登録日:2025/10/07 Tue 12:15:30
更新日:2025/10/07 Tue 13:00:34NEW!
所要時間:約 20 分で読めます
黒魔術を駆使して冥界を脱し、時の巨神クロノス打倒を目指す新たな挑戦を体験せよ。
◆概要
HADES2とは、SUPERGIANT GAMESが開発・販売した
ローグライトアクションRPG。
HADESの続編。
2024年5月7日(日本時間)からベータ版のアーリーアクセスが販売され始め、2025年9月26日から各種プラットフォームで製品版完成品が発売されている。
前作と同様に
ギリシャ神話を題材にしたストーリー、前作以上に美しいビジュアルワーク・全編英語フルボイスで、荘厳ながらも軽妙なキャラクター達、様々な魔術・使い魔など強化要素が追加された爽快なアクション、相変わらず良好な難易度バランスといった具合に、インディーズとは思えないクオリティの、数々の賞を総舐めにしてきた前作の正統後継作となっている。
前作の時点で膨大なテキスト量であったのに、それが今作では更にボリュームアップ。フルボイスなのに会話イベントの量が尋常ではなく、特定の状況でのみ発生する会話も多岐にわたる。文章を読むのが大好きなアニヲタwikiの諸兄でも、そのすべてに目を通すのは骨が折れるだろう。
翻訳は前作と同じく有限会社ハチノヨンが担当している。会話文は、各キャラのイメージに合わせた華麗な翻訳がなされている。
ただ、能力説明文は(直前での変更が多かったためか)実際の効果と説明が微妙に一致しないものも多い。功徳(くどく)をはじめ、名称に「耽溺」とか「澎湃」とか、普段見ない漢字も使われるので、攻略サイトやグーグルレンズを片手に遊んでみてもいい。
◆ストーリー
不死の力を備えた冥界の王女となり、規模も深みも増した神話の世界を踏破せよ。
オリュンポスの神々の強大な神力を後ろ盾に、時の巨神が放つ軍勢を蹴散らせ。
幾たびもの敗北と勝利の先に、壮大な物語が次々と紐解かれるだろう。
今作は、前作クリア後から、かなり期間が空いてからの物語となる。主人公は
ハデスの娘である「メリノエ」。前作の主人公・ザグレウスの妹君である。
前作ではザグレウスの「家出」というきっかけから始まる軽めのストーリーだったが、今作ではいきなり
オリュンポスの神々が戦争状態で、主人公は
冥界の端にて隠れて暮らす亡国の王女と、かなり深刻な状況から物語が始まる。
というのも、タルタロスに幽閉されたはずのハデスの父
クロノス(つまりメリノエの祖父)が復讐心から復活を遂げ、あろうことかハデスの館を完全に乗っ取り、その後、ゼウスをはじめ神々が居るオリュンポス山へ死者の軍勢を率いて攻め込んだのである。
クロノスによる冥界侵略当時、メリノエはまだ赤子であり、異変を察知した父・ハデスの判断によってなんとか脱出に成功するのだが、それ以外の家族はみなクロノスにより安否不明となってしまう。
メリノエは、養親である「辻の魔女」
ヘカテに幼い時分より魔術を師事し、打倒クロノスを誓って密かに修業を積んできた。ゲーム開始時点でようやく、簒奪されたハデスの館を目指し旅立ち始める、という幕開けになっている。
とまあ、重々しい雰囲気なのは間違いないが、主人公たちの会話内容は案外軽め。普通に口喧嘩するし、相変わらずネクタル等の贈り物で友好関係を築いていく。地上が攻め込まれているといっても、メリノエ含め神々はみな不死身であるため、いまのところ膠着状態にあるらしい。
ちなみにクロノスとオリュンポスの神々との関係性等は、元ネタとなったギリシャ神話から大きく改変が加えられている。「クロノスが冥界を占拠した」というのもギリシャ神話には全く存在しない創作である。
そもそもメリノエ自体、前作のザグレウスよりもさらにマイナーな神であり、原典における記述もほとんど存在しない。あくまでもギリシャ神話を題材に、アレンジを加え、新しい神話の物語を開拓した作品である。
◆ゲーム内容
前作を踏襲したローグライト系アクションRPGであり、基本的なゲームシステムは前作から変わっていない。概略については前作記事の同項目を参照してほしい。
前作から大きく変わったのは主に3点。
一つは、戦闘におけるコマンド技の変更。
- 前作の魔弾(血珠)は「魔陣」に変更、これは魔法陣範囲内の敵の移動を制限する技である。功徳によってこの魔法陣にさまざまな効果を付与することができる。
- 突進攻撃を仕掛けてくる敵が多いので、魔陣を適切に使用しないと突破できない。
- 前作にもあった溜め攻撃は、強力な「Ω技」として全武具が持つようになり、マナゲージ(MP)を消費するように。
