登録日:2014/06/18 Wed 19:46:13
更新日:2025/01/23 Thu 21:40:05
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完璧超人始祖とは、現在週プレNEWSでWEB連載中の漫画『
キン肉マン』に登場する集団。超人のカテゴリーである。
【概要】
その名の様に
原初の完璧超人。
新シリーズ最初に登場したエリート部隊である
完璧・無量大数軍よりもさらに高次の存在で、超人の神に最も近い亜神、天使とも呼べる存在達である。
太古の誓いにより不老不死を受け入れ、数億年を生きている最も古い世代に属する超人達でもある。
建前上は一人一人が完璧たる完璧超人に格差は存在しないのだが、実際には現行のエリート部隊である無量大数軍をして畏怖と敬意を示す程に位が高く、実力に於ても無量大数軍以下の一般完璧超人とは圧倒的な格差がある。
そもそも“完璧超人”とは、太古の昔に完璧を極めた彼等が名乗り始めた呼び名であって、現在の完璧超人の掲げる完璧思想の根源にして権化、完璧なる体現者でもある。
事実、既に完璧を極めている始祖には一般完璧超人が守らねばならない“敗北による自害の掟”等は適用されないが、下記の様に始祖には始祖のみの誓いによる掟が存在している。
現行のエリート部隊である無量大数軍も、結成理由を考えると始祖が集団として機能出来なくなった代理によって結成されたと推察出来る程である。
始祖は、各々の間を本拠地たる『完璧の山』内に持ち、出帆した者を除く始祖は“超人閻魔”の命に従い基本的にその中に籠り、他の一般完璧超人とすら接触しようとしない。
始祖達からしても、概ね無量大数軍以下の一般完璧超人は自分達とは隔たりがある存在として認識されている模様。
後に語られた歴史を見るに、そもそも完璧超人とは、彼ら始祖の影をなぞっただけの存在だったと呼んでも差し支えないだろう。
完璧超人の開祖たる超人閻魔を含め、零式から拾式までの11人が存在する。
このシリーズの敵ではあるものの、彼らなりの理想や信念、正義を持った集団であり、純粋な
『悪』とは言い難い。
(同時に将軍=
ゴールドマンや彼の率いる
悪魔超人軍も
自由のために秩序を破壊するダークヒーロー的な描かれ方をしており、決して正義超人と同じ道を目指してはいない)
因縁ゆえにかつての思い出の風景が回想シーンとして描写されることが多く、また始祖同士の人間関係やバックボーンがしっかり定められていることもあり、従来のいわゆる悪行超人にはない不思議な魅力を放っている。
実際、同シリーズでの戦いは全てイデオロギーと過去の約束に起因するものであった。
本編で見せた恐るべき実力と裏腹に、彼ら自身の
超人強度は意外なほど低く、平均値ならば無量大数軍の方が上。
……どころか超人強度に限れば完璧超人では最低値の1000万パワーに近い者が殆どである。
この点は旧シリーズで設定された悪魔将軍やヘル・ミッショネルズの超人強度の数値を考慮して決められたものと思われる。
もっとも『
Ⅱ世』で
アシュラマンが
「同じ超人強度でも鍛え方が違う!」というようにさほど不自然な設定でもないだろう。
実際、後代の完璧超人には完璧超人とするために人工的な転生=マグネットパワーを利用した増強の可能性が指摘されているため、数値上では上回られることは不思議なことではない。
なお、完璧超人始祖はそれぞれ超人閻魔から絶対の神器と呼ばれるダンベルを授けられている。
悪魔将軍こと完璧・壱式ゴールドマン曰く、これら全てを超人閻魔の部屋にある祭壇に掲げた時、始祖全員の存在が消滅するという。
このダンベルは全宇宙から始祖以外の超人が消滅した、または超人という種が成熟を果たしたと全ての始祖が認めた時に使われる。
この事実からも、始祖の崇高さと特殊性が解ろうと云うものである。
余談ながら、メンバー全員が超人界のトップに位置しているずば抜けた実力者であるため、
この手の集団に有りがちな「最初に倒されたメンバーが話が進む事にどんどん格落ちしていく」という創作物でよくある現象が発生しておらず、
