巨大化

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巨大化 - (2019/07/17 (水) 05:45:58) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/07/16 Tue 23:24:04
更新日:2024/02/07 Wed 14:16:50
所要時間:約 7 分で読めます





●目次


概要

ここでは、生物(一部例外あり)が短期間の内に大きくなる現象を紹介する。
単純に「大きくなる」と言えば、私たち人間だって直径0.1㎜の受精卵から百数十センチの現在にまで大きく育っているのだから拡大率で言えば1万倍以上だが、ここではこういう一般的な「成長」は扱わず、
ごく短期間(多くは数秒)の内に、平均して数十倍以上の巨大化を果たす人々を取り扱う。

実際に生物が突然巨大化するとどうなるか?

単純に人間が10倍に大きくなった場合を考えてみよう。
まぁまず間違いなく死ぬ 。即死はしないまでも、確実に脚の骨は折れてまともに立つこともできなくなる。

なぜかというと、人間が10倍に大きくなると体重は10の3乗で1000倍になるのに対し、骨の強さの元になる骨の太さは10の2乗で100倍にしかならないため。
単純計算で太さあたり10倍の負荷がかかるのだから、そりゃ骨も折れる。
また、筋肉の強さも筋肉の断面積に比例するため、100倍の筋力で1000倍の体重を支えることになり、動くこともままならないだろう。

現実的に考えると、筋肉と骨の強さが大幅に上がらない限り、生物が巨大化するのは難しいだろう。
巨人症の人が短命なのも、巨大な肉体は心臓などに膨大な負担をかけるためである。

また、巨大化した呼吸器官で平常時と同じ感覚で呼吸できるか疑わしい。
生物が巨大化する際は必然的に細胞内のミトコンドリアも巨大化すると思われるが、
対応していない大きさの空気分子で同様にエネルギー変換できるとは考え難い。

なお、フィクションでは頻繁に見られる巨大昆虫だが、昆虫のような外骨格生物の巨大化はさらに困難になる。
内骨格生物なら、「骨を太くしてその周囲に筋肉をたくさん付ける」である程度の巨大化はなんとかならなくもないが、
外骨格だと強度を上げるために外骨格を厚くすること自体が筋肉の拡大を妨げてしまうためである。
よく「もし自重の何倍ものパワーやスピード・耐久力を誇る昆虫類が人間サイズになったら、そのパワーとスピードは地上最強である」と言われるが、
上述の通り 虫が人間サイズになったらその瞬間に自重で死ぬと思われる 為、あくまで計算上、思考実験上の話である。


フィクションでの巨大化

「巨大化してパワーアップ」は敵味方問わず頻繁に見られる事象である。
ただし、巨大化は負けフラグ とも言われやすい。単に腕力でごり押すだけのパワー馬鹿化してしまうことが多いのも一因かもしれない。


上記のような自重や質量等について科学的な考察がされた上での巨大化がされることは ほぼない 。大抵は説明もなく相似形に巨大化している。

また、「巨大になってしまったが故に社会に受け入れられない悲劇」というのも頻繁に見られる。

以下、巨大化の要因別に紹介していく。
スーパー戦隊シリーズの悪役の巨大化については巨大化(スーパー戦隊)で既に詳細に解説されているのでそちらを参照。

変身

スーパーヒーロー、特にウルトラマン系の最定番。普段は等身大サイズだが、ピンチになると変身して巨大化する。
なお、多くの場合「巨大化後の方が本来の姿」なので、「変身解除」の方が表現としては妥当な感があるが、大抵はまとめて「変身」として扱われている。
変身(ヒーロー)も参照。

世界で一番有名な巨大化するゲームヒーロー。スーパーキノコを取ることでキャラサイズ2倍にパワーアップし、一回だけダメージを耐えられるようになる。
『New スーパーマリオブラザーズ』や『スーパーマリオ 3Dワールド』では「巨大キノコ」で敵はおろか土管すらも踏み壊す巨大マリオになることも。
初期設定ではキノコの効力ではなく、キノコに変身させられていた住民を解放することでパワーアップして貰っているという設定だった。
ただし最近では普段のマリオはパワーアップ後のもので、初期状態の「ちびマリオ」の方こそがパワーダウン形態という扱いになっており帽子も被っていない。
ちなみにマリオだけでなく弟のルイージは勿論、近年ではピーチやキノピオ、ロゼッタすらもパワーアップするようになっている。

放射線

昔のSFでは超定番の設定。放射線を浴びたせいでスーパーパワーを得て巨大化する、というのは非常によく見られた。
恐らくその最古はアメコミの「超人ハルク」だろう。
だが、最近は敏感な設定であるためか「放射線を浴びてお気楽パワーアップ」的な展開はあまり見られなくなっている。
なお、現実的にもあり得ない話ではないが、「放射線を浴びて細胞が異常増殖する」というのは、要するに「放射線で細胞の遺伝子が異変を来している」ということであり、わかりやすく言うと ガンそのもの に他ならない。

  • ゴジラ
この設定の最も有名な怪獣。元はゴジラザウルスという恐竜だったが、核実験の影響で巨大化し暴れ出した。

  • 巨大蟻の帝国
1977年の映画。放射性物質で巨大になった蟻に襲われる恐怖を描く。

薬品

特殊な薬物を摂取して巨大化する。

  • ビッグX
手塚治虫『ビッグX』に登場する薬品の名前で変身後のヒーロー名でもある。
「主人公がビッグXを摂取するとビッグXに変身する」というややこしい設定。
原作ではシャープペンシル型の注射器から摂取する設定だったが、麻薬摂取を想起させてヤバイためか、アニメ版では「シャープペン型のアイテムから発せられる光線を浴びると巨大化」という無難な設定に改められた。
また、服については特に説明もなく服ごと巨大化する作品や、あるいは破れて全裸になってしまう作品が多い中、珍しく「特殊ゴム製の服なので伸縮自在」とハッキリ説明されている。

