キン肉マン(漫画)

登録日:2010/10/11(月) 22:41:58
更新日:2020/03/24 Tue 04:46:45
所要時間:約 14 分で読めます





この世に完璧なものが一つだけある…

それは正義超人の友情さ!


『キン肉マン』とは漫画家ゆでたまごによる漫画作品。
週刊少年ジャンプにて1979年~87年までの8年間連載され、2012年からは続編がWeb連載中。
単行本は本連載時までで36巻で、短編エピソードなどを集めた37巻が発売。
そしてWeb連載版は38巻から70巻まで刊行されている。



目次




概要


男性2人組のコンビ漫画家、ゆでたまごのデビュー作にして代表作。原型は作者が小学生のときにあったといい、持ち込み作となってジャンプ編集部の目にとまり連載化された。
「超人」=スーパーヒーローと呼ばれる超人レスラー達の命がけのプロレス風味バトル漫画である。
最初はギャグ一辺倒だったが、それなりにシリアスな展開も混ざってきたり、流血などけっこう残虐なシーンもあったりする。
当初は超人=ヒーローの漫画内での呼び方みたいな感じだったが、その後悪の超人も登場しプロレス漫画に移行する中でヒーローでもある半神的存在、人類を越えた種族みたいな意味も込められるようになった。

キン消しや牛丼等、数々の社会的ブームを巻き起こした不朽の名作。
日本の30~40代男性の幼少時はほぼキン肉マンでできていると言っても過言ではないだろう。
続編も執筆・制作されている。
最近女体化もした

所謂「努力・勝利・友情」「正義VS悪」の王道的少年マンガだが、「主人公が不細工でリアルに人気がない」という当時としては珍しい作品でもあった。


読者公募から出来たキャラがとても多く、作者オリジナルデザインのキャラクターは、ごく初期のそれと、キン肉マンスーパーフェニックスを除く*1運命の五王子ぐらいのもの。
準主役級のロビンマスクや、スピンオフの主人公になったラーメンマンでさえ、読者公募から生まれたキャラクターなのである。
彼らをデザインした読者は一生ものの自慢であろう。


作品構成

作中ではエピソードの区分けが割としっかりしており、本連載は
○怪獣退治編
○超人オリンピック編
○アメリカ遠征編
○第二次超人オリンピック編
○七人の悪魔超人編
○黄金のマスク編(七人の悪魔超人編と合わせて「悪魔超人編」とされる場合もある)
○夢の超人タッグ編
○キン肉星王位争奪編
以上の8シリーズ構成となっている。(アメリカ編と第二次オリンピック編の間に宇宙野武士編があったりするが、ゆで的にはなかった事にしてほしいようである)

2012年からWeb連載では王位争奪編後から直接地続きになっており、
完璧超人
サタン編(仮称)
に分けられる。

なお、同じ本連載の続編として執筆されたWeb連載と『キン肉マンⅡ世』が直接繋がっているのかは未だにはっきりしておらず読者でも意見が分かれている。
作風の違いが大きすぎて繋がりをイメージ出来ないというのが一番の問題かもしれないが


連載に至るまで

ゆでたまごが高校生時代*2に投稿した読み切りが当時の編集長・西村繁男氏によって見出され、高校卒業とともに連載デビュー。
西村氏曰く「子供でも落書きできそうな絵柄」。

当初は稚拙な絵柄と突拍子もない展開を揶揄されながらも「落ちこぼれヒーロー」が描く味わい深いストーリーと魅力的な新キャラクター達で人気を掴み、連載を重ねるに連れて働いているゆで(中井氏)の画力も向上、そして人気絶頂の中王位争奪戦にて完結を迎えた。
その後ゆでたまごはキン肉マン以上の作品を作ることが出来ず苦境を強いられるが、キン肉マンⅡ世のヒットで名声を取り戻す。ただし後半、特に『究極の超人タッグ編』は紆余曲折あって評価は芳しくなくなってしまったが
年月を経てストーリーテラーとして熟練の域に達した島田氏、Ⅱ世連載のために画力を一から鍛え直した中井氏は、Ⅱ世終了後に満を持して『キン肉マン』本編の新作を再開。
Ⅱ世における様々な失敗を活かし、それでいて東大卒の有能な担当*3と組んだゆでたまごは、深く熱く濃密なストーリーと衰えを知らないギャグセンス、圧倒的な肉体美の超人たちをもって、かつてキン肉マンを愛した男たちを少年の心に還らせている。
ちなみに「筋肉マン」ではなく「キン肉マン」なのは、小学生当時「筋」の字が書けず、カタカナにしていたのがそのまま続いた結果。


