インフレーション

登録日:2011/09/25(日) 14:52:50
更新日:2024/03/05 Tue 15:16:50
所要時間:約 24 分で読めます




(´^ω^`)「お家で一生懸命お手伝いしたら、かあちゃんがお小遣いを500円もくれたお! という訳で今日はリッチにかき氷でも食うお!」

?「リンジニュースデス,サキホドザイムショウガ...」

(´^ω^`)「冥殿ちゃんの駄菓子屋のかき氷は300円と安いのに量もあってとっても美味しいお! 今日はそれに白玉とアイスも乗せちまうお!とっても贅沢だお!!」

?「トツゼンノハイパーインフレニワガクニノブッカハ...」

(´^ω^`)「冥殿ちゃん、マンゴーかき氷の白玉アイス乗せをお願いするお!」

(´冥ω殿`)「はいよー。あ、さっき外務省の発表で円の貨幣価値が1/100に下がっちまったから、代金は普段の100倍で50000円な?(てへぺろ」

(´゚ω゚`)「   」チャリーン

問題:このときのますらおの気持ちを短歌風に記述しなさい(15点)

回答:宇宙創成ビッグバン理論の中核をなすモデルの一つ。ビッグバン直後の一瞬、以後の拡散速度を遙かに上回る猛烈なスピードで膨張したとされるもので、
   それまでのビッグバン理論が抱えていた数々の弱点を解決する画期的なモデルとされ、現在も研究が進められている。
   この「インフレーション」は、経済学におけるインフレになぞらえて名付けられた。
うん、間違っちゃいない、間違っちゃいないがアニヲタ的には満足いく回答じゃないんだ。
では適切な回答を如何に示そう。


◇概要

インフレーションとは経済学用語でモノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇すると共に、
貨幣の価値が持続的に減少していく経済現象である。
日本語の略称はインフレ。反対に貨幣の価値が上がりモノの価値が下がることをデフレーション(デフレ)という。

簡単に言ってしまえば、みんながいっぱい好きなだけお金を持っているのに、モノが少ないせいでモノの方が貴重になり、
結果たくさんお金を出さないといけないくらいにモノの価値が上がってしまう現象である。

以下、本項目ではなるたけ深い部分まで、分かりやすくなるように例を挙げながら説明するよう努力する。
また、項目内容量的にもインフレしちゃっている点は先に謝罪と補足を加えておく。



◇インフレという現象

さて、まずは概要だけじゃイマイチピンと来ないと目を潤ませているであろう画面の向こうのメガネの似合う美少女達の為に、
インフレというものを具体例を踏まえて説明してみよう。

ここにアニヲタ国という国があるとします。
国のトップはもちろん(´冥ω殿`)
(´冥ω殿`)は政治、国防、外交、教育、流通、貿易、果ては今夜のおかずから明日のエロゲまであらゆる事を一人でどうにかしています。

そして、他には以下の6人の国民がいるとします。
(´^ω^`) (´・ω・`) (´・_・`) ノξ*゚⊿゚)ξ <`∀´ > J( 'ー`)し

6人はそれぞれ働いており、普段は以下の様に給料(手取り)をもらっています。
(´^ω^`) 108万円
(´・ω・`) 130万円
(´・_・`)  95万円
ノξ*゚⊿゚)ξ  80万円
<`∀´ >   85万円
J( 'ー`)し  102万円

すると、この国内で国民が利用できるお金は合計で600万円になります。
ということはこの国では月に1000万円とか2000万円の出費は早々無い事がわかるため、
商業も執り行っている(´冥ω殿`)は次のように考えます。

(´冥ω殿`)「こいつらが使える限界の額は合計で月600万円だ。つまり、明らかに月に600万円分以上の商品は必要ないってことになるな」

そこで(´冥ω殿`)は国のために丼勘定で商品(600万円分)を用意し、国に流通させました。
(貯金などもありえるため600万円分でも多すぎるんですが、とりあえずこういう体で進みます)

そんなある日のことです。
国民みんなが頑張って働いた結果、国の経済が成長し、6人の給料が上がりました!
(´^ω^`) 108万円→118万
(´・ω・`) 130万円→140万
(´・_・`)  95万円→105万
ノξ*゚⊿゚)ξ  80万円→90万
<`∀´ >   85万円→95万
J( 'ー`)し  102万円→112万

するとどうでしょう。突然国全体で660万円のお金が使えるようになりました。
となるとみんなこう思うはずです。
「今までよりもっとたくさんのものを買えるようになるぞ!」と。

しかし、(´冥ω殿`)は今まで多くて600万円分の商品しか市場に流していなかったため、
突然生じた60万円分の需要をまかなえるだけの製品をすぐには用意することができません。
(ある工場が、農家が、その他諸々の企業が、突然次の日から生産量を増やせと言われて『はいそうですか』とできるでしょうか?そういうことです。)
するとどうなるでしょうか?