- マナゲージは体力ゲージの上に表示されており、必要なマナが足りないとΩ技は発動しない。マナは区画(戦闘エリア)を移動すると全回復する。
- マナはそれ以外にも備蓄(マナ最大値を減少)したりすることで、戦闘で有益な効果を生み出すのに使われる。
- 一瞬無敵になれるダッシュは1回のみ(固定)となり、ダッシュボタンは長押しで素早く動ける「疾走」状態に移行するようになった。
- ヘルメスでダッシュ回数を増やして、無敵時間で戦う攻略方法は不可能に。
- この他、功徳ごとに「属性」を持つなど、細かい変更点がある。
二つ目に、魔女の大釜で素材を使って調合することで、施設の増築やアイテム作成、魔術の発動などを行うようになった。魔女らしく大釜に骨とか遺灰とか花とか石とかを混ぜて呪文を唱え、戦闘における自己強化を進めていく。
必要素材は多岐にわたり、その管理が複雑になったが、何度も潜れば自然と集まるし、一部は物々交換できるので、あまり深く考えなくても大丈夫。
余談だが、魔女の大釜で解放できる温泉では、各キャラクターを誘ってメリノエの湯浴み姿(CERO:C)を拝むことができる。
三つ目に、今作では地下の冥界以外に地上にも出発することができる。
メリノエは前作と同じく「血族の縛り」のため、本来冥界を離れ地上で活動できないのだが、「その縛りを一時的に外す魔術」を行使して、神々の居るオリュンポス山頂を目指すことになる。
出発前のルート選択で、地下に行きハデスの館へ潜入してクロノスを倒すか、地上に行きオリュンポス山へ向かい神々を助けるかを選択する。
前作では単一のルートしかなかったので、単純に前作の2倍(会話も2倍!)のボリュームとなっている。
なお、あまり早くクリアしてしまうと聞き逃す会話もある模様だが、今作では強化幅が広がった結果、未強化状態の初見ではほぼクリアできない難易度となっているので、安心して敗北して帰ってくるといい。
※※※注意!! ここから先はネタバレも含みます。未プレイの方は自己責任でご覧ください。※※※
◆◆ステージ構成
地下、地上とも全体は4エリアあり、エリアごとにボスがいる。
各エリアのボス及び登場人物については後述。
地下ルート
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第一階層 |
エレボス
広大な冥界の、メリノエが暮らす辻の郷に近い森林地帯。
冥界の植物が生い茂り、空気も比較的澄んでいる。
ハデスの館が乗っ取られたことで路頭に迷った亡者がよくうろついている。
チュートリアル的な側面があり、攻撃・魔陣・疾走を状況に応じて使い分けることで、簡単に攻略できるようになっている。
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+
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第二階層 |
オケアノス
無数の下水管が通っており、腐乱臭の漂う冥界の果て。
本来、エレボスからハデスの館に直行するためには通る必要のない場所なのだが、万が一にもクロノスにメリノエの隠れ場所を見つからないようにするため、遠回りしている。
一応オケアノスも海にあたり、海はポセイドン叔父の領地のはずだが、冥界にあるオケアノスまではポセイドンもそのすべてを把握しているわけではないようだ。
フィールドトラップが追加され、避けにくい攻撃をしてくる敵が多く、無用な被弾が増えやすい。
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+
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第三階層 |
嘆きの原
無限の如く広がる原野。現世に後悔を残した亡者が懊悩し嘆いており、それを食らわんとする魔物も多く潜む。
1つのだだっ広いフィールドに複数の戦闘報酬が落ちていたりと、これまでの領域とは一線を画す。
エレボスよりも荒廃した、よくある地獄の風景。彼らは冥府の裁きを受けない限り救われることはない。
複数回の戦闘を同じ場所で強いられるため、マナ回復の手段を持っていないと枯渇しやすい。
特に要注意なのは中ボス扱いの「ファントム」。攻撃に「ドレイン」属性があるため被弾すると延々と回復されてしまう。
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+
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第四階層 |
前作でハデスの館周辺にいた敵が出現するほか、クロノスの配下も多く配置されている。
