マテバ 2006M

登録日:2012/06/14 Thu 22:02:50
更新日:2025/09/04 Thu 20:12:13
所要時間:約 2 分で読めます






性能(4インチ銃身)

全長:187mm
重量:1070g
口径:.357マグナム
装弾数:6



概要

イタリアでマテバブランドとして1990年に発売されたスポーツ用リボルバー。開発名称はMTR6で製品化に当たり.357マグナムに対応。
発砲時の跳ね上がりを抑えるための独特な工夫が施されている。



マテバとは

パスタ製造用のミキサーなどの製造を本業としていた会社の銃器ブランド。名前の由来はMacchine Termo-Balistiche(火砲機械)の略。
1956年にエミリオ・ギオーニ(1937~2008)が創業者の父から会社を継いだ。その際ギオーニが興味を抱いていた競技銃の製造を副業とすることとし、70年代より独特な拳銃を設計販売していた。
2005年に廃業。

ギオーニは90年末頃に会社を離れており、ライノリボルバーの構想を練っていた。
建築家のアントニオ・クダッツォとともに設計を完了させたが世に出る前にギオーニは逝去。クダッツォは遺作をキアッパ社に持ち込み、そちらでキアッパライノとして生産販売された。

2014年~2022年、マテバイタリアとして全くの別人が商標などを取得していたものの、銃器販売に関する諸法に違反していることが判明し企業活動の停止が命令されている。



構造

銃身がシリンダーの上部ではなく下部と接している。これにより手首とと銃身軸が一直線よりになる為、跳ね上がりを軽減する効果がある(TDI ベクターなどと同じ構造)*1
それに伴いシリンダーのスイングアウトの方向(弾薬装填時の取り出し方向)も横ではなく上方向と変わり種。
競技用なので特殊な工具を使用してバレルの長さを7段階に変更可能。臨機応変に変更できるので汎用性が高い設計と言える。

 スイングアウトの図

実際跳ね上がりはかなり小さい*2が、曲がりなりにも.357マグナム拳銃なので反動が大きい(.38スペシャル弾を用いたり2007Sを用いたりで反動は解決できる)。
さらに照準軸と銃身軸が遠いので近距離では狙点が下にズレる。
そしてコッキングのために別途操作バーを追加する*3などで機構が複雑になり部品点数が増えた。整備性が低く、製造コストも高くなってしまった。

発展改良型

1997年に発展改良型「6ウニカ」を開発。名前は読みがSei Unica(あなただけのもの)となることによる。
スイングアウトを通常と同じ横向き方式に変更。
そしてオートマチック機構を備えており、初発の反動でシリンダー含めた上部構造が後退しハンマーをコッキングする仕組みになっている。
これで二発目からは引き金が軽いシングルアクションで撃てるので命中精度があがる*4
しかし2006Mの欠点のうち照準軸と部品点数面での問題については解決されずじまいだったため。



フィクション

漫画や映画GHOST IN THE SHELL等にてトグサが架空モデルのM-2007を使用。9mm仕様。
彼は弾数が少ないことを指摘されても「マテバが好きなの」と答え、援護を頼まれても「マテバでよければ」と返答するぐらいマテバを愛している。
勘違いされがちだがSACのM-2008の方は6unicaがモデル。


君もマテバが好きかい

  • 東のエデン
滝沢のアパートのクローゼットの中

コルトパイソンを選び続けると5回目より使用可能。
小説版一巻では表紙右上を飾っている。



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最終更新:2025年09月04日 20:12

*1 本銃の前作MTR8ではシリンダーを引き金より前にせり出すように伸ばして実現していたが、大型化/フロントヘビー化してしまうため別のアプローチが取られたと思われる

*2 追記者によるキアッパライノ射撃時の主観を含むが、概ねグロック21程度の小さい跳ね上がりなのでスムーズに次弾発射に移れる。

*3 本来ハンマーのある位置にありこれを操作することでハンマーが起きる

*4 リボルバーのダブルアクションはトリガープルがより重くなるのでシャレにならないほど精度が落ちる