あやめ(逆転裁判)

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あやめ(逆転裁判) - (2024/01/19 (金) 20:04:51) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2015/01/02 Fri 00:30:03
更新日:2024/04/06 Sat 05:22:06
所要時間:約 7 分で読めます









この項目には『逆転裁判3』のネタバレを含んでいます。未クリアの方はブラウザバックすることをオススメします。



















「あやめ」とは、『逆転裁判3』の第5話「華麗なる逆転」に登場する人物である。

CV:佐藤利奈(TVアニメ)


■概要

霊行道場「葉桜院(はざくらいん)」の尼僧(ただし、出家はしていない)。年齢は25歳。
住職を務める「毘忌尼(びきに)」と2人暮らしをしている。たまに山を降りて街へ出かけることがあるらしく、携帯電話やパソコンを使いこなせたり、スノーモービルの運転もできる。
正式な名字は判明していないが、裁判中では「葉桜院 あやめ」と呼ばれるシーンがある(ただし『逆転裁判3』の攻略本内で、巧舟氏により「裁判長が便宜上呼んだもの」であり、正しい名字ではないという説明がされている)。


成歩堂がかつて交際していた恋人・美柳ちなみと瓜二つの容姿をした女性。
そのことが「サムいの、ニガテだし。」という理由で嫌がっていた成歩堂に、葉桜院に行く決心をさせることとなった。
葉桜院にはじめて訪れた成歩堂に対し、あやめはまだお互い自己紹介をしていないにもかかわらず、なぜか彼の名前を知っていた。
そして、その呼称も「成歩堂さま」ではなく「成歩堂さん」だった(これが、後の伏線となる)。


霊力を引き出す修行場に身を置く者にもかかわらず、死者と語ることを嫌う節がある。
また、霊力を持っていないらしく、それを必要ともしていない。それでも葉桜院に居続けているのは「過去に犯した《罪》(後述)を償うため」らしい。


第5話「華麗なる逆転」では、彼女が弁護の依頼人となる。
ある事情により成歩堂の代わりに弁護を引き受けることとなった御剣が、彼女に聞いた「被害者を殺したのはあなたか?」という問いへの返答時に《サイコ・ロック》が出現していないことから、(御剣は事前に成歩堂から《勾玉》を受け取っている)
彼女が被害者を殺した犯人ではないことは(プレイヤー側には)ハッキリと分かるのだが‥‥
実は、事件の核心に深く関わっている。
しかし、様々な事情により2日目の裁判の終盤まで事件の真実を明かそうとしなかった。


ここから先は、重大なネタバレがありますわ。



























■あやめの真実

じつは、あやめは綾里キミ子の実の娘であり、
そして美柳ちなみの双子の妹だった。
キミ子の実の娘である綾里春美とは、異父姉妹の関係となる。
その為、あやめは決して他人の空似などではなかった。
そればかりか、綾里家とも血縁関係にある人間だったのである。
倉院流本家の娘であるが、霊力は全く持っていない。
双子だからか、姉の美柳ちなみもそれは同様である。


元々は綾里千尋綾里真宵と同様に「倉院の里」で暮らしていたが、《DL6号事件》で「倉院流霊媒道」の名声が地に落ちたことをきっかけに、両親が離婚。
霊力を持たなかったことが原因でちなみとあやめは父親に連れられ、倉院の里を出ていくこととなる。


その後、父親からも見捨てられ、あやめは綾里家に縁があった葉桜院に引き取られ、以後はそこで育つことになる。
荒んだ美柳家の影響を受け、ココロが歪みきった姉のちなみと違い、彼女は住職のおばさん・毘忌尼から愛情を受けながら育てられたため、
真っ直ぐで心優しい性格となった。


しかし、姉と違って自分だけが愛情を受けて育ったということに負い目を感じていたあやめは、ちなみが計画した(父親から2億円相当のダイヤを奪う)“狂言誘拐”に協力してしまう。
身代金の受け渡し場所に葉桜院がある《吾童山》が選ばれたのは、彼女の協力があったからである。
しかし、罪の意識に耐えかねたあやめは計画実行の直前に姉を裏切り、逃走してしまう。
それが、ちなみの最初の殺人のきっかけとなり‥‥


ここから先は、この事件のネタバレがございますの。















■「華麗なる逆転」事件の真相

前述の通り、彼女は殺人犯ではないが、被害者の死体の“始末”と“偽装工作”は彼女が行っていた。
つまりは、共犯者である。


そもそもの発端は、葉桜院で綾里真宵の暗殺計画が行われようとしていたことであった。
それを阻止するため、この事件の真犯人はあやめに協力を求め、彼女はそれに応じた。
真犯人があやめに協力を求めたのは、暗殺計画の実行者が「霊媒」された美柳ちなみであり、その罪をあやめに着せようとしたことから、計画の裏をかくにはあやめの協力が不可欠だったのである。


