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妄想ウルトラセブン

登録日:2012/09/24 Mon 20:26:20
更新日:2026/08/15 Sat 18:55:52
所要時間:約 7 分で読めます





妄想ウルトラセブンとは、『ウルトラマン80』第44話「激ファイト!80VSウルトラセブン」に登場した怪獣(?)。

身長:40m
体重:3万5千t
出身:東京

サッカー好きの少年・田島直人の生霊がウルトラセブンのソフビ人形に乗り移り巨大化した姿である。
姿こそはウルトラセブンだが、「オォォ…」と低い唸り声、青いオーラ、体のラインの太さが変わらないといくつか違う点がある。

生霊のため直人少年の心とサッカー技術を受け継いでおり、キックフォームを使った蹴り技や、トラックなどをボールに見立てた攻撃をしたりする。
また怒りに我を忘れているのか、民家を引っこ抜いて80の頭に叩きつけるという攻撃も繰り出したりトラックをキックで破壊したりした。
額からエメリウム光線も撃てる(光線エフェクトはスペシウム光線に似た無数の光の粒状)など元は人形とは思えないスペックを持っている。
身体能力も高く、80のウルトラダブルアローを錐揉みジャンプで難なく回避したりした。
アイスラッガーは未使用*1


◆劇中の妄想セブン

直人少年らサッカーチーム「モンキーズ」は試合に向けてグランドで練習していた。
そこに覆面をした暴走族サタン党が乱入。
直人は姉のアヤを追い回し怪我を負わせた1人にボールをぶつけ転倒させるが、その行為に激昂したサタン党のリーダーに追い回され、
「ウルトラセブン!助けて!」と言った直後、はねられてしまった。
リーダーはさらに「とどめだ!」と追い打ちをかけようとし、直後に矢的がバイクで止めに入るも、暴走族は逃走。
姉のアヤは右腕に怪我を負い、チームメイトは軽傷、そして直人は緊急入院したが昏睡状態になるほど重態であった。

彼をはねたサタン党のリーダー・敏彦は、弟の実が所属しているチーム「ジャッキーズ」を優勝させるため、直人が所属していたライバルチームを襲撃したのだった*2
いくらライバルとはいえあまりにも酷い兄の行いに怒りを見せ「入院してる田島に謝れ!!」と言うが敏彦は「うるさい」と一蹴し、立ち去っていく。

隊長の粋な計らいで暴走族調査をしていた矢的だったが、サタン党の襲撃を受ける。
リンチされていた矢的はUGMのイケダ隊員らが駆けつけ間一髪助かるが、星涼子(ユリアン)から「直人少年の容態が悪化した」と聞かされる。
病室に行った矢的はそこでウルトラセブンの人形を見つける。アヤの話によると幼少の頃に母を亡くした直人にとってセブン人形は大切な物でお守りだという。

一方、直人は夢の中でもサタン党に襲われていた。
セブンの人形を手に「ウルトラセブン、僕を守って!」と叫ぶと直人はセブンの人形と共に本物のセブンに変身する。

現実でも「ウルトラセブン。お願い、聞いて……。僕の命をあげるよ……。だから悪い暴走族をやっつけて……」
と言う言葉と共に、直人の涙がセブンの人形にこぼれると、セブンの人形は勝手に外に飛び出して巨大化し、妄想ウルトラセブンとなった。

サタン党への怒りを宿し動き始めた妄想セブンは、その夜も暴走中のサタン党を発見。
早速1人を掴んで地面に叩きつける(命までは取らなかった模様)。
セブンが自分たちを狙ってることに気づき突然の事態に驚きつつも、
妄想セブンにビルを壊させてUGMに倒させるために、わざと狭い路地に逃げ込んでいくサタン党。
ビル街に逃げ込んだ暴走族を追い掛け、町を破壊する妄想セブン…

戸惑いながらも出撃するUGM。
シルバーガルに乗った矢的はセブンに問いかけるも、セブンは何も答えない。
涼子は超能力でセブンを探り、2人の乗ったシルバーガルが捕まった時、セブンがウルトラの星の本人でないと告げる。
投げ飛ばされ墜落したシルバーガルから矢的と涼子は脱出。正体が何であれ、被害を食い止めるべく矢的は80に変身する。

夜の町で80と互角に渡り合う妄想セブン。
だがしばらくすると妄想セブンは車をボール代わりにしサッカーキックを繰り出した。
この攻撃を見た80は直人とセブン人形を思い出し涼子に病室にセブン人形があるか確認してくれと頼む。
涼子が超能力を駆使して病室に潜入したところ、セブン人形は無かったことと更に直人少年の寝言からセブン人形が巨大化した物と確信。

妄想セブンの正体が、直人の生霊がセブン人形に憑依したものだと知った80は、
直人くん! 君は、君以外の、ウルトラセブンを慕う少年たちの心を、傷つけるつもりか。ウルトラセブンは、平和の守り神ではないのか!?」と語り、「我々ウルトラマンは、決して神ではない」
動揺したところをタイマーショットで妄想セブンを沈黙させた。

