立体視

登録日:2010/06/20(日) 03:56:46
更新日:2020/12/22 Tue 23:37:03
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立体視とは、平面次元における三次元的表現のことである。


難しく言ってみたが、要は平面を見てるのに奥行きや飛び出す感じが再現されるよ!ということ。
トロンプルイユとはまた異なる。



もともと人間の視覚は、左右の眼球から取り込んだ映像を脳で処理し、見ていることを自覚することで成り立っている。
そしてこのとき両目の間に距離があることが立体視におけるミソで、左右で若干の差異がある映像を取り込み人間はものの立体感や奥行きを理解する。

ちなみにこれができるのは脳が過去、どのように見えたときはどのような段差、距離感があるということを学習してきたからであり、
たとえば今まで目の見えなかった人間がある日唐突にものを見えるようになっても段差を理解することはできない。

話を戻すと、つまり平面でものを立体的に捉えようとするならば、
両方の目から別々の映像を取り込めばいい。しかしそのためには少しだけずらしてあるそっくりな絵を用意しなければならない。


そのため、これは見る側にも少々技術が必要になり、平行法、または交差法と呼ばれる技法を使う必要がある。
これは焦点を絵の向こう側か、または手前におくことで左右で別の映像を取り込み立体視する。また同じ絵でも、見方を変えると凹凸が逆になる。


ちなみにこの絵のことをステレオグラムといい、似た絵二枚を使用するものをステレオペアという。
また絵ではなく、記号やほとんど意味を持たないようなノイズで構成されるものをランダム・ドット・ステレオグラムという。
後者は一枚でも再現でき、それをシングル・シメージ・ランダム・ドット・ステレオグラムという。





この煩わしさをなくしたのが、3D眼鏡である。
よく子供向け冊子などのおまけについてきた、青と赤のフィルムのついたあれだ。ちょっと前にはウルトラゼロアイにも内蔵されたぞ!

あれはもともと主線を青または赤で描き、それをもとに飛び出し具合を調整するように赤または青で副線を描く。
そうすることで青フィルターを通すことで青の線を消し、赤では赤を消し、結果的に左右で別の絵を見ることになり立体感が生まれる。

ちなみにこの青赤眼鏡はアナグリフという。




他には偏光眼鏡、シャッター眼鏡というものもある。
前者は理科の授業でも使ったあれだ。振動面の違う二つの映像を偏光フィルターを通して見ると言う方式。

後者は眼鏡のレンズを液晶で作り内側に映像を送り込む。
まず右目に送ったとすれば、左はシャッターを閉じて何も映っていない状態にする。次にその逆をする。
これを繰り返して立体視させるのだが、通常の二倍のコマ数が必要になる。

最近のテレビは60コマ/sだそうだが、この方式では120/sが必要になる。
こちらが多く採用されているが、標準規格がないため他社との併用は難しい。




他にも眼鏡を使わない方式がある。
こちらは各会社の目指す究極であり最高の状態だ。


方法はいくつかある。まず簡単に思い付くのは、傾けると絵が変わるカードを思い浮かべてほしい。あれだ
片面に右目用、もう片方に左目用の映像を映すことで自然と立体視できるようにする。ただし正面の、ある限られた場所でしか立体視は生まれない。


あるいは上記に似ているが、映像の前に格子をおいてある感じにし、それで左右で違う映像を見せる。要は光の向きを無理矢理変えてやるわけだ。


ホログラフィーを利用する方法もある。
ホログラフィーといえば、財布の中にある紙幣を見てもらえば理解できると思う。偽造防止のキラキラ光るそれだ。



物理的に立体視にすることもできる。例えば透明な立方体があり、その中に映像を映すとすれば立体になるだろう。
立体を見ればわざわざ立体視にする必要もない。

あるいは光源を回転させ、あるところでは光り、あるところでは消え、を繰り返せば擬似的に三次元に映像を映せる。
これは体積型という。

また、ディスプレイがそもそも映像に合わせて立体になれば実物とかわりないだろう。立体視というよりは実物を再現する、といったところか。


ルパン三世のオープニング映像で使われたような「片目3D」というものもある。
これは奥行きのある映像を片目で見ると、脳が立体感を補おうとするため、平面なのに立体的に見えてしまうのだという。


最後に、レーザーを利用する方法もある。これはディスプレイと言うよりも、空間に映像を再現する、というべきか。
上記の物理的な再現では「映像空間を含有させる」「擬似的に再現する」「そもそも立体をつくる」といったものだったが、
ディスプレイらしいものはなくし、映像を映すという方式だ。

ホログラムといった方が多くの人間に伝わるかもしれないが、よくSF映画やアニメに出てくる通信機を思い浮かべてほしい。
通信相手が空間にぼわんと浮き出て、そこにいるのに触れない。なんだ立体映像か、のそれだ。レーザーショウといえばわかりやすいか。





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最終更新:2020年12月22日 23:37