御琴羽悠仁

登録日:2021/09/24 Fri 05:54:21
更新日:2025/05/01 Thu 01:26:52
所要時間:約 14 分で読めます





この国は、まだまだ幼い。その司法は、もっと幼い。

だからこそ‥‥

正しい情熱を宿した若者たちが留学することに、意義がある。


御琴羽悠仁(みことばゆうじん)とは『大逆転裁判シリーズ』に登場する人物である。


■概要

大日本帝国の《帝都勇盟大学》の医学部の教授。法務助士で本作のヒロイン・御琴羽寿沙都の父親。初登場時42歳。
口髭を生やし、頭髪は中央部分が白く染まり、オールバックのように後頭部へと向かって生えている。
手には扇子を持ち、桜をモチーフにした御琴羽家の紋付羽織袴を着用している。着物の羽織紐も満開の桜をイメージにしている。
先進的な思想の持ち主で亜双義一真の司法留学のために日本政府に掛け合ったり、娘の寿沙都に法務助士の資格を取らせ彼の留学に付き添わせたりと若者のためにチカラを尽くしている。
特に亜双義へは勇盟大学の学費援助から英国留学の件まで手厚く支援しており、彼にとっては恩人に当たる存在でもある。

大日本帝国における法医学の第一人者とされており、「法医学の権威」と称されている。
16年前*1、当時勇盟大学の優秀な医学生だった彼は、友人の慈獄政士郎に誘われ日本初の司法留学生として大英帝国・倫敦(ロンドン)へと留学。
そこで出会った医学博士のジョン・H・ワトソンに師事し、とある刑務所裏の共同墓地を挟んで向かいの《(セント)アントルード病院》の地下に構えられた彼の法医学研究室にて、英国式の法医学である《司法解剖術》を学んでいた。
ワトソン博士のことは恩師でありながら「友人」と表現していることから良好な関係を築いていたと思われる。
またその刑務所所長・ハリー・バリケードにも世話になっており、当初突っぱねる態度を取っていたバリケードも御琴羽の紹介状をつきつけられると協力的になっていた。
6年間倫敦で勉強した後帰国し、現在は大学で医学教授を務める傍ら英国の外交関係において政府に協力する身でもある。
慈獄とは判事兼外務大臣となった現在でも親交がある。

基本的に冷静で思慮深く、且つ柔和な物腰で誰に対しても丁寧語で会話する。
権威ある立場であるが故深刻そうな表情が多いが、時折優しい笑顔や茶目っ気も見せ、決してお堅いだけの人間ではない。
未来を担う若者たちを見守るような立ち位置に身を置いており、彼らの力になるために陰ながらの支援や手回しには抜かりが無い。
一方でその物柔らかな佇まいは時折、真意が掴めないが故の怪しさを見せる。娘の寿沙都にも嘘や隠し事をする事が度々あり本心を全て明かしているわけではないようだ。

妻(寿沙都の母親)は寿沙都を出産してすぐに死別。さらに上述の留学も寿沙都の誕生からすぐに出発してしまったので、寿沙都は彼女の祖母の下で暮らしていた。
幼い彼女のそばにいてやれなかったことを負い目に感じているので、現代よりも婦女子には不自由極まりない時代であるが、娘がやりたいことはなるべくやらせてあげようと心掛けている。
寿沙都も父親の話を祖母から聞いて育ってきたので彼を心から尊敬しており、現在親子仲は良好である*2
ただ、寿沙都が琴をやりたいと言い出した際買い与えたはいいが、彼女の”演奏”には「頼むからカンベンしてくれ」と止めさせたという。


■作中での活躍

※ネタバレ注意
  • 『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
第1話「大いなる旅立ちの冒險」に登場。
3年前に勇盟大学へと招き入れたジョン・H・ワトソン博士が何者かに殺害されてしまい、深く悲しんでいる。
本来なら被告人の成歩堂龍ノ介の弁護を担当するのは亜双義一真だったのだが、この裁判は英国人が殺害されたことにより迅速な判決が求められる極秘裁判であった。
そのような裁判で弁護に失敗すれば亜双義の英国留学は”中止”となり、二度とその権利を得られない。
それを危惧した御琴羽は龍ノ介に「裁判長からの質問に誰よりも早く『私です』と答えなさい」と指示する。その結果龍ノ介は被告人でありながら弁護士を担当する事になった。
そして隣に立つ亜双義には龍ノ介に助言をさせる体で彼を弁護するように導くことで、亜双義を”弁護士としては”法廷に立たせないように仕向けていた。
最も亜双義は「親友の危機も救えない情けない男ならば…今回の留学。自分から辞退させていただきます。」と宣言し、それを考慮してかこの作戦は亜双義には開廷前に知らせていなかった。
休廷中に寿沙都に新たなる証拠を取りに大学へ行かせ、龍ノ介達が友人の死の真相を暴いてくれる事を期待していた。
目論見通り龍ノ介は真犯人を見つけ出し、閉廷後に彼の功績を称えた。
その結末には一部納得いかない部分もあったが、今宵は気持ちを切り替え龍ノ介の無罪判決の祝杯を挙げるべく洋食屋に向かって行くのだった。

その後龍ノ介と寿沙都の留学により舞台は大英帝国・倫敦に移り、彼も物語からフェードアウトした…と思いきや第5話「語られない物語の冒險」で日本から英国への国際電気通信にて再び名前が登場する。
だがそれは「御琴羽悠仁が突如原因不明の高熱に倒れ、日に日に衰弱している」という彼の危篤を伝える内容である。
ハート・ヴォルテックス主席判事は寿沙都に出頭命令を出し、そこで日本への帰国を命じ翌日には倫敦を発つ事になった。
そして裁判終了後、港に駆け付けた龍ノ介達の寿沙都の見送りで本作は幕を閉じた。
はたして彼の運命は――


