シナンジュ・スタイン

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シナンジュ・スタイン - (2020/11/28 (土) 20:35:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/09/15(土) 23:54:19
更新日:2023/09/01 Fri 03:05:19
所要時間:約 7 分で読めます





赤い彗星の原石

MSN-06S
SINANJU STEIN



シナンジュ・スタインとは、『機動戦士ガンダムUC-MSV』、短編小説『戦後の戦争』などに登場するモビルスーツ(MS)。
デザインはカトキハジメ


目次




緒元


型式番号:MSN-06S
全高:22.6m
本体重量23.1t
全備重量:54.2t
出力:3,240kW
推力:128,600kg
センサー有効半径:23,600m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:60mmバルカン砲×2
ハイ・ビーム・ライフル
ビーム・サーベル×2
シールド
ビーム・キャノン
ミサイル×4

搭乗者:フル・フロンタル
ワークラッハ・バナム(MSV 楔)


機体解説


U.C.90年代半ば。地球連邦軍再編計画「UC計画」に向けたフラッグシップ機「RX-0」の開発が進められる中、データ収集用としていくつもの試作MSが製作された。
シナンジュ・スタインはそういった試作実験機の一つとしてアナハイム・エレクトロニクス社によって開発された機体である。
開発コードは「スタイン01」。

開発目的は「サイコフレームの強度・追従性の検証」とされる。


ガンダムUC』本編に登場したシナンジュの姿は袖付きに強奪された後に改修されたものであり、アナハイムで製造時点でのこの機体は色々な箇所が異なっていた。
まず機体色が暗灰色であり、さらに頭部も角がなく、この時点で違う印象を受ける。顔もガンダムタイプを彷彿とさせるツインアイやフェイスカバーがあり、全体の装甲も角ばった連邦系MSに近い意匠を与えられていた。
この辺はユニコーンのための試作機、いわば兄弟機であることを認識させてくれる。

スラスターも背部の大型スラスターや脚部の追加バーニアもなく痩せ身に感じるが、その分シルエットがガンダムタイプに近くなっておりどことなくνガンダムに見える。
事実、全体的なシルエットはνガンダムに似ている他、背面にはHi-νガンダムのファンネルラックを思わせるパーツとプロペラントタンクがあり、主武装のハイ・ビームライフルもνガンダムHWSのハイパー・メガライフルに酷似している上にシールドはνガンダムのそれである。
元々サイコフレームの実験機であるのとユニコーンの試作機なので、ガンダムタイプとしては初めてサイコフレームを装備したνガンダムを参考にしたものと思われる。


さらなる特徴として「インテンション・オートマチック・システム」を搭載していることが挙げられる。
これはパイロットの操縦イメージをサイコフレームを通じて機体に直接反映させるシステムであり、完成形とも云えるユニコーンガンダムにも搭載された。
本機はこれらのシステムを元にMS単体の機動性、追従性を極限まで追及する方針で開発され、結果恐ろしいレベルの機動性を有することになった。
だが、同時にパイロットの僅かな苛立ちにさえ反応し攻撃体勢を取りかねない過敏なレスポンスと、本気で動き回ると並みの人間では耐えられないGを生む加速性能を持つ機体となってしまい、事実上誰も操縦できない機体になってしまった。
といっても元々ユニコーン開発のための過程のひとつに過ぎず、本格的な有人運用を考慮する必要も無い物だったので特に問題視はされず、データ収集後は処分され歴史の表に出ることなく消えていく


…と思われた。


実はアナハイムは裏取引によってこの機体を袖付きへと譲渡することを約束していた。
そもそもシナンジュ・スタインの製造自体がUC計画を隠れ蓑にしたこの取引に基づくものであり、上記の常人では扱えない性能も最初から「常人ではないパイロット」の搭乗を前提としていたからこそのものだった。

こうして完成したシナンジュ・スタインを巡りアナハイムと袖付き、更に連邦軍までもを巻き込んだ「出来レース」が敢行されることになるのだが…。


補足しておくが、元々この機体の名が「シナンジュ」であり「スタイン」は奪取後の機体と区別するため便宜的に付けられた通称のようなものである。
正式にはこっちも、改修後も「シナンジュ」。

そして「スタイン」はドイツ語で「石」、つまり宝石の原石の意味でありフロンタルが「この機体はまだ磨く前の原石のようなもの」と発言したことに由来する。
また、開発スタッフが「端から別の色に塗られることを前提とした灰色の装甲」を「原石」と揶揄したことに由来するとも言われている。



武装


  • 60mmバルカン砲
頭部に内蔵。ユニコーンの試作機ということからか装備位置も近い。

  • ハイ・ビーム・ライフル
専用の大型ライフル。前述の通りνガンダムHWSのライフルに酷似している。
インテンション・オートマチック・システムに連動して照準などを行えるが、奪取後にはオミットされ通常のライフルに代えられた。
一説にはシステムの操作性がフロンタルに合わなかったためとも言われている。

