聖アジョラ(FFT)

登録日:2011/11/28(月) 18:25:14
更新日:2025/01/04 Sat 17:51:29
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聖アジョラとは、グレバドス教会で「神」と崇められている、実在した聖者。フルネームはアジョラ・グレバドス。
英雄王ディリータの時代からさらに遡ること12世紀前、何艘もの飛空挺が大空を飛び天を埋め尽くし、街には機械仕掛けの人間がいたという時代の人物。

出身はルザリアのベルベニア。
聖アジョラは生まれるとすぐに立ち上がり、井戸まで歩くと、

「この井戸はもうすぐ災いがふりかかる。今のうちに封印し、人が飲まぬようにしなければならない」

と予言した。
数日後、予言どおりベルベニアを黒死病(ペスト)が襲い、汚染された井戸水を飲んだ人々は次々と病に倒れ、死んでいった。
しかし我が子の予言を信じた家族だけは生き延びる。
以後、聖アジョラは、混乱した人間界を救おうと神の国より遣わされた『神の御子』として崇められていく事になる。

聖アジョラが20歳の頃、ランベリーの若き王がイヴァリースの覇権を狙い、魔神を召喚し世界に混乱を招くが、聖アジョラは伝説の12個の聖石を集め、「ゾディアックブレイブ」を結成し、魔神を撃退した。

しかしいつの世にも為政者にとって「英雄」ほど邪魔な存在はいない…。
神の国の到来を説く聖アジョラは、当時最も規模の大きかった神聖ユードラ帝国の国教ファラ教の怒りと恐れを買うことになる。
帝国はアジョラとその一派を捕らえるために挙兵、
金に目のくらんだアジョラの13番目の使徒・ゲルモニークの裏切りにより聖アジョラは捕らえられ、ゴルゴラルダ処刑場で処刑、天に召されることになる。

しかし、神の御子である聖アジョラの死によりファラ教は神の怒りを買い、本拠地ミュロンドは処刑直後天変地異に襲われ、海没した。


これを神の怒りが起こした奇跡だと信じた彼の弟子達が教えを広めたのが、グレバドス教団の始まりである。
海没を免れて小島として僅かに残ったミュロンドの陸地は、グレバドス教の聖地になった。


聖アジョラは天に召された後、『神の御子』として天界に迎えられ、『神の使徒』となったのだった……


追記・修正はグレバドス教に入信してからおねがいします






























【真実の概要】
以上がFFTの世界の中で信じられている聖アジョラの伝説。
しかし、裏切りの使徒ゲルモニークがアジョラの活動を書き記した幻の書物「ゲルモニーク聖典」では、全く異なる姿が描かれている。

結論から言うと、
アジョラは『神の御子』などではなく、ただの人間である。
野望を抱き、おのが夢の実現のために戦った革命家である。

上記の伝説から平和を愛し、他人の戦った勇者と思うかもしれない。
が、ゲルモニークによると彼は誰かのために戦う高潔な勇者などでは決してなく、後世で崇められるような人物ではなかった。

アジョラが教えを広め、新興宗教を作り出していたのは事実である。
アジョラの真の顔は宗教家ではなく、帝国に敵対するある国家の「草」、スパイだったのだ。
宗教を作ったのは恐らく国教であるファラ教の権威を低下させ、帝国国内を混乱させるのが目的だったと考えられる。

アジョラの影響力は凄まじく、それを恐れた帝国はスパイである証拠を掴むためにアジョラにスパイを送った。

それが裏切りの使徒とされるゲルモニークだったのである。
彼は金のために裏切ったのではなく、元々内通していたのだ。

アジョラがゾディアックブレイブを再結成しようとしたのも事実であり、ゲルモニーク自身いくつか聖石を発見したことを確認している。
が、伝説にあるようなランベリー王が魔神を召喚したといったような事件の記述は一切無い。
恐らくはゾディアックブレイブ自体も、宗教の影響力を高めようとするために名前を利用しようとしていただけなのだろう。

