キン肉アタル

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キン肉アタル - (2019/12/16 (月) 18:46:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/02(土) 01:46:57
更新日:2023/11/15 Wed 20:50:46
所要時間:約 6 分で読めます





だまらんかースグル!


男というものはあまりしゃべるものではない!!

両の眼で静かに結果だけを見ていればよいのだ!!


キン肉アタルとは『キン肉マン』に登場する超人で、キン肉マンことキン肉スグルの兄。

名前の由来はスグルと同様に元プロ野球選手の江川卓の実弟江川中(父親が麻雀好きでこの名前になったらしい)。


●目次

【データ】

CV:千葉繁/竹本英史(Ⅱ世)
身長:197㎝
体重:102㎏
スリーサイズ:B129 W76 H93
血液型:O型
超人強度:108万パワー
出身地:キン肉星
年齢:34歳くらい(王位争奪戦時)


【概要】


初登場は最終章である『王位争奪編』。
王位争奪戦から遡ること25年前、スグルが生まれる前にキン肉星の王子として英才教育を受けるが、
その帝王スパルタ教育*1に反発し、ブチ切れて9歳の時に家出する。
(この時既にムッキムキボディであり、高校に飛び級入学している写真まである)
しかし弟スグルを常に気にかけており、大きな戦いの際はいつも傍で見守っていた。
なので今まではスグルの力を信用して敢えて手を出さなかった。


【キン肉星王位争奪編】


しかし王位争奪戦において邪悪の神々の陰謀でスグルの火事場のクソ力が封印されてしまった事や、
正義超人たちの友情パワーが馴れ合いとなりつつある事に危険と判断。
キン肉星の王位をかけて戦う運命の王子達の一人であるキン肉マンソルジャーを襲撃すると、
ソルジャーマスクを奪って『キン肉マンソルジャー』になりきって王位争奪戦に参加した。
この時本来のソルジャーを含むソルジャーチームの計5人を不意打ち気味とはいえ一人で全滅させている
しかも本来のソルジャーは1億パワーであるのにアタルは勝っている。兄やん凄え!
ちなみに入れ替わったタイミングは会津若松城でのフェニックスvsビッグボディ戦~ブロッケンJrたちのスカウトの間らしい。

そしてフェニックスチームと対戦することとなり、ブロッケンJrバッファローマンアシュラマンザ・ニンジャらをチームメンバーとしてスカウト。
当初はザ・ニンジャ以外はキン肉マンの敵チームになることを拒んでいたが、ソルジャーが強盗から人質を助ける行動を見て考えを改める。
この一連のエピソードはもはやツッコミ所だらけで有名である。
が、作者のゆでは「書いてて楽しかった」とのこと。見てる方も面白いけどね。

こうしてソルジャーチーム、通称《超人血盟軍》を結成する。

ソルジャーはブロッケンJr.、バッファローマンの3人でフェニックスマンモスマンプリズマンと対戦する。
戦ううちにブロッケンとバッファローマンが倒れ、フェニックスとの対決になるも、
順逆自在の術、超人稲綱落とし、ベルリンの赤い雨、バッファローハンマーなどメンバーの技を使ってフェニックスを翻弄。
しかし、超人の未来を書いた『超人予言書』をマンモスマンに奪われ、予言書を燃やされることで存在そのものが消えはじめる。
ここで初めて弟・スグルに正体を明かし、モニター越しではあるが父・真弓と母・小百合とも再会。感動の兄弟対面となった。
(なお、スグル自身も本能で兄のことを感づいていたようで、アタルの叱責を素直に聞いていたり、アタルがフェニックスにいたぶられるシーンでは悔し涙を流していた)
父の激励で気力を取り戻し、『火事場のクソ力』の原型と言われる『業火のクソ力』を発動してマッスル・スパークの50%をフェニックスに決める。
しかし、預言書の力には逆らえず、両腕も消滅しかかったところでアタル版マッスル・スパークから逃れられてしまい、マッスル・リベンジャーで倒される。
そしてアタルは予言書が燃えつきると同時に、スグルの腕の中で消滅してしまった…。
が、予言書の灰がその後もキン肉マンチームをたびたび助けることとなる。消滅しても凄え!

