八段段位認定(IIDX 10th)

登録日:2012/06/27(水) 08:19:48
更新日:2024/04/13 Sat 11:02:53
所要時間:約 4 分で読めます





2004年2月
beatmaniaIIDX10th
何も知らない挑戦者は
絶望し
当時のプレイヤーは
その八段に戦慄した!




これは、アーケード(AC)版のbeatmaniaIIDX 10th styleの段位認定・SP*1八段にて起こった事件である。



段位認定とは?


beatmaniaIIDXには段位認定モードと言うシステムがある。決められた4曲(ダブルプレーは3曲→23 Copulaから4曲)を決められた曲順で演奏し、自分の実力を計るモードである。

○簡単な段位の見方
易←|7級1級初段十段|→難

この項目で説明する八段は上記の通りかなり高い段位である。後に、十段より上の皆伝がシリーズ13作目に登場したが、ここでは割愛する。



本題


とりあえず八段の楽曲と曲順は以下の通り。

1曲目…moon_child
2曲目…雪月花
3曲目…one or eight
4曲目…No.13


これを段位認定用のゲージでプレイし、最後までゲージが残ればその段位は合格となる。

曲目だけみれば、IIDXプレイヤーの方々はバランスのとれた段位だと思うだろう。
実際、これは7KEYS譜面(IIDXの難易度はLIGHT7(現NORMAL)7KEYS(現HYPER)ANOTHER)なら、凶悪な殺しも癖もなく全体的に適度に難しいという、段位認定においてはかなり良質な4曲なのである。


……そう、7KEYS譜面なら。


だが、現実は違った。

( 冥ω殿) 八段に挑戦するお!何でもこいだお!

「moon_child(ANOTHER)」

( 冥д殿) なん……だと……?


この八段、上記の曲全てがANOTHER譜面になっていたため、難易度がとんでもない事になっている。
現在使われる12段階難易度で言えば、(10101010)だったのが、(12121211)。大変な難しさである。

特に最初のmoon_childは前作9thのボス曲的存在であり、15 DJ TROOPERSから18 Resort Anthemまで九段のラスボスであった。
更に2曲目の雪月花もLincle(19作目)の九段ラスボス。
3曲目のone or eightも前作9thと9th(CS)で十段に採用されており、
4曲目のNo.13も当時の最多ノーツを記録した曲であり、13 DistorteDでは十段二曲目、14 GOLD(CS)では九段二曲目、17 SIRIUSでは九段二曲目に採用されている。
前3曲に比べると難易度は劣るとは言え現在でも九段相当の難易度がある。

つまり全ての曲が当時のボスクラスであり、八段にはどうみても荷が重すぎる。
しかも2曲目と4曲目のANOTHER譜面は隠し譜面のため、本来なら第1回INTERNET RANKING終了後に解禁されない限り、通常モード・EXPERTモード共に一切プレイできないはずだった。
加えて、DP*2八段は当時としては普通な曲目*3であったこともあり、これらの事からSP八段は難易度設定ミスだろ常考とささやかれていた。


更にこの時のSP十段の楽曲を見ると……。

1曲目…Spica(A)
2曲目…One More Lovely(A)
3曲目…moon_child(A)
4曲目…No.13(A)

この十段、4曲ともANOTHER譜面であり、曲別の難易度は(11121211)である。
現在の12段式難易度で言えば八段の難易度合計は47で十段の難易度合計は46である。

……あれ、八段のが難しくね?
しかも、最上位段位である十段のうち、2曲が八段と難易度含め同一である。
数値上で見れば八段の方が難しそうに見えるが、2曲目のOne More Lovelyは同作のワンモアボス曲であり、当時としては圧倒的な難易度を誇っていたため、一応十段の方が難しい。
どれぐらい難しかったかっていうとクリアレートが実装された次回作のREDでクリアレートが3%だったぐらい。
ラス殺しばかり注目されるが、BPM200の高速乱打も当時としては前例がなく、最初の1バス付き高速螺旋配置も難しく「ラス殺しだけ」という訳でもなかった。
この曲のおかけでギリギリ最高段位の面目を保てていた。

ついでにSP九段は…

1曲目…EXE(A)
2曲目…Innocent Walls(A)
3曲目…sync(A)
4曲目…quasar(A)

現在使われる12段階難易度で言えば、(10121011)である。
難易度合計は43。どう考えても八段の方が難しい。
つまり、八段はどう見ても7KEYSANOTHERの設定間違いです。
本当にありがとうございました。

勿論修正版の配布は無く*4、プレイヤーたちは絶望にうちひしがれた。おまけにあろうことかこの八段に関しては公式がミスを認めず、正式なコース設定扱いをしやがった。
これが世に言うコンマイクオリティ。

ちなみに、最終的な段位合格者の数は、九段十段八段であった。やっぱりどう考えてもおかしいが、公式が正式な八段だと言うのだからそうだったのだろう。



そして後日発売された家庭用(PS2版)10thのSP八段は…

1曲目:雪月花(7KEYS)
2曲目:No.13(7KEYS)
3曲目:Daisuke(ANOTHER)
4曲目:rainbow rainbow(ANOTHER)

