登録日:2025/08/10 (日) 21:35:38
更新日:2025/08/10 Sun 21:38:53NEW!
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「手を貸しましょうか?お嬢さん?」
お前は選べる... 殺すか殺されるかだ
華衛士F8ABA6ジサリス
俳優の井上正大を中心とし制作されたWEB特撮番組。後に井上正大が取締役に就任するAICライツが製作している。2023年に公開された。
☆概要☆
井上正大が
牙狼シリーズの舞台作品で共同制作者となった銀岩塩のチャンネル内で、
「PINKの特撮創る」という企画を始動し、キャストやスタッフ、出資者を直談判で集め制作し、YouTubeで公開された。
キャストやスタッフの多くが、
仮面ライダーシリーズや
牙狼シリーズといった特撮作品に関係のある布陣となっている。ほかにもキャスト陣にはAICライツの前社長やTiktokerや特撮好きな現役アイドルなど、異色のメンバーが揃っていたりもする。スカウトの様子は、YouTube公式チャンネルで見ることが可能。
初のNFT特撮を標榜しており、NFTで最高額を叩きだしたユーザーは次回作に出られる権利をもらえるというキャンペーンをやっていた。
タイトル名の読み方は、「センティカ・ジサリス」。F8ABA6は、主人公が変身するヒーローの色のWebカラーコード(16進数6桁)であり、これは
濃いピンクである。井上正大が
マゼンタである
ディケイドを、視聴者に散々
ピンクと言われたことが由来となっている。
全12話、15分枠であり、tvkでテレビ放送されたことも。続編である「華衛士F8ABA6ジサリス2」が2025年に公開された。
本作中では作中の謎がほとんど明かされておらず、難解とも言えるストーリーになっており、オープニング映像でその一端が示されている。また、ガイドブックの1巻には、本編では明かされない裏の設定が記載されている。
☆あらすじ☆
女子高校生・アユカは森の中で目を覚まし、謎の男・ジサリスと出会う。彼に殺されたアユカは、次の世界で目覚め、ジサリスに助けられながらも謎めいた世界の旅を始めるのだった。
☆登場人物☆
「なぜ私がやらないといけないの?」
演:田口愛佳
女子高校生。
森の世界で目覚めるが、記憶の大半を失っており、時にジサリスに助けられ、時にジサリスに殺されながらも、数々の世界を旅することになる。優しい心の持ち主であり、敵に同情する、世界を正しい方向に変えようとするなど、善意に基づいた行動をする。
世界の制限時間に達する寸前にジサリスの手によって殺されることになり、そのたびにデスルーラする定めになっている。ただでさえ不幸だが、膝に怪我をする、視力を失うなど、不憫な目にもよくよく会う。
かつて親友のシオリが飛び降りる瞬間を見たことで感情が暴走し、手にしていたレブシールを起動して世界を消滅させる力を発動してしまったことが、すべての発端。
レブシールを取り戻したことでシオリの飛び降りを阻止することに成功するも、ジサリスとの旅の記憶を完全に失ってしまった。
「お前の代わりに、俺が変わる」
演:井上正大
アユカに付きまとい殺そうとする謎の男。
アユカの携帯で華衛士ジサリスに変身することができる。不遜な態度を崩そうとしないが、アユカを想って行動している一面が見受けられる。
エデンの世界で、華衛士を解雇された際にシステムに細工したようで、通常の華衛士では出来ない担当する世界以外での携帯変華をしている。
6枚目のレブシールを回収するために、アユカに刺され致命傷を負う。自分との旅の記憶を失ったアユカとすれ違うも消滅した。彼のその後は『2』にて明かされる。
「...」
演:松田悟志
喋らない謎の男。ジサリスとは知り合い。必ず、時間を表すものを所持しており、その世界の滞在期限を示している。そんな彼も2作目ではとうとう...!?
