XI[sai]

登録日:2011/05/25(水) 00:42:42
更新日:2025/11/06 Thu 07:47:31
所要時間:約 3 分で読めます




XI[sai](サイ)*1とは、1998年にソニー・コンピュータエンタテインメントからPS1で発売されたパズルゲームである。
凄まじい中毒性で約110万本売れたヒット作品の1つ。


◆概要

プレイヤーは小悪魔の「AQUI(アクイ)」を操作し、ダイスが無尽蔵に床から生えてくるフィールドで、
玉乗りのようにダイスを転がしながら縦横に同じ目を揃えてダイスを消していく。
モードにもよるが、基本的にフィールドがダイスで埋まってしまったらゲームオーバー

ダイスは目の数以上、例えば3の目なら3個以上、6の目なら6個以上隣に繋げる(リンクさせる)と消える(バニッシュする)。
1の目だけは特別で、消えている最中のダイスの隣に1を置く事で、自分の乗っているダイス以外のフィールド上の1が全て消える(ハッピーワン)。
ダイスを消すと[(ダイス目)x(リンク数)]のスコアがもらえる*2

ダイスが消える際は瞬時に消えるのではなく*3、生えてくる時とは逆に地面に沈み込んでいく形で消えていく。
この消えている最中のダイスに同じ目を繋げるとチェインとなり、新たに繋げたダイスも一緒に消えて行く
チェインを繋げると先程のスコア計算式にチェイン数を掛けたスコアが再度加算される*4ため、
繋げれば繋げるほど貰えるスコアが飛躍的に伸びて行く、超重要テク。
ただしチェイン時にも目の数以上のダイスが繋がっている必要があるため、特に5や6の目でのチェインは難度が高い。
アドリブでチェインを繋げられるようになるのがハイスコアへの第1歩。
チェイン時の声はかなり印象的。



◆シリーズ

XIはリメイクを除くと3作発売されている。


  • 【初代XI】
上記の基本ルールのみだが、時間無制限のエンドレス、3分間のスコアを競うタイムリミテッド、2人で協力するエキシビションの3つのトライアルモードに、
2人で目の権利を奪い合うバトルモード、5人で体力を削り合うウォーズモード、決められた手数以内に全てのダイスを消すパズルモードとモードは充実している。
また本作のパズルモードのみ、「4x4のフィールドに無造作に置かれた6つのダイスを、20手以内に全て消す」というランダムステージが 1000問 存在する(問題がランダムに生成される訳ではない)。
ランダムステージに正攻法と言えるものは無いため、ヒントは存在せず、レコードも記録されない(クリア済か否かのみ記録される)。

プレイ中、本体のCDを入れ替えるとBGMが入れたCDの曲になる(トラックも選択可能)。
お気に入りの曲を聴きながらプレイしてみては?


  • 【XI JUMBO】
1999年、PS1にて発売。
小悪魔に「アクイ」という名前が付いた。5人のアクイちゃんに名前や個性が付いたのも今作から。

フィールドが2段になり、ジャンプや持ち上げといったアクション、2段目を活かした「予約チェイン」というシステムが追加された。また、ダイスの下敷きになったときの挙動が上へすり抜ける形に変わったため復帰が容易になっている。
ダイスには磁石ダイス、幽霊ダイス、炎ダイス、ジャンボダイスが新登場。

5人対戦はできなくなったが、お馴染みのタイムリミテッドとパズルに加え、
指定されたお題をクリアしながらスコアを伸ばすノルマアタック、個性豊かな敵キャラ達と対戦していく冒険と、モードは多彩。
さらに冒険以外は全て2Pプレイに対応しており、対戦モードもある。
対戦はルールが大きく変わり、相手のフィールドにダイスを落として攻撃し、先にフィールドが埋まった方が負けという、落ち物パズルでよく見るルールになっている。
パズルモードは2段になったフィールドとジャンプ・持ち上げ、磁石・幽霊ダイスの登場でより頭を使うように。
さらにエディットモードを搭載しており、オリジナルのステージを作ることもできる。
自分で作ったステージが解けなくなっても責任は負いません。