なお、カロンはステュクス河の流れに乗ってこんなところまで商品を届けに来ている。
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地上ルート
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第一階層 |
冥都セフィラ
冥界に最も近い地上に位置する都市。本来、ハデスとペルセポネを称えるために建設された聖なる場所なのだが、クロノスの地上侵攻によって死者と魔物で溢れかえり見る陰もない。
亡者の魂を閉じ込めた装置を壊していくことで、セフィラの港を目指していく。
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◆◆武具
六つの基本武器種にそれぞれバリエーション(日本語版は○○の態)が複数存在する。
ゲーム開始時は杖しか使えないが、素材を集めることで解禁、成長させられる。
魔女の杖 Witch’s Stuff
初期装備の杖。魔女といえばやっぱり杖であろう。もちろん杖で殴るわけではなく、魔力を槍のように飛ばして攻撃する。それゆえ攻撃方法は前作での槍に似ている。
攻撃力、速度、範囲、全てが平均的な
バランス型。。。と言いたいのだが、例に漏れず器用貧乏。
序盤の雑魚相手までは扱いやすいのだが、いざ中ボス・階層ボス戦となると途端に火力不足が露呈する。本気で火力を伸ばすならΩ技に頼る必要があり、火力アップのほかに魔力回復、溜め時間短縮等を適切にビルドアップしていく必要があるため、完成に至るまでが遅い。そしてボス向けの選択肢を取っていくと、今度は雑魚戦で苦労することとなる。
賜物や魔札が十分に揃っていない状態なら、魔陣やダッシュ(疾走)を伸ばしていくか、さっさと他の武具に切り替えることをお勧めする。
+
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Aspects、各種「態」の解説 |
初期装備。
- キルケの態
- 魔陣を発動すると使い魔も魔陣を敷き、「魂の手綱」を形成する。
「使い魔」との主従関係を結んでから意味を成す態。
魂の手綱は攻撃判定が狭すぎて当てにくいが、シンプルに魔陣を2つ置いて相手の動きを阻害しやすい。
- モモンの態
- Ω技を発動すると、球がその場に留まり、一定間隔でΩ技が3発出る。
ゲーム内での説明文が少しわかりにくい。
武具の強化をするとΩ技の出る間隔が短くなるので当てやすくなる。
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姉妹刃 Sister Blades
メリノエの養親兼師匠であるヘカテは「助産」を司る神としても崇められており、その助産の象徴が「短剣」となる。
タイトル画面でメリノエが帯びているのもこの武具。
姉妹刃にはそれぞれ名前がついており、「リム」と「オロス」と言う。
メリノエの持つ最強武具の一角。動作が軽いため敵の攻撃を回避しやすい、圧倒的手数による功徳との親和性、Ω特殊の瞬間DPSの高さなど、攻撃リーチや当たり判定が小さいこと以外の弱点が見当たらない。
他の武具はかなり癖が強く、ゲームを始めたばかりだとこれが一番手に馴染んだ、という人も多いのではないだろうか。
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Aspects、各種「態」の解説 |
初期装備。Ω通常攻撃は背後から攻撃を行うので相性が良い。
- アルテミスの態
- Ω通常のチャージ中に敵の攻撃をパリィしてカウンター効果を獲得する。また、Ω通常の攻撃速度が上がる。
Ω通常に一瞬無敵時間が付与されるようなもの。
若干通常態と効果がかぶっている気がしなくもない。
- パンの態
- 魔陣内の敵に、特殊攻撃が追尾する。Ω技で投げる刃の本数が増える。
姉妹刃が最強と言われるゆえん。アーリーアクセスの頃からポセイドンの功徳とともに人気を博した。
他の態だと、根元で当てない限りΩ特殊は全弾ヒットしないが、この態だと魔陣内にいる敵に面白いようにダメージが出せる。
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暗影の松明 Torch
師匠も常に携えている炎の灯された松明(たいまつ)。一対で「イグニウム」という名前。
ギリシャ神話では松明は「月光の象徴」とされた。
魔術師らしく遠距離特化の武具。相手をひるませる力が弱いため、近接戦闘には不向き。通常攻撃を長押しすると、通常攻撃しながらΩ通常を溜め始める。
アーリーアクセス初期は非常に弱かったが、アップデートによる幾度かの強化を受けて、かなり強い武具に変貌した。
