お金

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お金 - (2022/09/16 (金) 22:39:04) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2018/05/22 Tue 22:29:56
更新日:2024/04/20 Sat 10:19:59
所要時間:約 12 分で読めます




「お金」とは、世界で最も人気のあるトレーディングカードゲーム(TCG)である。
なお「お金」は日本名であり、英語圏では「money」、ドイツ語圏では「Geld」など言語によって大きく名称が違うが、ここは日本のユーザーがほとんどだと思われるので日本語名を使用する。


概要

紀元前から存在するとも言われる最も歴史の古いTCG。遊戯王(古代エジプトから存在)にすら匹敵するかもしれない。
その形式・遊び方も時代や場所により大きく変貌しており、 決まったルールが存在しない という意味でも異色のTCGであると言えるかもしれない。

主な遊び方

1.まず、カード(ゲーム内呼称は「貨幣」)を集め、デッキを組み立てる。変わっているのは、同名カードの投入制限もデッキ上限も一切存在しないこと。これによる問題は後述。

2.対戦相手と向き合い、互いにデッキの内容を比べ合う。

3.カードの合計数字の大きい方が勝ち。

これ以外にも「『カブ』にカードを与えて育ててその結果を比べ合う」「カードの束で相手の頬を叩いて殴り倒す」「他品目との物々交換で何を得られたか競い合う」などの勝負の方法が確認されている。

敗者に課せられる罰ゲーム

遊戯王並みに歴史が古いこともあり、敗者への罰ゲームは闇のゲーム並にえげつないことで有名。主だったものだけでも……
  • 敗者はデッキを奪われる(まだマシ)
  • 仕事を失う
  • 家や車などの資産を奪われる
  • 恋人や婚約者を奪われる
  • 最悪、命すら失う
数あるTCGの中でも最も多くの人命を奪って来た罪深いゲームであるが、それでもなおこのゲームにのめり込む者は後を絶たない。

ゲームバランスの問題

長年に渡り愛好され続けてきたTCGにはよくあることだが、現在ではゲームバランスは非常に世紀末なことになっており、「初心者に優しくない」と非難されることも多い。
特に「デッキ枚数の上限も同名カードの制限もない」事の被害は深刻であり、現在の対戦環境は「最も数字の大きいカードをありったけ詰め込む」という工夫のし甲斐のないものになってしまっている。
また、「同じ初心者同士でも、親から既にデッキを受け継いでいる人とそうでない人で実力に差が出過ぎる」という問題も指摘されている。
後付けによるルールの複雑化も極まっており、「ルールの穴を突く」行為が現対戦環境では必須とも言われている。
偽造カードをデッキに投入する心ないプレイヤーも非常に多い。仮に判明した場合、そのようなプレイヤーは無条件で敗北とされ以降のゲーム参加の権利を失うが、そのリスクを知ってなお偽造カードの問題は多くのプレイヤーを悩ませている。

それ以外にもバトルする場所によっては特定のカード以外の効力が完全に失われる、というよりエリアごとに使用できるカードがかなり限られるため、事前に使用可能なカードを準備しておく必要がある。
しかも様々な事情でそれまで使用可能だったカードが一瞬にして紙くず同然になることもあり、数字が多いからと単一のカードだけを積むことのリスクは計り知れない。
ただどういう訳か主に日本で製造・使用される「円」は世界的に信用が高いとされ、「富裕層」と呼ばれるハイランカー達は自身のいるエリアのカード以外に円を所有している場合も少なくない。




追記・修正はプレイヤーの方々にお願いします。

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◎本当の概要

「お金」とはとっても大事なものである。アフラックのCMでも言っていたから間違いない。
それなりに年を食っている人が多いと思われるアニヲタ民にわざわざ「お金とは何か?」を辞書的に説明しても面白くないと思うので、具体的にお金の果たす役割を説明していこうと思う。

架空の通貨については該当項目を参照。

●お金の歴史

基本的に昔の人は物々交換して生活していた。それで別に困っていなかったわけだ。
例えばAさんは魚を20匹釣った。Bさんはイノシシを一頭狩ったとして、それぞれが互いの獲物を持ち寄ってこう相談したとしよう。

A「魚ばっかりで飽きちゃったよ。イノシシ肉食べたいな」
B「イノシシなんてうんざりだ。魚20匹の方がいいな」
と両者が合意すればそれでめでたく交換成立。自分の食べたいものを両者食べられて幸せ、となるわけである。

