ボクと魔王

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ボクと魔王 - (2024/02/03 (土) 21:34:08) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/07/30(木) 02:07:18
更新日:2024/03/09 Sat 22:01:47
所要時間:約 5 分で読めます




『影とオバケのRPG』


SCEから発売されたRPG。ハードはPS2。開発元はZENER WORKS。


【目次】


【ストーリー】



ある所に影の薄い「少年」がおりました。
大人しく、他人に舐められきった少年なのですが、
なんとか日々平凡な生活を送っていました。

そんな少年はひょんなことから、大魔王の生まれ代わり、
「スタン」を自分の影に住まわせることになってしまいます。

長い間封印されていたスタンは、
その間に失った魔力を取り戻す為、下僕である少年に旅に出るよう命じます。

地味な少年と影の魔王の珍道中は、いったいどのようなものになるのでしょうか。


【主なキャラクター】



少年(ルカ)/なし/透明/16歳

主人公。とにかく影が薄い。この物語では全ての人々が「分類」されているのだが世界で唯一彼だけが「分類」を持たず、
そのことが影の薄さを一層際立たせている。余談だが、作中で一番プロポーションが良いようだ。
ある意味において「世界の破壊者」といえる存在。

戦闘では高いステータス、相関相性を持たない透明属性、有用なスキルと最強の一角。武器は剣。

スタン/魔王/赤?/不明

かつての大魔王ゴーマの生まれ変わり。
本名はスタンリーハイトットトリニダード14世だが、本人でさえたまに間違える。
長期の封印で正体を失っており、少年の影に取り付くことで実体化している。
秀逸なデザインであり、彼のアスキーアートが存在している。

スタンは戦闘中操作が出来ない。
戦闘時に条件を満たすと「フライング魔王」や「スマッシュ魔王」といった攻撃を行う。
弱そうな外見に似合わず、どれも超強力。魔王の面目躍如か。

ロザリー/勇者/青/22歳

スタンを目の敵にしている女勇者。
以前スタンに「影が蛍光ピンクになる呪い」をかけられ、
「エリート勇者」から「お笑い系勇者」に転職しなければならなかったことがその原因。
面倒見がよく頭も回るが、怒りっぽい。スタンによるとタレ尻デブらしい。常に日傘をさしている。

勇者というだけあり全体的にステータスが高い。
魔法こそ苦手だが、手数が多く使いやすい。武器はレイピア。

キスリング/学者/黄/45歳

この世界でモンスターに当たる「オバケ」研究の権威。
勇者であるロザリーにくっついていけば未だ見ぬオバケに出会えるかもしれないと一行に同行する。
マッドな面もあるが、結構良識的。

完全な魔法タイプのキャラクター。
高い魔法攻撃力を誇り、ロザリーやビッグブルと違い攻撃魔法を有効に使える。
…が、今作は魔法の燃費が悪く使いにくいのでビッグブル加入後は二軍落ちしがち。
武器は学術書。装備の補正値は高いが本人が貧弱なのであまりメリットになっていない。

ビッグブル/赤/忘れた

暑苦しい筋肉ダルマの牛男(オバケ)。
自分を倒したスタンに惚れ込み、仲間になる。
単純ゆえ、正々堂々とした闘いを好む。夢は筋肉マン養成所を作ること。

高い攻撃力と体力をもつ直接攻撃キャラで、パーティで唯一の赤属性キャラ。
だが行動が鈍く、手数が少ない為それほど火力が有るわけではないのが難点か。
もっともプレイヤーからは消去法でルカ、ロザリーと共に主力として使われやすい。
武器は肉体。システム上は初期装備の「戦いの心得」のみ。

