登録日:2012/02/07(火) 17:34:53
更新日:2022/05/24 Tue 23:43:08
所要時間:約 3 分で読めます
2001年1月1日に放送されたオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語 SMAPの特別編』内のエピソード。
『世にも奇妙な物語 SMAPの特別編』はDVD化しているので、興味があったら探してみてください。
~あらすじ~
只野一郎は求人誌で「エキストラ募集!」の広告を見つけた。
早速面接に向かうと即採用となり、台本が渡される。
バイトの内容は、指定された場所で、指定された日時に短い台詞を言うこと。ただそれだけ。
カメラはないし監督はいない。
しかしバイト代はしっかり振り込まれるので、只野は奇妙に思いながらもバイトを続ける。
そして次の台本が渡された。
待ち合わせ場所で東海林という人物に話しかける、というシーンだ…。
~登場人物~
主人公。
役者を目指している。
エキストラ歴30年の清掃員。
東海林役のおじさんの娘だが、台本の台詞以外の言葉を喋らない。
只野を即採用し、台本を渡す人物。
ネタバレ
只野「とうかいばやしさんですよね?」
東海林役のおじさんに話しかけた瞬間、周囲の人々が凍りついた。
有り得ない、と言いたそうな視線が只野に突き刺さる。
周りの人々全員の視線。困惑する只野に、東海林役のおじさんが助け舟を出した。
おじさん「……それは……‘しょうじ’と読むんだよ……!」
只野「え…えっと…しょうじさん…?」
周囲の人々はそうそうその読み方だよ、と言いたげに頷き、何事もなかったように流れ出した。
只野は東海林役のおじさんと親しくなる。
彼には美しい娘がいるが、台本に書いている台詞以外のことをしゃべらないという。
東海林役のおじさんは言う。
「世の中の人間ははすべて決められた台詞をしゃべっているだけ。
死ぬまでずーっと。
それに気づいていない人もいるが、あちこちに言うべき台詞が表示されていて、それを自然に読んでいたりするんだ」
ふと街を見ると、行き交う人全てが台本が握っていて、各々の決められた役割のみを忠実に果たしていた。
その後日、東海林役のおじさんは只野に「ずっとエキストラだった俺にも、ついに主役になれる、最初で最後の大舞台が来た」と告げる。
東海林役のおじさんの死を知り、エキストラに嫌気がさした只野は公の場で抗議した。
しかし、抗議してからは「住む場所を強制退去させられる」「エキストラを否定した者には食事が与えられない」「ホームレスですらエキストラ」等の現実を突き付けられて今までの生活を失ってしまう。
孤立に耐えかねた只野はバイト先で台本を求めるのだが、この時を待っていたと言わんばかりに自分の一生分の台本の山を見せられ、とうとう抗う気力さえも失ってしまった。
そして一年経った。
軍隊のパレードのように一糸乱れぬ動きで歩くサラリーマンの中に、只野はいた。
今日は結婚するべき女性と出会う日。
そのとき、当時から気になっていた東海林役のおじさんの娘が現れる。
只野は今しかないと決断し、台本にない台詞を言う。
「君の名前は?」
「…はる香」
最後の最後で、只野は小さな抗議をしてみせたのだった。
追記・修正お願いします
* *
* + ラストうそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
Y Y *
「君の名前は?」
「…はる香」
この台詞も、別の台本に載っていたものだったのだ。
つまり、「只野一郎が台本にない事を言う」という流れそのものが台本通りという訳だ。
追記・修正は台本をもらってからお願いします。
- まるでビッグオーのパラダイムシティと住人たちのようだな。あれも「40年前に記憶を無くした街という舞台と記憶を無くしたという設定で生きる演者たち」だからな -- 名無しさん (2013-06-19 11:53:33)
- なぜかジョジョの『眠れる奴隷』を思い出した。 -- 名無しさん (2013-09-06 15:29:17)
- 諸星大二郎の漫画「夢見る機械」で主人公以外は皆冷凍睡眠で眠っていてエキストラロボットを身代わりにしているという話を思い出す。多少ずれているかもしれないが。 -- 名無しさん (2013-10-01 22:19:00)
- 賢くなりたい -- 森田 海斗 (2013-12-23 22:32:17)
- 運命から逃れようとしてとった行動が、別の運命に……って、「書の囁き」(サンホラの「Chronicle 2nd」中の曲)になかったっけ? -- 名無しさん (2014-01-11 17:19:41)
- ↑自分も書の囁きが浮かんだ。ラスト見てクロニカの「めでたし、めでたし」が聞こえた -- 名無しさん (2014-01-11 17:26:13)
- ↑×1~2なんだかザブングルの辿った運命みたいだな。パターン破りをしたつもりが、べつのパターンに…… -- 名無しさん (2014-11-02 20:33:57)
- オチは読めるよね -- 名無しさん (2015-05-12 03:30:12)
- たとえ自分の意に介さなくても、『意に介さない前提の人』として、行動を予測する。台本書いた脚本家の末恐ろしさよ… -- 名無しさん (2016-01-02 18:15:28)
- 俺の台本書いた人ふざけんなよ いつ女子とのイベントとか起きるんだよ -- 名無しさん (2016-08-24 11:11:37)
- 運命に抗う事もまた運命、って言葉を思い出したよ -- 名無しさん (2016-08-24 11:25:05)
- 理不尽なシナリオでもない限り気紛れでもない限り抗う人はいなさそう。 -- 名無しさん (2016-09-22 21:18:29)
- (俺の台本はいつ来るんです?) -- 名無しさん (2016-11-29 23:09:35)
- ↑11 今更だけど、「夢見る機械」も世にも奇妙な物語で映像化されたね。 -- 名無しさん (2017-08-19 20:10:41)
- ↑5 転生編にご期待ください -- 名無しさん (2018-01-15 12:05:20)
- 個人的には「台本に抗う男」っていう台本を渡されたんだと思ってる -- 名無しさん (2018-05-23 06:54:54)
- ラストで示されていたのは本編での流れは最初から全部台本通りだった…ってやつなのかな? -- 名無しさん (2019-12-03 15:57:55)
最終更新:2022年05月24日 23:43