(´^ω^`)「おっお!そのエロゲーはおいらが買うお!お金ならあるお!」

(´・ω・`)「待ってよ、僕だってお金はあるしそれが欲しいんだ。」

(´・_・`)「僕もです!」

(´冥ω殿`)「うーん困ったなぁ。」

みんながたくさんお金が使えるようになっても、このように市場が品薄になってしまう現象が起き始めます。
お金を使いたくても使えない、使えるお金の量に対して製品の量が少なくなってしまうのです。

そうすると、みんな高くても買おうと思うようになり、お金の価値はモノの価値に対して低くなっていきます。

(´^ω^`)「じゃあおいらは今までの額の1.3倍出すお!これなら文句ないお!!」

(´冥ω殿`)「分かった、じゃあ売ってやろう。」

(´・ω・`)「うーん、1.3倍の値段はさすがに出せないや。」

(´・_・`)「1.1倍くらいなら出せたんですけどねぇ」

(´冥ω殿`)(ん?つーことは品薄を理由に今後ずっと値段を釣り上げたまんまにしても売れるってことか??)

(※ 分岐点 ※)


(´冥ω殿`)(いや、でも今まで100円のものを突然200円とかにしてもみんなげんなりするだろうからな。せいぜい3円の値上げくらいにしとこう。)

こうして、(´冥ω殿`)は新しい製品が増産可能になるまでの一時的な処置として全体的なゆるやかな値上げ(モノの価値の上昇)を決めました。
これによってみんなの消費への欲求はある程度下がりました。

しかし、(´冥ω殿`)はある失敗をしてしまいます。

(´冥ω殿`)「えー、60万円分増産できなくて40万円分しか増やせなかっただって……?どーしよ、また市場が大混乱するぞ、どうしよ……」

そう、(´冥ω殿`)は60万円分の製品を増やせなかったのです。これはたいへんですね。
元々60万円分のモノを市場に追加する予定だったのに40万円分では2/3しか増えていません。
これではまたしてもモノの不足から市場が混乱しかねません。

(´冥ω殿`)(これじゃあきっとみんなまた怒るだろうなぁ……これは先に謝った方がいいな。)

(´冥ω殿`)「みんなごめんなs…」

ノξ*゚⊿゚)ξ「あらアンタ、べ、別に褒めるわけじゃないけど今回は本当にご苦労様。アンタのお陰で品薄が解消されてみんな喜んでるわよ。」

( Д ) ゚ ゚「って、あるぇぇぇぇぇぇええええええ!?!?!?!?!?!?」

なんと、増産が本来の予定量に足りないにもかかわらず、製品が足りなくなることも余ることもなかったのです。
理由は単純。冥殿はみんなの消費欲求を抑えるためにモノの値段を1.03倍にしました。
すると、市場にある全製品の合計価値は600*1.03=618万円分になったわけです。
そこにかつての40万円分すなわち現在40*1.03=41.2万円分の価値がプラスされました。
となると全体としては≒660万円分のモノがある状態になっているのです。なんと結果オーライでうまく行ってしまったのです。

ここで冥殿は気が付きました。

(´冥ω殿`)「そーか、みんなのお金が増えて需要が上がっても安易にモノの数を増やしちゃいけないんだ。
モノの価値そのものを増やせば、それだけ少ない増産でも市場はコントロールできるんだな、これが。」

これがなぜ重要なのでしょうか?実はモノの量を一気に増やすというのは非常に難しいのです。
先ほども言いましたが、突然次の日から生産量を増やせと言われて『はいそうですか』とは行かないのです。

土地の制約、輸送量の制約、人員の制約、サーバの容量・負荷の制約などなどいきなり産出量を増やせるような職種はほとんどありません。
しかし、国のお金の量が徐々に増えていく、成長していると仮定すれば、常にモノは増え続けないといけません。
つまり、素直にお金の量に合わせてモノを増やそうとしても産業の方が疲弊してしまうのです。
そこでモノの価値を上げることによってバランスを取る必要が出てきます。

実は、特にコレが重要になるのはインフレではなくデフレのときなのです。
思い出してみてください。日本の平成不況の最中、多くの企業が工場の閉鎖や人員の削減などをしていませんでしたか?
あれはその企業の売上や人気が落ちて落ち目になったから、と捉えられがちですが実は違うのです。
インフレとデフレ、両者をもう一度比較してみましょう。
・インフレ:市場のお金が増えるからモノが増える、するとモノをたくさん作らなくてはいけなくなる
・デフレ :市場のお金が減るからモノが減る、するとモノをたくさん作らなくてもよくなってしまう
こう考えると、インフレ時に調子に乗って増産しまくるとデフレの時にそれは『産業のリストラ(再構築)』という形で、
手痛い打撃となって返って来ることがわかります。
すると、市場をコントロールする側としては需要の増加に対して安易にモノを増やせばいいという考えがなくなるのは明白でしょう。