逆に話が進むたびに初期に倒されてしまったメンバーの株や格、評価が上がっていくという珍しい集団。
無論後発のメンバーの株や評価も同様に落ちていない。
その肩書きに見合った圧倒的な強さと魅力的なキャラクターもあって11人とも非常に人気が高く、
彼らと戦う超人達もまた皆死力を尽くして戦う激闘・死闘にもつれ込むこともあり、
始祖との戦いはどれも読者に強烈なインパクトを残すベストバウトになることが多い。
実際、戦いに於ても描写が一貫されており、
始祖同士でも無ければまともにダメージが与えられず、一般完璧超人以下の超人では、たとえイレギュラーであっても
相手の力を利用するか、偶然を味方に付けなければ勝利できなかった程。
正義超人でも屈指の実力者である筈の
テリーマンも試合その物は完封された上で、
裁きの為の攻撃に耐えたことで許されるという結末だった。
結果的に下等超人に敗れたペインマンとカラスマンも、
内心では下等超人を認めたがっていたとサイコマンに分析されており、始祖達に数千万年以来の悩みが無く
本気で叩き潰しにかかっていた場合には、火事場のクソ力を身につけたイレギュラーを相手にしても尚、太古の下等超人の粛正の再現となっていた可能性すらある。
負けてやるつもりはなかっただろうに加減している内に汚い罠(褒め言葉)に嵌められて自分の力を利用される形で敗退してしまったシングマンが哀れ。
この為、読者としてもまともに勝てたという印象を持てず、余計に完璧超人始祖という集団が魅力的に見えるという結果を生んだのである。
始祖達は、それぞれ必殺技として「完璧~式奥義」を持つが、この表記で必殺技を披露したのはガンマンから。
よって彼の試合よりも前に退場したメンバーは必殺技を奥義とは呼んでおらず、また彼より後に登場した始祖の中でもシングマンだけは「捌式奥義」と明言して技を発動した描写はない。
アビスマンは後に回想シーンで「奈落斬首刑」が奥義だと明言されたが、ミラージュマン・ペインマン・シングマンは奥義を使わないまま退場したのか既に使った技のいずれかが奥義なのかは不明のままである。(2024年7月より放映されるアニメ版にて上書きされていく可能性もあるが。)
また、亜神級の超人と云うだけあってか次元を越えて空間を繋いだり、首をはねられても超人墓場での労役を経ずに時間こそかかるものの自力で力を蓄えて復活するなどといった、半神的存在でもある一般完璧超人以下の完璧超人や下等超人達とは一線を画す超能力も持つ。
【結成の経緯】
太古の昔、天上界の神々は
超人という種を創造した。
しかし超人達は私欲から暴走し、戦争の絶えない絶望の世界を作り出してしまう。
その惨状を嘆いた神々はついに下界へ干渉することを決意、超人に有効な
「カピラリア七光線」を照射して全ての超人を根絶させ、 一度世界をリセットするという手段に乗り出す。
だが、その決定に神々の中でも一、二を争う実力者であり穏健派のトップである慈悲の神が反対。
彼は『今もなお絶望の世界を変えようと努力する、能力・人格に優れた超人は救うべき』と主張し、『自分も神の座を降りて超人となり、彼らを完璧な存在に育て上げてみせる』と宣言した。
そしてその神は天上界を去り肉体を得て一人の超人=「ザ・マン」へと名を変えると、ザ・マンと彼によって光線発射の前に見出だされた10人の超人が完璧超人と呼ばれる神に至ろうとする超人の始祖となったのである。
彼らは現在のスカンジナビア半島と北極海の間に「聖なる完璧の山」という島を築き、管理を放棄した神々に変わって超人界の秩序の維持を司り、陰遁しつつも超人達の種としての成熟を望んだ。
……つまり、金銀兄弟による天上兄弟大喧嘩や、それを裁いた裁きの神ジャスティスや、ジャスティスを派遣した神々といったように、過去の神話で語られていた超人の神々とは実は彼等のことだったりする。
また、結成理由について完璧超人始祖編でのシルバーマンは「超人という種を神の怒りから保護するため」、
オメガ・ケンタウリの六鎗客編でのジャスティスマンは「本来は
そういう手合いを始末するのが完璧超人始祖の任務」、
