登録日:2009/08/21 (金) 01:29:26
更新日:2025/06/25 Wed 17:46:00
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概要
様々なプラットホームで発売された、女子プロレス
ゲームのシリーズ名。
元々はPC-98、つまり
パソコン用のゲームとしてこの世に生まれ出たが、その後様々な機種で発売されている。
決してメジャーとは言えないゲームだが、シリーズによって熱いストーリーが描かれたり、あるいは女子プロレス団体を経営する事が出来ると言う魅力もあり、ファンからは根強い人気がある。特に某Pixivとかでは大量のイラストがある。
だが、複雑な版権事情などから移植が望みにくく、残念ながら現在プレイするのは難しい。
ルール
本作はプロレスゲームではあるが、その試合がカードゲームであることも大きな特徴である。
選手にはそれぞれ、技の種類と数字が書かれたカードが配布される。
そしてそのカードの数値と選手の能力値によって優劣が決定され、優勢な方の技がかかる……と言うシステムである。
これだけだと単純なルールではあるが、加えて
- 連続して攻撃を受けている側は、技が決まりやすくなる(一方が延々と攻め続ける事にはならない)
- ダメージの高い大技は、相手の体力を削らないと決まりにくい(試合開始直後からいきなり大技ぶっぱにはならない)
- 自分の体力が低いほど、無条件で決まる必殺技カードが配られやすくなる(一発逆転が狙える)
と言った要素から、プロレスの試合らしさがバッチリ再現出来る優秀なシステムである。
シリーズについて
初代シリーズ
株式会社グレイトから発売された、最初のシリーズ。前述の通り、PC9800などのPCで展開された。
一部作品を除いて「水着剥ぎデスマッチ」があると言う世界観で、勝利すると敗者の裸を拝む事が出来る。
レッスルエンジェルス
1992年発売。初代、全ての始まり。
日本国内最大のプロレス団体「新日本女子プロレス」において、マイティ祐希子を筆頭とする若手レスラー軍団「レッスルエンジェルス」が、長期政権を築き上げていた正規軍に対して闘いを挑む所から物語は始まる。
チャンピオンを倒して日本を制覇した後はさらに世界を股にかけて様々なレスラー達と激突し、最後には世界最強の座を掴み取るまでの王道ストーリーで、ファンの人気を掴んだ。
レッスルエンジェルス2
1992年発売。
初代レッスルエンジェルスの後輩にあたる新人レスラー、武藤めぐみと結城千種を主人公としたストーリー。
主人公選択式で、選ばなかった方はタッグパートナーになったりライバルとして立ちはだかったりする。
最新作まで続くシステムの基礎が出来上がった作品であり、ゲーム的にもより面白さを増している。
レッスルエンジェルス3
1993年発売。
3と名を冠しているがストーリーはなく、シリーズに登場したキャラクター達による団体経営ゲームとなっている。
(予算などの制限はあるが)好きなレスラーを集めて団体を立ち上げ、試合会場や対戦カードまで組み上げられる、プロレスマニアには堪らない作品。
この3で完全にシリーズの人気を確立したと言っても良い。
ちなみにこの作品には水着剥ぎデスマッチはなく、代わりに写真集で水着姿を拝める。
レッスルエンジェルスSPECIAL
1994年発売。
改めて、2のストーリーの続きとなる作品。こっちが3で団体運営の方がSPECIALで良かったのでは?