ちょっと話は逸れましたが、お金が増えるにつれてモノが増える・モノの価値が増えるという関係、これこそがインフレなのです。
(ちなみに『お金が増えるにつれて』と書きましたが、
どういうお金がどういう風に増えるとどういう風にモノやモノの価値を増やすのか考えてみると面白いかもしれません。
新聞によく書いてあるデフレ対策などがやろうとしているのはまさにそういうことです。)



…と、ここまで聞いて思った人もいるはずだ。

「え、インフレって良くないイメージあったけどこれだとごく自然のことじゃね???」と。

そう、実は上記のインフレはかつて日本が高度経済成長期に経験した『国の成長を促す』インフレに近いものである。
逆にかつて日本が経験したオイルショックのような『国を破壊しうる』インフレも存在している。
このようにインフレには『よいインフレ』『よくないインフレ』があり、これらを混同してしまうのは非常に危険である。

前者のようなよいインフレは、上記の例のように『お金の量とモノの価値の上昇が相互に、緩やかに、繰り返される』インフレである。
この健全なインフレはクリーピング・インフレと呼ばれることがある。
では逆によくないインフレはと言うと…それは次項で説明する。



◇よくないインフレ

という訳でよくないインフレを説明しよう。

ところで突然だが、日本人は自分たちが健全なインフレの恩恵を受けて急成長してきた国にもかかわらず、
かーなーりーインフレに敏感というかインフレを恐れているフシがある。

それもそのはずで、日本ではインフレといえばオイルショック・バブル経済の2大バッドイベントという方程式が我々のDNAにまで刻み込まれているからである。
更には近年、ジンバブエドルの報道とともにインフレの強烈な不のイメージが強められたのも大きいだろう。
実はこれらのよくないインフレは先述したよいインフレ(クリーピング・インフレ)とは大きな違いを持っている。

1.ギャロッピング・インフレ(早足で進むインフレ)

先ほどのアニヲタ国の話を(※ 分岐点 ※)の所から見ていこう。

ここで(´冥ω殿`)はある大事なことに気がついてしまいます。
今回、お金が増えたことによって、品薄が生じお金の価値が減った(=モノの価値が増えた)わけですが、
この後(´冥ω殿`)は数週間・数ヶ月後にお金が増えた分だけの商品を市場に投入するつもりでいました。

しかし、もしも(´冥ω殿`)がモノの値段(すなわちモノの価値)を1.1倍に釣り上げたらどうなるでしょう?
今回の例では市場に600万円分の価値のモノが存在しているので、市場に存在するお金の分の660万円分の製品があたかも存在してしまう状態となります。

(´冥ω殿`)(うはw俺天才wwwwわざわざモノ増やさなくてもええやんwwwwww)

しかし、これではお金が増えた分値段が釣り上げられた状態となるので、結局国民の豊かさに変化はありません。
するとお金が増えているのにもかかわらず、経済活動の回数や規模にほとんど変化がありません。
もっと言えばモノの数が一切増えていないのです。

すると、どうなるでしょうか?
J( 'ー`)し「カーチャン、タカシのために頑張っているのに、生活はちっとも良くならないよ…」

という『働けども働けども我が暮らしは楽にならざりけり』状態となってしまいます。
これだけならまだしも、大抵の場合にはひどい格差社会を生み出すに至ります。

どういうことかといえば、
この例は「みんなのお金は増えているけど、同じようにモノの価値が上がって相殺されてしまう」という例でした。
しかし「みんなのお金は増えている」という前提には落とし穴があります。これは『平均して』という暗黙の枕詞があるのです。

つまり、お金が増えない人、逆に減る人だっているのです。
にもかかわらず「みんなお金が増えている」という前提でモノの価値を過剰に増やしてしまうと、生活ができない人間が現れ始めます。
例えばですが、あなたが月10万円で暮らしているとして日々のパンの値段が200円から400円へと倍になったら生活できますか?多分できないでしょう。

こうなるともう国としては国民全体が疲弊したひどい状態と言わざるをえません。

以上をまとめると、モノの価値の増加がとてつもない速度で起きる事をギャロッピング・インフレと言います。


大抵この後、後述するスタグフレーションやハイパー・インフレを引き起こし、国として瓦解していくパターンとなる。
先ほど、よいインフレがお金とモノの緩やかな上昇を相互に繰り返す状態と言ったが、これは言うなればモノの価値だけが増えた状態なのである。

