キズナ(競走馬)

登録日:2025/08/10 Sun 16:17:51
更新日:2025/08/23 Sat 19:11:28
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キズナ(Kizuna)日本の元競走馬・現種牡馬。

目次

【データ】

生年月日:2010年3月5日
父:ディープインパクト
母:キャットクイル
母父:Storm Cat
調教師:佐々木晶 (栗東)
馬主:前田晋二
主戦騎手:佐藤哲三→武豊
生産者:ノースヒルズ
産地:新冠町
獲得賞金:4億7,639万円
通算成績:14戦7勝 [7-1-2-4]
主な勝鞍:13'日本ダービー(GⅠ)

【誕生】

2010年3月5日生まれの青鹿毛の牡馬。
父は説明不要の“衝撃の英雄”ディープインパクト
母のキャットクイルもパシフィカス(ビワハヤヒデナリタブライアンの母)の半妹にして父が大種牡馬ストームキャットという良血馬で、キズナの半姉として二冠牝馬のファレノプシス(父ブライアンズタイム、1995年~2016年)を送り出していた。
しかしキズナ誕生後は不受胎や死産が続き、2014年に他界。結果として、キズナが最後の産駒となった。

まだキャットクイルの2010という名前だった2011年3月、東日本大震災が発生し東日本が壊滅的被害を受け多くの人が被災した。それを見た日本中の厩舎は結束し、ドバイワールドカップではヴィクトワールピサ、トランセンドによる日本馬ワンツーを果たし、日本中に勇気を与えた。そして多くの人が復興に携わる中、日本中に「絆」という言葉が広がっていた。

また、ドバイに観戦に来ていた前田幸治氏(馬主:前田晋二氏の兄であり、ノースヒルズの創設者)は、ホテルから競馬場まで多くの人に励ましの言葉を受け大変感銘を受けており、次の世代で最も期待できる馬に、ある名前を付けることを決意した。

それが「キズナ」である

厩舎は栗東の佐々木晶厩舎、担当厩務員はベテランの田重田(たじゅうた)静男氏。田重田氏は2011年の宝塚記念で、前田幸治氏所有馬のアーネストリーで担当馬の初GⅠ制覇を成し遂げていた。

【現役時代】

2012年10月7日京都競馬場の2歳新馬戦芝1800mでデビュー。鞍上はアーネストリーの主戦騎手だった佐藤哲三。
デビュー戦で見事に勝利し二戦目の黄菊賞も一着。しかし程なくして佐藤騎手が落馬により重傷を負ってしまう*1

三戦目のラジオNIKKEI杯(GⅢ)から鞍上が佐藤から武豊に乗り替わり、以後引退まで武豊が主戦騎手を務める。
ラジオNIKKEI杯と報知杯弥生賞は三着と五着に終わったものの、毎日杯(GⅢ)と京都新聞杯(GⅡ)を勝利し、3歳の5月までに重賞で2勝をあげたことで、日本ダービーに出走。
ダービーでは最後方からゴール前の直線で上がり最速を使い、先頭に立っていたエピファネイアを抜き去る。

キズナだ、キズナだ、キズナ差し切ってゴールイン!

ラジオNIKKEI 中野アナ

2010年の毎日杯での落馬事故以降、低迷していた名手武豊に復活のダービー5勝目をプレゼントした。

余談だがシンボリルドルフトウカイテイオータニノギムレットウオッカと言った親子ダービー制覇の記録は数あれど同じ騎手が跨っての親子制覇はこのディープインパクト・キズナの例が初の例であり、もしかするとこれが最初で最後と言う可能性もある…

ダービー後は凱旋門賞に向かったものの4着と敗れ、以降はケガなどもあって勝ち星も当時GⅡだった大阪杯のみとなり、2015年天皇賞(春)を以て引退した。

【引退後】

引退後は種牡馬入り。
種牡馬としては前述の良血っぷりから大人気となり、初年度から重賞勝ち馬を多く輩出。2019年に産駒がデビューし、2歳リーディングも父に次ぐ2位にランクインした。
高い勝ち上がり率による安定感に加え、SS後継屈指のダート適性から関係者からは高く評価されているようで、2019年に早逝した父の後続種牡馬として期待されている。

しかし、リーディング最上位にいるのにGⅠ馬がいないという種牡馬善戦マンの気配がちょっとしてるのが心配されていた。何ならそのGⅠ制覇をサンデーサイレンス産駒にGⅠ制覇を阻まれまくったフジキセキのように親父のディープインパクト産駒に阻まれまくっていた。

しかし21年のエリザベス女王杯で10番人気のアカイイトが父に捧ぐ念願のGⅠ初制覇。更にソングラインが22年に安田記念を制し、翌23年にはヴィクトリアマイルと安田記念を連勝。ウオッカ以来史上二頭目の快挙を達成した。ほか、ディープボンドが中長距離のGⅡを4勝、GⅠでも天皇賞(春)3年連続2着を含む2着4回という安定した成績を残す、そのディープボンドと同期のテリオスベルが、勝利こそJpnⅢ止まりだったものの、捲り逃げというハチャメチャな戦法と、それとは裏腹に堅実な成績でダート交流重賞戦線を引っかき回すなど、実力派を輩出。
そして、ディープインパクトの産駒がクラシックから消えた2024年。ジャスティンミラノが皐月賞をレースレコードで制し、ようやく産駒から牡馬のGⅠホースが誕生。残念ながら同馬は秋に屈腱炎を発症して引退となってしまったが、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用されることが決まり、これで後継種牡馬に恵まれることとなった。

同期の菊花賞馬エピファネイアとは現役時代も種牡馬としてもライバル。全体のリーディングではほぼ同格で、向こうがキズナより勝ち上がり率が低い代わりに三冠牝馬デアリングタクトや皐月賞馬エフフォーリアといった大物を出している、いわば安打量産機とホームランバッターという対照的な成績である。

その勝ち上がり数は実を結び、2024年の総合リーディング、2歳リーディング、障害リーディングの三冠を達成し、祖父サンデーサイレンス、父ディープインパクトから王座を引き継ぎ日本競馬史上初となる一族三代リーディングサイアーの偉業を成し遂げた。
GⅠ1勝の戦績でスタッドインし、種付け料250万円と言う少額から始まり絶対王者だった父の影響もあり決して優遇された環境ではなかったのにも関わらず、自らの力で評価を上げていき頂点を手にした、世紀の出世馬と言える。そして発表された2025年の種付け料は脅威の2000万円

【余談】

レジェンド武豊騎手の復活という感動の舞台となった日本ダービーだが、実はフジテレビの実況が色んな意味でツッコミどころ満載であり、ネット上でネタにされている。

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最終更新:2025年08月23日 19:11

*1 その後、佐藤騎手は複数回の手術を受けるも、とりわけダメージの大きかった左腕が回復しきれず、2014年に騎手を引退。