登録日:2025/05/01 Thu 00:00:00
更新日:2025/05/01 Thu 20:34:18NEW!
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鳴いて時鳥
効果モンスター
星3/
炎属性/
鳥獣族/攻 800/守1000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを破壊する。その後、自分は1枚ドローする。
●自分の手札を1枚選んで捨てる。その後、自分は1枚ドローする。
●このターンのエンドフェイズに、自分は1枚ドローする。
「鳴いて時鳥」とは
遊戯王OCGの1枚。
初出はDUELIST NEXUSで、当該パックの
ノーマルレア枠になっている。
ドローに関する3つの効果から1つを選択し、適用する効果を持つ。
概要
上で述べた通り、効果はいずれも特定の条件下で1枚ドローを行うものになっており、それぞれ「自身を破壊する」「手札1枚捨てる」「エンドフェイズまで待つ」という条件の下でドローを行う効果になっている。
1つ目の「破壊+1ドロー」については、自身を場から離す事でのドローになる関係上使い捨ての運用となるが、元々このカード自身は特に耐性有無やステータスの関係上、場に維持しにくい事を考えれば割り切って使用するのも悪くない。
また、「他のカードが破壊されることで効果が発動する」カードのトリガーとしての活躍も見込めるというメリットも存在する。
補給部隊
永続魔法
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。自分は1枚ドローする。
例えば上記のカードを使えば2:2交換が可能になり、尚且つ「鳴いて時鳥」が炎属性・鳥獣族である関係上、
炎王などに組み込みやすい事、尚且つ炎王は自壊を頻繁に行う関係上「補給部隊」も同様にデッキに組み込みやすいため、一定のシナジーがある。
ただしこの際の効果処理としては「破壊・ドローを同時に処理」ではなく「破壊→ドローの順に処理」の為、「~時、~できる」とテキストにある効果、即ち「時の任意効果」はタイミングを逃してしまう為、このカードとの併用はできない。
ちなみに破壊処理はコストではなく効果で行うものの為、もし仮に
灰流うららなどで効果を無効にされた場合、「鳴いて時鳥」自体は破壊されることなく場に残り続ける。
続いて「手札を1枚捨てる+1枚ドロー」については、基本的にドローに必要なリソースが効果の発動元である自身と他の手札1枚である関係上、実質2:1の手札交換である事と、手札が0枚の場合は選択自体が出来ないなど、使い勝手の面では少々不便な部分もある。
しかし「効果で墓地に送られる」などの効果の発動トリガーとして使用することができる点は他2つとの明確な差別点になっている。
(属性・種族の面での噛み合いが悪い部分はあるものの、)破壊の場合と同じく効果で手札からカードを捨てる為、
暗黒界や
魔轟神などの効果の発動トリガーとして使用する事が出来る。
ただし、この効果もやはり手札を捨てるのとドローするのは同時ではないため、タイミングを逃すかどうかはあらかじめ注意しておく必要がある。
3つ目の「エンドフェイズに1枚ドローする」効果は他2つと違い、ドローそのものにコストは発生しないが、タイミングがエンドフェイズと遅く、ドローしたカードが
手札誘発だったり、その場で発動可能な速攻魔法などでない限りはその段階では使用できずに手札に残ってしまい、使用は次の自分ターン以降と言う状態になる。
なおこの効果については見落とされがちだが、ドロー時に対象のモンスターがいない場合でもドロー自体は通常通り行う。
そのため、効果を使用後は
L召喚で「鳴いて時鳥」を場からどかしたり、自身が炎属性である点に注目して
炎王円環
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの炎属性モンスター1体と
自分の墓地の炎属性モンスター1体を対象として発動できる。
対象の自分フィールドのモンスターを破壊し、対象の墓地のモンスターを特殊召喚する。
などに使用するなどの手段もある。
この様に3つの効果全て、方向性が違えどリソース消費の方向性やコンボの可能性などで差別化が可能な処理になっているため、状況や使用する他のカードの内容に応じてうまく使い分けていきたい。
ちなみにこのカードは上述した内容の通り、種族・属性の噛み合いから炎王とのシナジーが強い側面があるが、他にも「攻撃力800/守備力1000」と言うステータスにより、
冥帝従騎エイドス
効果モンスター