どうしてこうなってしまうかと言えば、簡単な話だ。理由は2つある。
1.モノが無いか、モノを十分に作るだけの技術がない
先ほどは

(´冥ω殿`)(うはw俺天才wwwwわざわざモノ増やさなくてもええやんwwwwww)

とか言っており、『増産できるのにしようとしない』というアコギな姿勢に立っているため分かりづらいが、
多くの発展途上国においては以下のような状態の方が圧倒的に多い。

(´冥ω殿`)(アカン…市場に増やすだけのモノも、それを作るためのエネルギーも原材料も技術もあらへん……)

となるとどうなるだろうか?そう、モノを増やす・モノの価値を増やすというバランスの取り方が極端に「モノの価値を増やす」側に偏ってしまう。
コレが如何に危険なことかは言うまでもないだろう。

たとえばアルゼンチン,ブラジル,チリ,コロンビア等の南米諸国などは技術のない側にあたると言われている。
これらの国は、北米と違い十分な近代化が行われなかった背景もあり、第2次大戦後ずっと毎年20%から数百%ものインフレ率を経験し続けている。
こうした諸国では巨額な財政赤字を毎年出しつづけており,それが高い通貨の増加率と相まって高いインフレ率の原因となっていると見られる。

2.政治や経営能力が低く、適切な介入を行わない

もう一度(※ 分岐点 ※)の所から見てみよう。ここで(´冥ω殿`)は「モノの価値」を1.03倍に増やしてみんなの需要を抑制したり、
国の経済成長に合わせてすぐさま増産を決定したりするなど、かなり精力的に動いている。
しかし、(´冥ω殿`)がなーんも考えず「ま、なるようにならぁね」とか言って全てをほっぽり出していたらどうなっただろうか?

実はこうなると勝手にギャロッピング・インフレになってしまうのである。
理屈は簡単で、
1.お金はある、けどモノはない

2.他人よりお金をたくさん出して買うようになる

3.そして、その増えた値段が当たり前になる(お金の価値が減る)

4.増えたお金の量を帳消しにするまで1.~3.のループが続く

4.になった段階で、(´冥ω殿`)が「物価を1.1倍にするぞ!!!!」と言ったのと同等の事が起きているのが分かるだろう。(多少は速度が緩やかかもしれないが)
如何に国や企業の政治・経営手腕が重要かがよく分かるというものである。
もちろんこれら次第では国は死ぬ。後述するスタグフレーションやハイパー・インフレなんかは大体お上がやらかした結果である。
なお、本項目では分かりやすさのためあえて『銀行』という存在を割とガン無視して話をしているが、
よくニュースや新聞で日銀が市場介入うんたらとか言っているのは適切に市場に介入して市場がひいては国がぶっ壊れるのを防ぎ経済成長を促進させるためである。


2.スタグフレーション(最悪の経済状態)

スタグフレーション(stagflation)とは、スタグネーション(stagnation:停滞)とインフレーション(inflation:物価上昇)を合成させた言葉で、
景気後退局面にありながらもモノ不足によりインフレの状態となることを意味する。

以下の状態を思い浮かべて欲しい。

(´冥ω殿`)(最近、ウチの国調子悪いなぁ・・・)

(´冥ω殿`)(まー、調子のいい悪いは必ず巡ってくるものだし、今はガマンの時だと思って次の好景気のために堅実な政策をうんたらかんたら・・・)

ノリ゚ー[゚]リ|「マ、マスター大変です!!!」

(´冥ω殿`)「ん、どしたの?鯖落ちた?」

リトイリ゚ヮ゚ル「どしたのじゃないよ!!某国が石油の輸出量を半分にするって!!」

ノリ゚ー[゚]リ|「しかもそれがネットで国民に伝わってしまったらしく、デパートやスーパーが人で溢れているようです。」

(´冥ω殿`)「・・・ウチの国オワタ」

さて、インフレとは何だったでしょうか?
みんなのお金が増えて、それに合わせてモノの量も増えていくというそういうサイクルだったはずです。

しかし、この場合はモノを作るための原材料(例では石油)が不足しました。
さて、この後どうなるでしょう?

