盛り上げに大いに貢献した。
長崎氏は本作で演出家として名が知れ渡り、若手ながら後に
ガンダムビルドファイターズや
僕のヒーローアカデミアの監督に抜擢され、こちらも高い評価を得た。
長崎氏の他にも、本作に関わったスタッフの多くは後のガンダム作品(
AGE、
BFシリーズ、
鉄血など)でも主要スタッフとして参加している。
特にメカデザインを担当した
海老川兼武は、00以降のガンダムシリーズになくてはならないデザイナーとして重用された。
【ストーリー】
1stシーズン(全25話)
─ 破壊による再生が始まる ─
2007年10月6日~2008年3月29日放送。
西暦2307年──人類は枯渇した化石燃料に代わるエネルギー源として、3つの軌道エレベーターからなる宇宙太陽光発電システムを構築する。
だが、その恩恵を受けられるのは軌道エレベーターを所有する「ユニオン」「AEU」「人類革新連盟」の世界3大国家郡に限られており、各国家郡は己の威信と繁栄の為、大いなるゼロサム・ゲームを続けていた。
一方、軌道エレベーターの建設に関わらなかった中東の途上国は、太陽光発電システムの恩恵を受けられず、経済的に困窮し、一部は内戦へと発展してしまう。
そう、24世紀になっても人類は未だ争いを続けていたのだ。
そんな世界の中で、突如として「武力による戦争根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。
モビルスーツ「ガンダム」を所有する彼らの名は、ソレスタルビーイング。
ガンダムによる全戦争行為への武力介入が始まる───。
2ndシーズン(全25話)
─ その再生を破壊する ─
2008年10月5日~2009年3月29日放送。
ソレスタルビーイングと国連軍との最終決戦から4年。
地球連邦政府を樹立した人類は、恒久和平実現のため、連邦正規軍とは別に独立治安維持部隊「アロウズ」を組織する。
しかし、アロウズによる平和維持活動の実態は、人類意思統一の名を借りた反政府勢力・主義・思想への非人道的な弾圧であった。
4年前の決戦で生き残った
刹那・F・セイエイは、ソレスタルビーイングによって変革を促された世界の行く末を見つめていた。争いの無い平和な世界を夢見て。
しかし、彼が目の当たりにしたものは、アロウズによって造られた偽りの平和、そして今までと変わらない歪み続ける世界であった。
彼は再び戦う事を決意する。世界を変えうる力、「ガンダム」と共に。
そして人類に変革をもらたす存在──
ダブルオーガンダムが産声を上げる。
【登場人物】
個別項目がある人物の詳細はそちらを参照のこと。
「エクシア、目標を駆逐する」
「俺がガンダムだ」の名言でおなじみ、本作の主人公。
ガンダムマイスターの一人で、剣技を得意とする近接戦闘のエキスパート。射撃はやや苦手(2ndシーズンで改善)。
刹那・F・セイエイはコードネームで、本名はソラン・イブラヒム。
元々は中東のクルジス共和国にてゲリラに参加していた少年兵で、戦場において
とあるガンダムに命を救われた過去を持つ。
戦争根絶の体現者であるガンダムに強い思い入れがあり、しばしば独断専行しがち。
ガンダムマイスター。1stではニール・ディランディ、2ndではニールの双子の弟であるライル・ディランディがそれぞれこのコードネームを名乗る。
「デュナメス、目標を狙い撃つ!」
双子の兄ニールは面倒見の良い兄貴肌の人物で、年若いガンダムマイスターたちを統率するリーダー役を担う。
狙撃のスペシャリストであり、MS・生身どちらでも狙撃の腕は作中随一。
MS搭乗時は支援端末として
ハロを同乗させており、相棒と呼んで慕っている。
「その名の通り、狙い撃つぜぇ!!」
双子の弟ライルは反政府組織カタロンの構成員として活動していたが、刹那にスカウトされソレスタルビーイングに加わる。
飄々とした性格に見えるが、優秀な兄にコンプレックスを抱いているなど影の部分も見え隠れする。
兄同様に優れた射撃センスを持ち、早撃ちを得意とする。
「ハレルヤ、世界の悪意が見えるようだよ」
ガンダムマイスター。穏やかな性格で登場人物の中では比較的常識人。
