シナンジュ

登録日:2010/09/17(金) 10:42:23
更新日:2021/01/28 Thu 14:58:08
所要時間:約 8 分で読めます




可能性を破壊する"猛禽"

MSN-06S
SINANJU

見せてもらおうか、
新しい『ガンダム』の性能とやらを!


画像出典:機動戦士ガンダムUC OVA第二巻「赤い彗星」2010年10月30日公開より
©サンライズ



シナンジュとは、『機動戦士ガンダムUC』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次




緒元


型式番号:MSN-06S
全高:22.6m
本体重量:25.2t
全備重量:56.9t
出力:3,240kW
推力:128,600kg
センサー有効半径:23,600m
装甲材質:ガンダリウム合金

武装:
60mmバルカン砲×2
ビームライフル
ビームサーベル×2
ビームアックス×2
グレネードランチャー
シールド




機体解説


地球連邦宇宙軍再編計画の一部である『UC計画』のフラッグシップ機としてアナハイム・エレクトロニクス社が開発していた『RX-0 ユニコーンガンダム』。
要求された異常に高い性能や秘匿性から、開発までには多数の試作実験機が開発されていた。
シナンジュもそのうちの一機で、内蔵されたサイコフレームの強度・追従性をテストするための機体であったとされる。
言い換えるならば、この機体は「フレーム限界を調べるだけの機体」であり、『使い捨て』の機体と言ってもいい。

武装においても、ファンネルやビット等の遠隔サイコミュ兵器は全く搭載しておらず、MSとしてはごく一般的な装備のみ。
特化した性能は機体追従性とスピードのみであり、しかも並のパイロットではそれを活かせないという、なんともピーキーな仕様。
結果として性能バランスが非常に悪く、MSとしては微妙と言わざるを得ない機体であった。

上記の通り、ユニコーンガンダムは本機体で検証されたデータを元に開発された為、ユニコーンやその2号機であるバンシィの「兄」機体とも言える。


U.C.0094年、ユニコーンの設計の完成に伴い、シナンジュを含めた試作機や装備品は、その役割を終えてアナハイム社のフォン・ブラウンから貨物船団で同社のグラナダ工場へと輸送されていた。
しかしそれらはネオ・ジオン残党軍により襲撃・強奪され、追撃した連邦軍部隊も全滅する事態となった。
この事件の首謀者は「シャアの再来」と呼ばれる仮面の男『フル・フロンタル』であるとされる。

その後、シナンジュは再び連邦の前に姿を現わした。
真紅に染め上げた装甲、猛禽類の羽のような大型フレキシブルスラスター、組織の象徴たる金色のエングレービングを施した、ネオジオン残党軍「袖付き」のリーダーとして……。

圧倒的なスピードで敵を蹴散らすその姿は、まさしく「シャア・アズナブル」そのものであり、連邦軍は「フル・フロンタル」を『赤い彗星』として認めざるを得ない状況となった。

しかしながら、件の強奪事件そのものがアナハイム側と袖付き側との密約に基づく譲渡であったとされる。
同様の事例として、U.C.0083にガンダム試作4号機ガーベラがアナハイム社からガーベラ・テトラとしてデラーズ・フリートに譲渡されている。
その際、外装等をジオン系統のデザインの物に変更されたが、シナンジュの場合は開発当初からジオン系統寄りのデザイン。
型番から分かる通り、本機はジオングヤクト・ドーガサザビーに連なるジオン系ニュータイプ専用機として開発された事が分かる。
この改修前、つまり強奪される以前の装甲は灰色の塗装であり「シナンジュ・スタイン」と呼ばれていた。
また、OVA版での初戦闘の際、アルベルト・ビストが提供したシナンジュの参考データの中には、袖付きによる改修後の物は勿論だが原型であるスタインとも異なる外観データが確認できる。
これは恐らく「改修された場合の想像図」だったのだろう。