だがサタンなどではなく「数億年単位の太古から隠れた別のところにある危機を見越して最高の戦力として育て上げようとしていた」……と語っていた。
そして、同章のラストにて、遂にザ・マン自らの口から明かされた危機とは、天上界でザ・マン=元・慈悲の神と対立すると共に超人という種の滅亡を主導していた、“調和の神”と彼に賛同する過激派とも呼ぶべき神々の勢力のことであり、彼らがもし、自ら地上侵攻してきた場合にはそれを食い止める地上の最高戦力の役をも盛り込まれていたことが判明した。
そして、その
“強さ”も章が進んでも尚も『キン肉マン』世界でも最高レベルであることが半ば明言されており、実際に地上進行するに至った
“調和の神”ことザ・ワンに従い下天した
超神達は、当の“調和の神”を除いてならば始祖を除外した現在の熟成してきた地上の超人達で対処が可能とザ・マンに見切られていた。
そして、続いて敵となった“調和の神”に先んじて下天して宇宙崩壊レベルの異変の仕掛けを施していた“刻の神”が生み出した時間超人達の中でも、完成形にして一億パワーを持たせた超人である“五大刻”は始祖に比肩する能力を持ち得る敵として、超神達との戦いを乗り越えたスグル達をして戦慄させる理由となっている。
だが、
「争いのない理想の世界を作る」「もし管理に失敗して超人が全滅してしまった時は自害する」という善意に基づき地上を管理していた彼らの理念も、億単位の年月が過ぎる中で形骸化して暴走。
古代においては
また弱いものを見つけては虐げ始めた下等超人のサイフォンリングを始めとする大粛清に至り、完璧超人による世界の徹底管理の末に、その維持すら難しくなったと判断されたことが、一連の事件の発端となった無量大数軍による
他種の超人の粛清といった事態を招いてしまった。
この事態に対し、ケジメをつけるかのように「聖なる完璧の山」への侵攻を決めたのは、かつての始祖の一人であった
「ゴールドマン=悪魔将軍」であった……。
●メンバー
単行本51巻の巻末インタビューにてザ・マンの命名理由が明かされた際に、ヒーローの原点として全員の名前を“〇〇マン”で統一したことが明かされている。
◇“完璧・零式” ザ・マン
だから私は何度でもやり直す
未来永劫に続く磐石の"完璧"を今度こそ作り出すのだ!
所属:完璧超人
出身:天上界
身長:不明
体重:不明
超人強度:9999万パワー
完璧超人の開祖。より良い超人界を築くために、あえて自ら下界に堕ちた慈悲深き神。
現代に置いては生と死を司る超人墓場の管理者、超人閻魔を名乗っている。
「神とは常に完璧な存在でなくてはならない」「下界の超人が失敗作であると認めた時点で私は己を神と認定できなくなる」
と高らかに主張し、調和の神を始めとする神々による全超人の粛清計画に反対。
「超人を創ったことは失敗ではなかったことを、自分自身に、そしてお前たちに証明してみせたい」
と朗らかな笑顔で仲間の神々に語るなど、本来は高潔な理念を持った神格だったと思われる。
また、始祖とその子孫以外の、暴れまわるしか能がないどうしようもない下等超人たちが生き残っていたことが発覚していた際にも「むしろ私は嬉しい」と受け入れ、粛清を唱えるガンマンたちを諫めるほどの器の大きさも持ち合わせていたが……。
唸り声は「グロロ~」。
明言はされていないが始祖たちの態度から自分のダンベルは持っておらず、壱~拾式の合意に従うつもりであったと思われる。
なお、本名が明らかになる前は上記の唸り声から「グロロー神」「グロローマン様」、
始祖たちが(敬愛してやまない者でも)「
あやつ
」としか呼ばないことから「あやつマン」、
読者投稿による元デザインから「ゼウスマン」、
あるいは全部合わせて「慈悲深いあやつ・ザ・閻魔」などの愛称で親しまれていた。
◇“完璧・壱式” ゴールドマン
所属:完璧超人→悪魔超人
出身:天上界
身長:220cm
体重:162kg
超人強度:1500万パワー
悪魔超人の開祖。
旧作で悪魔超人最後の刺客・悪魔将軍となった
ゴールドマンその人。
悪魔将軍の正体については『Ⅱ世』までは曖昧な所があったが、設定が再編された『完璧超人始祖編』からは基本的に
ゴールドマンが正体であると明言されるようになった。