  • 『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』
何事も無かったかのようにピンピンした状態で再登場。
実は危篤の連絡は寿沙都を連れ戻すための口実で、真っ赤なウソだったのである。
彼が仮病を使った理由は倫敦に留学していた夏目漱石報告書(レポート)を読んだからであった。
漱石はとある事件に巻き込まれ裁判沙汰になったが、この事件はシャーロック・ホームズにより公表を固く禁じられていた。
だがホームズを敵視する漱石はこの言いつけをあっさりと破り、日本への報告書に事件内容を記してしまった。その報告書を読んだ御琴羽は漱石のもとを訪ね報告の”ある部分”について詳しい話を聞いた。
そして寿沙都を倫敦から引き離すために、翌日国際通信を打電し彼女を強制帰国させた。
「何故自分を帰国させたのか」、と寿沙都に問われても真実をはぐらかし続けている。

第1話「弁護少女の覚醒と冒險」では新聞社の企画で漱石と勇盟大学で対談をしていた。
その最中自身の研究室で開発した新種の毒薬を盗まれてしまい、それを殺人の凶器に利用された挙句、その容疑者として自分の助手で娘の親友である村雨葉織が起訴されてしまった。
被害者が被害者だけに葉織を弁護するものは一人もいない。そこで寿沙都は女人禁制の大審院で彼女を弁護するために男装し、弁護士になることを決意する。
御琴羽も全面的に協力し申請書に龍ノ介のイトコ・成歩堂龍太郎という存在をでっちあげ、法廷では初めて弁護する”龍太郎”の助手を担当した。
法律は”専門外”だが医学知識で寿沙都をサポートするが、緊張し過ぎて法務助士の基礎すら忘れかけている彼女に振り回されてしまう。場合によっては寿沙都(=プレイヤー)の間違いや珍回答にツッコミを入れている。
一例として、事件の被害者に「御琴羽悠仁」を選択され「まさか実の子に殺されるコトになるとは…」と嘆き、「《法廷記録》の情報をよく確認してください。…後生だからッ!と懇願するなど。
迂余曲折ありながらも葉織の弁護に成功したが閉廷後、真犯人から「8か月前に日本を発った司法留学生」の一件を問い詰められ…た所に慈獄裁判長がその人物を撃退。
そのまま本事件について対策を練るため、寿沙都には何も真相を告げずに人力車に乗って大審院を後にした。

なお、裁判中にバレては大変な騒ぎになるので、慈獄裁判長には”昔のよしみ”で事前に話を通しておいたので彼には龍太郎の正体は丸分かりだった。


余談だが『大逆転裁判2 公式原画集』によると第1話は元々悠仁が被告人になる予定で「父を助けるために奮闘する娘」を描く予定だった。
しかしそのプロットを読んだキャラデザイナーの塗和也は被告人の立場で弁護人にアドバイスする展開の難しさや、キャラが男ばかり(寿沙都は男装)で華が無いという理由で、
寿沙都の親友キャラを出して前作との対比や、彼女の新たな一面を見せ物語に深みが出るのではないかと思い「村雨葉織」を提案したという。


『大逆転2』ではさらに出番があり、第4話「ねじれた男と最後の挨拶」では《国際科学捜査大討論会(シンポジウム)》に出席するために慈獄と10年ぶりに訪英した。
そこでは羽織と同じ深緑色のスーツに家紋入りネクタイ、中折れ帽を被った洋装姿となっている。
そしてかつての留学である事件に巻き込まれた事が判明し――


※以下、さらなるネタバレ注意














16年前の留学では御琴羽、慈獄、そして亜双義玄真(亜双義一真の父親)の3人で大英帝国・倫敦に司法留学していた。
だが留学から6年後、倫敦を震撼させた連続殺人事件プロフェッサー事件により玄真は”殺人鬼”として逮捕され、そのまま有罪判決を下され処刑されてしまった。
裁判終了後すぐに慈獄と共に大日本帝国に帰国することになった故、倫敦には苦い思い出があり、現在でも二人揃って複雑な感情になっている。
帰国後に父親を亡くした一真にあらゆる援助を施して我が子のように成長見守っていた。そしてある日一真が大学の教授室に現れ「どうしても大英帝国に留学したい」と懇願された時には止めるべくではない、と考え留学を推し進めた。
なおその一真が死んだと思ったら実は生きていて倫敦に辿り着いていたことは知らされてなかった様子。

第4話の裁判を傍聴し龍ノ介の活躍に感銘を受け、「この裁判の判決が出たら一緒に大日本帝国に帰国して欲しい」と彼にお願いした。
曰く「日本の司法はまだまだ未熟で、特に”本物の弁護士”が今すぐにでも欲しい」とのことで、寿沙都の報告と今回の裁判で彼こそが「我が国の法廷に必要な人物だと確信したのだという。
このお願いに龍ノ介は揺れ動き、自分がこれから先何を為すべきか重大な決断に迫られることとなった。

この”依頼”をした後龍ノ介達と別れたが、後に意外な形で再会することになり…




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最終更新:2025年05月01日 01:26

*1 『大逆転2』時点。『大逆転1』開始時点からだと15年前。

*2 但しある人物に「悠仁によく似ている」、と言われた時はさすがに大喜びでは無かった。

*3 このシーンのみ「ホームズの間違いを訂正する」という形ではなく「ホームズの推理に合わせて答えを選択する」という形式になる、つまりホームズが一切ずれたことを言わない

*4 後にその原稿はホームズに送り返している。