だが、ここでBが「このイノシシは苦労して狩ったんだ。魚30匹じゃないと交換できないよ」と言い出したらどうなるだろうか?
海の傍に住んでいるAと山の傍に住んでいるBが互いに苦労して運び合った獲物をまた自分の家に持ち帰る、という馬鹿らしいことをする羽目になるのだ。

そこで頭のいいAは考えた。

「とりあえずこの場はイノシシと魚を交換しよう。その代わりこの貝殻を一緒に渡しておく。
この貝殻は中々見つからない珍しいものだ。次に会った時、これを渡してくれれば『魚10匹分の貸しがある』ということを忘れずに済む」

そして、次にABが獲物を持ち寄った時、Aは貝殻を返してもらう代わりに、魚を10匹多く渡すことで以前の借りを清算できるのである。
これが貨幣文化の始まりであり、「直接的には価値のないものを交換し合うことで物々交換をスムーズに進める」ということを覚えた人類は文化を加速度的に発展させていくことになる。

まぁ実際にこんな簡単に話が進んだとも限らないが、「実用性はないが珍しいもの」に価値を見出す、という文化が生まれ、当初は珍しい貝殻などの自然物(お金関連の漢字にやたらと「貝」が付くのはこれが由来)を交換し合っていたが、交換し合う規模が大きくなるにつれて自然物同士のやり取りでは無理ができてきたため、人工物(貨幣)が使われるようになった、と考えられている。
要するにお金とはあくまで目印(トークン)に過ぎず、その本質は「鋳造された人間関係」のようなものである。
このため人が多ければ多いほど、人と人とのつながりが弱ければ弱いほど……つまり、発展した都会であるほどお金の価値は増し、その逆=田舎になれるほど下がっていく。
「都会になるほどお金で買えるものが多くなり、田舎であるほどお金で買えないものが多くなる」と思っていただくとイメージしやすいのではないだろうか。

小さな部族や田舎の中にはほとんどお金を持たずに物々交換や助け合いだけで生活しているところもあるが、それは「お互いに素性が分かっているのでわざわざ信頼の証を金属のコインに変える必要がないから」とも言える。
*1



●お金の機能

1.保存性
生き物は死ぬし、食材は腐る。
道具類はそれよりは長持ちするが、それでも使い続ければいずれは壊れる。
だが、お金は初めから道具としての使用は前提とされていない上に、変化する事の少ない金属類で作られているため、非常に劣化し難い。
それゆえに「大量に貯め込む」という事がし易いのである。

2.互換性
例えば上のABのやり取りでこんなことが起きたとしよう。
A「このイノシシは随分小さいな。これじゃあ魚15匹分ぐらいだ」
B「そっちの魚だって貧相だぞ。それなら30匹は貰わないと割に合わない」
「イノシシ一頭と魚20匹」を固定の交換レートとしていると、その時々の状況により交換レートに不満が出てきやすいのである。

「どれだけ小さくても魚一匹は一匹だ」という要求が通ってしまえばトラブルも多くなる。
しかし、ここでお金を間に入れるとやり取りはグッと楽になる。
「このサイズの魚20匹なら1万円で売れる」「このぐらいのイノシシなら1万5千円だ」と互いに換金した金額でやり取りすれば双方が納得したやり取りがしやすくなるのである。
また、物に対してだけでなく、労働力やサービス、技術力といった不定形のもの対価としても互換性を持つことができる。

が、ここには一つの落とし穴がある。
お金とは目印のようなものであって、お金それ自体に価値があるわけではない。
ということは、『何をお金とするのか』『あるものを交換する時、それに必要なお金の量をどうするか』を事前に取り決めておかなければ機能しないという欠点があるのだ。

たとえば上にあげたように、珍しい貝殻一つを「魚10匹分の貸し」の目印として預けておく場合。
AさんはBさんに貝殻ひとつ=魚10匹としたが、別の人Cさんに対しては目印に宝石を使うかもしれないし、珍しい動物の頭骨を使うかもしれない。
あるいは、また別の人Dさんとは「貝殻ひとつを魚20匹と交換する」という約束を交わすかもしれない。
こういう時、CさんがBさんのもとに(目印として)宝石を持っていっても魚10匹とは交換できないし、20匹欲しいDさんが同じ貝殻を持っていったとしても、貝殻ひとつを10匹分の貸しだと思っているBさんは当然10匹しか渡してくれない。