リンダ/青/ひみつ

M.O.E.M.O.E!!
歌手を夢見て路上ライブをしている女の子。
音痴だった自分を元気付け、支えてくれた少年をコーチと呼ぶ。腹黒。

完全なサポートキャラ。
敵味方両方に作用する「歌」と、味方全体を回復する魔法を唯一覚える。
しかし強力な魔法は習得が遅いため普通に進めるとラスボス戦に間に合いにくく、裏ボスもいないので正直使えない。
道中でもルカが殴りながら回復も十全にこなせる万能キャラなのでわざわざリンダを主力にする意味があまりなかったりする。
マイクでぶん殴って戦う。

物語の中盤、アイドル志望の女の子であるリンダが、
魔王の力を手に入れてソレを使い、町の人々を洗脳し、
無理やり自分のファンにする、という展開があるのだが――
そのとき、洗脳された人々は口々に叫ぶのである、

「リンダちゃん萌えーーー!!!」

正にオタ芸。丸々一つの町の人々が萌え萌え連呼している図は、我々アニヲタでもかるくビビるものがある。
……と、もうお気づきであろう。このゲームの発売日は2001年3月15日
そう、明らかに現在ほど『萌え』という単語が普及する以前のものである。
ゲームの開発期間やシナリオ執筆のタイミングを考えれば、さらにソレよりも前にこのネタは仕込まれたことになる。
開発スタッフはこの未来を予見していたのであろうか……?

この『ボクと魔王』は、現在、諸説入り乱れている『萌え』の起源のナゾに迫る作品のひとつでもある。のかもしれない……。
}

エプロス/黄/不明

最後に仲間になる仮面紳士。
魔力に対して激しい知的好奇心を持っており、
その答えをもたらしてくれるかもしれない少年に同行する。

相手の弱体化に特化したサポートキャラ。
攻撃力は低く戦力としてはやや心許ない反面、直接攻撃と攻撃魔法に対しては全キャラ中トップの回避力を持つ。
固有技である魂縛りはキャンディ等一部のレアアイテム集めの際には非常に有用。
ラストダンジョンの雑魚戦はルカで瞬殺するかアイテム目当てで粘るかぐらいなのでその意味ではスタメン候補。
武器はトランプ。


【その他のキャラクター】



マルレイン

王女様。お転婆かつ高慢で、少年を召し使い扱いする。可愛い。
石ころ。子亀。

ベーロン

マルレインの執事。怪しい。
親亀。

ジェームス

スタンの執事。常に発情しており、ストライクゾーンは幼女から婆さんまで。
彼の中ではスタン<<超えられない壁<オムレツ<<<<<女の子のようだ。役立たず。

ブロック

サーカス団の団長。スタンを「影の魔王」と呼ぶ不思議な人物。何かを知っているようだが……。


【ニセ魔王たち】



封印中のスタンの力を奪い、強大な力を手に入れた者達。
こいつらを倒すことで力を取り戻すことが出来る。

下水道魔王
水泡魔王
会長魔王
巨牛魔王
アイドル魔王
幻影魔王
吸血魔王

魔王たちとの戦闘では下水道の奥を目指していたという話を聞く機会があり、最終的にルカ一行もそこを目指すことになる。

この作品は、Playstation2早期に発売されたにも関わらず、美麗なグラフィックなことが特徴。
ヌルヌル動くキャラクターを見るのは楽しい。

魅力的なキャラクターやシナリオ、グラフィック、音楽、世界観辺りは高い評価を受けている。

だが、バランスとテンポの悪すぎる戦闘、単調な謎解きが致命的。
強制戦闘だけで適正レベルまで上がり、適正レベルだとボタン連打で終わる難易度で、しかもエンカウント率は高い。
ヌルすぎる&作業&テンポ悪いと三重苦。