まずお金の数は一定の状態です。しかし、原材料の不足でモノの量が一気に減ります。
モノの量が一気に減ると、減ったモノの量を補うためにモノの価値を上昇せざるを得なくなります。
そしてそのモノの不足が、例えば食料品などの生活必需品だった場合、
それがなくては生活ができないため需要量は下がることはなくみんながそれを買いに来ます。

しかし、モノは減っています。売れる数は限られています。
となると、モノの奪い合いが起き、徐々にたくさんお金を出せる人達だけがそれを買えるという状態に陥り、。
その結果モノの値段は更に上がっていく(≒お金の価値が減る)というインフレが起きてしまいます。

このような景気後退期に起きるモノの突発的な不足によるインフレをスタグフレーションと言います。


前述の健全なインフレと比べても分かるように、この状態となった国家の経済のバランスはかなり危うい状態であり、
生活必需品を求めて人々が狂ったようにモノを奪い合う光景が広がる。
そのくせ、景気後退期(すなわちお金は増えるどころか、一定だったり減ったりしている)の状態で起きるため、賃金の上昇による問題の解決もままならない。

大抵の場合スタグフレーションの背景にはかつてのオイルショックのように原材料の供給者の思惑で引き起こされる。
すなわち、スタグフレーションは政治に爆弾を抱えている状態であるとも言え、後述するハイパー・インフレの第一段階としてこのインフレを捉える人もいる。
(そしておそらくそれは大抵の場合正しい)

3.ハイパー・インフレ(インフレ率が極端に上昇していくインフレ)

~アニヲタ的イメージ~
(`冥ω殿´)「動け、動け、動け!動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動いてよ!」

(`冥ω殿´)「今動かなきゃ、今やらなきゃ、国が死んじゃうんだ!もうそんなの嫌なんだよ!」

(`冥ω殿´)「だから、動いてよ!」

ノリ゚ー[゚]リ|「か、貨幣、再印刷…」

リトイリ゚ヮ゚ル「すごい…」

ノリ゚ー[゚]リ|「まさか…信じられません、国内のインフレ率が230000000%を超えています!」

、ノiリ゚听ソ 「やはり目覚めたのね、彼女(ハイパー・インフレ)が。」


インフレが経済政策の失敗等により制御できなくなり、貨幣の価値がゼロに近くなることをハイパー・インフレという。
つまり、国の政治が大失敗してインフレになってしまう事を指す。そりゃあ確かに国がぶっ壊れた結果のインフレなんだから良くないに決まっている。
有名な例としては第一次世界大戦後のドイツや最近ではジンバブエの例がある。
ドイツの場合、敗戦により実体経済がボロボロになっているところに、経済政策を殆どしなかったことが重なっており、
買い物に行くのに山盛りの札束を持っていく様子等は教科書でも見たことがあるだろう。
ジンバブエの場合、過度なナショナリスティックな経済政策が自主的な経済的鎖国状態を産み、その中で貨幣を印刷し続けたのが原因である。

因みに戦後の日本も著しいインフレに見舞われたが、敗戦のショックもさることながら、
戦時中に実体経済にあわないほどの貨幣を刷りまくって軍資金を作っていたという事情によるものである。

このような政体変更型のインフレはカダフィ失脚後のリビアでも起こると言われている。


さて、以上のようによくないインフレを紹介した。
インフレとは本質的に「お金の価値の減少とモノの価値の増加」である。
しかし、何が原因となってお金の価値の減少・モノの価値の増加が起きるかによって、私達の生活を脅かすような存在となってしまうのだ。



◇お金ってなんだろう

と、ここまで読み進めた裸エプロンの似合う淑女の皆様においてはこう思うのではないだろうか?
「この項目を読んで、お金というものがよく分からなくなった」と。

ここまでインフレという話を通じて「お金とモノ」という関係を強調してきたが、
どう考えてもあらゆる中心にあるのは「お金」であり、このお金は突然増えたり減ったり、経済を壊したり育てたりする。まるで魔法のようだ。

この項目を編集した人もまだまだ不勉強で、お金が何なのかについて深い造詣があるわけではない。
なので以下はあくまで一つの説というか、「お金とはなにか」についてこういう考え方もあるよ程度に受け取って欲しい。

本来お金とはモノとモノの交換によって成り立っていた不便な経済を解消するための人類の発明である。
大量のお米を持って何kmも歩かなければ大量の魚が手に入らなかったものが、
持ち運びの便利なお金の登場によって海に行って魚を「買う」だけでよくなった。
となると、こんな便利なものを使いたくないなんて人はいないわけで、気がつけば人々はどんどん便利なお金を使うようになっていった。

するとお金はどんどんと増えていった。なぜなら、お金が価値を肩代わりするためのものだからだ。
お米1kgとカツオ一匹が同じ価値だとしよう。
この取引を行うために金貨1枚が必要だとすると、
お米やカツオの数が増えたり、ふつうのものよりも美味しいお米やカツオが登場したり、同じ取引をしたい人が増えると、
金貨1枚では取引を行えなくなってしまうのが分かるだろう。
すると、お金そのものが増えないといけなくなってしまう、というわけだ。

これは言い換えれば、経済の規模が大きくなればなるほどお金が増え続けなくてはいけないということであった。
そして、「お金は増え続ける」という特性故にお金が何であるかが重要になった。

