リゼット=ヴェルトール

登録日:2011/12/07(水) 00:56:05
更新日:2024/12/03 Tue 06:27:52
所要時間:約 5 分で読めます






私はどうなっても構いません。だからお願いします―――

この水晶を破壊して、すべての悪夢を終わらせてください!





11eyes -罪と罰と贖いの少女-のヒロイン(?)の一人。

cv.RINA/新名彩乃
身長:145cm
体重:37kg
3サイズ:70/52/72



赤い夜の中心部、祭壇のような場所で巨大な水晶に幽閉された少女。
赤い夜とは対照的な、長い銀髪と碧の瞳を持ち、純白のドレスを纏う幼げな姿をしている。

自分の名前以外の記憶はなく、また遠距離から駆たちに黒騎士の襲来を伝えるなど不思議な力を持っている。


黒騎士は純真無垢な彼女のことを「魔女」と蔑んで呼ぶが……。




以下ネタバレ


































元々リゼットは13世紀初頭、南仏オクシタニアの城塞都市ベゼルス(ベジエ)で生活していたキリスト教の異端派カタリの敬虔な教徒であった。


しかし、1209年のアルビジョア十字軍による侵攻*1の際、陥落したベゼルスで異端の徒として捕らえられ、兵たちの慰み物として純潔を散らす。
ただひたすらに嬲られ、犯され、蹂躙され、使い物にならなくなった頃には何処とも知れぬ森に放置された。

病に冒され、四肢は腐り、視力もほとんど喪ったリゼットは、水を求めて行きついた木の洞で、その哀れな生涯に幕を下ろそうとしていた。


だが、そこに現れた一人の人物によって、彼女の長きに渡る凄絶な暗黒の人生が始まる。


自らを賢者と名乗る男、ミシェル=マキシミリアン*2
彼はリゼットに対し一つの提案をする。

彼の持つ『翠玉碑の欠片』の一つ、闇精霊(ラルヴァ)を吸収し漆黒の輝きを帯びた『虚無(クリフォト)の魔石』を与えよう。
全てに絶望し、信仰していた神をも呪う少女に、穴倉のヨハンナ*3に匹敵する魔力という復讐の術を与えよう、と。

その答えとして怨嗟の咆哮を挙げるリゼット。ミシェルはその胎に『虚無の魔石』を埋め込んだ。


莫大な魔力を得たリゼット。
既にミシェルは居なくなっていたが、それが白昼夢でなかったことは自らに宿る力が証明していた。


リゼットはその後、当代最高と呼ばれた魔術師ヴェルクマイスターに師事。
永の研究を行うが為の延命を必要としないリゼットは、研鑚に専念しみるみる魔術師として成長。
そして師の亡きあと、その名を受け継ぎ『リーゼロッテ=ヴェルクマイスター』と名乗るようになる。


しかし長い年月の間にアルビジョア十字軍の関係者も死に絶え、既に世界への復讐心が薄れ始めていたリーゼロッテは世界の裏で暗躍し、混乱を引き起こしてはただ愉しむだけの存在となっていた。
そのうちに「炎の魔女」「姦淫(ルクスリア)の魔女」「バビロンの大淫婦」などと呼ばれるようになった。


1400年代、ドラスベニア王国の常勝不敗の魔王ヴェラードが、自らの力の源と起源を同じくする魔導具『(アイオン)の眼』を持つと知り、それを手に入れんと腹心の部下となる。

だが、彼の持つ「人類の罪を浄化するための人類鏖殺」という夢想、それを全て独りで背負うという姿に惹かれ、彼を愛するようになった。
そして愛しの魔王が部下の裏切りによって殺された後、彼の夢を成し遂げんと再び人類に牙を剥く。


20世紀にはナチス・ドイツに接触。
さらに自分と同格の魔術師六人を集めた魔術結社トゥーレを結成。
表向きは魔導帝国の実現を謳っていたが実際は人類鏖殺の手段を整える一環に過ぎなかった

そして1945年、大戦のまっただ中に霊脈が最適な日本の涅葦原へ。

闇精霊で構成された異世界との門を開き、光精霊(エーテル)で構成されたこの世界の生物を死滅させる大魔術『奈落落とし(ケェス=ビュトス)』を発動した。

だが、敵対していた禁書目録聖省(インデックス)の討伐部隊の妨害に遭い、部隊は壊滅させたものの虹のゲオルギウスに禁呪『契約の虹(アルカス=パクトゥム)』の発動を許してしまう。
本来なら魂魄が消滅するほどの禁呪。だが絶大な魔力を持つリーゼロッテはそれを七つに分割、うち六つを並行世界に引き離されるに留まり、全ての記憶と魔力を失い術式の途中で封印された。


その後、現実時間で60年以上経過し、欠片を持つ魂の全てがかつての涅葦原に集ったことで世界が混線。『赤い夜』と並行した『現実だと思っていた新たな世界』が作られる。
封印を解くまいと奮闘するかつての使徒こと黒騎士と、何もわからず襲われ生き残ろうとする欠片たちの戦闘を何もわからぬ状態で傍観。

しかし、雪子の欠片を吸収し記憶が覚醒。
ドレス姿から漆黒の衣装に変化し封印に抵抗を始める

ゆかの欠片も取り込みいよいよ復活という時、駆が『劫の眼』の今生の所有者であり、ヴェラードの意識がそこに存在していることを知る

だがヴェラードの意志を継いだリーゼロッテの行動を当のヴェラードが否定。
怒り狂ったリーゼロッテと『劫の眼』の最終決戦となる

全盛期の3/7でさえ圧倒的優位を保ったリーゼロッテだったが、最後は限界まで力を発動させた『劫の眼』に本来破壊しえぬ『虚無の魔石の欠片』を砕かれ、雷切にその身を貫かれる。

