中越戦争(1979年)

登録日:2012/09/12(水) 14:47:14
更新日:2024/11/27 Wed 18:30:28
所要時間:約 4 分で読めます




中越戦争(ちゅうえつせんそう)

期間:1979年2月17日〜3月16日

交戦勢力:ベトナム社会主義共和国vs中華人民共和国

場所:ベトナム北部

結果:両国とも勝利を宣言


中越戦争とは1979年に中国のベトナム侵攻を以て勃発した戦争。

別名、第三次インドシナ戦争。


【開戦まで】

●ベトナムvsカンボジア
ベトナム戦争終結とほぼ時を同じくして、ベトナムの隣国カンボジアでは、悪名高きポル・ポト率いるクメール・ルージュ政権が樹立。

以降、そのクメール・ルージュの恐怖政治により、国境周辺のベトナム人にも被害が発生、またカンボジアによる小規模な侵攻も起きていた。

これに我慢ならないベトナムは亡命者を支援する形でカンボジアへ侵略。

1979年1月に首都プノンペンを攻略、ポル・ポトらクメール・ルージュ政権を崩壊させた。


●キレた中国
これにキレたのは、同じ東側の国だった中国。

クメール・ルージュ政権は中国の支援を受けており、それに侵攻し崩壊させたベトナムに激怒。

また先のベトナム戦争でベトナムは中国共産党から支援されており、今回の出来事を中国は「恩を忘れた裏切り行為である」と非難。

さらに、当時は中ソ対立が深まっていたが、ベトナムは中国の反ソ政策に同調せず、友好的な関係を維持。

もう色々とベトナムが気に入らない中国。

そしてついに「懲罰」と称してベトナム侵攻を決めたのだった…


【ついに開戦】

中国は人民解放軍56万人をベトナム国境に集結させ威圧。
1979年2月17日、雲南と広西からまず10万の陸軍がベトナム北部に侵攻を開始、圧倒的な人海戦術でベトナムを蹂躙する算段だった中国軍。

対するベトナム軍は主力がカンボジアに居る為、北部には約3万人の正規軍3個師団と民兵しかいなかった。


が、只の民兵じゃなかった。


ついこの間まであのアメリカ軍と渡り合い、見事撤退に追いやった屈強な猛者が揃っていたのだ。

更にソ連から提供された最新兵器に加え、先の戦争で奪ったアメリカ製兵器も残っていた。

こんな奴らが待ち構えていた為、練度の低い中国軍は返り討ちに遭い、戦車を投入するもこれも撃破される。

その後も苦戦を強いられた中国だが、物量にモノを言わせて何とか侵攻を進めた。


【中国の敗走、撤退へ】

進軍した中国は2月26日にラオカイを、3月5日にはベトナム北部の要所ランソンを占領することに成功、ベトナム北部の五つの省を完全に制圧した。

しかし人民解放軍はその過程で大きな被害を受けており、支払った代償は大きかった。

一方のベトナム軍は包囲される事無くランソンから後退、南方に約100km離れたハノイ郊外に構築された巨大陣地に入った。

ハノイ市民も陣地構築を手伝い、軍と共に小銃や対戦車火器を抱いて陣地に入り、中国との決戦の構えをみせた。

更にカンボジア方面に展開していたベトナム軍主力が合流、ハノイ郊外の巨大陣地にはベトナム軍5個師団が入り中国軍を迎え撃つ態勢を整えたのだった。

これと戦えば中国軍は更なる被害増大と占領地の維持が危うくなる事から、
遂に中国共産党中央軍事委員会は軍に対して翌3月6日からの撤退を命令。

逃げる中国軍に対しベトナム軍主力は追撃を開始した。

中国軍は、占領していたベトナム北部から撤退する際に、非人道的な焦土作戦を繰り返してベトナム軍の追撃を断ち切り、
3月16日までにベトナム領から撤退したのだった…。


最終的な両軍の犠牲者数は中国が約6万人、ベトナムも同程度の損耗を出し、さらに一般市民約1万人が犠牲となった。


【戦後】

こうして大損害を被り、返り討ちに遭った中国だったが何故か国際社会に向けて戦勝アピール。

また、この戦争を

●ベトナムでは自国への侵略戦争として
●中国では裏切り者を罰する戦争として

それぞれ認識している。

ベトナムは戦後、中越戦争は侵略戦争として中国に謝罪を要請しているが、
中国側はこれに対して「カンボジアに侵攻したお前らが悪い」と一蹴、謝罪は拒否している。


ちなみに中国の弁を借りると、「中国は今現在まで外国に対して侵略行為をしたことはない」とのこと。


チベット「」
インド「」


そして2012年現在、西沙諸島および南沙諸島の領有権を巡って再び衝突が発生しており、両国関係は緊張したものになっている。 

尤もこの戦争以降、中国軍は装備の近代化を進めているので、「なんだ所詮数だけか」と思っていると……中越国境紛争


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最終更新:2024年11月27日 18:30