お金の正体は信頼であると言われるが、まさしくお互いがお金を「信じて」いないと、交換は成り立たないのである。
ただし、昔は身分階級制度が徹底されていた事も有って一般人と豪商や貴族などで使う価格帯などは違ったので、
  • 王侯貴族や豪商が取引に用いたり財産として貯蓄するのは金貨
  • 一般の農民町人や末端の小売商人が使うのは銅貨など
  • それらは例えば「銅貨100枚=金貨1枚」
……みたいな段階貨幣制度として存在した。

明治から導入された日本の「円銭厘制度」や米国の「ドル・ダイム・セント」、英国の「ポンド・ペニー・シリング・ギニー」等が該当する。
ただし、こういった制度は身分制度が崩壊すると却って計算が難しくなったり両替負担などが掛かる事から現在はこういった段階貨幣制度は取りやめ単一の貨幣単位を使用する傾向に有る。

こうした理由から現在のお金は、交換できる硬貨・紙幣を制限したり、お金1単位がどのくらいの価値を持つかの指標「レート」を定めたりしているが、どちらも国家情勢や景気に影響されて変化することがある。
そのため、時期によって同じ額面でも交換できる量が同じとは限らないので注意。
このあたりはインフレーションを参照のこと。

3.携帯性
「小さくて薄くて持ち運びしやすい」という特性も忘れてはならない。
物々交換では商品同士を直接持ち運びする必要があったが、貨幣経済ならお金だけを携帯すればよい。


◎お金の種類

  • 硬貨
最も歴史の古いタイプのお金。コイン。
貴金属を一定量含み、「硬貨自体にそれを保証する価値がある」という最も解り易いタイプのお金。
このタイプの貨幣の信頼性は「どれだけ貴金属を含んでいるか?」ということであり、両替商の主な仕事の一つはコインの金・銀含有量を調べそれらの価値を保証することでもあった。
例え発行者が権力を失っても、鋳潰して貴金属にすればある程度の価値が保証されている点で信頼性は他とは比べ物にならない程高い。
なお、西洋では偽造防止の為の複雑な刻印を作る目的と権威による価値を保証する意味もあってコインの価格面の反対側は偉い人の顔を彫り込むのが主流だったが
東洋では「貴人は顔を隠す」のが基本だったこともあり、文字だけのシンプルなものが大半でそのため実用性や製造性を重視し
コインの中心に穴を開ける文化が発達するようになった。そして多数を纏めたり携帯する際には紐などを穴に通して持つ事で持ち運び易くした。
その名残が中央に穴の空けてある五円玉五十円玉である。
現在では中国ではコインそのものが流通しておらず、紙幣オンリーであることもあり、五円玉は海外の人に珍しいコインとして喜ばれやすいお土産になっている。

  • 紙幣
元々は「コインは重いし、使い続けると摩耗してしまうなぁ」と思った商人達が「この紙を持って行けば紙に書かれた分の金と交換してくれるよ」という証書(今でいえば約束手形や小切手)を使い始めたのが始まり。
そのため、紙幣は元来全て「兌換紙幣(その価値を保証する何かしらの貴金属があり、その貴金属の価値に紙幣の価値も依存する)」であったが、世界経済の大幅な拡大・グローバル化に伴う金本位制の終焉により、現在は「不換紙幣」が主流になっている。
20世紀後半からは、偽造に対する抵抗性向上を狙った合成樹脂製の「ポリマー紙幣」も登場している。製造コストは高いが、従来の紙幣よりも丈夫なため、長い目で見れば安上がりと言われている。

金属の貨幣と違って紙そのものには価値がほとんどないため、通貨発行者が権力を失うと一発で単なる紙切れと化すリスクがある。今じゃケツをふく紙にもなりゃしねってのによぉ!*2
戦時中現地から品物を買い付けたり軍人の給料にするために発行する紙幣(軍票)は、敗戦に伴ってすぐに価値がなくなってしまう。
太平洋戦争における日本軍の発行した軍票でそういった問題が起きているが、別に日本軍特有の問題ではない。

  • 仮想通貨
ビットコインなどに代表される、電子データでしか存在しない貨幣。
通常の貨幣が何らかの紙幣・硬貨として存在するのに対し、仮想通貨はそうした実体を持たない。
発行者は様々で、通貨の開発者であったり、企業であったり、最近では国家が発行した仮想通貨というのもある。
まだ歴史が浅く立場も相場も非常に不安定。
自由度の高い成長産業であるためこれで大儲けした人ももちろんいるのだが、暴落する場合もあるし、暴落しても国は価値を保証してくれない。