最終的に長かった戦いが終わり、最後はキン肉マンのフェイスフラッシュで復活。共にキン肉星に帰っていった。


完璧超人始祖編】


王位争奪戦が終結した後のストーリーを描いた新シリーズ。
王位争奪戦後スグルと共にキン肉星に帰郷するも、すぐさま行方を眩ませてしまう。
よってこの章では回想シーンのみの登場だが、アタルが血盟軍に説いた教えはメンバーに受け継がれそれぞれに強い影響を与えている。


【サタン編(仮称)】


始祖編が終わった後のドタバタどつき漫才寸劇で働かないゆでこと嶋田先生は、
「次やるスグル達の世代のお話で(アタル/ソルジャーに)スポットライトを当てたいと考えている」と語っていた。

そして、ついにサタン編にて参戦を果たす。
始祖編までの間行方不明となっていたアタルだったが、他の王子達同様残虐の神からサタンとオメガ・ケンタウリの六鎗客の件を告げられる。
元々残虐の神はソルジャーマンと手を組む予定だったが、当の本人はアタルに殺されていたためそれができなかった。
そこでソルジャーマン殺害の責任を取らせることを含めてアタルに話を持ち掛ける。
アタル自身も話を聞いて今回の件は看過できないと判断し、またソルジャーマン殺害に責任を感じていたことから引き受けることを決意した。

六鎗客のリーダーであるオメガマン・アリステラとフェニックスとの対決が決着した頃、
超人博物館からソルジャーマスクを盗み4王子に続き兄さん貴方まで…安土城の超人墓場に通じるトンネルを封鎖しアリステラ達の前に姿を表す。
アリステラはキン肉マンとのタッグマッチを提案するが、キン肉マンの負傷を見て却下する。
代わりに残虐の神の力を借りて、ブロッケンJrを呼び寄せ「フルメタルジャケッツ」を結成しアリステラ達との戦いに挑む。


Ⅱ世以降】

王位争奪戦が終結した後は宇宙中を旅して周り、その後にザ・ニンジャと超人警察(アンタッチャブル)を結成。宇宙中の平和のために活動する。

そして『火事場のクソ力修練(チャレンジ)編』にて万太郎にKKD(火事場のクソ力)を習得させるべく超人評議会(カウンシル)に参加。
年をとったが渋いアタルおじさんとして登場。迷彩柄の杖を持っている。
あえてソルジャーマスクを装着しているとのこと*2。顎ヒゲがかっこいい。
筋肉が衰えヨボヨボになったスグルとは違い、もう60~70代なのに常に戦いに身を置いていたせいかそのマッスルは(スグルの兄貴なのに)衰えず、
未だ全盛期のようなハリを見せている。

ちなみにこのころのアタル兄さんは初代のころからは想像もできないほどフランクな感じ。
おいシシカバ・ブー。お前いつもはめちゃブサイクなのに、今日はいやにハンサムじゃないか

『究極の超人タッグ編』ではアタルとは明言されていないが、フードの男がアタルと思われる。
正義超人達に味方するが、もう一人のフードの男(フェニックス)と間違えられたりした。


【真・友情パワー】

正義超人達の甘えがある軟弱な友情パワーに葛をいれるため『真・友情パワー』を提唱する。
どういうものかというと

  • あまり喋らない
  • 味方に鉄柱を投げる
  • タッチ拒否
  • それでいて「立ち向かうんだ!」と言う
  • だまらんかースグル!

という感じ。
難しいがとりあえず、『馴れ合いを捨て、個々の超人が強い自立心を持った上で協調する』事を理想としている。
『サタン編(仮)』で見せている順序立てて行動している無駄の無い態度もアタルの信条に沿った行動だと言われることも。
相変わらず情で動いているスグルとは同じ所を見ていても違いが出ている。


【超人血盟軍】

アタル率いる超人血盟軍はロビンラーメンマンといったポピュラーなキャラでなく、渋いメンバーで構成されているからか人気が高い。
チームの信頼感や連携も高く、リーダーとして言えないことをメンバーが代わりに言ったり、
試合中のメンバーに指示をだすのに椅子を並び変えて指示をするなどの連携を見せている。
真顔で椅子をガタガタ並び変えるのはちょっとシュール。

あとなぜかメンバーはたいてい口が半開きである。


【最強の超人】

『キン肉マン』の作中でアタルは最強の超人の一人という意見がある。
というのも『1億パワーの本来のソルジャーを含む5人を一人で全滅させる』『予言書がなければフェニックスに勝っていた』などが理由である。
圧倒的に強いとまではいかないが最強クラスであることは間違いないだろう。
Web連載で『完璧超人始祖』の様な規格外の存在まで明らかになって運命の五王子すら霞んでしまった感があるが、現世代の超人達の中では間違いなく最強の一人と推せる活躍をアタル自身も見せている。


