登録日:2009/12/07(月) 04:01:52
更新日:2024/08/11 Sun 23:40:33
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宮部みゆきの『ブレイブ・ストーリー』を小野洋一郎がアレンジした漫画作品。
週刊コミックバンチ(新潮社)に199話が連載された。単行本はぴったり全20巻。
原作の小説や映画と設定や登場人物が異なる点が多く、さらに冒険よりもバトルを重視する作風から原作ファンの中には
黒歴史だと言う人も少なくないが、
宮部みゆき本人から設定大幅変更の許可を得ているのである意味正史。
漫画としての完成度は高く、青年雑誌でありながらジャンプ等の大手週刊誌で掲載しても違和感の無い作画と内容である。
筆者の小野洋一郎は以前から漫画を連載していたが、序盤の作画はあまり上手くなく、序盤で見切りをつける人も少なくなかった。
しかし、中盤から画力が向上し終盤では登場人物が別人と化しており、一見の価値は大いにあると言える。
■ストーリー
三谷亘は
ゲームが得意な中学生。しかし、転校生・芦川美鶴と出会った頃から亘の町で奇怪な事件が起こる。
真相を確かめるために入った幽霊ビルの中で、亘は要御扉(かなめのみとびら)を見つけ、吸い込まれるように入っていく。
要御扉の奥で見たのは、旅人が己の願いを叶えるために運命の塔を目差す世界、幻界(ヴィジョン)だった。
現世(うつしよ)に戻った亘だったが、父・明が離婚すると言って家を出ていってしまう。
さらに数日後、今度は母が自殺未遂により意識が戻らなくなってしまった。
亘は家族を元通りにするため幻界に行き、運命の塔を目指すことにしたのだった。
■用語
玉
「そうか…!! 玉を奪われたのか!!」
五つ集めた者は運命の塔に行き、願いを叶える事が出来る。
読みはたまではなく「ぎょく」。
北の帝国に集まる旅人集団。
女であろうと全員、四つ玉を持つ。
■登場人物
職業:見習い勇者→勇者
14歳。城東第一中学校2年生。
頭に触角が生え、中学生らしからぬ肉体を持つが、スポーツは得意ではない。
幽霊ビルの前で出会った同級生・大松香織に一目惚れする。
幽霊ビルで要御扉をみつけ、幻界の存在を知る。
父親が家を出ていったことで崩れた幸せな生活を取り戻すため旅人となる。
序盤はヘタレ臭漂いまくりだったが、八巻頃から画力が向上したためか
イケメンになっていく…。
封印魔法は“斬龍・ハイランド・ブレイバー”
職業:魔導士
14歳。
亘のクラスに転校してきた成績優秀、運動神経抜群、おまけに亘以上の
ゲームの腕を持つ天才。
妻の浮気を知った父親が、妹と母を殺し、自らの命を絶つ。残された美鶴は愛する妹・美鳥を蘇らせるために旅人となる。
映画では優男として描かれていたが、こちらはワタルと同じく筋肉が発達している。
目的達成のためには手段を選ばず、殺人も厭わない冷酷さをもつ。
後に玉と情報を求め、左蛇頭尾となる。
職業:魔砲使い
ヒロイン。
14歳。亘の同学年。
幽霊ビルと呼ばれているビルを建設した父親の娘。
美鶴に恋心を抱いている。
亘と美鶴の後を追い、幻界に赴く。
旅の目的は不明だったが、終盤に幻界に来た理由が判明する。
亘より大分遅れて十一巻頃から可愛くなり始め、十二巻では妖絶な美貌になり、十四巻頃から安定した。
原作とあまり変わらないが、独自の方言を話す。他のキャラが濃すぎて終盤ではあまり目立たなくなる(しかし決して空気にはなっていない)。
ヒロインその2。
原作と違いかなり明るい性格。
潜在能力を見込まれ両親を捜す約束をすることでブックの配下となり暗殺術を仕込まれる。
狂戦士の術を受け
巨大化・凶暴化するが、亘の活躍で意識を取り戻し、以降亘と行動する。
実は重大な宿命を背負っている。
職業:駆け出し詐欺師
炎竜の青年。
キ・キーマと同じく影が薄くなる。
ガサラの町の女ブランチ長。“棘蘭のカッツ”の異名を持つ。
履いてない疑惑がある。
彼女の過去がある争いを呼ぶ。
シュテンゲル騎士団 第1遊撃隊隊長
「光」属性、武器「突剣」。“閃光のロンメル”の異名を持つ。美形であり騎士団最強。カッツとは旧知の仲である。