ゲルモニークの長年の調査と密告によりアジョラはついに追い詰められ、ゴルゴラルダ処刑場で処刑された。
そしてアジョラの死と同時にミュロンドに天変地異が襲ったのも事実である。
が、これは実際は処刑はミュロンドで行なわれ、その際に聖石『ヴァルゴ』によって聖天使アルテマに転生して起こしたものと思われる。
もしくは処刑の後に転生し、ミュロンドを襲撃したものか。
天変地異で海底に沈んだとされるミュロンドは、実際には次元の狭間に転移して死都ミュロンドとして存在していた。

結果的にルカヴィの長に転生したわけだが、彼が聖石の力やルカヴィのことを知っていたのかは不明である。
ルカヴィとの関係性を当時の他の人たちがどこまで知っていたかも不明。
ゲルモニークが記載していないこととミュロンドの天変地異の件と相まって、恐らく教会関係者含めて知られていなかったのでは?と思われる。
しかしゲルモニーク聖典には死都ミュロンドと行くために必要な古代呪文デジョンが記載されており、
また死都ミュロンドの入口となる魔法陣が設置されている場所を教皇が把握しているなど、死都ミュロンドのことは一部に知られていたようである。
(ただし教皇ですら、魔法陣の封印を解く方法は知らないがおそらくゲルモニーク聖典にあるだろうという程度の知識)

ゲルモニーク聖典の記述が真実か、はたまたゲルモニークが書いた苦し紛れの捏造なのかは一応最後まで不明。
しかし、これを解読した神学者シモンは、異端審問官時代に多くの審問官が必死に『ゲルモニーク聖典』の存在を隠蔽しようとしていたことから、
逆説的に「『ゲルモニーク聖典』の内容は真実である」と結論付けた。

アジョラの死後、彼の名声を利用し権力を手にした教会にとって、ここに書かれている内容を流布されることは非常に都合が悪かった。
ただし、シモンの世代(FFTのゲーム中における現代)にもなると当時の記録は風化しており、ゲルモニーク聖典が真実であるかどうかを現教皇が知っていたのかは不明。
ゲルモニーク聖典にすら詳細が記載されていないルカヴィに至っては当然ながら全く信じておらず、聖石も箔付けにしか考えていなかった。


聖典でも最後は謎のままだが、その後消えたことや聖天使アルテマのラムザへの台詞から、
最終的にラムザの祖先達に人知れず倒されて、聖アルテマとしての野望も阻止されたものと思われる。
ラムザの父方と母方どちらの先祖なのかすらも不明。
ダイスダーグやザルバックは異母兄だが、アルマとは母親も同じなのでアルマは確実に倒した者の子孫である。


なお、ゲーム中に彼自身と戦うことはないが、バルマウフラやシモン先生同様、ボツデータには顔グラフィックと専用ジョブがある。
そのジョブ名はずばり「偽りの聖者

ヘルプも
『偽りの仮面と言葉を用いて人民を惑わす扇動者。真の聖者には及ばぬがその力は無視できない。』
とある。

FFTの物語そのものが、「オーランの『デュライ白書』を参考にアラズラムが語っている」という三重構造なので、
少なくともオーランやアラズラムはシモン同様に「ゲルモニーク聖典の記述は真実である」と考えていたことになる。
特に否定する要素もないので、作中世界の事実としても概ね真であると考えてよいだろう。

一方でゲーム中のブレイブストーリーではゲルモニーク聖典を読んでも読まなくても、彼の項目はものすごい当たり障りの無い内容になっている。
そのため、ゲルモニーク聖典を読まなかった場合、教会の裏の実態がわからないかもしれない。


なおFF12で「聖女」と呼ばれているが、FFTでは一貫として三人称は「彼」となっており、松野氏もTwitterで男性と明言。没グラフィックも男性の顔。
一方、FF12における聖アジョラについては松野氏は関知していないとのことで、
恐らく松野氏の降板で設定が変更された、あるいはアジョラの生まれ変わりがアルマである事と、そしてアルテマのあのハイレグ姿からの設定ミスと思われる。

FF14はFFTとは別の世界ではあるが、かつてイヴァリースと呼ばれた地があり聖アジョラの話も登場する。
こちらではグレバドス教ではなくヨスク教。


モデルは恐らくイエス・キリスト。ゲルモニークはまんまイスカリオテのユダ。
実はキリストにも陰謀論混じりといえ、アジョラと同様にスパイだったという説がある。

追記・修正は異端者になってからおねがいします。

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最終更新:2025年01月04日 17:51