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Aspects、各種「態」の解説 |
- メリノエの態
- 通常攻撃と特殊攻撃で、ときおりクリティカルダメージを与える
初期装備。
クリティカルの倍率は高いので、運任せだが高いダメージを出せるときはある。
- モロスの態
- 通常攻撃が2秒間残り、特殊攻撃が命中すると爆発して爆風を発生させる
下準備が必要となるが、動かない相手なら狙って大ダメージを出しやすい。
- エオスの態
- Ω通常攻撃で球が出現し、その球の周辺に2秒ごとに範囲攻撃を行う
上記の説明だけだと平凡だが、球は敵に向かってホーミングし、本体が行った特殊攻撃もマネして行う。
Ω特殊も当然マネして勝手にホーミングするので、本体は安全地帯で踊っているだけなのに敵が全滅していたなんてのはよくある話。
武具がピンク色なので、まるでチアリーダーみたいに見えてくる。
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月長斧 Moonstone Axe
月の石で作った両刃斧。前作での
アステリウス<<ミノタウロス(ギリシャ神話)と同じようなモーション。
ゾレフェトと呼ばれている。
魔女にあるまじき超重量級武具。通常攻撃が3段攻撃となっており、最終段では無強化で威力180の高範囲攻撃を行う。その代わり、攻撃までの隙が超デカく(一応ダッシュは挟める)、ひるまない相手だと普通にぼこぼこにされる。
逆に言うと被弾してもいいなら脳筋プレイ可能。
「ネクタルや素材集めをしたい」「各種会話イベントを回収したい」という場合なら、賜物でデメテル呼び出し→通常攻撃に凍結付与とすることで反撃を受けなくなる。あとは体力アップや速度アップを取っていけば、連打しているだけで雑魚をなぎ倒せる。
流石にこの戦法はボス戦では通用しないため、クリアを目指すならもう少し別のビルドにするべきだが、死神騙し(残機)の回数が増えた状態なら第3階層ぐらいまではこれでごり押し可能。
+
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Aspects、各種「態」の解説 |
初期装備。強化すると最大HPが上昇するので多少のダメージを貰っても安心。
ボス戦ではΩ通常を活かしていきたい。
- カロンの態
- 魔陣にΩ特殊を当てると、魔陣がΩ魔陣のように爆発する
連鎖爆薬のような攻撃範囲が特長。
松明のモロスの態を、より大味にしたような感じ。
- タナトスの態
- 通常攻撃速度が上がり、敵に命中するとクリティカル率アップ効果が付く(自分がダメージを受けるまで)。
メリノエの態より取り回しやすくなった態。見た目も斧から大鎌に変わっている。
被弾を避ける必要があるので、攻撃速度が上がったとはいえ雑な運用は禁物。
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銀白の頭骨 Argent Skull
宝石でギラギラ輝く頭蓋骨型の武具。魔女というより呪術師っぽい。元々ラヴァールという名前だったらしい。
言うなれば前作の魔弾を武具にリメイクしたような感じ。威力が高めでストックが4個の頭骨を通常攻撃で投擲する。投げた後は、近寄るか特殊攻撃でこれを拾いに行かないといけない。
通常攻撃と特殊攻撃を織り交ぜて使用する必要があったり、あらぬ方向に投げてしまった頭骨を回収するのが面倒だったり、ダイダロスの鎚󠄀の強化が一長一短だったり、かなりテクニカルな武具となっている。
ただ特殊攻撃は無敵はつかないものの、疑似的な2回ダッシュのように使えるので、ボタン操作に慣れてくると面白くなってくる。
+
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Aspects、各種「態」の解説 |
初期装備。頭骨を投げると順々に威力が上がり、最後の弾で最もダメージが増える。
5発目は当然出ないので、特殊攻撃をすることになる。
敵の至近距離で通常を打つと、そのまま勝手に頭骨を回収するので恩恵を感じにくい。
- メデイアの態
- 通常攻撃が発射されずにストックされ、特殊攻撃命中時、または3秒後に爆発する
前作をやっていた人なら、混沌の盾アイギスの、ベオウルフの態といえばわかりやすいだろうか。
遠距離攻撃はできないものの、ヒットアンドアウェイに長けていて、敵の攻撃を見極めて被弾を避けやすい。
- ペルセポネの態
- Ω特殊で発芽状態になり、移動方向を操作できるようになる。功徳がランダムで最初からLvが上がった状態になる