  • 【XIゴ】
2002年に唯一PS2で発売された。
読み方はサイゴ
公式にシリーズ最後と言われている。
新ルールでは揃えたダイスが爆発する。
爆発した目と同じ目か1つ小さい目に誘爆するとさらに爆発する。爽快感や迫力は随一。ただし、爆発にアクイが巻き込まれると即ゲームオーバーになるという厳しいルールが設けられている。
モードとしてはアクションRPG風のクエストモードが追加。

さらに、5人対戦が復活したほかに過去作の2つのルールでも遊べる。


◆アクイちゃんたち
プレイヤーキャラのアクイちゃんはAQUI族の5人兄弟。おじいさんが天使でおばあちゃんが悪魔なのであまり悪魔らしくない。
名前の由来は様々な言語での色の名前。
スピードと得意な目、攻撃ダイスはJUMBOのみのシステム。

ロッシ
兄弟の長男でまとめ役。みんなの人気者。
スピードは2。全ての目が得意で、攻撃ダイスは普通のダイス。
リンゴが好き。
JUMBO以外では主に1Pキャラとして登場している。

アスール
頭が良くて綺麗好きな次男。ちょっとクールで几帳面。
スピードは4。3と4の目が得意で、氷ダイスで攻撃する。
スピードが最高なのでJUMBOのスコアアタックでは引っ張りだこ。
ブルーベリーが好き。
JUMBO以外では主に2Pキャラとして登場している。そして残りの3人は空気

ヴェルデ
お調子者で八方美人な三男。
スピードはアスールと同じ4。5の目が得意で、磁石ダイスで攻撃する。
アスールと同じく、スコアアタックでは引っ張りだこ。
メロンが好き。

ホァン
マイペースな四男。のんびりやでお人好し。
スピードは最低の1だが、得意な目は揃えやすい2で、攻撃ダイスも即死を狙える石ダイス。
バナナが好き。

モモ
気まぐれな末っ子で紅一点。イタズラ大好き。
スピードは3、得意な目は6、攻撃ダイスは幽霊ダイス。
桃が好き。


◆ダイスの種類
ダイスには様々な種類があり、それぞれ動かし方が異なる。
なお、どのダイスもバニッシュすれば特性が消える。


乗れば転がし押せば滑る、基本のダイス。
面ごとに色分けされており分かりやすい。
XIゴでは基本的にこれしか出現しないため、判りやすいが寂しくなった。

木のダイス
木製のダイス。
軽いので、押しても転がってしまう。

氷ダイス
氷でできたダイス。
押すと何かにぶつかるまで止まらない。
初代では乗っていれば普通に転がせるが、JUMBOでは乗っていても「あわわわわわ」という声と共に滑ってしまう。

石ダイス
石でできたダイス。
重いので押したり持ち上げたりできない。
上に乗っていても一緒にジャンプすることはできないが、転がすことはできる。初代では普通に転がせるが、JUMBOでは重さを意識してか転がす速度が遅くなった。
このダイスに潰されると即死してしまうため、対戦ではこれに乗ったアクイが他のアクイを追い掛け回す事態が頻発した。

鉄ダイス
鉄製のダイス。
とっても重いので押すことはおろか転がすことすらできず、一切動かせない。もちろん潰されたら即死する。
初代ではパズルでしか登場しなかったが、JUMBOではバーサスでも攻撃ダイスとして上から降るため猛威を奮う。
また、JUMBOでは下記の磁石ダイスを張り付かせる特性を持つようになった。範囲は前後左右の1マスで、下(1段目)や上(2段目)にある磁石ダイスは流石に張り付かせない。