人類革新連盟の超人機関によって造り出された強化人間『超兵』の失敗作、という特異な経歴の人物。
機関による非人道的な実験の影響で、常人より強靭な肉体を持つ反面、人格が分裂してしまっており、まれに「ハレルヤ」という第二の人格に入れ替わる。
「なんという失態だ…万死に値する!!」
ガンダムマイスター。中性的な外見が特徴の、謎の多い人物。
ソレスタルビーイングの計画の根幹をなす量子演算システム『ヴェーダ』へのアクセス権を持ち、ヴェーダが示す計画の遂行を至上の目的とする。
ヴェーダの指示に固執しすぎるあまり、周囲と衝突しがちで、特に独断専行の多い刹那とは犬猿の仲。
物語が進むと互いに精神的に成長し、良きパートナーとなる。
「私たちソレスタルビーイングの初お披露目よ、ド派手にいきましょ」
ソレスタルビーイングの戦術予報士。
ガンダムの母艦プトレマイオスにて作戦指揮を担っており、事実上の艦長も兼ねる。
日系スペイン人で、本名はリーサ・クジョウ。
前々作の巨乳艦長に負けず劣らずの
けしからんおっぱいの持ち主。
「生き残る!!…全員、生き残るの…!」
プトレマイオスのオペレーター。ピンク髪がトレードマーク。ちなみに地毛ではない。
ハロが好きで、非戦闘時はよく一緒にいる。
人付き合いが苦手で口数も少ないが、徐々に克服していく。
1st時点で14歳とかなり若いものの、何気にスタイル抜群。
「見る目ないね、私…」
プトレマイオスのオペレーターその2。愛称はクリス。
明るく社交的で、8歳も年下のフェルトとも友人のように仲良く接する。
ハッキング能力が高く、ちょっとしたデータの盗み見は朝飯前。
「刹那、ドッキングだ!!」
プトレマイオスの砲撃士。ガンダムの
支援機等に搭乗するサブパイロットも務める。
元マフィアで筋骨たくましいイイ男。
「生き残りますよ!」
プトレマイオスの操舵士。愛称はリヒティ。
語尾の「ッス」が特徴の陽気な男。
クリスに気があるが「好みじゃない」と一蹴される。
実はその体に重い秘密を抱えている。
「なんじゃこりゃぁぁぁあああ!?」
プトレマイオスのメカニック。
ガンダムの設計・開発から整備まで何でもこなす超優秀なエンジニア。
「カッコいいMSじゃないと勝てない」が持論らしい。
リンダという年齢の離れた嫁がいる。犯罪ですよ。
「お二人は恋人なのですか?」
プトレマイオスのメカニック兼オペレーター。2ndシーズンから登場。
イアンの娘。非常にハイテンションで、語尾に「です」がつく。
「私たち、分かり合えてたよね?」
プトレマイオスのクルー。2ndシーズン中盤から登場。
宇宙物理学、MS工学、再生治療、操船技術、料理に長ける美人…という
完璧超人。
ロックオン(ライル)と出会い、互いに惹かれていくが…?
チームトリニティ
「世界に見せつける必要があるのさ…ソレスタルビーイングの本気さをな」
ソレスタルビーイングのセカンドチーム「トリニティ」のリーダー格で、トリニティ三兄妹の長兄。
三人の中では最も理知的ではあるが、民間人にも容赦しない過激な武力介入を機械的に遂行する冷徹さを持つ。
「行けよ、ファング!!」
トリニティ三兄妹の次兄。
好戦的な性格で、戦場において敵軍を徹底的に破壊・蹂躙・殲滅することに愉悦を感じる危険な男。
「死んじゃえばいいよ♪」
トリニティ三兄妹の末っ子である少女。
二人の兄を「ヨハンにぃ」「ミハにぃ」と呼んで慕っている。
子供じみた残忍さを持ち、罪もない人々の命すら容易く奪う。
声はくぎゅぅぅぅだが貧乳でも
ツンデレでもない。
エージェント・監視者 他
「紅龍、私はね、この世界が変わりさえすればいいの。どんな手段を使ってでも…」
ソレスタルビーイングのエージェント。
弱冠17歳にして、世界有数のセレブである王家の当主を務め、その財力と人脈、情報網でガンダムの活動を支援する。
紅龍という従者を常に連れている。
「君はまさしく私のエンジェルだよ」
表向きはユニオンに所属する国連大使だが、その裏でソレスタルビーイングの監視者に名を連ねる男。
秘めたる野望を持ち、世界の裏で暗躍する。
「始まるよ、イノベイター…人類の未来が」
「世界は……。人類は…… 変わらなければならないのだから……」
