登録日:2016/02/23 (Tue) 20:36:06
更新日:2024/09/07 Sat 12:56:09
所要時間:約 5 分で読めます
※この笑い話には
ボクと魔王の
ネタバレが含まれています。
それでも問題ない方だけお進みください。
岩ガメと石コロの話、知ってる?
あれはおかしい話だよねえ。ぐふふふ。ぐっふふふ。聞きたい?
ぐっふふふふ。いいよ。話してあげるよ。
昔ある川べりに、おおきな岩ガメが、ナワバリを作って住んでたんだ。1匹に子ガメと一緒にね。
岩ガメは子ガメを、とってもだいじにしてた。甲羅の黒いブチがとくにラブリーだとゆーんでとくに自慢のタネだったさ。
ナワバリの中はコワい動物もいない
平穏そのものだったよ。岩ガメはいつもその中でエサをとり、子ガメはいつも遊んでたんだ。
ところがある時のこと。ふと気づいたら子ガメがいなくなってたんだよ。
岩ガメはあわてて探しまわるけど、どこにもいないんだ。
子ガメの足でナワバリを出るなんてムリなはずだから、こりゃおかしい話だよねぇ。
ああどうしようどうしよう。なんてことだ。
岩ガメはパニックになったよ。ウチの子ガメはどこなんだ?いないハズはないんだから・・・・
で、ナワバリをあちこちウロつくうち、岩ガメはあるものを発見した。
何って、ただの石コロ。
ところが岩ガメはその石コロを見つけるなり大喜びだ。
それとゆーのも、その石コロに黒いブチがついてたからなんだね。
岩ガメはひと安心。「おお、わが子発見!」てんで、その石コロを持って帰ったよ。
前よりちょっと重いのなんか気にしない。
それでね。おもしろいのは、こっからなんだ・・・・
イヤ、ホント。・・・・ぐふ、ぐっふっふっふ・・・・
ダメだ、笑っちゃって・・・・
えっとね、それがね・・・・。うっふふふふふ・・・・
ダメだよね、笑っちゃってちゃ。ごめん、これ以上話せそうにないよ。
くくくくくく。
つづきは・・・・また後に・・・・うっくくぷぷぷぷ・・・・
ようよう、岩ガメと石コロの話、知ってるか?
町で聞いてきたんだ。最高の笑い話だよ。
よーしよし。・・・・途中までは知ってんのな。
じゃ、続きから話してやるか。
岩ガメはもう石コロを子ガメと思い込んでナワバリの目だつトコロに置いてひと安心だ。
また前と同じに、日がなエサをとって暮らしてた。
石コロのほうも、この意外な事態にどうしたもんかと悩んだけどもべつにどうもしなかった。石コロだから。
まぁ、岩ガメの信じこみっぷりがあんまりなんで石コロでなくても、何も言えなかったかも知れないけどな。
で、そのころ問題の子ガメはってーとナワバリのギリギリのとこでずっと寝てたんだな、これが。
しばらくして、子ガメが目をさまして岩ガメのところに行くと、岩ガメはなにやら石コロに向かって我が子と呼びかけてるときたもんだ。
おかげで子ガメは出るに出れない。
しょうがないから、誰にも見えないナワバリのはじっこから、様子を見てることにしたんだ。ナワバリの外は知らないし、おっかなかったし。
それでな。またしばらくして・・・・
イヤ、マジで、うわっはっはっはっは!
やっぱダメだ、笑っちゃって。
あのな、それでな・・・・。ぎゃははははは。
ダメだよね、笑っちゃってちゃ。
ごめん、これ以上、話せそうにないよ。
ぐははははは!
つづきは、また後でな。
うっひゃっひゃっひゃっひゃ!
ねぇねぇ、岩ガメと石コロの話、知ってる?
ムチャクチャ笑える話なのよぉ。
よっし。・・・・途中までは知ってるのね。じゃ、続きから話すわね。
岩ガメが黒ブチの石コロを子ガメと思い込んで一緒に暮らし始めてからしばらくして。
ナワバリに、お客の赤ガメがやってきたわ。
赤ガメを歓迎した岩ガメは、赤ガメに家族を紹介したの。
家族といえば、そりゃ例の石コロのことよ。「ウチの子です」って紹介したわよ。
赤ガメは、そりゃ面食らったわ。「はぁ?」てなもんよ。
そりゃそうよね。カメの子供に石コロがいるのか?ってね。
それで、いままで誰も言わなかったことだけどその赤ガメは、思い切って言ったの。
ウチの子ですってあなた、それはどう見てもただの石コロじゃないですか。
こんな当たり前のことを言うのに、意外に勇気がいったもんだわ。
ショーゲキの指摘からちょっとの間場はシーンとしたわ。
それが消えると、岩ガメは大笑い。
岩ガメは笑って言ったもんよ。
おいおい赤ガメさん、この子を石コロだなんていったい何を言うんですか。
この子を見てください赤ガメさん。
この子はずっとここで話を聞いていても、私の子ではないなんて、まったく言わないじゃないですか。
赤ガメはもちろん「そりゃそうだろ石なんだから」と思ったけど、あきれてものも言えないわけ。
石コロも「そりゃそうだろ石なんだから」と思ったけど、何も言えなかった。石コロだから。
「だいたい」赤ガメがだまってると岩ガメは続けたの。
「仮に私がそれを認めるとまるで私がバカみたいじゃないですか!」
赤ガメはどう言ったものか迷ったわよ。
「いや、だからね」・・・・プッ・・・・
「あなたは」・・・・ククククク・・・・。ごめん。
「いや、だから岩ガメさん、あなたは」・・・・
あっはっはっははは!
