東京S黄尾探偵団シリーズ

登録日:2012/10/16(火) 23:54:01
更新日:2020/06/27 Sat 22:35:50
所要時間:約 6 分で読めます




東京S黄尾探偵団とは、コバルト文庫から刊行されたライトノベルのシリーズである。
著者は響野夏菜 イラストは藤馬かおり
全28巻。

◇概要
S県で唯一の通信制高校である県立黄尾高校の保健室に支部を設ける東京S黄尾探偵団(別名、トーキョースーパーイエローテール)が巻き起こす騒動を綴った作品。
ジャンルは探偵ものなのだが、まっとうに推理するよりも力技で事件を解決することが多い。
「ずるい、きたない、あくどい」の三原則をモットーにしており、強盗や窃盗は当たり前、
カーチェイスにビルの爆破、マフィアとの銃撃戦とやることなすことがハチャメチャで、挙句の果てに事件はないかと警察にたかりに行く始末。
事件にしてもいわゆる殺人事件からカルト教団との対決、幽霊騒動、一巻丸々使って登場人物のコイバナとバラエティ豊富。
一方で、探偵団のメンバー全員が高校生ということもあり、
彼らが通信制高校に通わなければならなくなった過去の出来事と向き合い、成長していく青春活劇としての側面も持っている。


◇あらすじ
肩のケガを理由に特待生であった高校を去り、通信制の黄尾高校に入学した天野行衡は、
アメリカからやって来た義理の兄、五月の頼みで彼を黄尾高校の保健室へと案内する。
保健室に探偵事務所の支部があるという五月の話を一笑する行衡ではあったが、そこにいた藍田花音、如月みさおから彼女達が探偵団のアルバイトであり、
自分達の後から保健室のドアをぶち破って参上した老人が雇い主である と説明を受ける。
折しも警察から少女失踪事件の捜査協力の依頼があり、依頼の現場に居合わせた者は探偵団に入るという伝統から行衡は無理やりアルバイトとしてメンバー入りすることになり、
探偵団が引き起こす騒動に巻き込まれることになる。


◇登場人物
  • 天野行衡
一応、この物語の主人公で唯一の常識人。1巻時点で17歳。
再婚した母親がハネムーンに行ったっきり仕送りも送ってこないため、最初の事件解決後も五月と共に探偵団のアルバイトを続けることになる。
当初こそ、ケガで引退した元テニスプレイヤーというシリアスな肩書を持っていたが、
お調子者な性格と押しの弱さからメンバー(特に女性陣)にパシリ扱いされ、探偵団の主夫兼お笑い担当としての地位を確立していくことになる。
巻を追う毎に新たな属性が追加されていき、ツッコミ担当、ナルシスト、音痴、オカンキャラ、ヒステリックなオカマ、女装少年、女体化、魔女と枚挙がない。
義兄の名前が五月で6月生まれのため、ロクガツの愛称で呼ばれる。

  • 天野五月
行衡の同い年の義兄。父親が行衡の母親と再婚したため、彼と同居することになる。
アメリカの大学を17歳で卒業する天才だが、在米中に出会った慈吾朗の誘いを受けて探偵事務所に就職するために大学院修士課程を蹴飛ばした帰国子女。
彼が天野家を訪問したところから、この物語は始まる。
普段はくだらないギャグを連発し、ありえない方向音痴っぷりでメンバーを翻弄するおバカではあるが、
いざという時は持ち前の頭脳でハッキングから事件の推理までやってのける探偵団の頭脳。けど、幽霊だけは勘弁な。
アメリカで孤独な生活を送って来たため、探偵団という居場所に誰よりも執着している。

  • 藍田花音
探偵団の紅二点で五月と並ぶ頭脳担当。1巻時点で16歳。
物憂げで可憐な容貌の美少女だが、口を開けば言葉のナイフが飛び出す毒舌家(その標的は主に行衡)。
一度見たものは絶対に忘れない記憶力と獣なみの五感を持ち、張り込みや鑑識作業でその力を発揮する。
中学時代はいじめを受けて不登校児であったため、似た境遇の人間に同情し過ぎる傾向がある。
後に行衡の恋人となり、嫉妬深い一面を覗かせるようになる。

  • 如月みさお
探偵団の紅二点で花音の親友。1巻時点で16歳。
ブランド者に身を固め、常に薄着で肌を露出させたゴージャスな美少女。
両手の指には2センチの生爪が生えており、時に武器として振るわれるため「危険な武器(デンジャラス・ウェポン)」と呼ばれている(標的は主に行衡)。
実家が質屋を営んでおり、その縁で色々と世間の裏事情にも詳しい。
また、その出自はかなり複雑でメンバー間にも私生活を垣間見せることは少なく、他人と一定の距離を置こうとする。
親友である花音とは正反対ながらも通じあうものがあり、お互いに拳で殴り合って心を通じ合わせた間柄である。

  • 砧兵悟
元暴走族の総長のトラック運転手。1巻時点で26歳。
運転は荒いが卓越した運転技術を誇り、決して交通事情が良いとはいえないS県をものの数十分で横断できる。
ヘビースモーカーでいつもイライラしているため近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、荒事の際は体を張って仲間を守る探偵団の兄貴分。
一方で色恋沙汰には疎く、初心な一面を覗かせる。
普段は父が経営している運送会社で働きつつ黄尾高校に通っているが、
事件が起きる度に有給休暇を取るので肝心なところで身動きが取れず苦労することが多い(特に学年末試験の前後)。

  • 新田善美
学生結婚した妻に逃げられ、男手一つで愛娘を育てる探偵団唯一の正社員。1巻時点で21歳。
一般家屋の扉から銀行の貸金庫まで何でも開けてしまう凄腕の鍵師。事件の際は兵悟とともに事件関係者の家を家捜しする窃盗コンビを結成する。
多忙さから愛娘に寂しい思いをさせていることに心を痛めているが、蒸発した妻を思って再婚には踏み切れずにいる。
行衡と同じく探偵団の常識人ではあるが、ペンペン草と揶揄される意思の薄弱さから押し切られることが多い。
一方で普段から鬱憤が溜まっているのか、ぶち切れた際は突飛な行動に出る事も多い。

  • 紀伊津慈吾朗
天上天下唯我独尊を地で行く探偵団の所長。1巻当時66歳。
とにかくわがままで金のためなら何でもする強欲ジジイ。気紛れと思い付きでメンバーを振り回し、面白そうという理由で事件に首を突っ込むトラブルメーカー。
相手が政治家だろうと幽霊だろうと己のわがままを貫き、事態をややこしくしていくため探偵団の面々からは信頼こそされているが人間性は一切信用されていない。
超がつくほどの大金持ちであり、賭博師や中国の高官とマブダチであり、パスポートもビザの申請もしていないのにその翌日には何事もなく出国し、
破壊された保健室の扉を小一時間で調達するなど、とにかく謎が多い人物である。


ちなみにタイトルに東京がついているのは「東京●ィズニーランドと同じ理由」らしい。



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最終更新:2020年06月27日 22:35