  • アットグングンS
『ドラえもん』に登場する謎の薬品。摂取すると巨大化する。ビッグライトとの機能的な差異は謎。

  • クランゴ
『バンジョーとカズーイの大冒険2』のボス。計3回戦い、その度にランダムに異なる薬を使ってパワーアップする。
「巨大化」はデカくなって踏みつぶそうとしてくる……のだが、特にこれと言った耐性があるわけでもなく普通に攻撃すれば通ってしまうため、他の2つ『分身』『透明化』と比べると弱いとされやすい。
一度のプレイでは同じ薬を2度使ってくることはなく、後の方の戦いになるほどクランゴの基本性能が上がるため、これが最後に来ると少し楽。

謎の科学技術

特に明確に説明されないが、謎の技術で人間を巨大化させることもある。

  • メフィラス星人
フジ・アキコ隊員を「地球などいつでも滅ぼせる」と力を誇示するためだけに怪獣サイズに巨大化させて街を襲わせた。
どのような原理なのかは不明。

  • ビッグライト
毎度おなじみ『ドラえもん』の代表的な秘密道具の一つ。光を浴びると巨大化する。
スモールライトに比べると使いどころが難しいためか登場機会はやや少な目。

魔法

  • エンゴージオ
ハリー・ポッターシリーズに登場する魔法。対象を巨大化させる。あまり登場頻度は多くない。

  • チェルナー・マウス
『魔法少女育成計画』に登場する魔法少女。『ものすごく大きくなれるよ』 という魔法で巨人になって戦う。特に他に効果があるわけではないが、肉弾戦では恐ろしく凶悪な魔法。

謎の生物の影響

怪生物の影響で突然大きくなる人も時折出てくる。大抵その生物に何かしらの悪意があるわけではなく、偶発的に巨大化してしまうパターンが多いため悲劇的なストーリーになりやすい。

  • 巨人
ウルトラQ第22話『変身』に登場。青年昆虫学者が謎のモルフォ蝶の鱗粉を浴びた後猛烈な渇きを覚えて泉の水を飲んだところ、20mの巨人になってしまった。
なお、作中では明確な原因について触れられてはおらず、一部書籍では「鱗粉の影響」とされるが、泉の方に原因があった可能性や両方の複合と言うパターンも考えられなくもない。

  • 双葉理保
D3パブリッシャーのヒロイン。スターシステムで色々なゲームにいろいろなポジションで出演しているが、その迷走がきわまったとされる作品「THE 大美人」では 謎のクラゲ型生物に寄生されて身長48メートルに巨大化してしまった
作中では怪獣扱いされているが、能天気極まりない言動もあって悲劇性は微塵も感じられない。というか単なるバカゲーである。

合体

単純に合体して大きくなる。人間で考えるとグロすぎるためか、宇宙人などで多い。

  • バイラス星人
『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』に登場する宇宙人。普段は人間サイズのイカみたいな宇宙人だが、なぜかたった6体合体するだけでガメラと同サイズになるという物理法則を無視した巨大化を披露する。

  • キングスライム
『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する敵キャラ。複数のスライムが合体したパワーアップ形態。
合体前のスライムがやたらステータスの高い特別仕様なため、多めにレベル上げしていなければ基本的に合体阻止はできない。
色違いにスライムベホマズンやメタルキングもいるが、こちらは合体することはない単品の敵となる。

その他

ギャグ的な演出で深い理由もなく大きくなることもある。

  • ジェットジャガー
『ゴジラ対メガロ』に登場するロボット。元は等身大だったのだが、 正義の心に目覚めて勝手にゴジラサイズにデカくなった
深く考察するのも困難な設定である。

  • 仮面ライダー
本来はウルトラマンと違って等身大ヒーローなのはご承知の通りだが、『ウルトラマンVS仮面ライダー』で なんか不思議なことが起きて大きくなった
お祭り作品だからこそ許される設定、と言えようか。
後に『仮面ライダーJ』で公式にも巨大化する仮面ライダーが出たが、こちらは「地球の精霊が未曽有の危機に発現した奇跡の力」で基本能力ではないと明言されている。

  • ラッキーマン
『とっても!ラッキーマン』の主人公。そもそも読み切り版ではウルトラマンサイズの巨大ヒーローだったのだが、連載版では等身大ヒーローになったため、巨大戦では 牛乳飲んで大きくなる
なお、その後ストーリーが主に宇宙で悪役ヒーローと対峙するものに切り替わったため、この設定はほぼ忘れられた。

  • 足マン
『世紀末リーダー伝たけし』の登場人物。やたら巨大な足をした異星人。
意地悪なことを言われると死に、逆に褒められすぎると 巨大化して暴れまわる というやたら面倒くさい性質を持っている。

上記の巨大化と自重について、巨人達は皆、見た目に対して質量は軽めだったり、超大型巨人は体幹が太く腕は細めなど説明している。
一部の人間は巨人に変身できる能力を持つが、詳細な原理は不明。


追記・修正は巨大化しながらお願いします。

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