  • ビーム・サーベル
両腕の籠手部分に搭載されており、抜刀時にはカバーを開いてサーベルグリップが飛び出す。
籠手部分に接続したまま「ビームトンファー」としても使用可能。

  • シールド
サイズは片腕を覆う程度と比較的小ぶり。
νガンダムの物に似ており、裏面にはミサイルとビームキャノンを内蔵。



劇中での活躍


戦後の戦争

実質的な主役機として登場。
本来は戦闘をすることなく本機と関係機材が譲渡される手筈だったが、「出来レース」であることに気付いた連邦兵により戦闘状態に陥る。
そのような中でフル・フロンタルはシナンジュ・スタインの搭乗に成功。まだ初乗りの段階でありながら乗りこなしほぼ単独で連邦の部隊を壊滅。さらに後始末としてクラップ級2隻を撃沈した。
フロンタルの能力と冷酷さにアルベルトが戦慄する。

そして純白の機体は、撤退の為の信号弾の閃光で

真っ赤に煌いていた…

なお、前述したように元々「誰にも使えない機体」であるはずがフロンタルは乗りこなした上に「反応がまだ硬い」の一言で済ましており、彼のチートっぷりを物語っている。
しかも改修後に大型バーニアをいくつも追加しているのだから尚更である。


『機動戦士ガンダムUC バンデシネ Episode:0 』でもこの事件が描かれている。

そして、この事件で袖付きが奪ったシナンジュ・スタインは実は2ユニット存在しており……




シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)



撃っちゃうんだなぁ!これがぁ!!

緒元

型式番号:MSN-06S-02
全高:22.6m
本体重量:23.1t
全備重量:54.2t
装甲材質:ガンダリウム合金
出力:3,240kW
推力:128,600kg
センサー有効半径:23,600m

武装:60mmバルカン砲×2
ハイ・ビーム・ライフル
ビーム・サーベル×2
グレネード・ランチャー
シールド



機体解説

機動戦士ガンダムNT』に登場するシナンジュ・スタイン。
先述の強奪事件の折に袖付きが奪った物の片方で、「ラプラス事変」でフロンタルが搭乗した物とは別機体。
区別のため型番の末尾に「02」が付けられているが、作中での呼び名は「シナンジュ・スタイン」のまま。


フロンタル機とは異なり装甲やセンサー系などの改修はされておらず、機体色も強奪時と同じ暗灰色。
ただし袖付き所属機としてのアピールのため胸部と両手首部分には「袖」の装飾が施されている。
これは非公式な戦力、それも連邦とジオン共和国との間で交わされたサイコフレーム使用禁止条約に抵触するこの機体を「あくまでテロリストの物」と認識させる等の意味もある。

武装は微妙に変更されており、特にハイ・ビーム・ライフルはフロンタル機のライフルに性能・形状を近づけている。
ちなみにライフルやサーベルのビームの色は黄色。

そして最大の問題点であるインテンション・オートマチック・システムによるレスポンスなどはそのままだが、失敗作とはいえ「シャアの再来計画」の強化人間であるゾルタンはこの機体を難なく乗りこなしている。
更にオプションとしてとある装備が用意されており……



立体化


ガンプラ

オリジナルデザインのVer.KaがMG発売。
その後『NT』公開に合わせナラティブVer.がHGUC、MGでそれぞれ発売中。
主人公機が一部プレバンなのに対してこちらは全て一般発売しているため、非常に買いやすい。
特にNT版HGは関節部が新規なので可動域が優秀で、武装もバズーカが付属しているのでボリュームはシナンジュより上。


ゲームでの活躍


Gジェネシリーズ

「OVERWORLD」で初登場。
流石にPS3の「ガンダムUC」のようにはならず、シナンジュの下位互換で落ち着いている。基本性能は元より武装も少なく、ハイ・ビームライフルも通常BEAM扱い。
ただ、ギラ・ズール辺りからユニコーンガンダムを作ろうと思ったら必ずスタインからにしなければならない(裏を返せば開発先は優秀)。
しかし戦闘アニメの内、特にビームサーベルは本機の変態機動を表現しているので必見。
「GENESIS」ではハイ・ビームライフルが貫通属性になり、格闘向きのシナンジュと射撃向きのスタインという差別化が図られた。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2

2020年8月20日のアップデートで参戦。
2000コストの格闘依り万能機。耐久値が低く足も遅いが格闘は良く動き回り火力が高め。射撃は爆風が発生する武装が多く、特に覚醒技は広範囲を爆破するので味方機を巻き込みやすい。
誤射してもゾルタンは全く悪びれないのでプレイヤー自身が素直に謝罪メッセージを通信で送ろう。

余談だがシナンジュ・スタインを機に公式の参戦紹介動画は字幕で解説文が挿入される形式に改められた。
更なる余談だが攻略Wikiのコメント欄および掲示板はゾルタンの特徴的な口調で会話するカオスな空間となっている。


「追記・修正か。それもいい。」

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