天上界最強の格闘技の達人、
戦いの神としてキン肉族に崇められていた闘神として伝えられていたが、その実態は完璧超人始祖という神にも匹敵する力と神々に準じる地位を持つ集団に属していた古の完璧超人……つまりは、兄弟共々に
神に最も近い超人だったというのが真実であった。
弟の
シルバーマンとはかつての天上兄弟大喧嘩として伝えられる神話の末に互いに
剣で首を撥ねて相討ちになったと伝承され『黄金のマスク編』でも事実として語られていた訳だが、この『完璧超人始祖編』にて両名こそが悪魔超人と正義超人の開祖であったことと、二人の戦いが両陣営の争いにより激化した地上の戦乱を収めるべく超人墓場(ザ・マンと残った始祖達)の介入により起きた決着の為の決闘であったと判明した。
とはいえ、共に地上に降りたからといってシルバーマンと歩調を合わせていなかったのは確かであり、当人も
「やつら(始祖)と私の理想は違った、そして私と弟の理想も違った」と回想している。
超人閻魔に最初に始祖として見定められた超人であり、頂上決戦の際には最強の完璧超人だった男とまで評されている。
勿論、これは後にゴールドマン以上の完璧超人が現れたという訳ではなく、袂を分かった為。
他の始祖からも一目置かれるほどの実力者だったが、かつての理念を暴走させ、自らの「完璧」という理想像を超人界に圧しつけるようになった超人閻魔と同志達に失望。
周囲の反対を振り切り、自ら始祖の座を降りて地上界で己のやり方で超人を導こうとした過去を持つ。
当時から相当強情な性格であったらしく、同志達からも「石頭野郎」「融通が利かない」「人付き合いが下手だった」と称されている。
しかし、その石頭故に譲らぬ信念により堕天したことで、かつての己を含む始祖すら超えた実力を地上で獲得。
“あやつ”自らが地上侵攻したことを知り、かつての同志を諸共に皆殺しとすべく動き出した。
掛け声は「トアーッ」。
袂を分かつ前に、超人閻魔から絶対の神器のひとつ「天のダンベル」を授けられている。
◇“完璧・弐式” シルバーマン
超人という種族には
その可能性がある!
希望がある!
所属:完璧超人→正義超人
出身:天上界
身長:220cm
体重:162kg
超人強度:1500万パワー
正義超人の開祖。ゴールドマンの弟。
兄と互角の実力を持った無敵の格闘技者でありながら、争いを好まない慈愛に満ちた気質ゆえ、
平和の神としてキン肉族に崇められている。
『黄金のマスク編』での天上兄弟大喧嘩の代理戦争となった正義・悪魔超人の全面戦争後に兄と和解し金銀合体マスクとなっていたが『完璧超人始祖編』の開幕と共に分離していた。
そして、ゴールドマンが純粋な超人の神ではなく完璧超人始祖であると明かされたと同時にシルバーマンも始祖であったことが判明した。
主張の違いから大喧嘩の末に兄弟で互いの首を撥ね合ったという凄惨な伝承もあるが、根は理知的な穏健派。
かつての始祖時代においても同様の扱いであり、犬猿の仲であるガンマンとサイコマンの仲裁をよく行っており、サイコマンからは「他の好戦的な始祖とは違う」と友情にも似た好意を抱かれている。
ゴールドマンが始祖と決別し超人墓場を去った後、監視を名目に地上へ降りた後にシルバーマンも兄と同様に超人墓場へと戻ろうとはしなかった。
兄と互角と云うだけあって、ザ・マンからは其々に右腕と左腕と評されたまでの実力者であり始祖の中でも筆頭格と呼べる男。
実際、かつての大粛清の際には兄弟揃って最も地上の超人達を血祭りに挙げ“虐殺王”の称号を戴いている。
信頼も厚かっただけに、両腕である金銀兄弟と袂を分かったことはザ・マンにとっても後々までに響く禍根となり、その二人が共に超人墓場に戻らなかったことが完璧超人始祖の組織としての崩壊を決定付けた。
金銀合体マスクより分離した後には単身でキン肉星に残留していたが、ザ・マンやサイコマンまでもが正体を明かす中で行われた完璧超人陣営と正義・悪魔超人連合軍の最終決戦を前に彼も実体を持って地球に降臨。
古代における地上超人粛清の急先鋒であったこと、正義超人誕生の裏に隠された真実など不穏な情報が語られる中、彼が秘める真意とは……?