妄想セブンに追い掛け回されて殺されかけた上、仲間を病院送りにされる光景を間近で見たサタン党も、恐怖のあまり腰が抜けて泣きながら、
「ごめんなさい。もう悪いことはしません。怖かった……。やめます。本当にやめます。足洗います。だから勘弁してください」と土下座をし深く反省した。
それを見た80は倒れた妄想セブンを抱え飛び去った。そしてその後妄想セブンは元の人形に戻った。


後日、直人は奇跡的に回復し、サッカーの試合に復帰。
観戦する矢的と涼子の前で直人が見事ゴールを決め、抱き合って喜ぶ猛とアヤ。
隣でそれを見た涼子はムッとした顔でそっぽを向くのだった。


◆余談

スーツは新たに造られたものだが、目だけはウルトラマンタロウからリサイクルしたもの。
これは造形が立体的なため、夜景シーンでより映えると判断されたから。

唸り声は硫酸怪獣ホーの流用。

同じく『80』内に登場したグワガンダとはかなり共通してる所が多い。
  • 被害者が悪人によって酷い目に遭う
  • 被害者の怨念で大事な物が怪獣化
  • 最後は悪いことした人が深く反省する
……等々。
ホー並びにグワガンダとは異なり直接明言はされてはいないものの、
この妄想ウルトラセブンも「人間の負の感情の発露によって生じた存在」という設定から、
『80』序盤の重要キーワードであるマイナスエネルギーとの関連性を考察する視聴者も存在する。

本エピソードの特技監督は後の『平成セブン』、『ウルトラマンネオス』を担当した神澤信一。

猛が直人少年の病室に見舞いに訪れセブンのことを聞かされ、
セブンを思い出したシーンにエレキング、ビラ星人、ガブラ*3との戦いのライブフィルムが流用されている。

『80』の前作である『レオ』にて、セブン(=モロボシ・ダン)が死亡したような演出があり、セブン死亡説が流れていたが、
今回の話で猛と涼子が妄想セブンを見た時の反応が、驚いてはいたもののそれはセブンが理由もなく街を破壊しているためで、
死者の復活や行方不明者の発見に驚く様子ではなかったことから、前述のセブン死亡説に関連して、
「セブンはシルバーブルーメの襲撃を生き延びたのではないか」と視聴者の間でささやかれるように。
後の『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』にて、セブンはボロボロになっているところをウルトラの母に救出されたという設定が語られている。
結局妄想セブンの件の真相がどう扱われたかは不明だが、何らかの形で本物の名誉は守られていた模様。

人間の願いが人形からウルトラマンを登場させるのは『ティガ&ダイナ』に登場したウルトラマンティガと同じだが、
妄想セブンが人間の恨みという闇の感情から生まれたのに対し、ティガは人々の希望という光の感情から生まれていると、誕生要因は真逆となっている。
また、『ティガ&ダイナ』のティガは、一旦ススム少年の持つティガ人形に人々の光が集結し、
その後、光がティガの姿を形どって現れた(=人形が巨大化して動き出したわけではない)のに対し、
妄想セブンは直人少年の涙を受けた市販?の人形がそのまま巨大化したという点でも異なる。

ビデオ作品『ウルトラスーパーファイト』では第5話に登場。曰く「ウルトラ戦士に倒された者たちの邪念で蘇った」とのこと。
上記の出自なので蘇るも何もないはずだが…。ちなみに大人の事情で外見は本物と同じ。声は同作のほぼ全キャラ+ナレと同じく島田敏
だまし討ちでエースを倒し、ウルトラマンにも襲い掛かって文字通りの泥仕合を繰り広げるが、最後はウルトラ霞切りで倒された。
なお、映像作品で初めて「妄想ウルトラセブン」と呼ばれている。

ゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution 3』では、最後の隠しキャラとして登場。
ウルトラモード最後のミッションとして「激ファイト!!80VSウルトラセブン」が収録されており、これをクリアすることで使用可能となる。
戦闘ではアイスラッガーを持っての攻撃も繰り出す。
サッカーフォームの蹴りのダメージがデカいので注意が必要。
ダッシュ不可の代わりにスパアマ付きの特殊移動ができる。
エメリウム光線のモーションは専用のもの。

バラエティ番組『トリビアの泉』では「ウルトラセブンは暴走族を投げ飛ばしたことがある」という形で紹介された。
もちろん問題の場面の紹介後、あれが本物のセブンではなく妄想セブンであるという事を説明していた。
こちらの方で妄想セブンを知った方が多いのではないだろうか。


ウルトラマンにソフビで変身する現代
直人の妄想に時代が追いついたのかもしれない。



追記・修正は、暴走族を改心させてからお願いします。

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最終更新:2026年08月15日 18:55

*1 元々がソフビ人形のため使えなかったという説もある。

*2 実との会話を見ても彼が本気で弟のために行動したとは考えにくく、以前から人をバイクではねてみたいと考えていて、弟を口実にしてそれを実行したと思われる。尤ももし仮に本気でやってたとしてもそれが弟が喜ぶはずないという事は誰でもわかるが

*3 いずれも80にも参加している野長瀬・満田監督のエピソード。