ゆで理論」と「尋常じゃない量の後付け設定」

(『キン肉マン』という作品を読むにあたって理解しておくべき単語と事項について)

後付け設定というのは長期連載作品なら大なり小なり抱えてしまう問題ではあるが、この作品の場合量が半端じゃない。

例(ごく一部)
○序盤で出てきたギャグが後半で超重要設定になる
○キャラが死んで何の前触れもなく蘇って増えて死んでまた蘇る。後に超人墓場で一定期間働き、命の玉を四つ集めると復活できるという設定が登場した。
○ビッグ・ザ・武道「俺はメインのボディの上にオーバーボディというものを着ているのだ」
…ゆでたまごはマイルドマンを投稿した少年の気持ちを考えるべきである。


一方「ゆで理論」は主に
「作中における、独自の物理・生物理論」
を表す際に用いられる単語である。

有名所を挙げると
○落下速度は重い物の方が速い
両手×2倍のジャンプ×3倍の捻り=1200万パワー
○五倍…いや、十倍だ!!
○地球を逆回転させると時間が戻る
○前方後円墳は地球の鍵穴
○ゲーッ!象の超人
etc.

挙げるとキリがない。
「意味がわからない」と思った人は御一読いただきたい、残念ながら恐らく読んでもわからないだろう。
事実読者にしてみてもワケがわからないのだ(作者自身も、という説すらある)。
実際、作者自身「整合性より勢い」「次の展開は来週の自分が考えてくれる」というノリで描いていたことを堂々公言している。
……しかし、これらの矛盾・トンデモ理論を解決する魔法の言葉が存在する。


「ゆでだから」


これは、どんな超展開にも順応できる魔法の言葉なのだ。

例えば、

「なんでジェロニモが二人いるんだよ」
「まぁゆでだし」

「ウルフマンさっきカメラマン蹴散らしてたじゃん」
「まぁゆでだし」

「あのシリ誰だったんだよ」
「まぁゆでだし」

「ミートくんの頭の文字が1コマだけママになってたよ」
「まぁゆでだし」

……まさに万能の言葉!

ちなみにゆでたまご作品の中ではキン肉マンのゆで理論・ゆで展開はまだ序の口
闘将!!拉麺男」「グルマンくん」あたりはもっと凄まじい展開が君を待っている。

この他、世界観の根幹にプロレス=超人レスリングがあることが前提になっているのもツッコまれたりするが、『キン肉マン』の世界では神様からして超人レスリングのルールに則っているので何もおかしくない。
それどころか、超人レスリングありきで世界が創られ、それを無意識下で神託として受け取った人類が歴史を紡いできた(意訳)。とも取れる描写すらあるので、遺跡や文化財からニョキニョキとリングが出現しても何の問題も無いのである。


初見の方は、まず「少年の心」を持って第一次超人オリンピック編前後から流し読み、
続いて気に入ったシリーズをじっくり、
最後に最初からじっくりツッコミを入れつつ通して読む事をオススメする。
読み返す度にまた違った味わいが生まれる、スルメのような漫画なのだ。

特にWeb連載編以降はものすごい勢いで設定が追加されているので気になる人は見てみよう。


なお、最初期のキン肉マンは今の基準で見ると、作風があまりに違いすぎているためにおすすめはしにくい。
今でこそプロレス漫画として知られているが、最初期はギャグマンガとしてスタートしていたのだ。