【何て冷静で的確な判断力の超人なんだ…】

アタル・ソルジャーを語る上で欠かせない点といえばチーム集めのエピソードである。

チームにスカウトするも断られ、その場を後にするソルジャーをブロッケンらが後をつけ、ソルジャーがどういう超人かを見極める話。
町でを持った強盗が子供を人質に立てこもる場面に遭遇し、ソルジャーは冷静で的確な判断でコスチュームを破いて黒いペンキにつける。
するとあら不思議、生地が大きくなって牧師様の服に変化し、牧師の格好で強盗に近づく
いくら強盗でも牧師なら気をゆるめるという冷静で的確な判断で近づくも、迷彩柄のマスク…ではなく筋肉モリモリマッチョマンな部分を見破られ、ピンチになるも冷静で的確な判断でナパームストレッチで撃退する。

ちなみに強盗が「金もってこい!食い物もってこい!」とおおざっぱな要求をだし、周囲の人々が困惑する中ブロッケンが我慢ならず強盗を退治しようとすると
「強盗を刺激すると人質が危ない」とソルジャーの冷静で的確な判断の一言に「まず人質の子どものことを心配するとは優しいやつ…」と、当たり前すぎることに気づく。というかそれだけが重要だろう。

このソルジャーの冷静で的確な判断に魅了されたブロッケン達は超人血盟軍入りを決めるのであった。
あまりにもツッコミ所が多いが、ブロッケン達はこれを口半開きで見てとても感動したのだから不思議だ。
一応フォローすれば、超人にとってリングコスチュームは命であり、それを自ら破りペンキで真っ黒に染めるなどということはとんでもないことらしい。
見ず知らずの人命救助のため、躊躇わずそれを為したことが彼らの心を動かしたのだろう。
なお、その時ソルジャー(アタル)が着てたユニフォームは、マスク同様本物のソルジャーから奪ったものと思われる


なお、このエピソードは、映画監督の黒澤明が『七人の侍』で描いたもののオマージュ。
さらにさかのぼれば、戦国時代の剣豪上泉信綱に行きあたる。

後にアシュラマンメインの読切の扱いでこれとは別に超人血盟軍結成の話を描いている。
こちらは最終的にアタルとアシュラマンがベルリンの壁でリアルファイトを始める程度でかなり常識的な内容。
傑作短編集2011-2014に収録されているので興味があればぜひ。

キン肉マン連載40周年記念のストップムービーでも「何て冷静で的確な判断力の超人なんだ…」のシーンが採用。
他の部分がわりとシリアスなシーンが多め*3なため、「思わず笑ってしまった」「急にギャグシーンを入れるな」「ギャグとシリアスの落差が凄い」などという反応が多い。



【必殺技】

  • ナパームストレッチ
アタルの代名詞とも言える技で空中で相手を釣鐘固めに捕らえ、回転しながら上昇、その後急降下し相手をキャンバスに叩きつける。
この際に空気との摩擦により胸にAの形の傷ができる(アニメだとX型)
劇中では本物のソルジャー及び残虐チーム、スーパーフェニックス、前述の強盗に使用
ちなみに名前の由来は森を一瞬で薙ぎ払うナパーム弾並の威力があるかららしい。

  • アタル版マッスルスパーク
スーパーフェニックス戦終盤で使用。
未完成スグル版マッスルスパークをかけた後、相手の両手を取りブリッジの態勢のまま落下する。
マッスルスパークの後半部分であり前半部分であるスグル版マッスルスパークと合わせることによりマッスルスパークが完成する。
オメガマン・アリステラとの闘いでは「慈悲の心を以て」終止符を打つために再度使用し、
技を仕掛ける際のムーブが中空で逆さ向きのドロップキックを連発して相手を上空まで蹴り飛ばし、さらにホールドした後に回転しながら落下するというアレンジがされている。
本来の半分だけの不完全な技ではあるが、その威力と命を奪わずに敗北を認めさせ、戦意を鎮める「究極の峰打ち」たる境地には充分到達しており、
アリステラの先祖から受け継いだ憎悪と妄執=「オメガの希望(呪い)」を祓ったうえでKOした。


  • フェイスフラッシュ
マンモスマンが投げつけようとしたリングの鉄柱を溶かした。

  • 業火のクソ力
火事場のクソ力の原型で体中から火を噴きだす。レイジングオックスのロープを焼き払った。

  • 肉のカーテン
キン肉族伝統の絶対防御の構え。
『サタン編(仮)』では、オメガマン・アリステラとマリキータマンのツープラトンすらはね除けてみせた。

  • ローリングドラゴンスープレックス(仮称)
ドラゴンスープレックスの態勢のまま前転の要領で移動する。BリングからAリングの移動に使った。

  • シャープシューター
所謂サソリ固め
こっちの技名で呼ばれる辺りが如何にも現代風。
タッグ戦にてマリキータマンを絞り上げ、オメガマン・アリステラを挑発するのにも使用。