今作で彼が1番報われない。
北の帝国の皇帝の一人娘で正統皇位継承者。美鶴の妹に酷似している。
画力が向上した後に登場したため、編集長に「カオリちゃん可愛くなったじゃん」と言われる始末。
余談だが泣き顔がエロイ。
老神教の神官長。
黒幕の一人。ある目的のために帝国を影から乗っ取り南の大陸に進攻する。
職業:傀儡師
シグドラ主頭であり親玉。カッツとロンメルには過去の因縁がある。
職業:風水師
シグドラ右頭。
元傭兵。
元ネタは某世紀末漫画の続編の主人公。
職業:狙撃手
シグドラ左頭。
アジア某国出身。25歳。元は警察官であり、マフィアの
スパイだったパートナーを殺した過去を持つ。
パートナーの元ネタは某街狩人。
シグドラ第一足。
わずか二話で退場。
職業:追跡者
シグドラ第二足。
ジーパンの上にブリーフを履く斬新なファッションセンスを持つ。
噛ませ犬。
シグドラ第三足。
美鶴に負け、以降クグツと化す。
まともな状態での登場が極めて少ない。
職業:記者
シグドラ第四足。
日本人。16歳。女子高生。スリーサイズは上から83・59・87。
周りを和ます不思議ちゃん。
職業:魔獣使い
シグドラ第五足。
20歳。戦乱で村を焼かれ、友に裏切られた過去を持ち、世界から人の持つ「心」を消し去るため旅人になる。
殺さないで下さいと読者のファンレターに書かれた事で…。
職業:医者
シグドラ第六足。
なにげに強い能力を持っている。
職業:力士
シグドラ右蛇頭尾。
噛ませデヴ。それ以外に何もない。
職業:魔縫使い
シグドラ左蛇頭尾。
アメリカ人。35歳。
同時多発テロによって失った家族を取り戻すため旅人となる。
亘が1番始めに戦うシグドラ。
職業:
道化師
亘が初めて戦う旅人。
戦闘中に美鶴にぶっ飛ばされ、そのまま退場。結局帰って来なかった。現世では警官。
職業:陶芸師
昔は男らしかった。
無くした玉を取り戻す為に幻界にやって来た。
追記修正お願いします。
- 原作とはほぼ別物だが完成度は素晴らしいと思う -- 名無しさん (2013-11-22 02:24:39)
- オンバ様の可愛さは異常 -- 名無しさん (2013-12-04 00:14:14)
- ワタルの衣装がダサいのを除けばいい作品だよね -- 名無しさん (2013-12-24 13:09:49)
- ワタルの自分称が戻らなきゃ良かったのになぁ -- 名無しさん (2014-07-07 02:24:09)
- 改変しつつも原作の大事な部分はちゃんと拾ってるし、最後の方はところどころ台詞も原作の使ってたよね。特に最後のワタルとミツルのやりとりはそう来るか・・・と思った。何だかんだ原作愛に溢れてるからこそのこの作品だと思う。 -- 名無しさん (2014-07-11 18:35:46)
- 原作レイプってのは違うと思う。 -- 名無しさん (2015-09-22 15:26:18)
- 終盤に戦うチャンの強さは異常 -- 名無しさん (2015-09-22 16:49:49)
- 「原作レイプ」と言うより「コレジャナイ感」という表現が正しい。ただし、それは「原作のコミカライズ」だと思って読んだ場合。「パラレル」というか「Ifストーリー」というか正しく「新説」だと思って読むとまごう事無き名作 -- 名無しさん (2015-09-22 18:45:31)
- 惰性で追ってたらいつの間にか夢中になってた名作。ワタルの一人称が変わった辺りからはもう目が離せなくなる -- 名無しさん (2015-09-24 21:11:39)
- 香織ちゃんをヒロインにしたのはGJ -- 名無しさん (2016-06-14 04:02:14)
- まごうことなき名作。特に原作の終盤をああいう形で持ってきたのは本当に感動した -- 名無しさん (2016-07-13 17:53:16)
- 原作小説のコミカライズとして見るならば確かに原作レイプすぎるが、一作品として見れば名作に違いない作品 -- 名無しさん (2019-09-16 21:17:18)
最終更新:2024年08月11日 23:40