ソレスタルビーイングの創設者にして稀代の天才科学者。
ガンダムの動力源であるGNドライヴや、量子演算システム・ヴェーダなど、ソレスタルビーイングが有する独自技術の数々はほぼ全てイオリアが基礎理論を提唱したもの。
西暦2051年の生まれであり、作中世界では200年以上前の人物。本作一の
ツンデレ。
「グラハム・エーカー……君の存在に心奪われた男だ!!」
ユニオン軍の精鋭部隊「MSWAD」に所属するトップガン。
ガンダムの圧倒的な性能に“愛”と呼べる感情を抱いた乙女座の男。
本作屈指の名言&迷言メーカー。
「どうもこうも、うちのフラッグの猿真似だよ。独創的なのはデザインだけだね」
グラハムの盟友。ユニオン軍に所属する技術士官で、レイフ・エイフマンに師事する。
大学時代からリーサ・クジョウ(現在の
スメラギ・李・ノリエガ)に好意を寄せているが、彼女がソレスタルビーイングに所属していることには気づいていない。
「心配しないでくれ。僕だって…未来を見つけたいんだ…!」
ユニオン経済特区の日本に住む民間人。
戦争とは縁遠い世界で平和に暮らしている、至って普通の学生。
しかしガンダムの出現と共に変わっていく世界に、否応なしに巻き込まれていく。
「夢を叶えて。それが…私の夢なの。だから…私の夢を叶えて、沙慈……」
スペインから日本にやってきた海外留学生で、沙慈のガールフレンド。
実家はかなりのお金持ちで、甘やかされて育ったのかちょっとワガママ。
ソレスタルビーイングの武力介入を「すっごいボランティアなんじゃない?」と評するなど、あまり物事を深く考えていないところがあるが…。
「父さん。私も事実を求め、繋ぎ合わせて、そして真実へ…」
沙慈の姉。JNNに所属する報道記者。
ソレスタルビーイングに興味を示し、その実態に迫っていく。
AEU
「大佐の勝利の為にぃッ!!」
AEU軍に所属する、スペシャルで2000回で模擬戦な、自称“AEUのエース”。
上官の
カティ・マネキンに一目惚れし、彼女の気を引くためあの手この手を尽くす。
作品内外で
ネタキャラ扱いされているが、パイロットとしての実力はわりと本当にエース級。
「信用しろ。私がお前を男にしてやる」
AEU軍の戦術予報士。階級は大佐。
コーラサワーの憧れの女性。
優秀な指揮官で、巧みな戦術でガンダムを苦しめる。
人類革新連盟
「戦争根絶とやらの覚悟…見せてもらうぞ!」
“ロシアの荒熊”の異名を持つ人類革新連盟の指揮官。階級は中佐。
戦術家として名を馳せているが、MSパイロットとしても腕は一流という傑物。
おまけに軍人としての良識も持ち合わせた作中屈指の人格者。しかし…。
「今度こそ……今度こそ任務を完遂させる……。超兵として…!」
アレルヤと同じく「超人機関技術研究所」出身の超兵一号。
小柄な少女だが、強化人間らしい優れた身体能力を持つ。
セルゲイ率いる対ガンダム特務隊「頂武」に配属される。
「メメントモリ…人類は死を思い、平和の尊さを考えねばならんのだ」
「刮目せよ! 一世紀以上かけて造り上げた人類の英知が滅びる様をな!」
2ndシーズンから登場。ホーマー・カタギリの側近で、階級は准将。
メタボ体型の悪人面で、性格もお察しの通り。
しかしスタッフ・キャストの間では「パン屋さんみたいな見た目」といじられているようで、DVDの映像特典で公式にパン屋ネタでいじられた。
「やらせてもらいますよ…私の大好きな殲滅戦をね」
2ndシーズンから登場。
アーサー・グッドマンの部下。階級は少佐。
声はまさかの
ガンダムΖΖの主人公…しかし中身は汚い大人そのもの。
掃討作戦を好む戦術家で、上官のグッドマンと並んでアロウズを象徴するような人物。
「ガンダムとはいえ5年前の機体…アヘッドの敵ではない!」
2ndシーズンから登場。アロウズの小隊長を務める男。階級は大尉。
テロで家族を失くした過去を持ち、恒久和平の実現を掲げるアロウズの理念に共感して志願した。
優秀なMSパイロットであり、アロウズの新型MS・
アヘッドを駆ってガンダムと戦う。
「乙女だ」
セルゲイ・スミルノフの息子。2ndシーズンから登場。
父親と同じく軍人だが、過去の出来事から父親を忌み嫌っている。
