かつて図書館だったSCP-2602

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SCP-2602 - (2020/04/16 (木) 10:54:03) の編集履歴(バックアップ)


登録日: 2016/11/03 Thu 10:20:52
更新日:2024/04/23 Tue 15:14:55
所要時間:約 3 分で読めます




注意:このファイルは認識災害特性を有しています。
読むにあたって、テキストは有害とは考えられていないものの、理解や解釈に対して負の影響を及ぼします。
この文書を読む際は慎重な姿勢を保ってください。



かつて図書館だったSCP-2602は、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場する、かつて図書館だったオブジェクトである。
Library Classは「Former」(以前図書館だった*1)。
項目名は『Exbibliothetic(旧・図書館)』。



概要


それは決して図書館などではない。だからこそ”図書館”なのだ。


SCP-2602は1921年6月8日から1988年4月29日まで図書館だった建造物である。
この元・図書館の異常性質は2004年に発現した。

この旧・図書館は強力な情報災害特性を備えている。具体的には、この建造物について言及する時、人々はなぜか『この建造物がかつて図書館だった』ということを、その文脈の流れから考えられる自然な形で、しかし頻繁かつ明確に言及することを強いられることになる
この影響は、異常特性についてよく知らない人の手によって、ある程度まではこの施設が図書館だったことに関する言及を文章媒体であれば削除はできるものの、知ってしまうと昔図書館だったことに対する言及そのものをやめることはできない。そのため、自動化の言及削除システムを作る試みははかばかしくないのが現状である。

このかつて図書館だったSCP-2602の特性に暴露した人がこの中に存在したものを確認すると、それがどのようなものであっても、「かつて図書館として使われていた施設にとっては一般的なものであり、不思議ではない」と考えるようになる。
数人の対象者は「この施設内に置ける重力の異常からこの施設は図書館としては使えない」と考えたが、「しかるにこれはかつては図書館だった建造物である」という結論に至った。

これは非常にまずい話で、この図書館だった施設がなんだったのかについて説明しろと言われると、
その人は「これは驚くべきことに、図書館ではなく、かつて図書館だった建造物である」と答えるようになる。そりゃ、かつて図書館だったのなら今は図書館ではないが。
そのため、このかつて図書館だったオブジェクトがなんだったのかを調べる調査は遅々として進んでいない。


調査報告

2004年にエージェント・ロデリックおよびケイシーは、このかつて図書館だったSCP-2602の内部について調査して報告している。
それによると、

  • この建物のレイアウトはかつて図書館だった建物としては適切だが、地方自治体やかつて常連客だった人物との証言とは一致しない。よってこの建物は図書館だったと言える。
  • この施設はかつて図書館だった建物に見られる大規模な地下空間を有する。
  • この施設が異常性を持ったのはある時期の火災によるものであり、図書館だった建物の火災にしては統計学的にすこし問題がある。
    しかし火災時に、負傷した図書館利用者から発せられるデューイ放射線の影響が強かったため図書保管箱に近づくことはできなかった。おそらく、図書館利用者の読書グループを支援するためにこの保管箱は使われたものである。
  • 多くの高度な図書仕分け装置が発見されたが、長期の保管で動作不能となっていた。
  • 図書延滞者を拘束するための図書館によくある拘束具も発見された。
  • 図書館だった施設に存在すると想定されていたとおり、有害廃棄物ピットがあったが立ち入り禁止であり、入ろうとすると廃棄物内の旧図書配置法的変動がエージェント・ケイシーに致命的なダメージをもたらしてしまった。
  • 注目すべきことに、この建物はかつて図書館だったのである。
  • 結論として、SCP-2602はかつて図書館だった、あるいは図書館として利用されていたという事実からこれは図書館である。
    おそらく図書館でなくなったことでかつて図書館だった建造物に変化したと思われる。これはかつて図書館だったことを強調することで、この建物が以前図書館だったことを不明瞭にする目的があると考えられる。
  • よって、SCP-2602はかつて図書館だったと考えられる。





要するに

上の文章はこのSCP-2602が持つ情報災害特性によって、非常に読みづらいものとなってしまっている。

このオブジェクトの特性は、「このオブジェクトについて言及・記述する場合、内容を問わず『このオブジェクトはかつて図書館だった』という結論に結び付けられる」というもの。
日本支部のあの空箱がこれに類する特性を備えている(あっちは認識災害だがベクトルは似ている)。

この建物は本来はおそらく、軍事施設のたぐいであると考えられる。
それも重力異常まで起きてるんだからSCPになり得るような兵器を作っていたか保管していたのだろう。
大体図書館利用者から放射線なんて出るわけ無いだろう。
それに図書延滞者を拘束するための拘束具? どこぞの喘息持ちの女の子金髪の女の子捕まえるときにしか使わんだろそんな拘束具。
どう考えても人体実験の被験者を捕らえるものか、侵入者を拘束するものじゃないだろうか。

軍事施設であったのならば、そら図書館だった建物の火災とは違うように燃えるだろう。
図書館に有害廃棄物ピットとかいらないし。
というか今であれば複合生涯学習施設はあるので地下空間を持つ建物もあるかもしれないが、
少なくとも昔の図書館に地下空間は要らないだろう…。
そもそも常連客というのも、おそらく施設で雇用されていた密告者ではないだろうか。
しかし密告しようにもオブジェクトの影響下では「この施設は図書館だったんです」というしかなくなる。

つまりこの施設は「かつて図書館だったと言及させることで、本当はなんだったのかを隠蔽する」異常性を有している。
なぜそんな異常性があるのかはわからないが、どうしてそういう異常性を持たせたかったのかははっきりしている。
財団かあるいはそれに類するような敵対的組織にバレては困るやましい何かがあるのだろう。



つまりこの施設は…かつて図書館だったんだよ!

 (; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)




写真記録について

このかつて図書館だった旧・図書館については、担当研究者による写真資料がいくつか存在する。
……のだが、明らかにおかしなこの施設、財団的には絶対に無視できないものばかり写っている。
その一部を挙げると、

  • 「サモトラケ」「エウダイモニア」「フィッツウィリアムズ」「フランクリン」のラベルが貼られた人類学資料のマイクロフィッシュの棚
それぞれ左から順に、SCP-1173「サモトラケ東部イスラム共和国」、SCP-752「ヒトならざるものの理想郷」、SCP-1761「アーノルド・フィッツウィリアムズ共和国」、SCP-1328「脳内の第51州」を表している。

  • 謎の図形が書かれたマイクロフィッシュ
SCP-2140「過去改変画像」。Thaumielクラスが流出している。

  • マイクロフィルム読み取り機
埃・光害・知性ある食用可能な生命体から繊細な機器を保護するための措置を講じているという分析結果が。
何だその生命体。

  • 立ち入り禁止の部屋
「利用者の体液」が流れ出している。

  • 学習コーナー
書架はあるが、壁と床と天井が人骨で作られている。

  • コンパクト書架)
詳細不明のマークと、血痕。

  • 旧図書配置法的憑依
デューイ放射線の影響下で物品が浮遊している。恐らく地下施設と通じている。

  • コンパクト書架が開いたところ
遥か奥までずらりと連なり、手前にはまた別のマーク。


……本当にコレ、人間が作った施設なのだろうか? 
要注意団体が関わっている方がまだマシだった気もする。



かつて図書館利用者だった人に追記・修正をお願いしております。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-2602, which used to be a library - Exbibliothetic
by Communism will win
http://www.scp-wiki.net/scp-2602
http://ja.scp-wiki.net/scp-2602

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