初めは金のような希少物が宗教的な意味合いからもお金として振る舞われたが、お金の登場は経済の発展を促す。
これによってお金の量も増えていくと金のような希少物は量が足りないためにお金として振る舞えなくなっていった。
その内、仮想通貨の基礎概念、つまり希少金属の代替としてお金はより量のある銅などの金属に移り変わっていき、最終的には印刷技術の普及に伴いお金は紙幣となった。

これらはすべて経済が成長し、モノが増えた結果、お金そのものが増えなくてはいけなくなった結果生じたことだ。

そして、20世紀に入り各国は兌換制度を廃止し、金・ドル本位制をも廃止し、結局お金に対して「その価値を保証する後ろ盾」の一切を無くした。
(逆に言えばそれ以前のお金は金と交換できるという点で価値が保証されているものだった)
この結果生じたこと、それはお金の概念化だ。今存在するお金は「我々が(お互いに)価値があると思うから価値や実在が保証されている」ものにすぎないのだ。
(これはどっかの新興宗教みたく『実は金に価値なんてねーんだから金に執着すんな!』って言いたいワケではない。
むしろそういうものだから簡単に膨れるし萎むのものなのだと思って欲しいのである。)

人間に魔法は使えないというが、もしも現実で最も魔法に近いものを挙げよと言われたら「お金」はその1つとしてノミネートされても何ら不思議ではない。
実際金を稼ぎに稼いでいる人達ですら「お金は道具ではなく生き物」「稼ぐだけならともかく人による適切なコントロールなんてほぼ不可能」なんて主張を平然するのは珍しくない。むしろ多い。

更に時代が進むと、コンピュータの発達とともに、今まではお金は紙幣だったものが今度はどんどんデータへと移り変わっていった。
今では世界に存在する全てのお金を紙幣に変えることはもはや不可能なほどにデータとしてのお金は膨大なものとなった。
そして今日もお金は増え続ける、ゆるやかに。

この魔法が解ける日は来るのだろうか?多分無いだろう。
何故なら、魔法が解ける、すなわち「お金が増え続ける」ことをやめようとすると、
モノとモノのやり取りがどんどん少なくなって経済が停滞し、最終的には我々の生活が立ち行かなくなってぶっ壊されてしまうからだ。
昔の自給自足の時代ならまだ戻れる事もできただろうが、現代で、特に日本においてそれは不可能だろう。
おそらくは核戦争で人類の歴史が一度リセットされるような事態が起きるまでは、折り合いをつけて生きていくことが重要だろう。

長くなったが、現代社会においてお金とはいくらでも萎むことができ、いくらでも膨れ上がることのできる、我々人類が生み出した「魔法」のような存在だ。
その魔法はとても便利であるのと同時に、今日8000円だったエロゲが明日100000000円にしてしまうような大問題すら起こしかねない。
できればこの項目をご覧の黒ニーソが輝かしい淑女の皆様も、今日から経済について興味を持って勉強して頂けることを祈るばかりだ。



◇フィクションにおけるインフレ

〇戦闘力インフレ

さて、アニヲタwiki的にインフレと言えば戦闘力インフレーションをまず思い浮かべるのが多いだろう。

主人公が敵キャラAと戦い、倒す。
 ↓
敵キャラAよりもさらに強い敵キャラBが登場。
 ↓
敵キャラBを倒すため、主人公と仲間たちは修行を積んだり新たな武器を手に入れたりしてパワーアップ。敵キャラBに勝利する。
 ↓
その敵キャラBを更に上回る敵キャラCが登場。主人公たちは敵キャラCを倒すために新たな力を求め……

強くなった主人公と仲間たちを苦戦させ、物語を盛り上げるため、より強力な敵キャラクターを用意する。
この繰り返しにより作中のキャラクターがどんどん強くなっていく現象が、俗にいう戦闘力インフレーションである。
バトル漫画などの定番展開であり、『ドラゴンボール』などのように公式サイドから可能な限りインフレさせることを明言される作品もあるほどだ。
しかし、経済学のインフレと戦闘力インフレには明らかな違いがある。


それは


戦闘力インフレは均一に影響しない


ことだ。


経済学のインフレであれば、100円が200円になるインフレが起きればその貨幣を持っている人は全て100円は200円になる。
勿論持っている貨幣がドルやユーロ、ペセタやジンバブエドルなら異なった金額となるが同じ貨幣であれば同じ貨幣の価値の変化をする。


しかし、戦闘力はどうだろうか




敵の強さと味方の成長についていけず、十分な戦闘力を得られずにかませ犬と化す。
敗北を繰り返し、活躍の場が得られなくなり、とうとう物語の本筋から外されてしまう。
そんなキャラクターが時として登場してしまうのだ。
…経済学におけるインフレであれば、あそこまで悲惨なことにはならなかっただろう。