と言ってもやや番外編の向きが強く、新日本女子プロレスとはまた別の団体である「太平洋女子プロレス」の新人レスラー・大高はるみが主人公。
シリーズとしてはいまいち影の薄い作品だが、1から登場するキャラクター・ブレード上原が自分の団体を経営不振で潰した事だけは有名。
シリーズで唯一のR-18作品。といってもエロ要素は無印や2と同じ水着剥ぎデスマッチのみであり、この作品だけR-18なのは時節的なものである。
家庭用作品(初期)
PCではなくコンシューマーゲーム向きの移植作品。シリーズの知名度を大きく向上させた。
が、この頃から版権事情がどうもきな臭くなっていく。
SUPERレッスルエンジェルス
1994年発売。
スーパーファミコンで発売された作品。開発はグレイトではなくPLUM、販売はイマジニア(現・ロケットカンパニー)。
内容は3の移植であり、団体経営ゲームである。
キャラスカウト時の要素が廃され、シリーズを知らないとキャラの背景が全く分からないと言う問題点こそあったが、当時もっとも普及した家庭用ハードで出した意義は大きく、ここからレッスルエンジェルスを知ったファンは非常に多い。
SPECIALの主人公である大髙はるみが、何故か皆川晴美と名前を変えて登場するなど、妙な裏事情を推測させたりはする。
あと、ギロチンドロップをはじめとする一部の技がやたらと決まりやすい通称「ギロチンバグ」が有名。
レッスルエンジェルス DOUBLE IMPACT
1995年発売。
PCエンジンで発売された作品。開発はグレイト、NECホームエレクトロニクス。
2を移植した「新人デビュー編」と3を移植した「団体経営編」のカップリング作品。
Vシリーズ
唐突に違う会社(KSS)に移籍して作られたシリーズ。初代シリーズのリメイクも出されており、一体何があったのか複雑な事情を伺わせる。
エロ要素は完全に廃され、王道の女子プロレス作品となった。要素自体は現在まで続くレッスルエンジェルスのイメージを強く固めた物も多いが、作品自体はシリーズの中でもマイナーでもある。
レッスルエンジェルスV1
1995年発売。無印のリメイク作品。
元となった作品よりもストーリー・演出ともに大幅にグレードアップしており、新たなキャラクターも多く追加されている。
レッスルエンジェルスV2
1995年発売。2のリメイク作品。
こちらもV1に準じてグレードアップしている。
美少女レスラー列伝 ブリザードYuki乱入!!
1996年発売。
スーパーファミコンで発売された作品。タイトルにはレッスルエンジェルスと冠されていないが、実際はV1のリメイク移植である。
タイトルの通り当時連載されていた女子プロレス漫画「ブリザードYuki」とのコラボ作品で、V1の世界観にYukiの登場人物やオリジナルキャラクターが登場する。
また、シリーズでは唯一、対戦がカードゲームではなくアクション要素になっている。
タイトルでレッスルエンジェルスと分からない上に、そもそも「Yuki」が推された割に泣かず飛ばずで終わってしまったので、売上も伸びず、非常にマイナーな作品。
だがこの作品でのみ、初代ラスボス・ダークスターカオスの中の人が登場するので、その部分だけは有名である。
レッスルエンジェルスV3
1996年発売。
3やSPECIALのリメイクではなく、V2の続きとなる完全新規ストーリー作品。時系列としては最後になり、完結編とも呼べるストーリーともなっている。
木村華鳥・ソニア稲垣・草薙ひよこの
どこかで聞いた事のある名前の3人から主人公を選択するが、ストーリーの語り手は初代のメイン主人公・マイティ祐希子の視点でも描かれる。
日常会話差分が主人公別ではなく3人とも共通で祐希子の会話になる手抜き仕様である
女子プロレス界の頂点となった祐希子が自分の後継者として選択した1人を育て上げるまでを描いた作品であり、これをもって初代から描かれた彼女のストーリーが完結する。
サバイバーシリーズ
V3の後、レッスルエンジェルスの商業展開は停止する。
だが10年後、サクセス(『SIMPLEシリーズ』や『おさわり探偵 小沢里奈』で有名な会社)のスタッフが、初代のメインスタッフであり同人誌展開なども行っていた松永直己氏に接触し、新シリーズを展開した。
レッスルエンジェルスサバイバー
2006年発売。機種はPS2で、3やSUPERと同じ団体運営をテーマにした作品。