掛け声は「ツアーッ」。
袂を分かつ前に、超人閻魔から絶対の神器のひとつ「地のダンベル」を授けられている。
◇“完璧・参式” ミラージュマン
神代からの黄泉比良坂の番人としてきさまをこの先に通すわけにはいかない!
だからゴールドマン いや、悪魔将軍よ!
今日が私ときさまの闘い納めだ!!
所属:完璧超人
出身:ポルトガル
身長:263cm
体重:405kg
超人強度:2200万パワー
地上に表出した超人墓場の入口である聖なる完璧の山を守る寝ずの番人。
ミラージュ(蜃気楼)の名前通り、虚像と幻影を意のままに操る鏡の化身超人。
騎士を思わせる黒光りする金属のようなボディに悪魔将軍を上回る身長と、威圧感たっぷりの外見を持つ。
茫洋とした仮面のような顔だが、ゴールドマン・シルバーマン兄弟のようにそういう素顔なのか、覆面超人なのかは不明。
超人墓場の入口が封印された後には、外界から完璧超人となることを求めてやって来る超人達を選別する役目と、超人墓場の地獄のような光景を楽園に見せかける為の幻影の維持という役目を負っていた。
掛け声は
「ゴバッゴバッ」。
絶対の神器のひとつ
「氷のダンベル」を所持する。
◇“完璧・肆式” アビスマン
オレたち二人の対決にゴングなど必要ない!
そうだよな?
所属:完璧超人
出身:トルコ
身長:202cm
体重:185kg
超人強度:2600万パワー
超人墓場で行われる労役を超人閻魔に代わって視察している番人。
過去の傷から
「バットマン」 のヴィラン、
ベインを思わせるようなマスクで顔の下半分を覆い、肩に七支刀のような突起のある肩パッドを着けた、ずんぐりした体格の超人。
獄卒の鬼たちのあるがままの様子を観察するためか、完璧超人名物・
オーバーボディを纏って自身も鬼に変装し、こっそり見回りをしていたりする。
会社で言うなら
社長が平社員のふりして現場の抜き打ち視察に来るようなもので、下っ端の鬼たちにとっては大変心臓に悪い存在。
笑い声は「モガッモガッ」。
絶対の神器のひとつ「焔のダンベル」を所持する。
◇“完璧・伍式” ペインマン
いや、わかりあえなかったのが哀しいのではない
ただ言い争いができなくなった…
それが私は哀しいのだ
所属:完璧超人
出身:アルゼンチン
身長:198cm
体重:95kg
超人強度:1800万パワー
全身を巨大な
エアキャップ(割れ物を包むプチプチしたアレ)に覆われた超人。
超人墓場崩壊後、侵入してきた悪魔六騎士の迎撃に現れる。
非常に軽やかで陽気なテンションの持ち主で、話好き。
大半のメンバーが頑固者である始祖の中にあって「柔軟性」を主張する、ある種異質な存在。
下等超人に対してもある程度の理解を示し穏やかに語りかけ、部下からの信頼も篤い人格者だが、「真綿に針を包む」という言葉のごとく、レンズ状に頭部を覆うプチプチの奥には油断なく鋭い眼光を放つ眼が隠れている。
笑い声は「テハハハ」。
絶対の神器のひとつ「風のダンベル」を所持する。
彼の登場でダンベルが3つ続いたことにより、絶対の神器は属性は違うが全部ダンベルという衝撃の事実が判明した。
◇“完璧・陸式” ジャスティスマン
所属:完璧超人
出身:スイス
身長:209cm
体重:136kg
超人強度:1500万パワー
本編では最後に登場した完璧超人始祖。
“漆式”ガンマン以降も始祖のナンバーが進む中でも“陸”の登場が後回しにされていたが、悪魔超人の本拠地である魔界にてアシュラマンの対戦相手として満を持して登場した。
旧作の【悪魔六騎士編】にて存在が語られていた裁きの神ジャスティスその人である。
始祖編においてゴールドマンとシルバーマンがピックアップされる中、その兄弟喧嘩を仲裁したと神話で伝えられるジャスティスの存在は密かに注目されていたが、そのジャスティス自身も始祖として登場することになった。
またこれにより、神話において緊急会議を開きジャスティスを派遣した「他の神様たち」が本物の天上界に居る超人の神々ではなく、超人閻魔と完璧超人始祖の面々だったと確定した。
事実、実は『王位争奪戦編』にて登場していた超人の神々と邪悪五大神達は実際には地上の管理・運営は行っておらず、地上(宇宙)の管理を行っていたのは超人閻魔と始祖達であったことも明かされた。
名前の通り厳格な性格で、魔界とその王族を「不完全な地に住まう偽りの王族」と断じている。
始祖の中でも格闘技術と隙のない冷静沈着な判断力という点で群を抜いた存在であり、感情などの不安定な要素には価値を認めていない。しかし…。
掛け声は「ハワーッ」。
絶対の神器のひとつ「光のダンベル」を所持する。
◇“完璧・漆式” ガンマン
完璧超人始祖“漆式”
ガンマンを前に頭が高いわ――っ!!