「このガデッサには容易いこと!」
2ndシーズンから登場。アロウズ内で独自行動の権限を有する“ライセンサー”と呼ばれるパイロット。
また、人類を導く存在『
イノベイター』を自称する。
新型MS・ガデッサを駆り、ソレスタルビーイングと幾度も刃を交える。
「そっちとは射程が、ダンチなのよね!」
2ndシーズンから登場。リヴァイヴと同じくライセンス持ちで、かつイノベイターを自称する一人。
好戦的な性格で、主にリヴァイヴとコンビを組んでガンダムに戦いを挑む。
その他
「悲しい事を言わないで…。刹那、争いからは何も生み出せない。無くしていくばかりよ……!」
今作の
メインヒロイン。
中東にあるアザディスタン王国の第一皇女。
平和を願う気持ちは誰よりも強いが、内戦の絶えない祖国を前に何も為せない自身の無力さを痛感している。
「もし分からないのであれば、あなたにこの国を救う資格はないわ」
マリナ・イスマイールのお目付け役。眼鏡の似合う知的な女性。
弱気になりがちなマリナを叱咤しつつ、彼女の政治活動をサポートする。
「近い将来、彼らと我々が手を取り合う日が訪れるさ」
2ndシーズンから登場。反政府組織カタロンの中東第三支部リーダー。
連邦政府打倒のため、ソレスタルビーイングとの共闘を画策する。
「やっぱ戦争はぁ!白兵でねえとなァッ!!!」
民間軍事会社 (PMC)に所属する傭兵。
常に戦場を求めており、名を変え場所を変え暗躍する戦争中毒者。
かつて中東に存在したクルジス共和国にて反政府ゲリラ組織・KPSAを指揮していた男で、刹那を含め多くの少年らを巧みに誘導・洗脳し、戦闘技術を叩き込んで少年兵に仕立てあげた。
「そう、宇宙環境に適応した僕らが、人類を新たなフロンティアへ導くのさ」
2ndシーズンから登場。(正確には1stシーズン最終話に1カットのみ登場)
リヴァイヴやヒリングと同じくイノベイターを自称しているが、アロウズには所属せず独自の考えに基づいて行動する。
【登場機体】
※劇場版の登場機体も含みます。
【スペシャルエディション】
1st・2nd全50話を再編集し、3部作にまとめた特別版。
- スペシャルエディションI:ソレスタルビーイング
- スペシャルエディションⅡ:エンド・オブ・ワールド
- スペシャルエディションⅢ:リターン・ザ・ワールド
それぞれ90分程度とかなり短く、重要なシーンがカットされたりナレーションで済まされるなど、全体的に尺不足で駆け足気味の展開となっている。
そのため、本作を初めて楽しむ上ではやや心もとない作品。
一方、主に戦闘シーン周りで追加カットが多いため、そちらが目的であれば視聴する価値あり。
特に1stシーズン序盤のややおとなしかった戦闘シーンは、2ndシーズン準拠の派手な作画・演出に大きく手直しされている。
【劇場版】
2010年秋に公開。
スタッフは「テレビシリーズで一通りテーマは描き切った」と言及したが、更にそこから先に踏み込んだ『00』の完結編。
「物語当初から刹那・F・セイエイという男がどういった変化を遂げたのか?」という部分に焦点を当てながら、地球圏に降り注ぐ絶体絶命の危機を前にソレスタルビーイングや地球連邦軍を巻き込んだ最大規模の戦いが繰り広げられる。
【ガンダム00 Festival 10 "Re:vision"】
ガンダム00の10周年記念に開催されたリーディングライブイベント(朗読劇)。
劇場版の後のソレスタルビーイングを描いた話で、まさかの人物がガンダムマイスターに任命される。
俺達の戦いはこれからだ!と言わんばかりの終わり方だが、劇場版ラストに繋がるのでご安心されたし。
【楽曲】
- オープニングテーマ
- DAYBREAK'S BELL/L'Arc~en~Ciel
- Ash Like Snow/the brilliant green
- 儚くも永久のカナシ/UVERworld
- 泪のムコウ/ステレオポニー
- エンディングテーマ
- 罠/THE BACK HORN
- フレンズ/ステファニー
- Prototype/石川智晶
- trust you/伊藤由奈
- 挿入歌
- LOVE TODAY/Taja