なお、経済学におけるインフレであってもヤムチャのような目に遭う例は考えられる。
国であればインフレが起きている国の経済力に対し強い経済力を持っていない国や、個人でいえば働いていない年金生活者やニートは激しく打撃を受ける。

また、戦闘力インフレに対し、今までの敵より弱そうな新キャラを相手に、主人公などの既存キャラが手こずるような展開を、
戦闘力デフレと呼ぶこともある。


戦闘力インフレ対策としては以下のようなモノが考えられる。
  • ゴルゴ13」のように最初から最強キャラにして成長の余地がないようにする。
  • ジョジョの奇妙な冒険のようにある程度インフレが進んだら舞台をリセットする(デフォルト)。
  • 一番強いキャラクターを予め決めておき、そいつを目標とする(インフレターゲット)。
  • 元からの才能や、初期に設定した戦闘スキルのみで戦わせ、キャラクターを無闇に成長させない。
  • 強さの他に相性による有利不利を設定し、単純な力比べで勝負が決まらないようにする。
  • キン肉マン超人強度のように数値上はインフレを起こしていても、バトルの結果には影響するか否かはまちまちにする。

まあ、ケン・イシカワ先生のように戦闘力インフレをインフレと感じさせない描写ができれば小細工はいらないんですけどね!


〇胸囲の戦闘力インフレ

また、ラブコメやハーレムものの作品、或いはギャルゲーの続き物だと、別の意味での戦闘力インフレが起きたりする。
すなわち、おっぱいのインフレである。
このおっぱいインフレのパターンは二通りあり、

  • 物語開始当初から巨乳として設定されていたヒロインよりも、更に胸の豊かな爆乳のヒロインが追加される。
  • 作家・絵師がヒロインのバストサイズを徐々に誇張して描くようになり、元々大きめだったキャラが更なる巨乳になる。或いは普通サイズだったヒロインが巨乳の仲間入りを果たす。作品・キャラによっては「最近になって成長した」と、作中の視点でも本当に大きくなっていたことになる。

つまりは「ストーリー面&設定面でのインフレ」か、「演出面&描写面でのインフレ」かという違いである。
このおっぱいインフレの興味深いところはインフレと同時にデフレも起こり得る点にある。
すなわち、

  • 当初貧乳キャラとして設定されていたヒロインよりも、更に胸の薄い無乳のロリキャラなどが、追加ヒロインとして登場する。
  • 作家・絵師がヒロインのバストサイズを誇張して描くようになった結果、ヒロインの胸の描き分けが両極化していき、貧乳担当キャラは一切の膨らみも許さないほど薄く描かれるようになる。

……というパターンである。
物語の進行過程で追加されるキャラには既存のキャラに負けない個性が求められるため、ストーリー面&設定面でのインフレとデフレは起こりやすいが、
このようなインフレ&デフレが起こると、初期の巨乳ヒロイン&貧乳ヒロインが相対的に普通サイズ扱いを受け、ヒロインの没個性化に繋がる恐れもある。
このため、上記の戦闘力インフレと同様に、

  • 一番の巨乳キャラ(or貧乳キャラ)を設定し、それを上回る(or下回る)キャラは登場させない。
  • 「ヒロイン」はあくまで初期の女性キャラのみ。新規に登場するキャラクターはヒロインとは別枠にしておき、主人公に恋愛感情を向けない。

……等の対応策がとられることもある。


〇ご長寿作品の設定・描写におけるインフレ

また、作中で何の変化もしていないはずなのに、視聴者側の環境・価値観の変化によって何らかのインフレを起こす例もある。
これは『ドラえもん』『サザエさん』『クレヨンしんちゃん』『ちびまる子ちゃん』など長寿作品によく起きる現象である。

ここでは最もわかり易い例として『クレヨンしんちゃん』の野原ひろしを取り上げてみよう。
元々『クレヨンしんちゃん』は1990年代初頭のバブル期の終わり頃に始まった作品であり、時代の影響を色濃く受けている。
その頃の日本では勤続15年で35歳の係長、しかも埼玉の一軒家から電車で通い、出身は秋田の田舎で、海外旅行すら懸賞の応募でしか行けない野原ひろしは、
バブル時代的には高度経済成長期のあくせく働く父親像を引きずった『非成功者』もしくは『冴えない父親』の象徴だったのである。

ところがどっこい。その後彼はどうなったであろうか?
バブルが崩壊し、度重なる不況、リストラの嵐が吹き荒れ、様々な社会問題が鬱積していく中でも、クレしん作中における野原家の設定は変わらなかった。
すると弱冠35歳ながら社内では15年のキャリアを持ち、部下からも上司からも信頼されるヤリ手で、
専業主婦の妻と2児と犬1頭を養い、尚且つ東京近郊に2階建て一軒家と自家用車を購入するだけの収入を持つ。
現代日本における一般人が羨望して止まないハイスペックを持つキャラクターとなってしまったのである。