  • グレネイドスープレックス
アリステラとの正面からの力比べの流れの中で使用。
立った状態で相手の腕を交差させて自分の腕で抱え込むようにして絞り上げ、関節を極めたまま背後にスープレックスで投げる。
実戦では使われていないが前田日明の12種類のスープレックスの一つ“ダブルアーム・ロック・サルト”が同じ技で、投げる際の型も含めて元ネタで間違いないと思われる。

  • 肉の制圧(サプレッション)
アリステラ戦で使用。ブリッジの体勢から、前を向いている相手の両手両足を押し付けて締め上げる。

  • 肉の豪雨(ダウンボア)
こちらもアリステラ戦で使用。相手の放ったビッグブーツを両手で受け止めて、スープレックスで投げる。

  • バトルフィールドドロップキック
タッグ戦におけるツープラトンその1。
二人がかりでドロップキックを仕掛ける。

  • ドリル・ア・ホール・キャノンドライバー
タッグ戦におけるツープラトンその2。
アタルが上下逆にした相手の腕をクロスした状態で飛び上がり、同じく飛び上がったブロッケンJr.が相手の両足裏に着地し、二人分の体重を乗せて相手の脳天を地面に激突させる。
二人がかりで行うメガトン・キング落としのような技。


  • ナパームコンビネゾン
タッグ戦におけるツープラトンその3にして、ブロッケンJr.と組んだフルメタルジャケッツにおける切り札。アタル曰く「フルメタルジャケッツの至高のツープラトン」
これといって事前の打ち合わせもなく阿吽の呼吸で出せていたため、「実際は王位争奪サバイバル・マッチの時期に使用できた」*4と見て間違いない
個人のホールドとしても一級品であるナパームストレッチだが、実は二人がかりでかけることでなお威力が上昇するという進化の余地を残しており
相手の四肢をロックしたソルジャーの両脚を相手の下側からブロッケンが手で固定、さらにブロッケンが相手の背中側に両足を差し入れて踏ん張ることで
相手の両腕への締め上げがきつくなるという構造。通常はAの一字が相手の胸に刻まれるがこの技では「AB」の文字が浮かぶ
この状態から水車の如く激しくスピンをかけながら落ちる技であり
かけられた相手は激しい回転で平衡感覚を失い抵抗できなくされ、しかも余った相手側の1人が妨害しようと割り込んでも
車にはねられたように弾き飛ばされるため「カットが不可能」という反則的な特性を持つ
極めつけは落下先がキャンバスでなく、キン肉マン世界でも屈指の強固さを誇るコーナーポストの鉄柱という殺意の高さ。
この技をくらった側は受け身を取れないまま四肢を締め上げられ、都合3人分の重みを加えられて心臓から鉄柱に叩きつけられる。
シルバーマンの再来かと思われるほどの容赦のない殺人技である


【余談】

当初はソルジャーは他の王子達と同じく捨てキャラのつもりだったが、
ゆでが迷彩コスチュームが気にいってきたため重要キャラに変更した。
ゆで先生曰く、王位争奪編を開始するにあたり、五人の運命の王子たちの中にもキン肉マンにも勝るとも劣らない
王としてのカリスマと強さを持つ超人が欲しいと思い、そこに白羽の矢が立ったのがソルジャーとの事らしい。
また、キン肉マンの兄というキャラもちょうど出したいと思っていたため、現在のソルジャー(アタル)のキャラが完成した。

前述の強盗は作中最強クラスのアタルと「一進一退の攻防」を繰り広げたことにより、正体は完璧超人の残党であるTHE・強盗ではないかとか言われてきたが、
モバイル小説「ディープオブマッスル」にてボックマンという名前が付けられ、
母親と共に自由を求め東ドイツから西ドイツへ亡命したものの働き口が無いために、自暴自棄になり犯罪に走ったと言う背景が書かれた。
なお、一連の事件の後改心したようだ。名前はローラン・ボックから来てることは間違いない。

なおキン肉アタル時代のマスクは劇中では全く登場しなかったためどのようなものだったかは一切不明である。
またゲームでも大抵ソルジャーマン=アタルであり、『本物の』ソルジャーマンが出てくることはほぼ無い。



追記・修正せんかーWiki籠り!



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