  • 電子マネー
お金…と言うべきではない。
名前のせいで誤解しやすいが実際には「決済手段」に過ぎず、貨幣の代わりではなく貨幣を使うための仕組みを指す。
一部、通貨と置き換えるようにして利用するものもあるが、それも通常の通貨から変換しているだけであり、電子マネー単体で通貨の役割を果たせるものは存在していない。
利用者は現金でなく携帯端末やカードを持ち、対応した店舗でのみ使用できる。
これの発達によりもはや紙幣の時代すら終わりに近づいている、という人々も多い。
利点としては現金を持ち歩かないため盗まれにくく、特に店舗側としては奪われる心配が無いため強盗被害に遭いにくくなるという点が挙げられる。
紙幣と異なり、決済業者間のやり取りによって「いつ、どこで、誰が、何に、いくら使ったのか」という記録が残るため、情報が洩れると厄介なこと*3に使いづらく、また店舗側も売り上げをごまかしにくくなり、脱税の難度を押し上げることとなる。
これらの点から特に治安の悪い国・地域での導入が盛んに行われている。
なお、日本では他の先進国に比べても普及が進んでいない…というのも、自販機で紙幣が使えるほどの治安の良さが逆に普及の足を引っ張るという状況にあるが故。
…などという言説がなされているが、実際は「端末導入のコストがなかなか下がらない」「地震等災害の多い国土では停電中に使えなくなるリスクが無視できない」「海外は偽札率が高い(後述)ため一般的な通貨の信用性が日本ほど高くない」などの要素が大きい。


◎世界の変わったお金

  • 慶長大判
長さ14.6センチ、重量164グラム 。「記念貨幣などではない大量製造された金貨」としては間違いなく世界最大クラスの大物。
なお、流石に一般流通はほとんどしておらず、勲章やメダルに近い扱いであったようである。

  • カンガルー金貨
現在ギネスに載っている世界最大の金貨。名前の通りオーストラリア産。
直径80センチ、重量は1トン というとんでもないコイン。マンホールの蓋ですか
当たり前だが、完全な記念品である。

  • 分割銀貨
西インド諸島などで使われた変わったお金。
コイン自体がいくつかのパーツに分かれるという風変わりなデザイン。
詳細不明。情報求む。

  • 切手紙幣
第一次世界大戦末期のロシアで、物資の不足からコインが作れなくなり、紙幣の製造も間に合わなかったために切手の製造ラインを流用して作られた世界最小の紙幣。
切手サイズなので縦3センチ、横2.6センチという吹けば飛ぶような小ささ。

  • 陶銭
シャム王国などで使われた陶器のお金。
壊れないのか心配になる代物である。

  • 串型オボロス貨
古代ギリシャの都市国家のひとつ、スパルタで使われていたと言われるお金。
鉄製で、長さは1メートル、値段は6本で1ドラクマ*4だったそう。

  • ヤップ島の石貨
ミクロネシア・ヤップ島で使われている石の貨幣だが、最大で5tほどにもなる中央に穴の開いた石が通用している。
もっとも、「(日本円で)〇円」という様に価値が決まっている訳ではなく骨董品の物々交換の様な取引に使われるため、厳密には貨幣とはいえない。
無論、支払い時も運搬はせず所有権が移るだけである。
ちなみに材料となる石はミクロネシアでは採れないもので、隣のパラオで採っている。
なお、現地では米ドルが使える。

  • ジンバブエドル
「インフレし過ぎたお金」として知名度の高いお金。
インフレの説明はインフレーションの記事に譲るが、とにもかくにもこのジンバブエドル、価値がめっちゃくちゃ低いのである。
300兆ジンバブエドル集めても日本円でたったの1円にしかならないと言えば伝わるだろうか。
ジンバブエでは5000兆ジンバブエドル稼いでもうまい棒一本しか買えないのだ……
当然、こんな無茶苦茶に暴落したお金が利用に耐えるはずもないので、現在は廃止されている。
一部ではこのヤケクソな額面がネタにされてジョークアイテムになっていたり。
因みにイグノーベル賞受賞者には賞金として10兆ジンバブエドルが贈られる。やはりジョークグッズ扱いである。