機体特性としては先述の追従性と推進力を活かした高速空間機動戦向けの仕様。
開発時から備わっていた過敏なレスポンスと改修時に強化されたスラスター類の加速性にフロンタルの常人離れした技量が加わることで、他の追随を許さない圧倒的な機動性を発揮している。
特にバックパック左右に追加されている二基の大型スラスターを一纏めにした翼状のスラスターは接続部が可動することで運動性を強化し、装甲を上下に展開することで最大加速を行える。
バックパック下部にはスタインの物から更に延長された二本のプロペラントタンクも備え、航続距離を延長している。
このプロペラントタンクは戦闘時に任意でパージすることも出来、即席のデコイに用いることも可能である。

単純な火力面では控えめであるものの、MSの武装としてはスタンダードな物が揃っており、フロンタルは高速機動の中でそれらの装備類を的確に使い分け敵機を撃墜していく。
戦闘スタイルとしては一見地味なものであるが、純粋な速度面で対抗することはおろか反応出来る敵が殆どいないため、作中では無類の強さを誇った。
特に原作では純粋なマシンポテンシャルに加え、サイコフレームとフロンタルに由来するサイコフィールドによってある意味「異様」といえる力を見せた。



武装


  • 60mmバルカン砲
頭部側面に内蔵。使用頻度は低い。

  • ビームライフル
専用の長銃身型ビームライフル。
シンプルな造りだが高い貫通力と広い射程を誇る。
片手で使用できるもののあまりに長い銃身を持つため非常に取り回しにくいはずだが、フル・フロンタルは難なくこれを使いこなしており、高速機動中の精密射撃を行っている。
オプションで銃身下部に中折れ式グレネードランチャー、またはバズーカが取り付け可能。
非使用時にはリアスカート部にマウントされる。


  • ビームサーベル
前腕装甲内に格納されており、使用時には袖口の装甲が部分的に跳ね上がりグリップ部が射出され、それをマニピュレーターでキャッチし使用する。
また射出せず袖口に接続したままビームを発振する事で「ビームトンファー」としても機能し、ライフルなどを握ったままビーム刃を使用出来る。
このトンファーの機構はユニコーンへと継承されている。


  • ビームアックス
シールド裏面に2基収納されている片刃のビーム斧。サザビーのビームトマホークを2つに割ったような見た目をしている。
出力を上げる事でビームが延伸され幅広のビームソードにもなる。
シールドに装着した状態でもビームを発振可能で、装着時には主にビームソード状態で使用される。この状態でもジェガンのシールドを容易に両断する。
二基を連結させればビームナギナタとしても使用でき、高速回転させる事でビームシールドのような特性を発揮する。


  • シールド
非常に大型なシールド。先端部はブレード状になっており、MSのボディを刺し貫くことも可能。
裏側にはグレネードランチャーとビームアックスを収納。
腕以外に肩から伸びる補助アームや背面にも懸架できる。
MGでは裏にビームガトリングガンも取り付け可能。


  • バズーカ
ユニコーンのハイパーバズーカと同じく銃身の伸縮が可能であり、腰部背面のラックに取り付ける事が可能。
一部機能を排除した量産型がドライセン等に配備されている。



劇中の活躍


登場は三巻「赤い彗星」から、OVA版ではEP2から登場。
無数のデブリの中で、減速するどころかデブリを蹴る事で更に加速しながら、後続機の三倍以上のスピードネェル・アーガマに接近。
たった一機でネェル・アーガマの対空機銃を破壊し無力化する。
また、カタパルトから発進中のリゼルを狙撃する事でカタパルトを諸共に破壊。
更には残存のMS小隊をリディだけ残して全滅させた。
ユニコーンとの戦闘時にはコクピット装甲の隙間から青いサイコフレームの光が漏れ出ている。超高速で動き回るユニコーンに対し、流麗な動きで追従する姿は一見の価値あり。

EP3ではロンド・ベルによるパラオ侵攻で、あっという間にロトを一機無力化して戦線を離脱。
ラプラスの箱を巡っての争奪戦で、首相官邸ラプラスの残骸に接近したネェル・アーガマを強襲。ダグザ・マックールの攻撃で頭部に被弾してメインカメラを被弾するも、サブカメラを起動して対処した。しかしダグザをビームの熱で蒸発させた行為に激怒したユニコーンガンダムと大気圏スレスレでの攻防を演じるが、ギルボアを誤射で殺害してしまったバナージの動揺で無事撤退した。