所属:完璧超人
出身:モロッコ
身長:302cm
体重:580kg
超人強度:3800万パワー
事あるごとに下等超人の粛清を主張し続けていた、始祖の中でも特に過激な危険人物。
その思想は他の始祖達からも度々に諌められており、超人閻魔はガンマンを外界に出さないようミラージュマンに厳命していたようだ。
性格も思想通りに苛烈な頑固者で、とにかく人の話を聞かず、嘘偽りを絶対に許さない。
「弱い下等超人の名前など覚えておく価値も無い」と言い切る傲慢さも持ち合わせている。
それでも超人界の未来を憂う気持ちは本物であり、当然その実力も始祖に相応しい強豪超人。
衝撃的なデザイン変更によって日本全国の読者を爆笑の渦に引き込んだことでも知られる。
笑い声は「シャババーッ」。
絶対の神器のひとつ「土のダンベル」を所持する。
◇“完璧・捌式” シングマン
所属:完璧超人
出身:
アメリカ
身長:298cm
体重:800kg
超人強度:3000万パワー
3メートル近い長身に、前衛芸術のオブジェのようなメタルボディを持つ超人。
その身体は宇宙から飛来してきた地球には存在しない
未知の超金属で構成されており、
いかなる攻撃にも傷一つつかない凄まじい強度を誇る。
始祖の中でも特に超人閻魔の提唱する理念に心酔している様子を見せ、それを愚弄する者への敵意の激しさは盟友であるガンマンに勝るとも劣らない。
真面目が過ぎるあまり他者の価値観を許すことができないタイプだが、話そのものは聞いてやれる穏便な性格の持ち主。
口癖は「ギラギラ」「マッ!」。
絶対の神器のひとつ「星のダンベル」を所持する。
◇“完璧・玖式” カラスマン
所属:完璧超人
出身:
日本
身長:260cm
体重:190kg
超人強度:2000万パワー
背から
漆黒の翼を生やし、鴉天狗を模したような仮面をつけた細身のマスクマン。
艶やかな黒髪を
オールバックに撫でつけたヘアスタイルはステロタイプの
吸血鬼のようにも見える。
常に自らに従う大量の
カラスを引き連れており、その中でも特にお気に入りの二羽にそれぞれ
「ネバー」と「モア」という名前を付けて可愛がっている。
二羽の名を繋げると「
Nevermore(2度とない)」となる。
かつて生涯でただ一度ゴールドマンに敗北したことがあり、「二度と」負けないことを信条とするカラスマンの言霊となる。
(元ネタはエドガー・アラン・ポーの詩
『大鴉/The
Raven』の一節から)。
笑い声は「カララ~ッ」。
絶対の神器のひとつ「闇のダンベル」を所持する。
なお、超人閻魔帳に掲載された時はネパール出身と紹介されていた。
◇“完璧・拾式” サイコマン
私がこの力を使うのは
あくまで世界平和のためのみなのです!