親亀と子亀に関してはコチラへどうぞ。

実はこの世界は「分類の魔法」により外界から切り離された箱庭的小世界で、これまでの冒険もその管理者たちが意図的に創り上げた劇のようなもの。
これを踏まえると本作の登場キャラの人形風のグラフィックやCMでの人形が使われていること、単なる容量の都合かと思えたフィールドの狭さもスタッフの意図によるものかもしれない。
王女が大勢の兵士を連れていたと嘘をついたムカつくモブの存在、鉄道員が駅を使えない理由を忘れていたのも単なる嘘や嫌がらせだけでなくこういった世界のおかしさを示す役割があったのだろう。
リシェロ以降はあからさまに伏線的なセリフも多く、この物語が「ニセ魔王たちを倒しスタンが元の姿を取り戻しておしまい」ではないことはそれとなく察せられるようになっている。

また主人公のルカは喋らないとは言うものの何度か現れる選択肢で会話に加わるシーンが存在するが、これは単なるイベントの演出だけでなく他のキャラクターとの好感度に関わるものである。
終盤で見られるイベントの出来や特典にはかなり格差があるため、適当に選ぶと後悔することも。
  • マルレイン
王女を気に掛ける選択肢を多く選ぶのが条件。メインヒロインとの王道イベント。
終盤に夢を通じて助けを求められるのだが、ある人物を通じてルカ最強の防具「再会の服」が届けられる。
次点の「自然体の服」との防御力の差はさほど大きくないが、ルカはパーティから外せない上に攻撃力に関しては十分なため、防御面を強化してくれるのはありがたい。

  • スタン
彼に率先して従ったり、悪そうな選択肢を多く選ぶのが条件。
スタンは悪の子分らしくなったルカを褒めるが、ジェームスは先輩の自分からすればまだまだと主張し、ルカは滝に打たれる修行をさせられる。
結果ルカは風邪をひいてしまうが、ジェームスの飲ませた怪しい薬により体調が回復し、ステータスがアップする。ジェームスはこれを勝手に「修行の成果」だと言い張りスタンにツッコまれた。
ルカの攻守が5ポイントアップするが、実用性で言えば再会の服の方が嬉しい。

  • ロザリー
ロザリーに味方するような選択肢を多く選ぶのが条件。
黒幕との遭遇を経て世界の真実に触れた彼女は、改めて「勇者」としての自分の存在について考えていた。
そして勇者以上に勇者らしい存在へと成長していったルカへの興味を示す。
ロザリーの話に感じ入ったトリステの武器屋から密かに彼女に「気高きレイピア」が手渡される。
ロザリーをパーティから外すプレイヤーは少ないと思われ、この武器も次点の「白バラのレイピア」より威力やステータス補正がかなり高いので価値は高い。

  • ルカの父
ノリの良い、強気な選択肢を多く選ぶのが条件。
実家に戻ると父が「占いでお前と相性が良いと言われた」と喜び、記念としてエプロスの最強武器「スペードのA」をくれる。
次点の武器との威力差という点では気高きレイピア以上なので、イベントの地味さに目を瞑った上でエプロスを主力とするなら。

  • ジュリア
沈黙(……)や弱気なセリフを多く選ぶのが条件。
彼女はルカの故郷テネルで暮らす幼馴染で、地味で尻に敷きやすそうな彼を気に入っていた。
冒険を通じて逞しくなったルカが好みから外れているらしい。
久しぶりに故郷に戻るとやはり占いのことを告げられる。
派手好きな兄がいたが、その兄を失ってしまったトラウマが現在に嗜好に繋がったことが判明する。
技に対する回避率が大きく上がるアクセサリ「フクロウの魔除け」が貰える。
これと下記の「白昼夢のリング」はアクセサリなので全キャラ装備可能。
ルカ・ロザリー・エプロス以外の強化を重視するか汎用性を求めるなら。

  • 謎の女
ウィルクの森にいる妄想狂の電波女。顔グラすらアレなモブ。
話しかけるとやはり占いのことを言われ、攻撃に対する回避率が大きく上がる「白昼夢のリング」を渡される。
…しかし、イベントが酷すぎる。

なお、どのキャラと仲良くなろうがエンディングは変わらない。



追ぱ記ぷ・修ぽ正ぴおぱ願ぺいぱしぴまぷすぽ。

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