現難易度は(10101011)である。
難易度合計は41。十段はもちろん九段よりも簡単。
おい、これどういうことなのか説明しろコンマイ。
ただ、4曲目のrainbow rainbowもクリアに九段相当の実力が必要な曲だったため、当時としてはそれなりに難しい八段であった。


ついでに、2022年11月現在稼働中である30 RESIDENTのSP八段は…

1曲目:Chewingood!!!(ANOTHER)
2曲目:GOLD RUSH(ANOTHER)
3曲目:Miracle 5ympho X(ANOTHER)
4曲目:Amazing Mirage(ANOTHER)

難易度は(10111011)である。
高速物量譜面で実質☆11の詐称と囁かれているMiracle 5ympho Xがあるため挑戦レベルにはしんどい段位となった…が、それでもAC10th八段には全く及ばない。


11 REDから19 Lincleまでの長い間ACでは八段にANOTHER譜面が採用されなくなったが、この事を引きずっているのではないかと言われているが真相は定かではない。
20 tricoroの八段でGRADIUS 2012のANOTHER譜面が採用されてからは普通にANOTHER譜面が再び入るようになった。



まさかの復活


この八段が伝説として語り継がれるようになって約13年後、奴は帰ってきた…
beatmania IIDX 24 SINOBUZにて2017年3月16日にEXPERTモードの解禁のアナウンスと同時に今作は過去の段位認定コースの一部を再現した「CLASSIC CLASS」が導入されることもアナウンスされた。
この時「SP八段はAC10thからなのでは?」と予想したプレイヤーも少なくなかったが、予想は的中。本当にその通りとなった。
難易度のインフレが進んだとはいえ明らかに現在の八段と比較しても飛びぬけて難しい。
とはいえ当時十段並みと言われていたが、現在では十段の難易度には程遠く、九段並みかそれより少し上ぐらいの難易度と見られている。

ちなみに九段は、AC10th八段ほどじゃないにしろやらかしたAC13 DistorteDから収録されている。
3曲目にConcertino in BlueのANOTHER譜面(当時レベル11現レベル12)が待ち構えており、そのどう見ても詐称な難易度で九段挑戦者を葬った。
Concertino in Blueは次回作でLv12に当然ながら昇格し、CSDDでは十段の1曲目となっているため、スタッフも設定ミスを認めたようだ。*5



余談


上記のように規格外すぎる難しさで有名なAC版10thのSP八段だが、同作のDP十段は(現行作からみると)あまりにも簡単すぎる曲しか入っていないことでも知られている*6。当時はDPで遊ぶプレイヤーが今以上に少なくスタッフのノウハウも足りなかったため仕方ない部分はあるのだが…


家庭用15 DJ TROOPERSのSP八段も10thほどではないがかなり場違いな難易度である。

1曲目:STEEL NEEDLE(HYPER)
2曲目:Innocent Walls(HYPER)
3曲目:MENDES(HYPER)
4曲目:Übertreffen(ANOTHER)

難易度は(10121111)。

AC版でボスだったInnocent Wallsが何故か2曲目に移動している。だが、長らく八段ボスの常連だったgigadelicと同様、ラスト殺しの部分だけ飛び抜けて難しい譜面なので段位でクリアするだけならレベル10の地力があれば可能。しかしその後のMENDESが問題で、前半が人によってはレベル11最強クラスの難しさを誇り、逆に後半はレベル11でも弱いほうというかなり極端な譜面をしているので、前曲の殺しで瀕死のゲージでクリアするのは困難を極める。
さらに言うと4曲目のÜbertreffenもレベル11中堅の譜面であり、ここまでたどり着けるならどうにかなるレベルではあるがそれでも難しいといえる。


当時の八段をクリアした人は追記修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • KONAMI
  • BEMANI
  • beatmaniaIIDX
  • 10th
  • 八段
  • 段位認定
  • KONMAI「仕様です」
  • もう許してやれよ
  • 絶対に許さない
  • コンマイクオリティ
  • 地獄絵図

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月13日 11:02

*1 シングルプレイ。7つの鍵盤と1つのスクラッチを操作して遊ぶモード

*2 ダブルプレイ。14つの鍵盤と2つのスクラッチを操作して遊ぶモード。SPより難易度が高い傾向にある

*3 すべて14KEYS(現HYPER)譜面で、12段階難易度で言えば10、10、10。

*4 この頃はソフト上の大きな不具合発生時は基板などのハードウェアを交換で対応していた時代のため、対応されるのはバグによる無限パターンなどの業務用として致命的な症状位だった。オンラインアップデートの時代となり細かなバグが素早く修正されるようになるのはもう少し後の時代である。

*5 DistorteD新曲のレベル設定自体が全体的におかしい面があり、GOLDで☆12に昇格する☆11が4つもあったり、当時2譜面だけの☆12が一つはGOLDで☆11に降格・もう一方は皆伝常連となる程に格差があったりしていた

*6 12段階難易度で言えば10、10、10で、前作の9thのものよりも二回りほど簡単。