読み切り版

読み切り版ではウルトラマンが出ていた。……と言うか彼らが主要人物だった。
読み切り版におけるスグルはキン肉星の王子ではなく、ウルトラ7兄弟(ゾフィー~レオまでの7人)の腹違いの弟でウルトラの父が酔いつぶれた勢いで飲み屋のオバちゃんに産ませた子と言う設定。
そのためか、幼少時代、腹違いの兄達や義の母であるウルトラの母からいじめられていた。その仕打ちは、もはや正義の味方とは到底思えない。誰か歴代ゼットン呼んで来い。
当然ながら円谷プロから抗議を受け、今の設定に修正された。

なお、後にファンブック『キン肉マン 特盛』やコンビニコミックに採録。
「現在のウルトラシリーズの設定とは無関係」であることを注釈にて記載の上で、
円谷プロ側のご厚意により掲載を許可されたとのこと。なんとも懐が広い話である……。


アニメ版

1983年~1986年にTVアニメが放送。
原作の「夢の超人タッグ編」までとその後オリジナルストーリーを放送した。
なお、「夢の超人タッグ編」放送時に原作が追い付く展開になってきた為、本編を2ヶ月放送休止し、その後「夢の超人タッグ編Part2決戦!ピラミッドリング」で放送再開した。*4

1991年に原作最終章の「キン肉星王位争奪戦」を放送した。

また、各超人にテーマソングが用意され、「キャラクターソング」の先駆けとなった他、
初代OP主題歌「キン肉マン Go Fight!」も作品を象徴する楽曲として人気が高い。



用語


※色々ありすぎるのでここでは基礎的な用語のみを記載する。

  • 超人
読んで字の如く人間を超えた力を持った存在たちの総称。
割と括りは緩く、人間と変わらないようなのから獣人系やロボット、果てはトイレルービックキューブミキサーが人型になったようなのまで姿形は様々。
思想などによって派閥も存在しており、主に登場するのは「正義超人」「残虐超人」「悪魔超人」「完璧超人」など。

  • 超人レスリング
超人同士による格闘試合。
序盤のギャグ編の頃からちょくちょく登場し、オリンピック編以降今作の基本となった。
試合形式は結構なんでもアリで、リングもコンクリだったり氷だったり石垣だったり。
ルールも割とハチャメチャで、流血沙汰どころか五体をバラバラにされて死ぬことも珍しくない

七人の悪魔超人編から導入された超人の持つパワーを数値化した概念。
この手の要素にありがちなパワーインフレを招いてはいるが、ぶっちゃけそんなに気にしなくおk。

  • 友情パワー
正義超人たちが持つ結束力。互いの心を通じ合わせ時に限界を超えた力をも与える。

  • 火事場のクソ力
窮地に立たされた超人が発揮する力。発揮した者の超人強度をも跳ね上げさせるという摩訶不思議な現象を起こす。
当初はキン肉マンが言ってるだけの特に深い意味は無い言葉だったが、話が進むに連れて重要な要素に。
特に王位争奪編以降はこの力を巡って話が動いている。



主な登場人物


キン肉マン
本名キン肉スグル。本作の主人公だが人気投票では7位。
マスクの中は(物理的に)光り輝くイケメンフェイス。
「へのつっぱりはいらんですよ!」


キン骨マン
キン肉マンの反対で骨で出来ている。ドクロ星出身。
序盤のライバルポジション。


ミートくん
「肉」ではなく「にく」のほう。
キン肉マンを幼児化したような姿をしているが頭は良い。


テリーマン
キン肉マンの最大の親友にして名解説役。登場当時は性格が悪かった。
「テリーマン現象」なる言葉を生み出す。
「そ…そういえば聞いたことがある…」


ロビンマスク
“狂乱の貴公子”の異名を持つ元超人オリンピックチャンピオン。
マスクを脱ぎモップを被る事で「ミスター・バラクーダ」に変身する。
奇行も目立つが一番人気。
「ロビン戦法、“円は直線を包む”!」


ラーメンマン
元残虐超人だったが、キン肉マンとの戦いを経て正統派ファイトの楽しさに目覚める。
ウォーズマンとの戦いで脳に重大なダメージを負ったが、モンゴルマンとして復活。王位争奪戦でついにラーメンマンとして完全復活を遂げる。
「本当の殺人技とは、こういうのをいうんだ!!」