「そなたを殺す」という約束を果たした愛する男の腕の中で、800年に渡る流浪の呪縛から解放された魔女は灰となって跡形もなく消滅した。



■11eyes Resona Formaにて

上記の涅葦原での戦いを黒騎士こと使途たちの視点から描かれる。

彼女が得意とする幻影魔術『幻燈結界(ファンタズマゴリア)』を用いて使途たちは一人、また一人と絶望のうちに斃されていくが、最後はゲオルギウスの『契約の虹』によって封印。
草壁操が悲壮なる決意のもと、自身と使途たちの骸と魂魄を闇精霊で編み、黒騎士として転生するところで幕を閉じる。


また、もう一つのシナリオとしてヴェラードによるリゼット救済の物語も語られる。

死の間際に『劫の眼』を使い1209年のベゼルスへと時間跳躍したヴェラードは、迫りくるアルビジョア十字軍に対し『劫の眼』の全力を用いて対抗。
かつて『劫の眼』を所有し、眼の裡にある英霊の魂を顕現させることで万の軍勢を退け、愛する魔女が魔女となる理由を根本から断ち切った。

自らに熱い接吻を交わし、そして何も語らずベゼルスを護った騎士に、最期の時にようやく名前を聞くことが出来たリゼットは、その後彼の雄姿を語り継ぐ美しい女性へと成長した。




■そして、コラボにて

11eyesの終幕から10年以上の時を経た令和の時代。withoutが制作する二つのゲームにて「その後」が語られることになる。

こちらに登場するのはヴェラードの奮闘により生存したリゼット、そしてその結果なかったこと=夢の欠片となった死の瞬間のリーゼロッテ。

ミシェル=マキシミリアンの手によって異世界の幻夢境に落とされたリゼット。
彼女が思い人たる騎士と再会するには200年の時を越えねばならず、それはすなわち絶望によって魔女として失墜することを意味する。
魔女の再臨はヴェラードの奮戦を無意味にするのと同義であり、そんな未来を許せないリーゼロッテは皐月駆の身体を借りたヴェラードとともに、リゼットがヴェラードとの再会を願うことがなくなるよう、悪役として振舞うことになる。


  • ミナシゴノシゴト
こちらに登場するのは『赤い夜』『ベゼルス』という戦場に刻まれた記憶からチスイノマンダラを通して生まれた、いわば『戦神アカイヨル』『戦神アルビジョア・フォールス*4』とでも呼ぶべき存在となったリーゼロッテとリゼット。つまり厳密には本人ではない。

駆や美鈴、栞の主人公と自身を含む人気上位ヒロイン三人を巻き込み、異世界ニルヴァーナにて赤い夜の再演を行うことになる。
……のだが、その後は水着姿でバカンスを楽しむなど、800年の間に溜め込んだ鬱屈とした感情を吐き出すかのごとくはっちゃけまくる。
というかリアルの方でもグッズ(アクリルスタンド)を売り出したり、10恋コラボで三度登場するなど「ミナシゴ」のキャラクター(ヅラ)してる節すらある。


なお両者に共通して、上記のようにリーゼロッテの方は既に人類鏖殺の目的から解放されたことで、愛するヴェラードへの責任感や世界への憎悪といった負の感情もほぼなくなり非常に性格が丸くなっている。
手駒とする過程で記憶を渡したリディアからは「はた迷惑な恋愛脳」呼ばわりまでされる始末。
だいたい事実なのでやむなし。




■以下余談
  • ぱんつはいてない*5
  • 作中では暗黒の炎を多用するが、同じトゥーレの黒羊歯鼎の秘技『アジ=ダハーカ』もツッコミ感覚で使える。
  • 3daysベジータ山葵マスクことヴァルターをトゥーレにスカウトしたのは彼女。
    同時期に日本で消息不明となり一応二人とも公式には戦死扱い。
  • 『囚われの少女が実は強大な力を持つラスボス』というモチーフは「魔法騎士レイアース」のエメロード姫から。
  • 『ヴェルクマイスター』という名前の元ネタはゲームブック風エロゲ「蠅声の王」。
    吸血鬼の祖『ヴァクトマイステル』をドイツ語風に崩したもの。
  • RFのおまけシナリオではヒロイン全員を相手にしたハーレムの〆としてリゼットとリーゼロッテとのHシーンがある他、上記コラボでも当然寝室が実装されている。
    ラスボスなのに原作ゲームの展開終了後10年以上経ってから何度も濡れ場を要求される女。





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最終更新:2024年12月03日 06:27

*1 史実。インノケンティウス3世による南フランスの異端討伐を目的とした十字軍派遣。総指揮官は第5代レスター伯シモン・ド・モンフォール。

*2 かの『這い寄る混沌』ニャルラトホテプの使用する名前の一つだが関連性は不明。

*3 後述のファンディスクに登場する『女教皇』。彼女もまた『翠玉碑の欠片』の所有者の一人。

*4 現実のアルビジョア十字軍はわずか1日でベジエを制圧しており、しかもこれが緒戦なのでもしここで壊滅などしようものならこの先20年に及ぶアルビジョア十字軍侵攻の歴史が根本的になかったことになる。

*5 そもそも下着という概念を知らない。