星2/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動する。このターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにA召喚できる。
(2):墓地のこのカードを除外し、「冥帝従騎エイドス」以外の
自分の墓地の攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
上記のカードの恩恵を受けられる。
また、「冥帝従騎エイドス」が所属する
帝は手札の消費が荒い為、「鳴いて時鳥」のドローでの手札補てん効果は相性がよく、採用を検討する価値はある。
設定面について
このカードの名前を見て察した人もいるかもしれないが、このカードはかの有名な戦国の三英傑である織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人の性格についてを詠ったとされる、
- 鳴かぬなら 殺してしまえ 時鳥
- 鳴かぬなら 鳴かせてみよう 時鳥
- 鳴かぬなら 鳴くまで待とう 時鳥
と言う3種の川柳がカードのもとになっている。
(一応「時鳥」は夏の季語ではあるが、当然情景などを綴った句ではないので俳句には該当しない。)
その点を踏まえて再度イラストを見てみると、足軽の陣笠をかぶった時鳥が髷を結った3人の男に詰められ、涙目で震えている様子が描かれている。
また、イラスト内で描かれている場所は建物の内容などから
天下統一
永続罠
お互いのスタンバイフェイズ時、
ターンプレイヤーは自分フィールド上のモンスターのレベルの内から1つを選び、
そのレベル以外のレベルを持つ自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て墓地へ送る。
このカードで描かれている建物と同じではないかとされており、やはり戦国時代の頃の話である事が予想される。
ここで改めて3首の句の話に戻ると、それぞれの句は根岸鎮衛によって書かれた「耳嚢」にて原型に当たる句が書かれており、その他にも松浦静山著「甲子夜話」にて内容がより現代の句に近いが記載されており、それらが現代に至るまでに多少の言い回しの変化が加わってできたもので、それぞれ
鳴かぬなら 殺してしまえ 時鳥
→織田信長の短気さ・気難しさを現した句。
鳴かぬなら 鳴かせてみよう 時鳥
→豊臣秀吉の積極性や人たらしの度合いを現した句。
鳴かぬなら 鳴くまで待とう 時鳥
→徳川家康の忍耐強さを現した句。
となっている。
それらを踏まえて、効果を改めて見ると、
- このカードを破壊する。その後、自分は1枚ドローする。
→時鳥を殺した上で1枚ドローする。=「鳴かぬなら 殺してしまえ 時鳥」
- 自分の手札を1枚選んで捨てる。その後、自分は1枚ドローする。
→自ら手札を切る事で1枚ドローをさせる。=「鳴かぬなら 鳴かせてみよう 時鳥」
- このターンのエンドフェイズに、自分は1枚ドローする。
→1枚ドローが適用されるまでただ待つ。=「鳴かぬなら 鳴くまで待とう 時鳥」
エンドフェイズまでに始末されても鳴かされるのは秘密。
と、1ドローを「鳴く」行為に見立てた上で上記の川柳の内容と合致している事が分かる。
なお実際のデュエルでは「鳴いて時鳥」と相性がいいデッキが炎「王」や「帝」となっており、上記の句が武将の性格の説明の引き合いに出されている事を考えるとどこか皮肉めいたものを感じるだろう。
鳴かぬなら 朝廷に行け 時鳥
余談
- 戦国の三英傑に関する川柳だが、実は3句の後に続きが存在しており、「耳嚢」では、
と言う句が、連歌師・里村紹巴の句として紹介されており、「甲子夜話」では、
- なかぬなら鳥屋へやれよ ほとゝぎす
- なかぬなら貰て置けよほとゝぎす
と言う2つの句が作者不明の句として紹介されている。
もしこれらの句の知名度が高ければ、それらも何らかの形で効果に組み込まれていた……のかもしれない。
追記・修正は鳴かない時鳥に対して、記載する文章の案を考えさせながらお願い致します。
- 余談に書いてある残りの句を効果にしたらどうなるか考えたけど中々良いのが思い浮かばないな 「鳥屋へやれよ」は相手に時鳥のコントロール移して1ドローってのが思い付いたけど -- 名無しさん (2025-05-01 09:07:57)
- ↑「貰て置けよ」はそのターン中のドローができなくなる誓約付きで手札からSSできる召喚条件系の効果とかどうよ -- 名無しさん (2025-05-01 15:25:18)
- コイツの破壊が対象取らないのを利用してブラックホールドラゴンのトリガーにするっての見たな -- 名無しさん (2025-05-01 20:34:18)
最終更新:2025年05月01日 20:34