ウォーズマン
キン肉マン打倒の夢を託すべく、ロビンが見出したロボ超人。
冷酷無比なファイティングコンピューターから、熱い魂を持った正義超人に生まれ変わった。
「ウォーズマン理論」はあまりにも有名。
「そしていつもの3倍の回転を加えれば……400万×3の1200万パワーだ!!」


ブロッケンJr
ラーメンマンに殺された、残虐超人ブロッケンマンの息子。
復讐のためにラーメンマンと戦うが、ラーメンマンの正統派ファイトに敗北し、以降は彼の弟子になる。
何かと体を張る。
「やるっつぇブロッケン!」


バッファローマン
悪魔超人だったが、キン肉マンとの戦いで友情の素晴らしさに気づき、以降はキン肉マンの頼れる味方になる。

こいつの強さを表すために超人強度という概念が登場。
これまでで最大の敵だったウォーズマンが100万パワーなのに対し、バッファローマンは1000万パワーであった。
「オレのド迫力パワーの前には、小手先の技など通用せん!」


ジェロニモ
黄金のマスク編から登場。この時はまだ人間だった。
悪魔六騎士の一人、サンシャインと戦う。変幻自在の砂を活かした攻撃に苦戦するも、アパッチのおたけびで勝利。その後、超人の神の試練を突破して超人へと生まれ変わった。
「だってオラは人間だから…」


アシュラマン
魔界のプリンスと呼ばれる、相方のサンシャインと並ぶ悪魔超人の顔役。
悪魔六騎士の一人として登場し、必殺の阿修羅バスターで読者に多大なインパクトを与える。
人気者ゆえに、正義超人の側に傾いたら傾いたで不幸な目に逢ってしまう苦労人。
腕が六本もあるのをいいことにか、毎回の様に腕を引き千切られたり、もぎ取られたりする。
Ⅱ世での復活は格好いいが、展開が展開なだけに複雑な感情を抱くファンも少なくなかった。
「カーカッカッカッカッカ」


ネプチューンマン
完璧超人で、正体はロビンマスクのライバルだった喧嘩男(ケンカマン)
最初は凶悪なファイトを見せたが、徐々に自分流の戦いを取り戻して、最終的にはキン肉マンらと和解した。
Ⅱ世で再登場した際はかなり株を落としてしまったが、最終的に正義の心を取り戻した。
好感度の振り幅が最も激しいキャラ。
実は、ある男の野心に振り回されて人生を台無しにされていた事が後に判明する。
「ナンバーワーン!!」


悪魔将軍
悪魔超人界の首領にして、史上最もキン肉マンを苦しめた超人。
正体は現在の超人界でとして崇められていた古代超人ゴールドマンこと、黄金のマスク。
作者も「格を落とさないように」描くのを心がけている程のキャラクターで、作品を代表する最強の超人の一人である。
昔はノリノリで悪役を演じていた。
「フン!」


  • ネタ的な登場人物
ビッグ・ザ・武道
前述したマイルドマンの中身で完璧超人の一員。
剣道着姿で二千年近くテムズ川の底に住んでいた。
「剣道柔道空手道、ありとあらゆる武道の頂点を極めた私が恐れるものなどネプチューンマン以外他にない」


レオパルドン
登場して5コマで倒された伝説の超人。
読者からは死んだとばかり思われていたが、後々生きてた事が判明。さらに正義超人だった事も判明した。
「次峰レオパルドン行きます!」
「グオゴゴゴ」
「ギャーッ」

ベンキマン
超人オリンピック・ザ・ビッグファイトに出場した、古代インカ帝国出身の超人。
対戦相手をボディについた和式便器に流す戦法を得意とするが、キン肉マンが便器にパンツをつまらせてしまい敗れる。
頭にはウンコのオブジェがついていたが、アニメでは水道の蛇口に変更されていた。
Ⅱ世ではすでに故人だが、弟子のウォッシュ・アスが登場する。
「超人総選挙2013」では29位になり、彼を主役にした短編が発表された。
「ウンコとして排出しようにも私にはケツの穴がないからなウ~~ム…」
「かまわぬ 思いっきり ひるのです」


アスタリスク
……誰それ?


追記・修正は牛丼をお供にお願いします。

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