ガイドブックに本名が載っているが、劇中では明かされていない。
「君にとっての恐怖!僕にとっての最高の快楽!そうだろ!」
演:林拓磨
言葉を発してはいけない世界の華衛士。元々はストリートギャングだった。ジサリスより年下。
世界を見守ってきたが飽きてきたため、華衛士の役割である世界を導くことを願い、言葉を発していることがバレて逃走するアユカを匿い、世界の改善を目論んでいた。
アユカによって世界が改善されたのち、ガンディアルの命令でジサリスの排除に動く。しかし、自分の世界の改善に手を貸した恩義もあってか、誰も存在しない世界と欲望の王国の世界では、ジサリスとアユカに手助けする。
「余計なことはするな!何もせずに去れ!」
演:大村安孝
同じ毎日を繰り返す世界の華衛士。ジサリスより年上で先生と呼ばれる存在。変身を妨害するような連撃、ジサリスよりもアユカを狙うなど、油断も隙も無い戦士。
自分の世界にやって来たアユカに忠告をするが、聞き入れられなかったため強襲。ジサリスを倒す。
かつて自分の世界で娘を失ってしまったことで、娘が生存した最後の日に拘泥し囚われてしまっている。つまり彼の世界が同じ毎日を繰り返すのは、娘に会いたいから。
中の人は、井上正大の前の代のAICライツの社長である。
「私はこの世界を守らねばならない。悪く思わないでくれ」
演:賀集利樹
欲望の世界の華衛士。華衛士の誰からも尊敬を受けている存在。最強の華衛士であり、部下も何人も抱えている。
ジサリスが隠してきたアユカの真実を彼女に伝えたのち、世界を守るために他の世界を巻き込むジサリスとアユカを糾弾する。自身の攻撃からアユカを庇った部下を誤って殺してしまい、ジサリスと対決する。
☆華衛士☆
センティカと読む。本作のヒーロー。顔の上に半透明の仮面をつけていて、緑色の柄の入った黒い腰マント付けているのが共通デザイン。
携帯のアプリを起動し、ヘッドギアに携帯を装着して変身する。変身する際には、人間の姿がマネキンのような機械の姿に置き換わり、さらに変形するという、特異な変身方法を取る。
フルブルームレコードという加速形態が存在し、起動すると背中の花のような装飾が展開され、腰マントが外される。
モチーフは花。花言葉がそれぞれの華衛士の生き方やスタンスにリンクしている。
ピンク色の戦士。主な武器は鎌だが、仕込み刀が内蔵されていて、奥の手として使用できる。
モチーフはガーベラ。クレストは中心に歯車のような形のある右下が欠けた星形。
終盤アユカの力で、ディフェクトレコードというホログラムの装甲を纏い翼の生えたような特異な形態に変化した。ディフェクトレコードの状態では、光弾を放つ、実体を失うことで攻撃をよけるなど、通常の形態よりもさらに人間離れした行動を取る。
青い戦士。銃を武器として使う。連射するとリロードしないと使えなくなる特徴がある。
モチーフはアネモネ。クレストは背後に凹んだ円形のある上が欠けた星形。
モチーフはクリスマスローズ。クレストは背後に二重の丸がある右上が欠けた星形。
モチーフはヒマワリ。クレストは三角形の重なった上が欠けた星が上下逆さになっている。
12話のラストに登場する女性のような華衛士。その正体は『2』にて判明する。
☆用語☆
華衛士の上位組織であり、議会のような形を取っている。ハト派らしい4人の構成員と、タカ派らしいゼーケン(演:栗山航)がいる。
ジサリスがアユカに付きまとう目的であるシール。全てで6つのシールがあり、ジサリスのパーツとアイコンが刻まれている。5角形のケースに収められている。
かつてアユカが6枚を所持していたが、現在は失われている。各世界でアユカの感情が励起された時に出現する。
ガンディアルが持つ、異なる世界へと移動する技術。
☆世界☆
ジサリスが旅立った世界。ガンディアルが存在している。ネオンで輝く高層ビル群が立ち並んでいる。
第1話でアユカが目覚めた世界。森と廃墟と崖が存在している。ラドキーパーの持ち物はロウソク。
第2話でアユカが迷い込んだ世界。遊園地のような場所。
住民はおもちゃであり、血を流さない。住民は皆人間を憎んでいる。ラドキーパーの持ち物はゼンマイを巻いたブリキのおもちゃ。
3話と4話の世界。住人はテレパシーを発することが出来る世界。現代的な街並みが広がっている。言葉を発することに賛成派と反対派が睨み合っている。
華衛士はフォビア。ラドキーパーの持ち物は風船。レブシールは右腕。
5話と6話の世界。怪人たちが悪の所業を強いられている世界。株式会社悪の秘密結社のキャラクターがキャストとして登場している。
恐れの谷という薬草が生えている場所がある。ラドキーパーの持ち物は風車。レブシールは顔。
7話と8話の世界。海辺の町が中心として出てくる。Y字路の中心に意味ありげに少女が立っており、なぜか同じ1日が繰り返されている。
華衛士はヴァニタス。ラドキーパーの持ち物は植木鉢と植物。レブシールは右足。
9話と10話の世界。古い校舎が中心として出てくる。誰も存在しないが、ジサリスとアユカの心の影が登場する。
ラドキーパーの持ち物はジグソーパズル。
11話と12話の世界。デジールの居城のみが煌びやかで、それ以外の住人の居住区は質素な世界。一般人の欲望が皆無であり献身的な住人たちによって、平和な世界が広がっている。
華衛士はデジール。レブシールは左腕。
12話終盤の世界。ラドキーパーの持ち物はロウソク。レブシールは左足。
☆主題歌☆
映像では華衛士のモチーフとクレスト、登場しなかったレブシールのデザインなどが描かれており、本編では明かされていない設定が様々盛り込まれている。
1話はエンディングとして使用された。
- エンディング「Listen out」(歌:井上正大)
ジサリス役の井上正大が歌うエンディングテーマ。2、3、4、12話で使用。
- エンディング「Hello」(歌:Marcia(幽閉サテライト)、紫乃咲ほのあ(STARDUST VIRTUAL STUDIO)、さとうもも(STARDUST VIRTUAL STUDIO))
5、6話で使用。怪人の世界編で登場する吼太郎を想起させるややポップな曲調。
7、8話で使用。ジサリスを失ったアユカやヴァニタスの心情を表しているのかしっとりとしたバラードになっている。
- エンディング「高鳴る鼓動が呼ぶ方へ」 (歌:幽閉サテライト)
9話、10話で使用。終盤に向かってのアユカの決意を示したような曲調になっている。
☆余談☆
- 監督は田邉明宏。知る人は知っている仮面ライダーの二次創作「仮面ライダーシンギ」の監督であり、ディケイドにも出演経験がある。本作の5年前から特撮映画「四畳半のジェメオス」を製作しており、本作を経て翌年に完成している。
最終更新:2025年08月10日 21:38