種別:完璧超人
出身:スペイン
身長:不明
体重:不明
超人強度:1000万パワー
ピエロのような顔で、超人閻魔から特命を受けており、始祖でありながら特別に外界に出ることを許されている異例の存在。
「10」というナンバーも最下位ということではなく、その役割の特殊さを示しているのだろう。
絶対の神器のひとつ、
「雷のダンベル」を所持する。
完璧超人始祖の中でも特に謎に包まれた存在で、無量大数軍ですらその情報を知らない。
……その正体は、他の始祖に先んじて作中に登場していたある超人。
余談
シングマンの回想において、許されざる世界樹での下等超人の生存が発見された時にザ・マンは「我らと
その子孫
以外死に絶えたと思っていた」と発言しており、現代の完璧超人のいくらかは始祖の子孫である可能性がある。
もっとも下等超人に倒されて崇めていた完璧の巨像を破壊されているため、強さは大したことはなかったようだが。
何故か「かけ声と笑い方が違う始祖は離脱する」というジンクスがある。
元神であるザ・マンに見込まれた始祖たちはそれぞれ出身国の設定が設けられたが、金銀兄弟は一貫して天上界のままだった。
超神編で神々が各々超人を生み出した際にザ・マンが金銀兄弟を生み出していたことが判明。
同時に何故ザ・マンが兄弟を始祖の中でも特に信頼し、ザ・マンが自分の元を去るゴールドマンに対し「神は己の姿に似せて超人を作った」と口にしたこと。
始祖の面々からも「あやつ(ザ・マン)とおまえ(ゴールドマン)は似すぎている」と口にしたかも合点がいく。事実上親子みたいなものだし
致命的な弱点
強すぎて本編では特に言及されなかったが、始祖にも致命的な弱点が存在する。
彼らは古代の時点でザ・マンに見出された程に完璧に至れる素質の持ち主であり、実際に地上が滅ぼされる以前には既に完璧に到達してザ・マンの同志となると共に億年を経ても鍛錬により強さと精神性を維持し続けているという規格外の存在な訳だが、
それは詰まる所として皮肉にも、既に限界までに完成された存在となったはいいが、弟子達では師であるザ・マンを超えられないままに終わってしまった……という意味でもある。
その不足分を埋める可能性があるのが感情の力である“火事場のクソ力”だったことは後に皮肉にもザ・マンと金銀兄弟の系譜から出現するキン肉マン(キン肉スグル)が証明した訳だが、下等超人の感情の力に注目し墓場を出て下等になると決意したゴールドマンに対し「情で動くものは大義を失う」とジャスティスマンが言及したように、完璧超人の理念においての感情とは「未熟者が持つもの」と語っており、文字通りに肉体と精神を限界まで鍛え上げる過程で個人の感情を捨て去り使命に生きる境地に至った始祖達ではその可能性に気づくことすら出来なかったのである。
感情を下等なものとして扱い、それに流されないために捨て去るというのは実際に始祖の域にまで鍛錬を到達させるには必要なことであり、実際に感情任せに暴れる古代の下等超人たちの無法と始祖達との力の差を見ればこの考え方は正解ではあったのだろう。
しかし、それ故に始祖達は後のキン肉マンたちの様に感情の昇華を行う事が出来ないどころか、可能性すら否定してしまう程に理解できないものとなっていた。
その有用性に気付いたとしても鍛え上げた完璧超人の精神性によってその力を自らに取り入れることが出来ない。その最たる例がシルバーマンである。(現にサイコマンに対して友情を感じてこそいたものの、それを最後まで戦闘時に発揮できなかった)
ゴールドマンが墓場を出ると決意した時点で最も可能性があったサイコマンに至っては、シルバーマンの影響からか自ら感情の力を否定し代替品としてマグネット・パワーの研究に没頭してしまっているとゴールドマンに看破されている。
完璧超人始祖として億年鍛え続けたことで、その理念に反するものを取り込めず本来あり得た発展性を見失う。これこそが(師匠越えという悲願から見た場合の)始祖全員に共通する明確な弱点である。
この弱点を克服できたのは自ら下等になると宣言して下野した後に一度はザ・マンと同様に理想を挫かれつつも
キン肉スグルと戦うことが出来たゴールドマン=悪魔将軍ただ一人であり、彼はサタンに唆された挙句
感情に振り回され、敗北を通して友情の力のすばらしさを学び、それらの経験を糧に(限定的な)友情パワーという感情の昇華に成功している。これらは全て
完璧超人の立場からは得られないものであり、それを力に変えることで師匠越えという悲願を達成した。
追記・修正は神に選ばれてからお願いします。
最終更新:2025年01月23日 21:40