アットウィキロゴ

コルトパイソン

登録日:2011/08/07 Sun 11:52:47
更新日:2026/10/20 Tue 11:57:00
所要時間:約 6 分で読めます




コルトパイソンとは、1955年にコルト社から発売されたリボルバー拳銃である。
コルト社名物の蛇(ニシキヘビ)の名前を冠したリボルバーの一つ。


○概要

諸元(4インチモデル)
全長:241mm
重量:1092g
弾薬:.357マグナム弾
装弾数:6発
製造:コルト社

西部劇の時代から活躍していたリボルバーだが、20世紀に入ると自動式拳銃の台頭やメカニズムの頭打ちから、市場ではデザイン性での競合が続いていた。

製品の完成度は高いのだが、ダブルアクション機構の参入に乗り遅れたり、金属薬莢を使う弾薬の特許をS&Wに抑えられたり、価格が高すぎたりと、ライバルのS&W社に押されつつあったコルト社。
そんなリボルバーの老舗がコルトSAAの設計思想を元に己の名誉をかけて送り出した最高級リボルバーがコルトパイソンである。

ちなみに、1986年には同じ「.357マグナム弾」を使用し、より大型で強固なフレームと改良された内部機構を持つ普及モデル「コルト・キングコブラ」という弟分も発売されているのだが、コルト社の暗黒期真っ只中ということもありこちらの知名度についてはさっぱりであったそうな。


○特徴

当時最強の拳銃弾と言われていた「.357マグナム弾」に耐えうる剛性と、高い芸術性を併せ持った形状は半世紀たった現在でも色褪せることなく、
「リボルバーのロールスロイス」と呼ばれ高い人気を誇る。
深みのある青を帯びた黒色仕上げとなる「ロイヤルブルーフィニッシュ」の美しさも売りで、一挺ずつ熟練工による微調整が行われる為、逸材も生まれやすい。

銃身のデザインも他のリボルバーとは一味違う。

銃身上には拳銃でありながらベンチレーテッドリブがつけられている。本来は散弾銃に付けられ、加熱した銃身が陽炎を発生させるのを防ぐ為のパーツである。
拳銃でその効果は殆ど期待できないが、パイソンをパイソンたらしめている。



もうひとつの特徴として、銃口まで伸びるエジェクターロッドハウジングで銃口の跳ね上がりを抑制する効果がある。

他には交換可能な照星と微調整可能な照門等の外観を持っている。
トリガーの引きも他の製品よりも滑らかとされ、外見だけで無く内部にもこだわった逸品である……?



○欠点あります

見た目は文句なしにカッコいいとはいえ、内部機構の方は古いまま故に性能面では多くの欠点が残る。
また、製作晩年の職人不足や、コルト社の業績不振による予算カットの影響も加わり、残念ながら精度の悪い個体も少なくなかったと言われている。

  • ダブルアクションがまだ未成熟で、トリガーを引く際の重さが安定しない
  • シリンダーと銃身後部とのギャップが広く、発射ガスのロスが大きい
  • シリンダー前面が丸く加工されており、漏れた発射ガスが射手に吹き付けるケースが多い(火傷や怪我の原因)
  • シリンダー内部の仕上げが荒い(80年代以降のモデルに顕著)
  • シリンダーの回転がぎこちない
  • シリンダー全長が短く、使用できない.357マグナム弾があった

などなど…
クラシックな構造のリボルバーを全て手作りしていることを思えば、多少の欠点もこれはこれで味があると言えるような……うーん?


○その後と現在

優れたデザインと耐久性で人気を得たが、数々の欠点に加えてライバルのS&W社の躍進、更にコルト社自身の業績悪化に伴う品質の劣化が続いたことでユーザーの支持を失い、1996年には遂に生産中止。1998年にはカタログからも消えてしまうという憂き目に遭う。

しかし、受注生産ながら『パイソンエリート』としてカタログに復帰。
2020年には、2019年にリニューアル再販が開始されたキングコブラに続いて、同様に近代的な改良を施されたパイソン2020として販売が再開されている。



○バリエーション

  • ダイアモンドバック
1966年に登場した廉価版。.38Spl弾専用。パイソンと違い、フレームが一回り小さく、グリップ後ろ側に丸みがあり*1、仕上げが廉価版相応。

  • コンバットパイソン
3inモデル。S&W社等の3インチモデルに対抗して発売された。

  • パイソンハンター
1980年に登場した8inモデル。ラバーグリップとスコープが標準装備となっている。
しかし、コルト社の製品全般の品質が低下していた時期の商品で仕上げが極めて劣悪で命中精度も6inモデルに及ばないとされていた。

  • パイソン2020
2020年1月からリニューアル販売が開始されたパイソン。
素材が高強度ステンレス鋼に代わり、構造の剛性強化やトリガー系統の信頼性・操作性改善等の近代的な改良が行われている。


○登場作品



○補足と豆知識


  • ラバーグリップのパイソンもあるが、本来は木製のグリップパネルが標準である。

  • パイソンはフレームこそ難ありだが、バレル周りが優れていることからそれを活かしたカスタムリボルバーがいくつか存在する。
「パイソンのバレル」×「S&W M19(稀にM581及びM586)のフレーム」=スマイソン or スモルト
「〃」×「トルーパーMK-Vのフレーム」=ボア(BOA)
「〃」×「キングコブラのフレーム」=グリズリー(Grizzly)※コルト社公認の組み合わせ





追記・修正は愛用のパイソンを隅々まで整備してからよろしくお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年10月20日 11:57

*1 これを『ラウンドバック』といい、逆に角張ったものを『スクエアバック』という

*2 …なのだが、ベレッタ同様に商標を無断で使ってたので以後は「マグナムリボルバー」という一般名詞で登場している。