  • 1(がい)ペンゴ券
「世界最大のインフレ貨幣と言えば?」→「ジンバブエドル!」と答えたあなた、不正解である。
単純な額面における世界最大の貨幣はこれ、 100000000000000000000ペンゴ である。0が多すぎてよくわからない。
第二次世界大戦後の急速なインフレでハンガリーで発行された代物。混乱期にはこんなんものも出てくるのだ。
さらには印刷されただけで発行こそされていないものの、これよりひとつ桁の多い''10 (がい)ペンゴ''券なんてものもあったとか。
ペンゲーとも呼ばれることもある。

  • 乙二百円券
昭和金融恐慌の折、取り付け騒ぎに対抗するための最終手段として発行。
片面しか印刷されていない という紙幣になっているのか怪しいもの。オマケに表面の印刷も粗かったらしい。
当たり前だが印刷が追い付き次第、日本銀行が回収して正規のものと交換したため、払い出されて市中に残った現存数はかなり少ない。

正にカードゲームのお金。元大統領じゃないよ。
1600年代後半、北米大陸に於けるフランスの占領地域で、銀貨不足を補うためにトランプを利用したお金が作られ、しばらくの間流通していた。
総督政府の監察官が1枚1枚、直々に金額とサインを書き込んで判を押していたという。後には普通の厚紙を台紙にした物も発行された。
一説にはこれがアメリカ大陸に於ける史上初の紙幣ともされる。


◎お金の偽造

「お金が欲しいから自分で1万円札をコピーして作っちゃえ!!」
そんなこと誰もは一度くらいは考えたことがあるんじゃないだろうか?

もちろんそんなことが許されては経済が滅茶苦茶になる。
硬貨は額面価値が低い&製造コストが掛かるため現在は偽造され難いが、紙幣は製造コストが比較的安く、偽札作りが多い。参考までに、正規の1万円札の原価は22~24円程度とされている。
そのため多くの国では紙幣には最高級の偽造防止技術が投入されている。
例えば紙幣のデザインに髭面の人物像を採用する事が多いのも、少しでも細かく描きこんで偽造しにくくする為である。
日本の偽札防止は世界的にも最高クラスであり、出回っている金銭の偽札率はユーロの216分の1、米ドルの638分の1にまで抑えられている。
少なくともそこらのコピー機に通すなんてちゃちな方法は全く通じないし、紙幣に使う紙すら、政府の許可なく買えないことになっている。

但し明治の電信に始まり90年代のFAXなどでお金を送ろうとしてコピーしてしまったという笑い話ネタはかつてよくあった。
勿論送られた本人はこんなもん使えねーだろって怒ったりするのがオチである。

それでも偽札を作るのは完全なプロの犯行である。
ルパン三世 カリオストロの城』では独立国家が国ぐるみで偽札作りをしていたが、それ位の大組織の力が無いと精巧な偽札は作り難いのだ。
また一枚や二枚程度では利益もたかが知れており、大規模に印刷できる位でなければ犯罪として割に合わないのもある。
ただ、偽札作りの動機が「自分の技術を試したい」という愉快犯のケースもあり、この場合明らかに偽札の額面価格より製造コストの方がかかっている様な利益度外視の事例もあったりする。
許されない犯罪ではあるが、儲け狙いでやるより経済への悪影響は小さいのが救いと言えば救い。

行使目的で紙幣の偽造をすれば3年以上の懲役という厳罰が待っている。
とはいえ、コピー機の発達によって偽札の印刷が行われる例も後を絶たないようだ、ただし本物のお札は視覚障碍者用の凹凸面や「透かし」が存在するので単純な印刷コピーでの偽札はバレやすい。

自動販売機などの機械の判別機をごまかすタイプの偽札もある。
外観にこだわらないため一見するとお札に見えないかもしれない。過去には磁気テープを紙に貼り付けた様な偽札もあった。

また、例え使うつもりのないアクセサリーだとしても、実際に発行されている通貨と似たものを作るだけで「通貨及び証券模造取締法」違反でやはり犯罪となる。
おもちゃである子供銀行券の類でも、似せすぎて犯罪にならないよう結構考えて作っているのだ。
警察に相談して「この程度似てるくらいなら大丈夫だよ!」ということでお札に似たチケットを配ったら、警察の判断ミスで犯罪者になってしまったという実例もある。

偽札を掴まされた場合、偽札と知らずに使おうとしたならば罪にはならない。
警察に偽札を没収されて事情を聴かれることになるのは当然避けられないが。
だが掴まされた偽札でもそれを認知した上で使おうとすると罪になるので要注意、偽札と分かっている場合は素直に最寄りの警察に申告しよう。




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