- TOMORROW/マリナ・イスマイール(CV.恒松あゆみ)
- Unlimited Sky/Tommy heavenly6
【ゲーム出演】
スパロボシリーズ
『
第2次スーパーロボット大戦Z』に参戦。
同作の世界観は『三大国家』、テーマとして『変革』を挙げており、『00』を主軸にしたものとなっている。
ただし、ユニオンが
ブリタニア帝国と合併して「ブリタニア・ユニオン」なる新国家となっていたり、AEUの軍部を
OZが仕切っていたり、人革連に中華連邦が含まれていたりと、『00の三大国家にコードギアスやガンダムW等の作品に登場する敵勢力を統合・再編する』というスパロボ独自のアレンジが為されている。
- どちらも放送時期が近いヒット作
- 制作会社がどちらもサンライズ
- ジャンルはどちらもロボットアニメ
ということでファン層が被っていたためか、2008年には日本武道館にて両作品のアーティストを招いたコラボライブが開催されている。
Gジェネレーションシリーズ
また、2019年発売の『GジェネレーションCROSS RAYS』では、
W・
SEED・
鉄血と並んで主要作品に抜擢された。
特に鉄血とは一部で共演を望む声があったため、Gジェネシリーズとしては本作で実現する形となった。
余談だが、2018年に立ち上がった『
機動戦士ガンダム40周年記念プロジェクト』では、いくつかのキービジュアルが公開されたが、その中のひとつに00×鉄血の公式コラボイラストが存在している。
ガンダムvs.シリーズ
多数のガンダム作品の機体が共演する『vs.シリーズ』には、『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』(2008年)に
ガンダムエクシアがゲスト参戦。
続く『ガンダムVS.ガンダムNEXT』で主役機以外も本格参戦し、その後のvs.シリーズにはコンスタントに参加している。
その他のゲーム出演
- PS2にて本作単独のゲームとして『機動戦士ガンダム00 ガンダムマイスターズ』が発売されている。
- アニメの第一期~二期の放送休止期間をつなぐための典型的な低予算キャラゲーであり、評価は低い。
- 新規アニメパートなどは収録されているので、ファンアイテムとしてはギリギリ成立しているか。
- 特にオープニングムービーは、楽曲こそアニメ版の『Ash Like Snow』を使い回しているが、映像は完全新規作画となっている。
【ガンプラ】
シールが多いことを除けば総じて出来が良く、特にMG化された機体は内部フレームの大半の再現に加え、太陽炉の着脱完全再現という完成度を誇る。
本作に登場するモビルスーツ(特に2ndシーズン以降の機体)は、“立体物になったときの可動範囲”を強く意識したデザインになっており、HG版ダブルオーガンダムは正座が可能という驚異的な脚部の稼働で当時話題になった。もちろんバンダイの企業努力もあるが。
MGダブルオーガンダムセブンソードが発売されてからは散発的に主人公機がRG化されていたが、2018年代に『
ガンダムビルドダイバーズ』が放送されると放送10周年ということもあり再び人気に火がつき、
プレミアムバンダイ限定でアドヴァンスドジンクス(ノーマル、デボラ機)とジンクスⅢ(アロウズ、連邦カラー)がMG化、ジンクスⅣがHG化。
さらに2019年3月に
ガンダムデュナメス、2020年5月に
ガンダムキュリオス、2020年11月に
ガンダムヴァーチェが新規造形でMG化され一般販売されることが決定した。
MGのガンダムエクシア発売から約12年を経て、1stシーズンにおける主役ガンダム4機が全てMG化されたことになる。
【余談・エピソード】
- 監督の水島精二氏は、ガンダムシリーズにあまり詳しくない。
- 「ファーストガンダムは好きだが、他の作品は見ていないか多少かじったことがある程度」というレベル。
- しかし、これは「既存のガンダム作品にとらわれない新しいガンダム像を打ち立てたい」という企画サイドの意図した人選であった。
- 制作当初、「少数のガンダムが世界を相手に戦う」という物語の構図についてガンダムWとの類似を指摘された水島氏は、自身の学びのためにWやSEEDシリーズを視聴しようかと周囲に提案したところ、「見ないでくれ」と止められたと後に語っている。