これは初期設定が時代の変化に合わさる形で価値そのものが変わってしまった例ではあるが、
不況が続き、我々の生活が貧困に喘ぐような時代が続けばこれからも彼らはインフレし続けていくだろう*1


ハイパーインフレーション

「無限に贋札を生み出せる能力」を得た少年が主人公の、タイトル通り通貨のインフレそのものを題材にした漫画作品。
読むと経済学や贋札の作り方や男の子に詳しくなれるとよく言われる。詳細は当該項目を参照。


◇ソーシャルゲームにおけるインフレ


リアルの経済やアニメ等とは少し事情が違うが、基本無料などのソーシャルゲームにおいても「インフレ」はつきもの。
具体的には後から出るカードほどどんどん性能が良くなり、仕舞いには最初のカードの完全上位互換が登場するようになる。
これは至極単純で「最初の最高レアだけで何年も先のコンテンツまで不自由なくクリアできる」設計であった場合、いくら新しいコンテンツを追加したとしても既存の最高レアだけで戦える。
酷い場合には初期のキャラや装備品なのに3年も4年も環境の中心に居座り続けるパターンも。
この場合、プレイした時間が長くなり、自然にたまる石や無料で回せるガチャ、イベント配布などで手持ちの戦力が充実すればするほどに「新しい戦力目当てに課金してガチャを回す」必要性が無くなってしまう。

その行きつく先はガチャが回らなくなるであり、そうなると運営は収益を得られなくなる。
そのため、最新のカードを出すたびに性能を底上げしていって性能目当てにガチャを回させる。

……が、ここのバランスが問題で、当然のことながら既存の全ての最高レアを過去のものにするぶっ壊れカードをポンポン出そうものなら顰蹙を買う。
「何万円も課金したり長い時間をかけて作った戦力」が最新のぽっと出1枚の前に完全下位互換としてあっさり処理されようものなら多くのプレイヤーは萎えるだろう。
しかし、性能は確実に引き上げられなければ最新カードの意味がない。
ここがどう調整されているかがその運営を判断する基準の一つとして使えるだろう。
旧式最高レアの全てが何の価値もないゴミクズになり果てているような場合、その時点の最高レアに大金を投じて戦力を整えてもまた同じことが起きるからである。

一方でキャラゲーの場合、そのカード(キャラ)独自のエピソード等で最低限の価値を保証する場合もある。
とはいえ、その場合でも旧式の最高レアはそのキャラのファン以外には一切の価値のない石ころ以下のカスレアのような状態になり果てていくのが常であり、戦力としては一切活躍が見込めない、と言うような状態になることも。
性能インフレに置き去りにされた旧最高レアの処遇がどうなっているか、は無料で遊ぶだけならともかく、課金して戦力を整える事を考える上では運営が信頼できるかどうかの判断材料としてかなり重要である。

なお、ソーシャルゲームの原型のひとつになったと思われる甲虫王者ムシキングの「アダー完結編」もこのインフレと言えるかもしれない。
ただし、こちらはゲーム性がまるっきりと言っていい程に別物になったせいでそれまでのカードが事実上弱体化し、強さの低い虫はほぼ戦力にならなくなったという事情があるのだが。
こちらは前述したような「どんどん性能が良くなる」というのではなく、稼働から5年の間は「一切インフレが行われていない*2」のに対し、アダー完結編になってから極端にゲーム性を変更したせいもある。それによりついていくのを諦め「古代王者恐竜キング」などに移った人も多かろう。
また、稼働から5年の間は「事実上全く同じステータス」の虫が多く、タッグマッチ限定で「同じ属の虫の有無」、中型甲虫限定で「究極必殺わざ*3の有無」という理由で劣化版になっている虫が多く、むしろデフレ*4になっている虫もいた。

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最終更新:2024年03月05日 15:16

*1 金銭面以外にも感覚のズレは生まれる。「行き遅れ」のまつざか先生(24)や、妖怪けちけちオババ(29)というのも、今の感覚からすればまだまだ現役バリバリの若者である。

*2 バージョンによってステータスの違いがある虫もいるが、総合的なステータスは全く同じ。

*3 そもそもこちらは「既存の虫と同じ究極必殺わざ」か「既存の中型甲虫の超必殺わざ変更」を除けば「既存のテクニック50」のわざの強化になっていて、「虫とわざ同時に登場した」中で登場当初から究極必殺わざが使えた虫がいない。

*4 既に登場していた虫の下位互換になっている虫。「ティティウスヒラタクワガタ」「ヒルトゥスヘラヅノカブト」「ムナコブクワガタ」「バックレイコフキカブト」「パプアミツノカブト」など。