戦場が地上に移ってからは暫く出番が無かったが、再び宇宙へと移っていくと本格的に活動を再開する。

EP5~6にかけてのゼネラル・レビルとの交戦では、僚機のローゼン・ズールと共に多くのMSを行動不能にし、更に母艦にも超遠距離からの狙撃で直撃を数発当てている。堅牢な母艦なので行動不能にまでは追い込めなかったものの、直掩の機体すら多数無力化しつつ無傷で撤退させる技量を見せつけている。

小説版では、連邦軍の追撃から陽動のため放棄されたガランシェールに先んじて到着したジェスタ含む艦隊に攻撃を仕掛けた。トライスターによる連携攻撃にも短時間で順応し、攻撃を受け流しつつも母艦や僚機を全滅させている。
L1ジャンクション近郊でのジオン共和国軍との共闘作戦では、ネェル・アーガマの降伏に成功するも後に失敗。
ラプラスの箱を巡る最終決戦では、ローゼン・ズールが大破する様を見物していたのをバナージから非難されつつユニコーンガンダムと交戦。しかし横合いから介入してきたクシャトリヤに妨害され、そのまま交戦状態へ。終始有利に立ち回るが、マリーダの機転に対応しきれずむしろ損傷を負ってしまう。
ラプラスの箱を譲渡するようサイアム・ビストへ迫るも拒否され、再度ユニコーンガンダムとの決戦へ挑む。サイコフィールドをお互いに発生しつつ、他者の介入すら容易にさせないほどの力場を形成していた上、バンシィとの2対1で中破しているにも関わらず"むしろ軽量化して動きが軽やかになっている"と感じさせるほどの機動性で翻弄。巨大な亡霊のようなオーラを纏いながら物理法則すら捻じ曲げていたが、最終的に巨大化したビームトンファーで貫かれ撃破された。


OVAEP6ではストーリーが異なり、改装中のシナンジュが描かれる。
ジンネマンが「足がありませんな」と言っているが果たして・・・?



デザインに関して


デザインモチーフは型番の「06S」から分かるようにシャア専用ザク。
それに肩やバーニア等はサザビーの意匠、ナギナタやライフルなどのゲルググの武装、ガンダムタイプに近いという百式の設定…と歴代のシャア搭乗機の要素を足したものである。
またバックパック下部のプロペラントタンクにHi-νガンダム等アナハイム製MSの要素も組み込まれている。



ゲームでの活躍


解禁にて参戦。コストは2500。解禁の順番としてはやや早めで、出撃前ムービーで登場していたのもあってか、そのリリースは安易に予想されていた。
ライフルやバズーカを駆使した「重武装モード」と、射撃が貧弱だが格闘が優秀な「高機動モード」の二つのモードを持つ。

【重武装モード】
平均なビームライフルとバズーカを持つ。
バズーカは連射が可能で、左右レバー入れで「レバー方向にロールしながら発射」する。
ブースト切れの場合はローリングの幅が減少する。
格闘は威力・伸びないが微妙だが発生・判定はそこそこ優秀で、差し込み、反撃には十分な性能。


【高機動モード】
同コスト帯でトップクラスのスピードと、両腕のビームトンファーを使った優秀な格闘が武器。
特に横格闘の「回転斬り」は発生・判定・巻き込み・伸びなどは高性能。
しかし、射撃面は貧弱で、メイン射撃はバルカン、サブ射撃は「デブリ蹴り」とやや不十分。
デブリ蹴りはレバーニュートラルで正面に射出。低速だがきちんと誘導はする上に一発分の射撃攻撃を防ぐ盾になる。またレバー入力で入力方向にデブリを蹴り誘導を切り移動できる。
これを活用すれば原作さながらの変態機動が可能。覚醒でデブリの弾数が4になので利便性が上がる。

特射は両形態共通でアンジェロ専用のギラ・ズールがランゲ・ブルーノ砲で援護射撃。

私に撃たせたなぁ!

