登録日:2011/02/04(金) 11:52:54
更新日:2025/01/30 Thu 09:16:01
所要時間:約 2 分で読めます
E-30はオリンパスから2008年12月に発売された、フォーサーズ規格のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラである。本体を小型軽量化した、オリンパスのデジタル一眼レフカメラとしては初めての中級機種になる。
発売当時の価格では本体のみで約15万円。
撮像素子:4/3型ハイスピードLiveMosセンサー
有効画素数:約1230万画素
測距点:11点
連続撮影:約5コマ/秒
ISO感度:100-3200
手ブレ補正:ボディ内手ブレ補正、シャッタースピードで最大5段分
ファインダー:視野率約98%・倍率1.02倍
液晶モニター:2軸回転バリアングル方式2.7型・23万画素
本体サイズ:141.5(W)×107.5(H)×75(D)mm
重量:約655g
E-30の特徴として、初めて撮影モードにアートフィルターが搭載された点が挙げられる。
アートフィルターは撮影時に画像にエフェクトをかける機能である。具体的にはポップアートならば彩度を強め、ライトトーンならばシャドー部もハイライト部もコントラストを抑える、といった効果がある。
発売当初は撮影時にあらかじめどのフィルターを使うか決めておく必要があったが、後に編集ソフトのアップデートで撮影後に効果が付け足せるようになった。
オリンパス曰く、「PC上で複雑な画像処理をすることなく、クリエイティブな写真表現を手軽に楽しめる」とのこと。
また撮影時にアスペクト比を変更できる機能があり、4:3、3:2、16:9、6:6、5:4、7:6、6:5、7:5、3:4 の9種類から選ぶことができる。
ファインダーはフォーサーズ規格のカメラとしては見やすいほうであり、APS-Cサイズ機のファインダーとほぼ同等である。
ハイパークリスタルU採用の液晶モニターは23万画素と同時期のカメラよりも少ないが、使用上の大きな差異はない。
しかし実際の画像よりも発色豊かに表示される傾向があり、注意が必要である。
E-30は中級機として発売されたが、アートフィルターやオリンパスが得意とするダストリダクション機能の信頼性以外の点での判り易い特徴がなかった。また写真家達の間では、本機にはファインディテール処理が無いということもあり、従来の、他のカメラと比較して遠くの風景を撮った際、微妙にピントが合ってなかったり曇ったように見える要素もあったと言われている。
さらにその一方で、同時期の競合相手となるニコンのD90やD300、キヤノンのEOS 50Dと比較すると高感度撮影や画素数、動画機能の有無等で劣っている場合が多く、新規のオリンパスユーザーを獲得するに至らず、売り上げは伸びなかった。こちらはファミリー層ではなく、独身女性層をターゲットにして販売したようだが、考えていたより向こうにウケなかったのも理由としてあるだろう。
そしてこの時期を境目に、オリンパスはPENシリーズのマイクロフォーサーズの開発に力を入れるようになり、フォーサーズ規格の市場は縮小していくようになった。
E-30発売後に日本で発売されたフォーサーズのカメラはE-620とE-5のみである。
とはいえあまり売れずに終わったE-30だが、愛用していたカメラマンをそれなりにいてある種コアなファンが出来ているのも事実。売れなかったので早々に値崩れして比較的安価で購入しやすくなっていたのもあるかもしれないが。オリンパスというメーカーとして信頼できるところのカメラなので、要所要所の部品の品質は非常に良いのもポイント。分解してパーツだけ使っている人もいるようだが。
流石に現在は10年以上が経過し、こちらはもとより競合相手とかよりももっと性能のいいカメラは沢山世に出ていることもあり、相場の価格は1万5000円前後となっている。(美品とか質により前後します)
もし興味があれば触ってみてはいかがだろうか。
追記・修正お願いします
最終更新:2025年01月30日 09:16