- 一方、脚本の黒田洋介氏や助監督の角田一樹氏はスタッフ内でも熱狂的なガンダムファンとして知られており、監督のガンダムの知識不足を周囲のスタッフが補う形で機能していた。
- 本編を1st・2ndシーズンに分け、間に半年のインターバルを設ける分割放送形式は、当時の夕方アニメとしては珍しい放送形態であった。
- そのため一部の視聴者の中には、1stシーズン終了時に打ち切りと勘違いする者もいたという。
- この分割形式は、ガンプラの販促期間やアニメの制作スケジュールに余裕を持たせたいという大人の事情も絡んでいた。
- 脚本の黒田洋介は本作の企画初期に「全50話の1年放送」のつもりでストーリーを書き上げ、早い段階で物語の大筋は出来上がっていたため、後から1st・2ndの分割放送が決定したことで話数やエピソードを調整せざるを得ず、さらに上記のとおり視聴者から打ち切りと誤解されるなどのマイナス面があることを危惧し、1年放送にできないかと泣きながら懇願した、というエピソードもある。
- とはいえ、本作はほぼ毎話戦闘シーンを挟みながらもハイレベルな作画クオリティを維持できており、「(分割放送が決まって)最初はふて腐れた」と述べた黒田氏も「結果的には分割形式で良かった」と述懐している。
- また、1stシーズンの視聴者の反応を受けて2ndから演出の方向性が多少変化するなどのフィードバックこそあれど、物語の大筋に変更は無いとのこと。
- ちなみに、現場が2ndシーズン前半の話数を製作していた頃に劇場版の話をもらった、ということを後に水島監督が明かしている。
- そこから脚本の黒田氏と共に劇場版のプロットを検討し、結果的に2ndシーズン終盤は劇場版に繋げる形でさらなる微調整が必要となった。
このように紆余曲折を経て完成した形こそ『ガンダム00』という作品であり、是非ともシリーズを通して観賞して頂きたいものである。
- 反対意見がなかったので、リセットしました。 -- 名無しさん (2022-09-09 22:26:02)
- 今更だけど、ガンダム〇〇と〇〇ガンダムで機体名の前後にガンダムってつくのはなにか違いがあるの? -- 名無しさん (2022-12-05 12:41:34)
- ↑多分正式名称はガンダム〇〇の方。システムの中心は"ガンダム"ので、それを強調したいのかなと個人的には思ってる。グラハムガンダムとか本人の自我出まくりだし…w -- 名無しさん (2023-03-28 17:25:25)
- ↑2 個人的な解釈だけど、1st/2ndでソレスタルビーイングの役割が違うことがガンダムの名付けの違いに出てるのかなと思った。刹那の言葉を借りるなら「戦争根絶を体現する者」こそが正しいガンダムの姿で、それならば『ガンダム◯◯』のネーミングになる。一方で2ndシーズンは戦争根絶というより1stシーズンを経て自分達が変えてしまった世界に対して責任をとる(ラッセの言葉では『ケジメをつける』)ために動いてて、本来なら武力介入の対象になるカタロンに手出しをしないなどソレスタルビーイングの行動原理が1stと異なる。本来のガンダムのあり方から逸脱しているから『◯◯ガンダム』というネーミングにして、ガンダムであることを前面に押し出さない形にしたのかなと。劇場版で(ティエリア機を除いて)『ガンダム◯◯』に戻るのも、CBの立場や行動原理がまた変わったからなのかなと。 -- 名無しさん (2023-07-26 15:56:52)
- 2クール×2のロボアニメでここまで戦闘回頻度と戦闘作画のバランスを高水準で保ってたの今振り返ってみると凄すぎない?って思う 鉄血とか水星は2週連続でほぼ戦闘ない回挟まるのも割とあったし猶更 -- 名無しさん (2024-07-02 05:42:23)
- 太陽光発電紛争なんだが、日常生活で言えば「デパート建設で賛成派の行政(三大国)と反対派の商店街(中東)が対立する」という感じだと思う -- 名無しさん (2024-07-12 09:55:26)
最終更新:2024年07月19日 14:21