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漆黒甲 Black Coat
両手につける手甲と、ホーミングミサイルを射出可能なジェットパックで構成される武具。クシンスという名がある。
拳で殴りつける手甲は百歩譲ってよいとして。ミサイルを飛ばすのは魔術もへったくれもない気がするのだが、メリノエは特に気にせず使用している。
ゲーム内での説明によると、メリノエが敵を倒したいと思い続けた結果、闇から生まれた強力な武具らしい。
+
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Aspects、各種「態」の解説 |
初期装備。この態に限らず、漆黒甲は疾走するとジェットパックでホバリングして移動する。
ただし魔法は尻から出る、ということなのだろうか。
- セレネの態
- 秘された降月術である「落天」を付与された状態で、郷を出発する
特別な降月術(前作でいう功徳の「祈り」技にあたる)を有した状態で出発できる。
月が直接お仕置きよ!ということなのだろうか。
- ニュクスの態
- 疾走でΩブースト技を出せるようになる。Ωブースト発動後一定時間、通常や特殊攻撃で夜卵を発射できる
Ω技を持たないダッシュ後の疾走に、Ω技が付く。疾走するとタックルできるイメージ。その後、各種攻撃に追加攻撃(夜卵)が発生する。
あのニュクスが、昔はこれを身に着けていたのだろうか・・・
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◆キャラクター
◆◆辻の郷
メリノエ
本作の主人公(プレイヤーキャラクター)。
冥王神ハデスとペルセポネの娘で冥界の王女。
ザグレウスと同じくオッドアイ、ただし髪色は母・ペルセポネと同色。
肌の色は父・ゼウスに似た色白。そもそもメリノエとは「メロン」と同じ語源だとされ、マルメロの果実のような白っぽい黄緑色は「死者の肌の色」を想起されるものだとされていたことに由来する。
また、「月の黄色」をも含意しているため、ゲーム内では、メリノエは「月の姉妹」に加わる存在とされて、月を象徴する神々から懇意にされている。
左腕は半透明で骨が浮き出ており、時折この左腕に魔力を込める様子が見られる。幼少期には普通の腕だったので、後天的なもの。
まだ「魔女見習い」だと言われることもあるが、すでに様々な魔術を体得している。
兄であるザグレウスとは性格上、似ているところもあれば全く似ていない部分もある。
書類仕事が苦手で部屋を片付けられないザグレウスに対し、メリノエは部屋をきちんと整理整頓し、礼儀正しく、戦闘時以外は穏やかな性格である。
育て方が良かったのか、それとも母方に似たのか、グレずに、そしてブレずに自己研鑽を続けており、まじめで一途な性格である。
だが負けん気は強く、口喧嘩では父や兄にそっくりで、一歩も退かない。
顔も覚えていない家族を大切に思う気持ちもまた、兄と同じである。
ヘカテ
ヒュプノス
ニュクスの息子で眠りの神。メリノエと同じくハデスの館から辛くも脱出したのだが、今作では眠り続けており、どうやっても目を覚まさない。
オデュッセウス
ギリシャ神話における人間の英雄。ゲーム内では故人。
本作及び前作でナレーターを務めているホメロスもその冒険譚を長編叙事詩をしたためている。
生前、戦略立案を多く任された経験から、辻の郷でもメリノエの打倒クロノスの目標に向けて一役買っている。
地下ルートで通ることとなる、辻の郷からハデスの館までの迂回路を考案したのも彼。
ネメシス
スケレミウス
メリノエからは「教官」と呼ばれているガイコツ亡者。
勲章を沢山付け、立派な口ひげを蓄えており、幼いころより、メリノエの武芸師匠(もといサンドバッグ)として武具の扱いを叩き込んで(叩き込まれて)きた。
前作と同じく武具の試し切り担当だが、ハデスの館からどうやって脱出できたのかは不明。
カロン
ステュクス河の渡し守。死者を冥府へと運ぶ役割を担う、というのは戦争が起こる前の話。
ハデスの館がクロノスに乗っ取られてからは、死者を冥府に運べなくなってしまった。現在、メリノエの協力者として辻の郷に時折姿を見せるほか、地上ではオリュンポス山へ物資を運び込んでいる。
前作と同じく唸り声をあげているだけにしか聞こえないが、なんとメリノエはカロンがなんと言っているか理解できている。
アルテミス
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【
アルテミス】。
月と狩猟の女神。
◆◆功徳を授ける神々
今作でもオリュンポス山の神々が戦時中ながら、功徳を授けてくれる。