覚醒技は『ビームライフル連射』。円を描くように高速ロールしながら、ライフルを7連射する。
着地取りも可能

だが横ステップ一回で無力化される

全体的に爆発力がなく、各モードの効果的な運用が求められるため、プレイヤーの腕がモロに出る機体。
ただ、上手い人のシナンジュは『当たらなければどうということはない!』と言わんばかりに縦横無尽に暴れ回る為、真面目に怖い。

前作から引き続き参戦。

【前作及び6/26のアプデでの変更点】
  • 耐久力600→620
  • 特殊射撃の威力90→110
  • 特殊射撃→メインで即落下するアメキャン追加
  • 両形態の機動力の強化
  • 両形態のサブのブースト消費の減少と補正緩和による威力上昇
  • 重装形態のロック距離延長
この機動力アップとロックの延長が、かなりおっかない。


  • エクストリームバーサス マキシブースト
コストが3000に上昇し、換装が廃止され、高機動、重装備両形態がほぼいいとこ取りで統合されたと言ってもいい。
特殊格闘は高機動の隕石蹴りに変更され、覚醒技に乱舞技の『再来の真価』が追加された。
他にも格闘は前作までの高機動寄りのモーションになり、ランゲ・ブルーノ砲がスタン属性になるなど攻撃の仕様や判定が変化した。
さすがに横格闘の発生・追従はアプデで低下してしまった。

前作からの弱体化はほぼ無く、射撃CSが追加された事で長年の問題点だった射撃武装の弾切れ対策に一役買う事になった。
アシストがギラ・ズールからローゼン・ズールに変更され、照射とプレイアブルの特殊射撃とを使い分けられる。更に覚醒中は拡散照射と二連射になるので、使い勝手は上昇したと言ってもいい。
格闘面では主力となる横格闘とBD格闘が強化され、特殊格闘が虹ステ可能になったのも合わさって万能機らしさをより強めている。

前作から調整を受けて続投。
サブ射撃は静止射撃から側転撃ちへのキャンセルが可能になったので最大4連射可能になり、特殊射撃のアシストはリロードが早くなり威力も上昇している。
格闘はダメージ分配が一部調整されたが、全機体共通調整でキャンセル補正が重くかかっている仕様上、今までの火力がやや下がっている部分もあった。全般的には出し切れば火力がそのままか上昇しているかのどちらかになるので、コンボ選択の見誤りは今まで以上にリスクを背負う事となる。
後格闘がビームナギナタ回転斬りに変更。射撃ガード付きだが伸びはそれほど良くないので過剰な期待は禁物。


高い基本性能を誇り、サイコフレームによる覚醒値などの底上げも可能。
…なのだがファンネル等の覚醒値を活用できる武装がないためサザビーやνガンダム系等に比べて地味さが否めない。
どちらかというと覚醒値のないパイロット(オールドタイプ)でも十分に乗りこなせる汎用性の高さがウリだろうか。
オーバーワールドではアビリティ「真紅の稲妻」により赤い機体に乗ると強くなるジョニー・ライデンと相性が良い。
ジェネシスではビームライフルやバズーカの射程が一般的なものよりも長くなり、使い勝手が良くなった。


立体化


ガンプラ

HGUCとMGとRGで発売中。
シリーズの中でも部品数が多いがその分完成度は非常に高い良キット。
HGとMGはエングレービングはシール/デカールで完全再現されている。
…が、かなり細かく分けられており全部綺麗に貼るのは難しい。エナメルふき取りで塗装のほうが楽かも。
MGはやや細身のVer.kaが先行して発売し、EP5前後で通常のMGが発売している。

RGではユーザーが苦戦していたエングレービングが分割成型で分けられ、塗装を前提とした設計ではなくなった。
耐久性にやや難こそあれど、革新的な技術であることは疑いの余地はないだろう。


情報不足を気に病む事はない。

ただ認めて、次の糧にすればいい。

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最終更新:2021年01月28日 14:58