計画実行の日の夜。
あやめは葉桜院の本堂で待機していたところ真犯人から連絡が入り、死体を“始末”するために、スノーモービルに乗って奥の院へと向かった。
落雷によって本堂と奥の院につなぐ《おぼろ橋》が燃え落ちてしまうというアクシデントがあったものの、真犯人の機転により死体の回収に成功。
真宵に殺害の容疑がかからないように凶器と事件現場の偽装工作をしていたが、その様子を偶然にも毘忌尼に目撃されてしまう。


1日目の裁判の後、奥の院の修験洞の入口にかけられた「からくり錠」の解除のために、御剣と共に奥の院へ向かう途中、地震が発生。
過去のトラウマにより気絶した御剣を置いて、奥の院の様子を見に行くと、そこには真宵が霊媒したちなみがいた。
ちなみに一通り事情を説明した後、あやめはちなみによって修験洞内に閉じ込められてしまう。
しかし、姉に対する思いから彼女は助けを求めなかった。
そのため、これ以降の「探偵パート」に現れる《あやめ》は《美柳ちなみ》であり、成歩堂に対する呼称も「成歩堂さま」となっている。


2日目の裁判の中盤で無事救助され、ちなみがプライドをズタズタにされてあの世に去っていった頃、あやめは裁判所に戻ってきた。
事件当夜の自身の行動の真相を成歩堂にすべて明かした後、
被告席で裁判の結末を見守ることになる。


エピローグでも、前述の罪状によりあやめは拘留中である。
以後のシリーズには再登場していないため、その後の動向は不明。


※以下、最後のネタバレあり。















■さらなるネタバレ

成歩堂が大学時代、半年間付き合っていた美柳ちなみは、実は、あやめ本人だった。
「神乃木弁護士毒殺未遂事件」の最有力容疑者となり、警察の取り調べや監視により自由に動けなくなった美柳ちなみの代わりに、事件の証拠品である「ペンダント」を成歩堂から回収するため、ちなみと入れ替わっていたのである。
当時の成歩堂が語っていた“美柳ちなみ”の印象が実際のちなみ本人と剥離していたのは、そのためだった。
一方の美柳ちなみは、成歩堂とは実際には2回しか(裁判所で出会いペンダントを渡した日と、第1話の事件当日)会っていなかった。


当初は姉にこれ以上罪を重ねさせたくないという思いからの行動であった。しかし成歩堂と付き合っていくうちにしだいに彼の人柄に惹かれるようになり、半年経ってもペンダントを回収できないあやめの“本心”に気づいたちなみは、とうとう待ちきれずに、成歩堂の殺害計画を独断で実行することになる。


仮に、成歩堂の殺害計画を知っていたら(そのせいで自分や姉が死ぬことになっても)絶対止めようとしていたと思うほど、あやめは成歩堂に惚れていた模様。
姉に依存しがちだった彼女が、初めて姉より大切に想える人に出会えたということなのだろう。


幸い成歩堂は死ぬことはなかったが、彼を大きく傷つけ危うく姉に殺されそうになってしまったことから、あやめはもう二度と成歩堂の前には姿を見せないと決めていた。
これが彼女の《罪》である。


しかし、その6年後。あやめは成歩堂とまさかの再会を果たすこととなる。
当初は上記の理由により過去の真実を成歩堂に話すつもりはまったくなかったが、(成歩堂が「以前に会ったことがないか」と問い詰めたとき《サイコ・ロック》が5つも現れた)
御剣の説得により判決前に真実を語った。


あやめからすべての真実を聞いた成歩堂は、
「ぼくの思った通りの人でした。《美柳ちなみ》が有罪判決を受けてからも‥‥それだけは、信じていました」
と語り、彼女のことは一切責めなかった。


■余談

第1話「思い出の逆転」の閉廷後のシーンで、裁判中のちなみの変わり様を見た成歩堂は、

「もしかしたら、よくできたニセモノ‥‥」

と言い出し、千尋(とプレイヤー)を呆れさせるが、
『3』を最後までプレイするとそれがじつは真実であったことが判明する。
成歩堂もまさか本当にニセモノだったとは本心では思っていなかったのか、6年近く経ってあやめから真相を聞かされた時は衝撃を受けていた。


彼女の名字は明らかにされていないが、順当的に考えると「美柳」である可能性が高い。
(両親の離婚時に綾里家からは捨てられており、出家もしていないため)


『3』のエピローグでは留置所にいるあやめが登場。
彼女の口ぶりから、成歩堂へ未練があるようだ。
しかし、成歩堂はその後、女性と付き合っているという描写はとくにされておらず、『3』のエピローグ以降もあやめと交流しているのかは不明。

ちなみに大逆転裁判シリーズにでてくる御琴羽悠仁の亡き妻の名前も「あやめ」。
既に故人の上に出番もほぼないのだが、最後の最後で彼女の存在があるキャラに深く関わっていることが判明する。



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