磁石ダイス
磁石でできたダイス。JUMBOのみ登場。
磁石なので他の磁石ダイスや鉄ダイスとくっつく。
磁石ダイスとくっつくと一緒に転がり、鉄ダイスとくっつくと動かせなくなる。
このダイスのみ黒が基調なので、1以外の目の色はすべて白に反転しているという特徴がある。
また、パズルでは磁石ダイスが何個くっついていても1回動かすごとに1手扱いなので、磁石ダイスが使われている問題は手数も不自然に少ないことが多い。

幽霊ダイス
幽霊のように実体のないダイス。JUMBOのみ登場。
実体が無いので触ることができず、他のダイスが重なると場所が入れ替わる。
この入れ替わりは転がしたり押したりして移動したことと同じ扱いになるため、入れ替わった先で他のダイスと繋がればちゃんとバニッシュ出来る。

ダイス
熱く燃えるダイス。JUMBOの対戦モードのみ登場。
しばらくすれば冷めて普通のダイスになるが、熱いうちに乗るとしばらく動けなくなってしまう。

ジャ
その名の通り巨大なダイス。JUMBOの対戦モードのみ登場。外見は普通のダイスと同じ。
通常の8倍のサイズで、とにかくジャマになる。もちろん動かすことはできない。
しかし1段目と2段目の両方と繋がっているので、思わぬところで消せることも…。

ルド
目が描かれておらず虹色に発光する不思議なダイス。XIゴでのみ登場する。
1の目と似たような仕様で、これ単独で着火することは出来ないが、ワイルドという名の通りどのダイスの目で爆発しても誘爆でき、このダイスが爆発したときの爆風は1マスしかないが、どの目のダイスでも誘爆できる。
ウォーズモードではこれの派生であるワイルドキュアダイスが出現し、このダイスの上で放置していると体力を回復できる。

自爆ダイス
出現した時点で白く着火しているお邪魔要素のダイス。XIゴのトライアルのスタンダードで特定のレベルになると出現する。
XIゴ屈指の事故要因であり、この爆風が他のダイスに誘爆すると、そのダイスも連鎖的に自爆ダイスと化してしまう。
このダイスも着火用途には一応使えて、更に着火すると自分の色に上書き出来るため、火元を着火の上書きで処分すれば実質的に被害を抑えられる。
後半のレベルだと自爆ダイスだらけになるため、そんな余裕は一切なくなってしまうが…


さて、ここまで紹介してきたがかなりの人がこんなのあったなぁなんて思っただろう。

そう、この作品は非常に面白いのだが初代以外のシリーズ作品はすごく知名度が低い。
あのしたのとか一列揃えて消すゲームとかが有名すぎるからというのもあるのだろうが、初代にてシステムがほぼ完成されたこともあって、一人用でも対戦でも熱中できるゲームであったが、初代の知名度が強すぎるが故に後発シリーズが埋もれがちになってしまったようだ……

実際、2作目のJUMBOが発売後に初代XIの廉価版や、初代XIのワンダースワン移植版が発売されている。需要自体は非常に高かったのだ。

ソニーもPS2でXIゴです^^とかやっちゃう始末だったが

PSPや携帯アプリへの移植など数多くの移植に恵まれたが、現在では完全新作はSIEジャパンスタジオの解散などで絶望的と思われる。
……これXIのまんまパクリじゃない?って似せたゲームはスマホアプリとかであるけど

2022年現在では、初代とJUMBOはアーカイブスで購入可能。
さらに初代は、当時街頭で無料配布されていた体験版をお試し配信ということで無料でダウンロード可能。
XI未プレイでパズル好きの諸君は、騙されたと思ってやってみよう!非常に中毒性の高いパズルゲームなので絶対ハマることだろう。



追記修正はタイムリミテッドで終始6を繋げ続けられる人にお願いします。

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最終更新:2025年11月06日 07:47

*1 正しくはaにアクセントが付く

*2 例えば、3の目を4つ繋げて消すと3x4で12点もらえる

*3 ただし、JUMBO以降の1の目はこの仕様に変更された

*4 例えば、3の目を4つ繋げて消えているところに、さらに3の目を1つ繋げると、最初に貰った3x4+チェイン時の3x5x2で合計42点貰える