もー、ダメ。耐えきれないわ。
いや、あと少しなんだけど・・・・もうダメ!
あっはっはっははははははは!
概要
「
岩ガメと石コロの話」とは、
ゲーム「ボクと魔王」の作中に存在する笑い話である。
物語の序盤が終わる頃から流れ始め、一部の村人に話しかけると聞かせてもらえるようになる。
話す内容は特に固定されておらず、思い出し笑いの人から2番目の話を聞く事も出来る。
ストーリーの経過で徐々に解放されていくため、一度に最後まで聞くことは出来ない。
オチについて
ない。本当にない。
正確に言うなら
「オチは消された」
とされている。
「オチがなかったら何で笑ってんだよ」
とか
「そもそもこれ笑える話なのか?」
と思う人もいるかもしれないが、それについてはまずポスポス雪原のおじさんから話を聞こう。
おお、クレスウィック君か。
いやいや、ホントに「分類力」とはオソロシイものだな。君もそう思わないか。
何のことかって?君は世間に広まっている笑い話を聞いたことがないかね?
岩ガメと石コロ、という話だ。
岩ガメと石コロが出てくる。
私が題をつけた。
あの話のオチを、うかつにも忘れてしまってね。君、知らんか。
あの男へのイヤミで広めてやった話だがヤツめ、やはり気に入らなかったようだな。
オチの部分を「消された」のかもしれん。
そのくせ、望みもせんのに「笑い話」という「分類」が効いてるもんだから、どいつもオチを知らんまま笑いよる。アホな話だ。
上記のおじさんはストーリー自体に一切絡まず、普通に接するだけだと、主人公(ルカ)の名前を毎回勝手に決めつけて呼ぶ変な人にしか見えない。
だがその実態は、世界の根幹に関わる黒幕に等しい重要人物と、かつて関わりを持っていた人間である。
黒幕は過去に起きた出来事がきっかけで、世界に「分類」という概念をもたらして裏から操るようになっていった。
おじさんは彼のやり方に反発したらしく、イヤミとしてその出来事を皮肉った「岩ガメと石コロの話」を作り、世間に広めた。
内容を読んだうえで黒幕の行動原理やセリフに向き合ってみると、この話がどれだけ的を射ていたかが窺い知れる。
ところが、おじさんの広めた話は意図しない形に歪められてしまう。
「ボクと魔王」の中では「分類」というものが大きな力を持っている。
「岩ガメと石コロの話」が気に食わなかった前述の黒幕は、オチを消し去ることで内容を改竄し、更に「笑い話」へと分類した。
だから人々は、この話をごく当たり前のように「笑い話」と認識しており、オチを話そうとするたび笑っているというカラクリなのだ。
この話は見方を変えれば笑い話ではないし、オチもないが、
それに気付きもせず人々が笑っているという事実は空恐ろしいものがあり、
プレイヤーは「分類力」の凄さを改めて知ることになる。
いやほんと、ゲームでよかったよ。
何が面白いか分からないまま、「これは面白い事だから」と笑ってしまうことはないだろうか?
他人からの話を聞いただけで、「これは
クソゲーだから」と反応を決めてしまうことはないだろうか?
物事の本質を考えるより前に、「これは○○だ」と分類し、自分の振る舞いを決めてしまうことはないだろうか?
追記修正は分類の力を知ってからお願いします。
- 哲学的だなあ…… -- 名無しさん (2016-02-23 21:00:58)
- この話ってベーロンのことなんかね。。。 -- 名無しさん (2016-02-23 21:32:36)
- 石ころを子ガメと思い込んだ岩ガメ。この話を周囲の評価(まあ分類のせいだけど)から笑い話としかとらえられない人々……自分がバカだと認めるのが難しいって話なのかな -- 名無しさん (2016-02-23 21:43:18)
- ↑ 親カメがベーロン、子ガメがマルレイン、赤カメがルカの先祖である勇者ホプキンスでほぼ確定。 -- 名無しさん (2016-02-23 22:30:03)
- 記事の一番最後の部分の「周りの評価有りきで色眼鏡で見てしまうことはないか」ってけっこう大事だよね。アイマス2が出始めた頃にゲハブログに踊らされてた経験があるから特にそう思うよ -- 名無しさん (2016-02-25 13:39:00)
- 岩亀は王だな黒ぶちの娘は王女、王は王女失踪により偽王女を用意したが、本物は別の場所で生きていた、この話の本質は王の血統のすり替えを皮肉ってるわけだ -- 名無しさん (2017-05-14 23:56:14)
- ベーロンやマルレインすら例えに過ぎない本質は王家血統のすり替えってとこか? -- 名無しさん (2017-05-14 23:59:14)
- 実はこの話にはちゃんとオチがある。ゲーム中でもちゃんと見れる。 -- 名無しさん (2023-01-31 23:21:50)
- ↑どゆこと? -- 名無しさん (2024-06-01 09:15:13)
- ↑この寓話はゲームの前日譚だから。笑い話の続きはゲーム本編でオチはゲームのエンディング。すなわち、赤カメの子が岩ガメを倒し、子ガメが出てくることが出来て赤ガメの子といつまでの仲良く暮らしましたってオチ -- 名無しさん (2024-06-01 09:45:51)
最終更新:2024年09月07日 12:56