彼らは、ハデスの館がクロノスに占拠されたことでハデス一族は全員囚われたと思っており、アルテミスなど一部の神を除いて「メリノエはクロノスの手を逃れていた」という事実を知らなかった。
ゼウス
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【
ゼウス】。
世界的に有名なギリシャの主神。オリュンポスを束ねる一家の家長的存在。
前作では上裸での登場だったが、今作では戦時中ということもあって、甲冑を身に着けての顕現となっている。
流石に戦況が思わしくないのか、遠く離れて暮らしていた神々を臨時召集したり、メリノエにそれとなく助けを求めたりしている。ギリシャ神話ではよく慢心して負けているのだが、今回はその様子は全く見られない。
また、元のギリシャ神話だと「メリノエの父はゼウス」だとする記述もあるが、本作での父親は完全にハデス。メリノエの叔父だが、クロノスを打倒せんと奮闘するメリノエを一柱の神と認め、敬意をもって接する場面も見られる。
ポセイドン
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ポセイドン】。
海と水の神。家族愛の強い豪快な性格で、メリノエのことも「可愛い姪っ子」と呼び親しみをもって接している。
自慢のトライデントの穂先にはべっとりと血糊がついているのだが、「甲冑は好かん!」ということで相変わらず上裸。地震や津波を起こして大軍を相手取っているらしい。
アフロディテ
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【
アフロディテ】。
愛と美の女神。今回は戦時中ということで、槍と盾を携えての登場。だがやはり
全裸。CERO:C(審査予定)
戦場でも前線で戦っているようなのだが、返り血を全く浴びずに美しさを保っている。敵を魅了したり遠距離攻撃で迎撃しているのかもしれない。
メリノエに向けた会話では、事あるごとにコイバナを仕掛けてくる。
デメテル
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デメテル】。
メリノエの母方の祖母。
四季と豊穣の女神。祖母という役柄らしく、老齢の淑女という見た目。
稲刈り鎌を手に持ち、ゼウスと同じく甲冑を着ている。
メリノエが無事なことをつい最近まで知らされておらず、少し根に持っている。
メリノエとの会話では、自身の娘であるペルセポネがどうなったのか知りたがる様子が拝見される。
今作では寒冷を引き起こす功徳のほかに、植物や生長に関する功徳も授けてくれる。
ヘルメス
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ヘルメス】。
伝令と俊足の神。相変わらず喋るスピードが速い。
元々、死者を冥界へと案内する役目を担っていたが、その仕事がなくなり、オリュンポス山での伝令として忙しくしている。
前作と同じく賜物で呼び出すことができず、功徳をくれる神々の中では特殊な立ち位置である。
今作ではお金と引き換えに宅配便を送ってくれることがある。ヘルメスがお金を何に使っているのかは不明。
以下は今作初登場の神々も含む。
アポロン
有名な光明の神。そして芸能・芸術の神。アルテミスの双子の兄。
光り輝く甲冑を身に着けた、肌が日焼けした青年の姿で登場する。
得物はイラストでは見えにくいが弦楽器のような弓。
他にも疫病をはやらせたり、多芸だが、芸術とは真逆の戦争については不得手。今回もただオロオロとしていることが多いらしい。
とある場所に行くと、アポロンの肉声による賛美歌を拝聴できる。
ヘパイストス
アフロディテの夫で、鍛冶や工芸に巧みな神である。
恰幅のいい髭面の男性で車椅子に乗っており、足にメカメカしい義足を持つ姿で描かれる。
これは、ヘパイストスが足に障害を持つ奇形児として生まれたという神話に由来する。
戦争においては自身では戦わず、自動人形(要するにロボット)をオリュンポス山に配置して敵を迎撃している。
なぜ古代ギリシャにロボットが?とかそんなことを突っ込んではいけない。
戦争前はオリュンポスから離れた田舎に住んでいたらしく、喋り方に訛りが見られる。
メリノエの持つ武具には興味津々で、武具ごとに口出しをしてくる。
ヘスティア
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【
ヘスティア】。
日本でも最近有名になりつつある炉の女神。
頭に大きな炉を載せていて、火かき棒を持った、煤けたような肌の色を持つおばあちゃん。