過去の作品に比べて演出、イベント面は大幅に強化された。また、過去作に登場した「レジェンドキャラクター」のみならず、本作から新たに登場したキャラクターも多い。その中でも一部のキャラクターは、レジェンドに負けないほどに人気を博した。
ゲームとしての出来はいまいち首を捻らざるを得ないもので、
- 演出面の強化の代償に、テンポが大幅に悪化している(特に練習)
- 選手ごとに「素質」が設定されそれにより成長率が変わるのだが、その補正があまりに大すぎて素質に差があると全く勝てない
- イラストのクオリティに差がある。特にレジェンド海外キャラを担当したwide2氏の絵は多くの批判を受けた
- レジェンド日本人キャラのイラストはHal氏が担当しているが、2の主人公である結城千種だけは松永氏が描いている上に、デザインは過去作の物ではなく氏の同人誌の物がベースとなっており、非常に浮いている。枠も(過去作主人公なのに)レジェンドではなくコラボキャラ枠
などの問題点がある。
とはいえ、それでも「美少女レスラー達を自由に雇って団体運営出来る」と言う独自性はプロレスファンを惹きつけ、マニアックな人気を獲得した。
ニコニコ動画でも、多くの実況プレイ動画が上がっている。
レッスルエンジェルス愛
2006年配信開始。DoCoMoのiモードで展開された携帯向け作品。
バーコードからレスラーを探してスカウトし、自分の軍団を結成して全国のプレイヤーと戦わせるメインゲームと、1話ごとに1人の新キャラに焦点を当ててストーリーを展開するストーリーゲームの2つのモードがあった。
ストーリーは毎月1話ずつ12話に分けて配信された。シナリオはTRPG
リングドリームやPixivの二次創作「夢の東方タッグ編」で有名なでいしろう(オレンジゼリー)氏が担当しており、(と言うか実はサバイバー無印の時点で開発に関わっていたが、名前が全面に出たのは愛から)、主人公のうち2人はリングドリームからの流用キャラとなっている。
1ヶ月に1本と言うノルマが大分厳しかったのか、その出来は割と玉石混交。レジェンドキャラクターの新たな一面を見せたり、新キャラクターの魅力を強く引き出したり、前述のTRPGキャラがメアリー・スーしたり、そもそもボリュームが薄くて打ち切りだったりする。
携帯アプリなので現在ではプレイ出来ないが、ストーリーゲームのうち2話のみ公式HPから無料ダウンロード出来る(試合シーンはプレイ出来ないが、ストーリーは全て読める)。
玉石混交の玉の方なので、興味がある方は是非。
ちなみに千種は松永絵からHal絵に変わった。
なお同じ頃、オンライン対応のPC版として「レッスルエンジェルス夢(仮)」も企画されていたが、仮タイトルの通り夢で終わった。
レッスルエンジェルスサバイバー2
2008年発売。機種はPS2。
サバイバーの続編、と言うかパワーアップバージョン。今回も団体運営作品である。
そして、エキサイティングプロレスシリーズなどでお馴染みのユークスの子会社、トライファーストに権利譲渡され、そこから発売となった。
愛のキャラクターが参戦した他、素質の差が緩和されたり、キャラクターにスキルが追加されたりと、前作の不満を緩和しつつ大幅に強化されている。
が、関節技を必殺技に指定すると技の威力が大幅に落ちると言う致命的な「関節バグ」があり、試合面で大幅に評価を落としている。
また、前作でwide2氏のイラストが物議を醸した海外レジェンドキャラクターは新たに末次誉亮氏の物に書き直され、非常にセクシーに仕上がっているのだが、ついでに可愛い系のデザインだったオリジナルキャラクターまで担当し、頭身がバキバキに上がってしまったのは賛否両論。
なお、1・2ともにその独自性で人気を博した一方、あんまり売れなかったようで市場に流通しておらず、プレミアがついている。
そして2010年、トライファーストはユークスと事業統合して消滅。
さらに、当時サクセスが開発していたソーシャルゲーム版
リングドリームにはレッスルエンジェルスのキャラがゲスト参戦予定だったが、取りやめとなってしまった。
かくてレッスルエンジェルスはまたも権利関係が迷子となり、現在に至るまで続編は出ていない……。
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- フレイア鏡ちゃんとコリィ・スナイパーちゃんがエロ可愛い♡ -- 名無しさん (2024-05-09 02:27:47)
最終更新:2025年06月25日 17:46