Ugghiutu(クトゥルフ神話)

登録日:2025/05/02 Fri 23:25:06
更新日:2025/05/05 Mon 04:25:00NEW!
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Ugghiutuは、パンクタウン(Punktown)の世界観に登場するクトゥルフ神話大系の神とも悪魔ともされる存在。CoCでは旧支配者に分類されている。


目次

■概要

赤色もしくは白色の螺旋構造を中心に持った黒い球体の姿をした存在。球体の周囲には星形の光輪を帯び、Ugghiutuを描いた偶像ではその強さが増すにつれて光輪も大きく描かれている。
角度のある宇宙に適した構造をしており、化身や眷属含め丸みのある空間での移動は制限を受ける*1

地球人や惑星カリ(Kali)出身のヒューマノイド種族・カリアン(Kalians)など宇宙に存在する全ての知的生命体を創造し、その魂の捕食・再生・捕食…を際限なく続ける螺旋の神と伝えられる。

本体は旧神・影の神などと呼ばれる対立する神々によって封じられ眠りについており、物質的な化身として召喚される形で顕現する。
作中では主に、黒い寺院の形を取った化身が登場する。


カリアンの大多数に信仰されているが、若い世代を中心に脱宗派の動きが進んでいる他、対立する神側を信仰するカリアンも存在する。
過激なUgghiutu信者にしても「人間は太陽から恩恵を受けるが太陽を地上に呼び出す馬鹿はいない」と復活には消極的な姿勢を見せるものが大多数で化身を都合よく利用するに留めている。
そのためUgghiutuへの祈りは意図的に力が制限される丸みのある空間で行われている。

+ カリアンの詳細
金属光沢を帯びた灰色の肌を持つ種族。白目がなく眼は全て黒色で、地球人視点の美的感覚では美男美女が大部分を占める。
青いターバンと金色の派手な装飾の衣類が伝統衣装。

男尊女卑の風土が強く、公の場で女性が髪の毛や肌を晒すことは許されていない。多種族混在都市であるパンクタウンでは黙認されているが母星では顔を焼かれる程の重罪。
生理が始まるとUgghiutuの所有物であることを自覚させるため、顔に傷を刻み込まれる。

■化身

  • 黒い寺院
絞首された4人のカリアンの処女が垂れ流した血溜まりから出現した種を、適した土地に植え育てることで成長する生きた建物。自ら足を踏み入れた信者や、惹き寄せられた非信者を糧とする。
本来は十分に糧を得ると跡形もなく消失するようだが、カリアンの過激派信者はこれをコントロールして敵対勢力を都市ごと滅ぼすことに利用する。寺院自体もゆっくりと移動し、壁から触手を伸ばしたり黒い球体状の眷属を無数に発生させる。

  • ダイオウイカ(Dai-oo-ika)
生体人形販売会社・福田バイオファームに製造された生きた人形。
持ち主に捨てられた人形としての心とUgghiutuの化身としての心を併せ持つ。

■カルト・眷属

  • アルヴィンプロダクト
工場で培養した遺伝子組み換え家畜肉を販売する大手食品企業。
上層部はUgghiutu本体の召喚を目的とするカリアンが占めており、秘密裏に尖兵とすべく落とし子を培養していた。
偶発的な大地震からの救助活動で生物兵器(落とし子)の製造が公に露呈。最高経営者の暗殺も重なり企業価値が暴落し福田バイオファームに吸収合併される。

  • Ugghiutuの落とし子(Ugghiutu Spawn)
アルヴィンプロダクトに製造された頭部がなく代わりに触手の生えた獣。

  • Ugghiutuの猟犬(Hound of Ugghiutu)
CoCで眷属と設定されたが、原作時点ではUgghiutuとの関係は曖昧。
原作ではHoundとのみ呼ばれ、デジタルネクロノミコンの招来の呪文を唱えると現れる存在で、この怪物に襲われた犠牲者は頭が失われた特徴的な遺体で発見されるとのみ記されている。
CoCでは、Ugghiutu顕現時に付近の発狂者の頭蓋を内側から破り出現することのある霊体の怪物と設定された。


■関連する魔導書・道具

  • アウトサイダーの召喚(The Summoning of the Outsider)
Ugghiutuの黒い寺院の化身ついて、4人の処女の死亡から、成長、敵対都市の殲滅までの過程が描かれた8枚セットの絵画。
絵画の黒色部分には目視不可能なサイズで精密に「Ugghiutuは全てを貪る」という言葉が刻み込まれている。

「アウトサイダーの勝利(The Outsider Triumphant)」と題された8枚目は処女の血が画材に使われており、黒い寺院の召喚が可能。

  • フィザラ文書(text the Fizala)
Ugghiutuについて記されたカリアンの聖典。


■登場作品

特筆ない作品の著者はジェフリー・トーマス。
  • Monstrocity(2003年)
遊び感覚でデジタルネクロノミコンを使用した恋人が発狂し変わり果ててしまったため、元凶となるネクロノミコンについて調べた主人公が、
ニワカ魔術師として成長しつつパンクタウンの影で暗躍するUgghiutuのカルトに立ち向かう内容。

  • Wunderwaffe(2014年)
オプトレックスマンションに顕現した黒い寺院が立ちはだかるもの全てを蹂躙してパンクタウンを侵攻。
対立する神を信仰し呪文を肌に刻み込んだカリアン9名によって退散させられるが、9名は死亡し同時に呪文も失われた。
再び寺院や類するアウトサイダーが出現した時に対抗する術はもうないことを暗示させながら物語は締められる。

  • Drawing No.8(2017年)
「アウトサイダーの召喚」の8枚目をオクトプレックスマンションを拠点とする脱宗派の少女が自己犠牲の末に破壊。

画家の主人公は過激派信者から複製を依頼され、悪夢を見るなど不穏な雰囲気を感じ取りはしたものの細工まで忠実に完成させてしまう。

少女の仲間だった脱宗派3名は主人公を殺害するが、過激派の報復を受けることを予見する。

  • Gathering Forces(2018年)
オクトプレックスマンションのカリアン3名が殺害され、寺院の種が付近の広場に植えられる。
脱宗派2名が昼夜問わず爆音で祈祷を響かせることで成長を妨害していたが、事情を知らぬ主人公が騒音に悩まされた末にスピーカーを破壊したことで寺院が顕現。
主人公は駆け付けた仲間達と共に寺院に立ち向かう。

  • 罅穴と夜想曲
著者はウィリアム・ミークル。
和訳され『ナイトランド・クォータリーvol.19』に収録されている。


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最終更新:2025年05月05日 04:25

*1 不可能ではなく、対立宗派曰く「時間稼ぎにはなる」程度