かわいい女の子を想像すると度肝を抜かれる。ゼウスと同年代なので、当然といえば当然。
元々僻地に暮らしていたが、戦争に参加するためオリュンポス山に戻ってきた。
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条件を満たすと追加で出現する神々 |
アレス
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【 アレス】。
戦乱の神。ゲーム開始時点ではオリュンポスから遠征しており、条件を満たすと出現するようになる偉丈夫。
今回の戦争ではアテナと並んで最前線で活躍しているらしい。
メリノエの戦場での大立ち回りには素直に感心しており、メリノエがもっと破壊して回れるように力を貸す。
なお、元ネタとなったギリシャ神話では、アレスはヘパイストスの妻アフロディテを寝取った浮気相手なのだが、今作ではまだその浮気事件は起こっていないらしく、普通にアレスとヘパイストスのデュオ功徳も登場する。
ヘラ
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【 ヘラ 】。
ご存知、ゼウスの恐妻。結婚の女神。
ターコイズブルーの服を身にまとい、女后として気品のある出で立ち。今回の戦争では、作戦を練る指揮官のような立ち回りらしい。
会話でも事あるごとに夫についての小言を言うが、ゼウスはこれをうまくいなしている。
元ネタの神話ではブチ切れたり、結構陰湿なことをしたりする物語が多いが、今作ではそういった様子は見られない。
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◆◆冥界で出会う者たち
アラクネ
ナルキッソス
スキュラ
エコー
ケルベロス
三つ頭の冥府の番犬。ステュクス神殿の門番として不法に通ろうとするものをはばむのが本来の仕事
ハデス
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【
ハデス】。
ご存知冥界の王様。いつも書類の山に覆われていた仕事人だったのだが、クロノスに敗北し、虜囚に身をやつしている。
クロノスからは「コレクション」として扱われ、またメリノエなどの居場所を聞き出そうと度重なる拷問を受けてきている。
クロノス
時の巨神。時の翁。 今作でのラスボス。
機械的に流れる時間を司り、同時にゼウスやハデスの父である属性との両方の側面を併せ持つ。
どんな相手にも礼儀正しく、闖入者であるメリノエにも敬語を使い、態度を崩さない。
巨大な草刈り鎌を手に持ち、時を操るなどして攻撃してくる。
神であってもクロノスの時間停止能力を食らうと完全停止してしまうのが普通だが、メリノエには耐性があり、一時的に動けなくなるぐらいで済む。
◆◆地上で出会う者たち
+
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一応ネタバレ防止で折り畳み |
ヘラクレス
メデイア
ポリュペモス
キルケ
イカロス
エリス
アテナ
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【 アテナ】。
ザグレウスから見た血縁関係は従姉妹。
知恵と戦の女神。
前作では一番最初に手を貸してくれるのはアテナで固定されていたが、今作では滅多に出てこない。オリュンポス山での戦闘において獅子奮迅の働きをしているため。
前作では知恵の女神の側面が強かったが、今作では都市の守護者として、ゴリラ力強さが押し出されている。
コリント式兜をかぶったその姿は、みずからを象徴する聖鳥・梟を思わせ、対面すると畏怖すら覚える。
ディオニュソス
元ネタ神のアニヲタ記事はこちらから【 ディオニュソス】。
葡萄酒の神。常に陽気に酔っ払っており、親しみ 深すぎるを込めて「メリちゃん」と呼んで話しかけてくる。
怪物
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◆◆それ以外の関係者
カオス
冥界の各地(つまりステュクス神殿は対象外)に出現する混沌の門に入ると出会える、原初の混沌の神。ニュクスの父親。
運命の三女神
クロト、ラケシス、アトロポスの三姉妹。
ニュクスの娘で、カオスにとっての孫娘。
なお、元ネタだとクロノスの母である「ガイア」が「クロノスは自身の子供に」と予言したのだが、物語の都合上、この予言は三女神が言ったことになっている。
そのため、一度予言によって失墜したクロノスはこの三女神に恨みを抱いている。
追記修正は「時間を潰して」からお願いします。
最終更新:2025年10月07日 13:00